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1章 怪盗デュークと至宝のアクアマリン
2.子供が生まれました
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「ママー抱っこ」
「ママじゃない。パパだよ。もう二度と間違えちゃ駄目だよ」
僕の足元に、大事な愛娘が駆け寄ってきた。僕と同じ金髪をもっており、その瞳は父親譲りの赤い瞳が輝く。あと数ヶ月で三歳になるのだが、将来は絶対に美人さんになるのが分かるほど愛らしい見た目をしている。僕は娘のメルを大事に抱え上げた。
「ママ、ごはん」
「だからママじゃないよ。いやひょっとしてまんまって言ったのかな。多分そうだね」
「先輩・・・。いい加減自分がママって認めてください」
「みはえるパパ!ごはん!!」
「そっちはパパじゃないよ。パパは僕だよ」
メルがパパといったのは助手のミハエルにだ。断じてミハエルは父親ではない。非常にむかつくことに、この子の父親はあの憎き怪盗だった。
およそ三年以上前、僕は憎き怪盗デュークにヤリ捨てされた。発情期という弱みに付け込まれ、僕は足を開かざるを得なかったのだ。結果美術館の財宝は奪われ、新聞からは名探偵シアンの惨敗と言われ、当時付き合っていた彼女には振られた。もう散々だ。
「ほうらメルちゃん、あーん」
「おいし!」
結果、僕の体には命が宿った。女の子だった。怪盗に人生を狂わされたのは最悪だったものの、こんなにかわいい娘が出来たのだけは幸いだった。
(父親のことは、伝えられないよなあ)
君の父親は犯罪者なんだよ、なんてことは口が裂けても言えなかった。けれど言えなかった結果、僕のことを母親と認識し、ミハエルのことを父親と認識するという状況になってしまってるという。僕は娘のことを父親として育てているはずだが、何度躾てもママと呼ぶのだ。
「みはえるパパありがと!!」
「だからパパは僕のことだからね」
「メルちゃんは偉いねー。ちゃんと父親が誰か分かってて」
「ミハエル君。新しいお家探してた時にこういうやり取りしたせいで変な目で見られたでしょ?やめなさい」
ミハエルは頬を膨らませ抗議する。
そう、以前使っていた探偵事務所は移ることになったのだ。理由はただ一つ。資金難だった。僕はデュークの子を身ごもり、出産を経た結果収入が途絶えた。追い出された。そこから転々とし、今の喫茶店の二階に住み込んでいる。
「僕は以前のテナント好きでしたけどね。滅多に誰もこないから先輩と二人きりでいられて、とても幸せでした」
「あの場所でミハエル君の入れた紅茶を飲みながら一服するのが本当に幸せだったよ。ああ、懐かしい」
「あの怪盗デュークから養育費が定期的に届くんですよね?市民の給料の10年の年収クラスが届くんだから、素直に貰っておけばいいのに」
「嫌だね。そんな汚い金。絶対使いたくない」
というわけで事務所はたたみ、現在は1階の喫茶店で働きながら、僕の探偵業を知っている人が直接訪問してくるというシステムになっている。しかし探偵業の方は相変わらず警察関係しか来ず、ほぼ毎日喫茶店でバイトをしているため本業がどっちだかわからない状態になっているが。
「あのお金はミハエル君が持っていきなさい。僕は君に基本給しか渡せていないんだ。雇用主として本当に申し訳ない。喫茶店も手伝わせてるし」
「僕は先輩と一緒にいられればどこでもいいんです!!そんなことを言わないでください!!」
「ミハエル君・・・」
ということであの養育費は手を付けずに放置している状態だ。ここの喫茶店のオーナーは町子さんという。年齢は60代で、異国からやってきて趣味でこの国で喫茶店を開いている。彼女の恩情により僕はここに置いてもらっていた。
