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第六話①
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城に到着した私達はすぐに国王に謁見させてもらう旨を宰相に伝えた。学園に魔族らしき魔物が出現し、宣戦布告したことを伝えたほしいと…。
前世の私がプレイしていた乙女ゲーム『プリンス☆オブ☆ザ☆リベンジ』通称『プリリべ』の世界でも魔族との闘いのイベントはあった。
しかし魔族と対峙するのは主人公であるアフロディーテと攻略対象者達による特別パーティだったはずなのだ。
そこに私、つまり悪役王女『アムルディーナ』は全く関係ない。このイベントにこのキャラが登場することはなかったはずなのだ。それなのに現実では私が中心とした進行になっている。やはりこの世界はゲームの世界と似ている部分はあるが話の中心が主人公『アフロディーテ』ではなく『アムルディーナ』に変異してしまっている世界なのだと確信してしまいたくなる事象だ…。
そう考えるとこれから起こることも全て私が変わることになる。前世のゲーム知識ではもう役に立つことも少なくなってしまっているのかもしれない。そう考えるとどう行動すればいいのかわからなくなってしまう。
このまま考え込んでも仕方ないわ。ゲーム知識は予備知識として参考程度にしておく必要がありそうね。全てが全く違うイベント進行ではないのだし。ただ私が主人公にとって代わっているだけの世界なんだわ。だったらもう腹くくってやるしかないじゃない。前世のゲームオタクJKをなめてもらっては困るわ。
私はそう思いながら国王の待つ謁見の間で待機していた。私の隣には弟のディルンガル第一王子であり私の可愛い弟がいる。そして私の後ろには第一王女専属メイド『ラミア・フォン・バーバル委尺令嬢』と、王城筆頭メイド長『デニス・フォン・ヴァルヴァンス侯爵令嬢』が控えており、その後ろに幼馴染のアグニ―ル、カミーラ、ラートリー、そしてアフロディーテが控えていた。
国王と王妃が揃って謁見の間に現れるとお二人は王座へと腰かけた。隣に控えていた宰相『ウェインデル公爵』が進行を務める。そして皆跪き国王のお言葉を待っていた。
「皆、よくぞ集まってくれた。面を上げよ。学園で何があったか説明せよ。第一王女よ」
「はい。国王陛下。では率直に何が起こったのかご説明いたします」
このメンバーで一番偉い順でいうと私ということになる。
なので皆の代表として国王に事の顛末を包み隠さず話した。
「…なるほど。遂に現れたか…」
「え…?国王陛下はこうなるとご存じでいらっしゃったでしょうか?」
私の疑問に国王は顎髭を触りながら小さく頷いた隣で黙っていた妃殿下が口元を扇子で隠しながら話を始められた。
「ここからは私がご説明いたします。」
国王の隣に座る彼女、王妃がそういうとことの顛末を語りだした。
「大昔、この国は以前魔族と呼ばれる魔物たちの襲撃にあいました。その際、『勇者』とその『聖女』と呼ばれた二組のパーティが立ち向かい、かの魔族を撃退いたしました。その後彼らはこの国の代表として新たな国を建国したのです。その子孫が私たち、とうことなのです。この国名『ブリュンヒルデ』の意とは『勇猛な武人の女性』という意味です。つまりこの国の勇者は女性、そして聖女もまた女性。この国が女尊男碑になった経緯なのです」
ゲームの設定どおりの説明だった。そう、このゲームは乙女ゲームと銘打っているが、その裏では『百合ゲーム』とも言われていた。確かに隠しルート『百合モード』があることはネットで情報が流れていたのを私は知っているのだ。
ゲーム設定どおりということは魔族との対峙は第一王女の私と聖女であるアフロディーテが中心となることが確定したようなもの。
本来のゲームではここにいる私以外のパーティで悪魔討伐イベントなのだが…。妃殿下は話を続けた。
「本来、勇者の血族である私が討伐へ赴くのが筋でありますが、すでに私にはその力は残されておりません。なぜなら、一度子を授かるとその力は子へと継承されてしまうのです。つまり、第一王女アムルディーナが今現在の勇者の直系、ということになります。そして補佐として聖女、つまりアフロディーテ、貴女が聖女として勤めを果たすのです」
「え…?わ、わた、し、ですか?私に、その力が…?」
名を呼ばれたアフロディーテが困惑していた。私はゲームのストーリーを知っているからこの話を理解することは出来る、しかし今の彼女は知るはずもない。何も知らない彼女が困惑するのも無理もない突拍子もない話なのだ。
