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第五話 茶会
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冒険者なのか。私はてっきり騎士を目指すのだと思っていたが。そうか、冒険者、か…。なぜ冒険者なのだ?」
あまり冒険者の職には就かせたくない様子が伺える。父親の質問に答えた。
「騎士は組織が厳しそうで、僕には合いそうもありません。冒険者なら自由に行動出来るから楽しそうだなと思い選びました。冒険者になるとなると今から出席するお披露目会は台無しになってしまい申し訳ないのですが」
貴族が冒険者を選択した場合、婚約者を決める権利が消失するのだ。その理由は冒険者はとても危険な職業だから。何の保証もなく、ギルドはあるがただの依頼あっせん業務のみ。いつ死ぬかもわからない状態で婚約することは相手側に対して不誠実ということで解消するか、最初から婚約しないことになっているのだ。俺がそう答えると父親は少し苦笑いしながら窓の外を見つめた。母親は黙ってその話を聞いていた。
会場に到着し両親に連れられ会場内に入場した。多くの貴族や子息令嬢が参加していた。両親は他の貴族に挨拶をすると言い残しどこかへ行ってしまった。俺は婚約しないのが決定していることもあり、隅っこところで一人で立ちすくんでいた。目の前の俺と同じ年の子度と男女は楽しそうに自分をアピールしてお見合いへ進めようとしていた。普通の貴族なら当然の行動だ。俺が異常なのだと理解している。
暫く一人でいると一人の令嬢が俺に声を掛けてきた。俺より少し背の低い可愛らしい顔立ちの美少女だった。
「ごきげんよう。貴方様おひとりですか?」
俺はその質問に頷いた。俺の顔は平均値の影響でイケメンではない。どうせ声掛けするだけだろうと思った。すると彼女は自己紹介を始めた。
「わたくしの名前は、ビーゲル・フォン・アルビエルと申します。貴方様のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
俺はあいさつ程度だけだと思っていたので少し驚いた。慌てて手にしていたグラスをテーブルに置くと一礼してから話し出した。
「これは申し遅れました。僕の名は、ホープ・フォン・ドーベルベンと申します」
そう答えると彼女は可愛らしい笑顔で会釈した。何を話したか覚えていなかった数分立ち話をした後彼女はどこかに行ってしまった。こうして時間は過ぎ去りお披露目会は終了。俺たちは屋敷に帰路した。
お披露目会から数年が経過し、兄は22歳の誕生日を迎え、俺は17歳の誕生日を迎えた。兄はすでに婚約者との婚姻を済ませて屋敷の敷地内にある別宅で過ごしている。家督を継ぐ兄はとても忙しそうにしていた。俺はというと、家を出る準備のための資金や必要物資の準備をしつつ、日々の鍛錬や勉学に励んでいた。もう準備が整い次第俺は屋敷を出る事になっている。予定通り冒険者として生活を始める。そんな俺に父や母、兄弟たちが心配しているが伝わってくる。でも大丈夫、日々の鍛錬やこっそり魔物退治をしているおかげでステータスの大幅上昇に成功していた。さらにスキルや魔法にも大幅アップになっていた。相変わらず異常なステータスなので隠蔽している。
ステータス画面(現在)
氏名:ホープ・フォン・ドーベルベン
性別:男
レベル:70
HP:850000
MP:580000
獲得EX:24890692
スキル:ユニークスキル「平均値」、「万物創造」、「アイテムボックス(無限)」、「隠蔽」、「鑑定」、「祝福」、「状態異常」、「身体強化」
魔法:火属性大級、水属性大級、土属性大級、風属性大級、光属性特級、闇属性大級
持ち物:上流貴族服一式、ミスリス防具一式、魔法剣、旅備品一式
その他:すべての言語の会話、読み書きが可能。
あまり冒険者の職には就かせたくない様子が伺える。父親の質問に答えた。
「騎士は組織が厳しそうで、僕には合いそうもありません。冒険者なら自由に行動出来るから楽しそうだなと思い選びました。冒険者になるとなると今から出席するお披露目会は台無しになってしまい申し訳ないのですが」
貴族が冒険者を選択した場合、婚約者を決める権利が消失するのだ。その理由は冒険者はとても危険な職業だから。何の保証もなく、ギルドはあるがただの依頼あっせん業務のみ。いつ死ぬかもわからない状態で婚約することは相手側に対して不誠実ということで解消するか、最初から婚約しないことになっているのだ。俺がそう答えると父親は少し苦笑いしながら窓の外を見つめた。母親は黙ってその話を聞いていた。
会場に到着し両親に連れられ会場内に入場した。多くの貴族や子息令嬢が参加していた。両親は他の貴族に挨拶をすると言い残しどこかへ行ってしまった。俺は婚約しないのが決定していることもあり、隅っこところで一人で立ちすくんでいた。目の前の俺と同じ年の子度と男女は楽しそうに自分をアピールしてお見合いへ進めようとしていた。普通の貴族なら当然の行動だ。俺が異常なのだと理解している。
暫く一人でいると一人の令嬢が俺に声を掛けてきた。俺より少し背の低い可愛らしい顔立ちの美少女だった。
「ごきげんよう。貴方様おひとりですか?」
俺はその質問に頷いた。俺の顔は平均値の影響でイケメンではない。どうせ声掛けするだけだろうと思った。すると彼女は自己紹介を始めた。
「わたくしの名前は、ビーゲル・フォン・アルビエルと申します。貴方様のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
俺はあいさつ程度だけだと思っていたので少し驚いた。慌てて手にしていたグラスをテーブルに置くと一礼してから話し出した。
「これは申し遅れました。僕の名は、ホープ・フォン・ドーベルベンと申します」
そう答えると彼女は可愛らしい笑顔で会釈した。何を話したか覚えていなかった数分立ち話をした後彼女はどこかに行ってしまった。こうして時間は過ぎ去りお披露目会は終了。俺たちは屋敷に帰路した。
お披露目会から数年が経過し、兄は22歳の誕生日を迎え、俺は17歳の誕生日を迎えた。兄はすでに婚約者との婚姻を済ませて屋敷の敷地内にある別宅で過ごしている。家督を継ぐ兄はとても忙しそうにしていた。俺はというと、家を出る準備のための資金や必要物資の準備をしつつ、日々の鍛錬や勉学に励んでいた。もう準備が整い次第俺は屋敷を出る事になっている。予定通り冒険者として生活を始める。そんな俺に父や母、兄弟たちが心配しているが伝わってくる。でも大丈夫、日々の鍛錬やこっそり魔物退治をしているおかげでステータスの大幅上昇に成功していた。さらにスキルや魔法にも大幅アップになっていた。相変わらず異常なステータスなので隠蔽している。
ステータス画面(現在)
氏名:ホープ・フォン・ドーベルベン
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レベル:70
HP:850000
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スキル:ユニークスキル「平均値」、「万物創造」、「アイテムボックス(無限)」、「隠蔽」、「鑑定」、「祝福」、「状態異常」、「身体強化」
魔法:火属性大級、水属性大級、土属性大級、風属性大級、光属性特級、闇属性大級
持ち物:上流貴族服一式、ミスリス防具一式、魔法剣、旅備品一式
その他:すべての言語の会話、読み書きが可能。
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