「あんたら駄弁ってないでとっととコーヒーいれな!!客を待たせんじゃないよ!!」
「でも町子さん!!コーヒーより紅茶のほうがおいしいと僕は思います」
「うるっさいね、喫茶店で紅茶なんて軟弱な飲み物飲む奴、この店には来んじゃないよ!!」
客を選ぶオーナーである。落ち着いた空気のため常連は多いが、町子さんの圧が強くて新規は寄り付かない。なかなか怖い人なのだ。けれど、メルは彼女のことを好いており「ばば!」と言ってはすり寄る。町子さんも悪い気はしないのか、頭を撫でているのが本当に見ていて嬉しい。
カランカラン
「いらっしゃいませ」
会話をしている最中、お客さんがやってきた。なお、この国にやってきた客に「いらっしゃい」と呼びかける文化はない。けれど町子さんのいた国ではこうやって挨拶をするらしく、僕もその習慣が今では根付いていた。
「シアン君、こんにちは。今日もブレンドお願い出来るかな」
(ディアさん、今日も来てくれた)
ディアさん。どこかの貴族と思うほど洗練された歩き方、座り方をし、物静かな佇まいのとても美しい青年だ。黒い髪は濡れ鴉の羽のように繊細で美しく、赤い瞳はルビーを思わせる美しさ。黒いロングコートなど彼以上に似合う人間なんていないだろう。ここの常連で、とても博識な彼と話すことが僕の楽しみになっている。
ディアさんが窓際奥のソファーに座ったのを見届け、僕は急いで豆を挽き、湯を注ぐ。ディアさんは僕の一挙手一投足をつぶさに観察し、楽しそうに微笑んでいる。普段クールな彼のその表情に、僕は嬉しさを感じていた。
「ディアさん、どうぞ」
「ありがとう。うん、君のコーヒーが一番僕は好きだよ」
自分の作ったものを幸せそうに飲む人がいる。彼たっての希望で、コーヒーを入れた後は正面に座り、彼の話し相手になるのが習慣だ。小町さんも彼と話しているときはとやかく言わない。
ディアさんは机に肘をつき、手を頬に当て僕の顔を覗き込む。
「シアン君、体調はどうかな?男の身で子育てしてるんだ、いろいろ大変だろう」
「いえ、町子さんやミハエル君の協力あって何とかできています。まあ、正直言いますと金銭はかつかつなんですけどね・・・あはは」
「それは世知辛いね」
ディアさんはコーヒーを楽しみながら、僕のほうに心配そうな視線を向ける。彼は定期的に僕とメルにプレゼントを渡してくれる。客人だというのに本当に申し訳ない。
「話は変わって申し訳ないのだけれど、実は僕は最近、宝石業の人を家に呼んでね。その際に懇意にしている礼ということで試作品を貰ったんだ」
「へえ、やっぱりディアさんはすごいですね!」
家に呼ぶ、ということはやはり彼はよっぽどの地位の人なのだろう。彼は立ち上がり、僕に近づいた。そして何だろうと思っている僕の耳に手を近づける。
「これは・・・イヤリング?」
「そう、僕の瞳と一緒の色のルビーのイヤリングなんだ。子育ての身でピアスはだめだと思ったから、よければ君に貰ってほしい」
「僕に・・・・って、え!?」
僕は慌ててイヤリングを取り、手の中の宝石を見る。そこにはおよそ5カラットの輝きがあった。
「ちょっ、ディアさん!?こんな高価なもの試作品と言ってほいほい渡していいものでは」
「いいんだよ。ルビーには仕事運上昇のお守り効果があってね。どうせ僕には合わないから、ぜひ君にと思って。いらなかったら売ったり捨てたりしてほしい」
さらっと言われた。というか、こんなきれいな赤い瞳している人のほうが絶対にルビーは映えると思う。
そしてこれは最低でも1万ゴールドはいく。少なくともこんな風にさらっと渡して良いものでもない。けれど僕の耳に揺らぐ赤い石を見て、ディアさんは嬉しそうに微笑んだ。僕は観念して、受け取ることにしたが、やはり申し訳なくは思う。イヤリングってちょっとの衝撃で落とすから本当ならネックレスとかのほうが嬉しかったような気もするけれど。
