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番外編 誕生するイノチ
99 (最終回)
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月日は流れ、安定期も過ぎて予定日に向かって順調に進んでいた。
彼はいざ出産となると慌てふためくと思う。
だって今でもいそいそと不安そうな様子で私に声を掛けるんだもの。
全く、男の人が出産する訳じゃないのにどうして慌てる必要があるのかしらって思ってしまう。
「涼太さん、落ち着いて」
「茜さん。体調は大丈夫ですか!? 何だか心配で仕方がありません」
ずっとこんな調子。
私だって初めて子供を産む不安や痛みに対しての恐怖心があるのだが、彼を見ていると何だかあほらしくなってしまう。
毎日やきもきされると鬱陶しいと言いたいけれどそれを言うと喧嘩になると思い黙って彼のしたいようにさせている。
ここは姉御肌と言うやつだ。
―――そして、病院に入院することになった。
予定日より3日間経っても陣痛が始まらないので自然分娩を諦めて帝王切開に踏み切ることを主治医と確認して入院することになった。
一緒に病院に来ていた彼は先生に何度も説明を求めていたが先生も迷惑そうな表情でそれに答えていた。
「あまり、先生を困らせても仕方がないですから」
「そうですか。分かりました。茜さん。僕は今日から泊りがけで支えたいと思います」
「会社は?」
「大丈夫。常務と専務に任せてあります」
彼の会社は順調に大きくなり今や中堅クラスの会社成長していた。
新たに役員を雇い入れ組織体制も確立していた。
会社の代表がこんなところにいていいの、と彼に訊ねても先程の答えしか返ってこない。
私は諦めて彼の好きにさせてた。
本当は入院時、こっそり持ってきた薄い本を読みながら入院生活を満喫しようと思っていたのに……でもそんな余裕はなかった。
「……っ……い、痛い……」
真夜中の2時過ぎ、急にお腹が痛くなった。
直ぐ傍で寝ていた(個室を借りているのでベッドが二つある)彼が飛び起きて直ぐにナースコールを押した。
陣痛が始まったのだっ!!
痛くて痛くて仕方がない私はずっと痛みに耐え続けた。
直ぐに駆けつけた看護師さんと助産師さんが駆けつけそのまま担架に乗せられ分娩室へ。
――――そして……。
「おぎゃぁ~、おぎゃぁ~っ!!」
彼も分娩室で私の事を支えながらずっと手を握っていてくれた。
生まれてきた赤ちゃんの声がうっすらと聞こえる。
看護師さんが赤ちゃんを白い布で覆って私の胸の当たりに置いて抱かせてくれた。
「元気な男の子です。おめでとう御座います」
「有難う御座います」
直ぐ傍に居た彼はうれし涙を流しながら私の頭を優しく撫でてくれた。
よく頑張ってくれた、と何度も何度も何度も私に言いながら……。
あれから、今日で1年が過ぎた。赤ん坊の名前は『大樹』と名付けた。
大器晩成で育ってほしいと彼の両親…と言うか彼の父親がそう名付けてくれたのだ。私の両親も喜んでくれて遠くから私たちの子供に愛に来てくれていた。
「今日で大樹も一才ですね。茜さん」
「そうですね。もう一年たつんだなぁ~って感じです」
「本当ですね。僕は凄く今幸せです」
「私もですよ。涼太さんと大樹が居てくれて本当に幸せ者です」
新しい家族を迎えた私たち。
本当に今が幸せな時期だ。
これから三人でどんな試練も乗り越えて頑張っていきたい。
でも、子供が出来たからと言って私の趣味は変わらない。BLは別物なのだ。
それにしても…私が結婚して子供が出来るなんて本当に夢みたいだ。
26歳まで恋愛経験が全くない私が、いきなり出会った彼と結婚して子供まで授かるとは思わなかったな。そうそう、幸恵にも同じことを言われたっけ。
『あんた、運が良いんだよ。イケメンでお金持ちで、ちょっと性格的には難ありだけど。茜にぴったりな旦那さんじゃない』
本当にそうだね、私はそう言って二人で笑ったっけ。
「これからも末永く宜しくお願いします。涼太さん」
「い、いきなりどうしたんです!?」
「何となく……です」
「此方こそ、宜しくお願いします」
いつも二人で座っていたソファに私は大樹を抱きながら、彼は私の傍に座って二人で大樹の事を見つめていた。
恋を諦めた腐女子な私、出会いも結婚も子供さえ諦めていたけれど、清水涼太というちょっと痛いイケメン王子に出会って……今とっても幸せですっ!!
