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初めての彼氏・彼女

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暫く時間が経ち自分の精神状態がBLで何とか立ち直り普段着に着替えて自室の扉を開けた。
するとリビングには誰もいない。
あれ?

どこかに出掛けてるのかな?
だけど私に何も言わずに出掛けるなんて……早速彼氏失格じゃん。
帰ってきたら問い詰めてやるんだからっ!!

すっかり彼女気分の私。
自分でもビックリするくらいのラブ脳を発揮している気がする。
さっきまでBLラブだった癖に……って現実と妄想は別物なのっ!!
そんな事最初っから分かってるでしょ、私ぃ~っ。

「ただ今戻りました」



はっ!! 
彼が帰って来た。
何処に言っていたのだろう。
それくらい訊ねてもいいわよね。

「あ、お帰りなさい。何処かにお出かけでしたか?」
「あ、はい……これを買いに……」
「え……?」


彼が上着のポケットから小さな箱を取り出し照れ臭そうな顔をで私に見せた。
小さな白い箱。
こ、これはっ!!
ま、まさかっ!!!


「これ……茜さんにと思って……実は前々から用意していたんです。一応と思って。でももうお渡ししてもいいかなって思ったので取りに行ってたんです」


はいどうぞ、と私の目の前に突き出された右手の中の箱を私は両手でそっと包み込んだ。
開けてもいいですか?
私の問いに、どうぞ、と頭を掻きながら恥ずかしそうに俯く彼。
私はそっと箱を開けるとその中にはリングケースが……箱に入れられたそれを取り出してゆっくりと蓋を開いた。


「うわぁ~……凄く綺麗……え? これ良いんですか? 私貰ってしまって……」
「も、勿論、です……。か、彼女……です、から……」
「……涼太さん……」

きゃーーー!!
何々ぃ~、可愛いとこあんじゃん!!
あのはにかんだ笑顔何何…萌える……、その照れ方めちゃ萌えるんですけどぉ~!


……はっ……って駄目よ、ダメダメ……そういう目で見ないの、私……それにしても凄く綺麗だ。
これ私の指にはまるのかしら?

「指にはめて見て下さい。多分大丈夫だと思いますから」
「は、はい…それでは……」

指輪と取り出して左薬指にそっとはめるとスーッと指に吸い込まれるようにはまった。
ぴったり……なんで私の指のサイズ知ってたんだろう。
あ、もしかして私が寝ている間にこっそり部屋に入って計ったんじゃないでしょうねぇ。
って違うわよね、そんなわけないない、彼がそんな事する勇気なんてない筈だわ。
でも、だとしたらどうやって調べたのかしら?
ものすっごくきになってきちゃったんですけど……。
答え次第ではいきなり宣戦布告っていう展開も、アリ??


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