恋を諦めた私の前に突然痛いイケメン王子様が現れましたっ!!

杏仁豆腐

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交際スタート…でも…

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一日ぶりのマンションに帰って来た。
特に何も変わらない部屋。
私は荷物を自室へ運んだ。
彼が直ぐに話をしたいと言っていたのでキャリーバックの中身はまた後で片づけることにして部屋を出た。

リビングには彼がソファに座って膝に手を当てて俯いている。
私は彼の横に腰かけた。


「茜さん。本当にすみませんでした。僕の軽率な行動で貴女を傷つけてしまったのですね」
「まぁ、私もちゃんと言わなかったのがいけなかったのかもしれません」
「茜さんが喫茶店を出て僕はすぐに社長の娘さんに言いました。そして彼女は理解してくれたんです。僕は彼女を送り届けてここに戻ってきたら、置手紙があって、正直びっくりしました」
「………」
「もう、どうしたらいいのか分からずでした。携帯電話にも出てくれなくて。それで行き当たりばったり探していたんです。本当にここへ帰って来てくれて有難う御座います」


かなりへこんじゃってるのね……。
ちょっとやり過ぎちゃったかも。


「それで、彼女はもう身を引いたんですか?」
「多分大丈夫だと思います」
「多分……?」
「あ、えっと、一応、問題ないと思います」
「なんだかよく分からないお話ですね。私はお役御免ではないということですかね?」
「お役って……僕は茜さんが好きですよ。愛してます」
「……分かりました。もうこのお話は止めましょう。それより昨日大変なことがありました」
「大変な事……?」


私は彼に彼の実家で起こった出来事を掻い摘んで説明をした。
私の両親と彼の両親を今度の土曜日にしてほしいと言われたこと。
まだ私の実家には連絡をしていないという事。
後、電話に出ないから怒っていた事。


「なるほど……そんなことが……」
「と言うか、実家からの電話くらい出てください。危うく一緒に食事する羽目に……」
「食事……?」
「あ、何でもないです。私今から実家に連絡します。こうなったらこの話進めるしかないでしょ?」
「まぁ、そうですね。あの、一ついいですか?」


彼はそう言うと体の向きを私の正面にすると、私の両手を握りしめた。
私と彼の瞳が見つめ合う。


「な、何でしょう」
「結婚しませんか?」
「はい……?」
「結婚、しませんか?」
「それは聞こえてます。唐突に何を言ってるんですか」
「いや、色々考えていたんです。僕がもし結婚できるとしたら茜さんとしか考えられない。そう思ったんです。親を騙すためにこうして居るのは分かってます。でも、どうですか? 茜さんはどう思います?」


い、いきなりそんなことを言われても困るんですけどっ。
ていうか、何気にプ、プ、プ、プロポーズ、されちゃってる? 私ぃ~!!
え!? マジ、マジなの、マジなのかぁぁぁぁ!!




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