―――――おわり ―――――
彼はいざ出産となると慌てふためくと思う。
だって今でもいそいそと不安そうな様子で私に声を掛けるんだもの。
全く、男の人が出産する訳じゃないのにどうして慌てる必要があるのかしらって思ってしまう。
「涼太さん、落ち着いて」
「茜さん。体調は大丈夫ですか!? 何だか心配で仕方がありません」
ずっとこんな調子。
私だって初めて子供を産む不安や痛みに対しての恐怖心があるのだが、彼を見ていると何だかあほらしくなってしまう。
毎日やきもきされると鬱陶しいと言いたいけれどそれを言うと喧嘩になると思い黙って彼のしたいようにさせている。
ここは姉御肌と言うやつだ。
―――そして、病院に入院することになった。
予定日より3日間経っても陣痛が始まらないので自然分娩を諦めて帝王切開に踏み切ることを主治医と確認して入院することになった。
一緒に病院に来ていた彼は先生に何度も説明を求めていたが先生も迷惑そうな表情でそれに答えていた。
「あまり、先生を困らせても仕方がないですから」
「そうですか。分かりました。茜さん。僕は今日から泊りがけで支えたいと思います」
「会社は?」
「大丈夫。常務と専務に任せてあります」
彼の会社は順調に大きくなり今や中堅クラスの会社成長していた。
新たに役員を雇い入れ組織体制も確立していた。
会社の代表がこんなところにいていいの、と彼に訊ねても先程の答えしか返ってこない。
私は諦めて彼の好きにさせてた。
本当は入院時、こっそり持ってきた薄い本を読みながら入院生活を満喫しようと思っていたのに……でもそんな余裕はなかった。
「……っ……い、痛い……」
真夜中の2時過ぎ、急にお腹が痛くなった。
直ぐ傍で寝ていた(個室を借りているのでベッドが二つある)彼が飛び起きて直ぐにナースコールを押した。
陣痛が始まったのだっ!!
痛くて痛くて仕方がない私はずっと痛みに耐え続けた。
直ぐに駆けつけた看護師さんと助産師さんが駆けつけそのまま担架に乗せられ分娩室へ。
――――そして……。
「おぎゃぁ~、おぎゃぁ~っ!!」
彼も分娩室で私の事を支えながらずっと手を握っていてくれた。
生まれてきた赤ちゃんの声がうっすらと聞こえる。
看護師さんが赤ちゃんを白い布で覆って私の胸の当たりに置いて抱かせてくれた。
「元気な男の子です。おめでとう御座います」
「有難う御座います」
直ぐ傍に居た彼はうれし涙を流しながら私の頭を優しく撫でてくれた。
よく頑張ってくれた、と何度も何度も何度も私に言いながら……。
あれから、今日で1年が過ぎた。赤ん坊の名前は『大樹』と名付けた。
大器晩成で育ってほしいと彼の両親…と言うか彼の父親がそう名付けてくれたのだ。私の両親も喜んでくれて遠くから私たちの子供に愛に来てくれていた。
「今日で大樹も一才ですね。茜さん」
「そうですね。もう一年たつんだなぁ~って感じです」
「本当ですね。僕は凄く今幸せです」
「私もですよ。涼太さんと大樹が居てくれて本当に幸せ者です」
新しい家族を迎えた私たち。
本当に今が幸せな時期だ。
これから三人でどんな試練も乗り越えて頑張っていきたい。
でも、子供が出来たからと言って私の趣味は変わらない。BLは別物なのだ。
それにしても…私が結婚して子供が出来るなんて本当に夢みたいだ。
26歳まで恋愛経験が全くない私が、いきなり出会った彼と結婚して子供まで授かるとは思わなかったな。そうそう、幸恵にも同じことを言われたっけ。
『あんた、運が良いんだよ。イケメンでお金持ちで、ちょっと性格的には難ありだけど。茜にぴったりな旦那さんじゃない』
本当にそうだね、私はそう言って二人で笑ったっけ。
「これからも末永く宜しくお願いします。涼太さん」
「い、いきなりどうしたんです!?」
「何となく……です」
「此方こそ、宜しくお願いします」
いつも二人で座っていたソファに私は大樹を抱きながら、彼は私の傍に座って二人で大樹の事を見つめていた。
恋を諦めた腐女子な私、出会いも結婚も子供さえ諦めていたけれど、清水涼太というちょっと痛いイケメン王子に出会って……今とっても幸せですっ!!
―――――おわり ―――――
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ご感想有難う御座います(=^・^=)
そうですねぇ~。ほんとに彼は分からないことだらけなんです(^▽^;)
今後も是非お付き合いの程宜しくお願い致しますm(__)m
投稿お疲れ様です。この後の展開が気になってきました。どう展開するのかなぁ~。
有難う御座いますm(__)m
右往左往すると思いますがお付き合い宜しくお願いします。