王妃は彼女の不安と疑問について丁寧に説明をしたのだった。
前世の私がプレイしていた乙女ゲーム『プリンス☆オブ☆ザ☆リベンジ』通称『プリリべ』の世界でも魔族との闘いのイベントはあった。
しかし魔族と対峙するのは主人公であるアフロディーテと攻略対象者達による特別パーティだったはずなのだ。
そこに私、つまり悪役王女『アムルディーナ』は全く関係ない。このイベントにこのキャラが登場することはなかったはずなのだ。それなのに現実では私が中心とした進行になっている。やはりこの世界はゲームの世界と似ている部分はあるが話の中心が主人公『アフロディーテ』ではなく『アムルディーナ』に変異してしまっている世界なのだと確信してしまいたくなる事象だ…。
そう考えるとこれから起こることも全て私が変わることになる。前世のゲーム知識ではもう役に立つことも少なくなってしまっているのかもしれない。そう考えるとどう行動すればいいのかわからなくなってしまう。
このまま考え込んでも仕方ないわ。ゲーム知識は予備知識として参考程度にしておく必要がありそうね。全てが全く違うイベント進行ではないのだし。ただ私が主人公にとって代わっているだけの世界なんだわ。だったらもう腹くくってやるしかないじゃない。前世のゲームオタクJKをなめてもらっては困るわ。
私はそう思いながら国王の待つ謁見の間で待機していた。私の隣には弟のディルンガル第一王子であり私の可愛い弟がいる。そして私の後ろには第一王女専属メイド『ラミア・フォン・バーバル委尺令嬢』と、王城筆頭メイド長『デニス・フォン・ヴァルヴァンス侯爵令嬢』が控えており、その後ろに幼馴染のアグニ―ル、カミーラ、ラートリー、そしてアフロディーテが控えていた。
国王と王妃が揃って謁見の間に現れるとお二人は王座へと腰かけた。隣に控えていた宰相『ウェインデル公爵』が進行を務める。そして皆跪き国王のお言葉を待っていた。
「皆、よくぞ集まってくれた。面を上げよ。学園で何があったか説明せよ。第一王女よ」
「はい。国王陛下。では率直に何が起こったのかご説明いたします」
このメンバーで一番偉い順でいうと私ということになる。
なので皆の代表として国王に事の顛末を包み隠さず話した。
「…なるほど。遂に現れたか…」
「え…?国王陛下はこうなるとご存じでいらっしゃったでしょうか?」
私の疑問に国王は顎髭を触りながら小さく頷いた隣で黙っていた妃殿下が口元を扇子で隠しながら話を始められた。
「ここからは私がご説明いたします。」
国王の隣に座る彼女、王妃がそういうとことの顛末を語りだした。
「大昔、この国は以前魔族と呼ばれる魔物たちの襲撃にあいました。その際、『勇者』とその『聖女』と呼ばれた二組のパーティが立ち向かい、かの魔族を撃退いたしました。その後彼らはこの国の代表として新たな国を建国したのです。その子孫が私たち、とうことなのです。この国名『ブリュンヒルデ』の意とは『勇猛な武人の女性』という意味です。つまりこの国の勇者は女性、そして聖女もまた女性。この国が女尊男碑になった経緯なのです」
ゲームの設定どおりの説明だった。そう、このゲームは乙女ゲームと銘打っているが、その裏では『百合ゲーム』とも言われていた。確かに隠しルート『百合モード』があることはネットで情報が流れていたのを私は知っているのだ。
ゲーム設定どおりということは魔族との対峙は第一王女の私と聖女であるアフロディーテが中心となることが確定したようなもの。
本来のゲームではここにいる私以外のパーティで悪魔討伐イベントなのだが…。妃殿下は話を続けた。
「本来、勇者の血族である私が討伐へ赴くのが筋でありますが、すでに私にはその力は残されておりません。なぜなら、一度子を授かるとその力は子へと継承されてしまうのです。つまり、第一王女アムルディーナが今現在の勇者の直系、ということになります。そして補佐として聖女、つまりアフロディーテ、貴女が聖女として勤めを果たすのです」
「え…?わ、わた、し、ですか?私に、その力が…?」
名を呼ばれたアフロディーテが困惑していた。私はゲームのストーリーを知っているからこの話を理解することは出来る、しかし今の彼女は知るはずもない。何も知らない彼女が困惑するのも無理もない突拍子もない話なのだ。
王妃は彼女の不安と疑問について丁寧に説明をしたのだった。
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