そんな俺たちの空気を、隣から不満げな表情で見ている者が二名。
「ママ、浮気、だめ!!」
メルはとてとてとディアさんに近づき、その長い脚にパンチをするが、しかして所詮幼児。ディアさんはさして気にすることもなく、ゆったりとコーヒーを楽しむ。
「こらメル!お客様になんてことするんだ!」
「あいつ、きらい!!」
「ディアさん、いつもごめんなさい。なぜかディアさんのことは苦手なようでして」
一方のディアさんは本当に気にも留めてない。それどころか僕のイヤリングを見て嬉しそうにただ微笑んでる。
「ぜひ次のお仕事にはイヤリングを付けていってほしいよ。君の活躍を紙面で見るのが僕はとても楽しいのだから」
「え、あ、はい」
渡してくれた張本人がそういうのなら付けていこう。ミハエルは暴れるメルを抱きかかえ、けれどディアさんのことは渋い顔で見ている。以前になんでそんな顔で見るのか聞いたところ、「なんかあの人表面上は取り繕ってるけど裏では腹黒そうなんですよね」と言っていた。そのまま暴れ疲れたメルを抱えて二階へ連れていく。
「ごちそうさまでした。シアン君と過ごすこの時間がとても幸せなんだ」
「いえいえ、ありがとうございました」
「仕事は焦ることはないからね。また活躍できる場はすぐにやってくるだろうから」
「あはは・・・」
世間では一部の人から「へっぽこ探偵」なんて言われているが、しかし僕の手腕を見てくれる人もちゃんといる。故になんとか探偵業も存続できているが、しかし大事件がないことには僕もどうしようもないのだ。まあ、世間の平和を思うなら大事件なんて起こらない方がいいには決まっているのだが・・・。
「では僕はこれで」
カランカランと再び音が鳴ってディアさんは去っていった。本当に品の良い人だ。
そんな折、店の中に高い機械音が響き渡る。電話だ。町子さんは電話の受話器を取り、しばらく「ふんふん」と返事をして聞いていた。そして僕を見る。
「シアン!!博物館に怪盗の予告状が届いたそうだよ!!」
「ママじゃない。パパだよ。もう二度と間違えちゃ駄目だよ」
僕の足元に、大事な愛娘が駆け寄ってきた。僕と同じ金髪をもっており、その瞳は父親譲りの赤い瞳が輝く。あと数ヶ月で三歳になるのだが、将来は絶対に美人さんになるのが分かるほど愛らしい見た目をしている。僕は娘のメルを大事に抱え上げた。
「ママ、ごはん」
「だからママじゃないよ。いやひょっとしてまんまって言ったのかな。多分そうだね」
「先輩・・・。いい加減自分がママって認めてください」
「みはえるパパ!ごはん!!」
「そっちはパパじゃないよ。パパは僕だよ」
メルがパパといったのは助手のミハエルにだ。断じてミハエルは父親ではない。非常にむかつくことに、この子の父親はあの憎き怪盗だった。
およそ三年以上前、僕は憎き怪盗デュークにヤリ捨てされた。発情期という弱みに付け込まれ、僕は足を開かざるを得なかったのだ。結果美術館の財宝は奪われ、新聞からは名探偵シアンの惨敗と言われ、当時付き合っていた彼女には振られた。もう散々だ。
「ほうらメルちゃん、あーん」
「おいし!」
結果、僕の体には命が宿った。女の子だった。怪盗に人生を狂わされたのは最悪だったものの、こんなにかわいい娘が出来たのだけは幸いだった。
(父親のことは、伝えられないよなあ)
君の父親は犯罪者なんだよ、なんてことは口が裂けても言えなかった。けれど言えなかった結果、僕のことを母親と認識し、ミハエルのことを父親と認識するという状況になってしまってるという。僕は娘のことを父親として育てているはずだが、何度躾てもママと呼ぶのだ。
「みはえるパパありがと!!」
「だからパパは僕のことだからね」
「メルちゃんは偉いねー。ちゃんと父親が誰か分かってて」
「ミハエル君。新しいお家探してた時にこういうやり取りしたせいで変な目で見られたでしょ?やめなさい」
ミハエルは頬を膨らませ抗議する。
そう、以前使っていた探偵事務所は移ることになったのだ。理由はただ一つ。資金難だった。僕はデュークの子を身ごもり、出産を経た結果収入が途絶えた。追い出された。そこから転々とし、今の喫茶店の二階に住み込んでいる。
「僕は以前のテナント好きでしたけどね。滅多に誰もこないから先輩と二人きりでいられて、とても幸せでした」
「あの場所でミハエル君の入れた紅茶を飲みながら一服するのが本当に幸せだったよ。ああ、懐かしい」
「あの怪盗デュークから養育費が定期的に届くんですよね?市民の給料の10年の年収クラスが届くんだから、素直に貰っておけばいいのに」
「嫌だね。そんな汚い金。絶対使いたくない」
というわけで事務所はたたみ、現在は1階の喫茶店で働きながら、僕の探偵業を知っている人が直接訪問してくるというシステムになっている。しかし探偵業の方は相変わらず警察関係しか来ず、ほぼ毎日喫茶店でバイトをしているため本業がどっちだかわからない状態になっているが。
「あのお金はミハエル君が持っていきなさい。僕は君に基本給しか渡せていないんだ。雇用主として本当に申し訳ない。喫茶店も手伝わせてるし」
「僕は先輩と一緒にいられればどこでもいいんです!!そんなことを言わないでください!!」
「ミハエル君・・・」
ということであの養育費は手を付けずに放置している状態だ。ここの喫茶店のオーナーは町子さんという。年齢は60代で、異国からやってきて趣味でこの国で喫茶店を開いている。彼女の恩情により僕はここに置いてもらっていた。
「あんたら駄弁ってないでとっととコーヒーいれな!!客を待たせんじゃないよ!!」
「でも町子さん!!コーヒーより紅茶のほうがおいしいと僕は思います」
「うるっさいね、喫茶店で紅茶なんて軟弱な飲み物飲む奴、この店には来んじゃないよ!!」
客を選ぶオーナーである。落ち着いた空気のため常連は多いが、町子さんの圧が強くて新規は寄り付かない。なかなか怖い人なのだ。けれど、メルは彼女のことを好いており「ばば!」と言ってはすり寄る。町子さんも悪い気はしないのか、頭を撫でているのが本当に見ていて嬉しい。
カランカラン
「いらっしゃいませ」
会話をしている最中、お客さんがやってきた。なお、この国にやってきた客に「いらっしゃい」と呼びかける文化はない。けれど町子さんのいた国ではこうやって挨拶をするらしく、僕もその習慣が今では根付いていた。
「シアン君、こんにちは。今日もブレンドお願い出来るかな」
(ディアさん、今日も来てくれた)
ディアさん。どこかの貴族と思うほど洗練された歩き方、座り方をし、物静かな佇まいのとても美しい青年だ。黒い髪は濡れ鴉の羽のように繊細で美しく、赤い瞳はルビーを思わせる美しさ。黒いロングコートなど彼以上に似合う人間なんていないだろう。ここの常連で、とても博識な彼と話すことが僕の楽しみになっている。
ディアさんが窓際奥のソファーに座ったのを見届け、僕は急いで豆を挽き、湯を注ぐ。ディアさんは僕の一挙手一投足をつぶさに観察し、楽しそうに微笑んでいる。普段クールな彼のその表情に、僕は嬉しさを感じていた。
「ディアさん、どうぞ」
「ありがとう。うん、君のコーヒーが一番僕は好きだよ」
自分の作ったものを幸せそうに飲む人がいる。彼たっての希望で、コーヒーを入れた後は正面に座り、彼の話し相手になるのが習慣だ。小町さんも彼と話しているときはとやかく言わない。
ディアさんは机に肘をつき、手を頬に当て僕の顔を覗き込む。
「シアン君、体調はどうかな?男の身で子育てしてるんだ、いろいろ大変だろう」
「いえ、町子さんやミハエル君の協力あって何とかできています。まあ、正直言いますと金銭はかつかつなんですけどね・・・あはは」
「それは世知辛いね」
ディアさんはコーヒーを楽しみながら、僕のほうに心配そうな視線を向ける。彼は定期的に僕とメルにプレゼントを渡してくれる。客人だというのに本当に申し訳ない。
「話は変わって申し訳ないのだけれど、実は僕は最近、宝石業の人を家に呼んでね。その際に懇意にしている礼ということで試作品を貰ったんだ」
「へえ、やっぱりディアさんはすごいですね!」
家に呼ぶ、ということはやはり彼はよっぽどの地位の人なのだろう。彼は立ち上がり、僕に近づいた。そして何だろうと思っている僕の耳に手を近づける。
「これは・・・イヤリング?」
「そう、僕の瞳と一緒の色のルビーのイヤリングなんだ。子育ての身でピアスはだめだと思ったから、よければ君に貰ってほしい」
「僕に・・・・って、え!?」
僕は慌ててイヤリングを取り、手の中の宝石を見る。そこにはおよそ5カラットの輝きがあった。
「ちょっ、ディアさん!?こんな高価なもの試作品と言ってほいほい渡していいものでは」
「いいんだよ。ルビーには仕事運上昇のお守り効果があってね。どうせ僕には合わないから、ぜひ君にと思って。いらなかったら売ったり捨てたりしてほしい」
さらっと言われた。というか、こんなきれいな赤い瞳している人のほうが絶対にルビーは映えると思う。
そしてこれは最低でも1万ゴールドはいく。少なくともこんな風にさらっと渡して良いものでもない。けれど僕の耳に揺らぐ赤い石を見て、ディアさんは嬉しそうに微笑んだ。僕は観念して、受け取ることにしたが、やはり申し訳なくは思う。イヤリングってちょっとの衝撃で落とすから本当ならネックレスとかのほうが嬉しかったような気もするけれど。
そんな俺たちの空気を、隣から不満げな表情で見ている者が二名。
「ママ、浮気、だめ!!」
メルはとてとてとディアさんに近づき、その長い脚にパンチをするが、しかして所詮幼児。ディアさんはさして気にすることもなく、ゆったりとコーヒーを楽しむ。
「こらメル!お客様になんてことするんだ!」
「あいつ、きらい!!」
「ディアさん、いつもごめんなさい。なぜかディアさんのことは苦手なようでして」
一方のディアさんは本当に気にも留めてない。それどころか僕のイヤリングを見て嬉しそうにただ微笑んでる。
「ぜひ次のお仕事にはイヤリングを付けていってほしいよ。君の活躍を紙面で見るのが僕はとても楽しいのだから」
「え、あ、はい」
渡してくれた張本人がそういうのなら付けていこう。ミハエルは暴れるメルを抱きかかえ、けれどディアさんのことは渋い顔で見ている。以前になんでそんな顔で見るのか聞いたところ、「なんかあの人表面上は取り繕ってるけど裏では腹黒そうなんですよね」と言っていた。そのまま暴れ疲れたメルを抱えて二階へ連れていく。
「ごちそうさまでした。シアン君と過ごすこの時間がとても幸せなんだ」
「いえいえ、ありがとうございました」
「仕事は焦ることはないからね。また活躍できる場はすぐにやってくるだろうから」
「あはは・・・」
世間では一部の人から「へっぽこ探偵」なんて言われているが、しかし僕の手腕を見てくれる人もちゃんといる。故になんとか探偵業も存続できているが、しかし大事件がないことには僕もどうしようもないのだ。まあ、世間の平和を思うなら大事件なんて起こらない方がいいには決まっているのだが・・・。
「では僕はこれで」
カランカランと再び音が鳴ってディアさんは去っていった。本当に品の良い人だ。
そんな折、店の中に高い機械音が響き渡る。電話だ。町子さんは電話の受話器を取り、しばらく「ふんふん」と返事をして聞いていた。そして僕を見る。
「シアン!!博物館に怪盗の予告状が届いたそうだよ!!」
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