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犯人探求編
60.不死鳥の番
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魔法生物学の教授、マダム・カルハ。室内であるにもかかわらず大きなつばの派手な帽子を被っている。
「では、本日の授業を始めますわ~!!わたくし、本日の授業を大変待ち遠しく思っておりましたの。では教科書62ページを開いてくださいね」
分厚い教科書を開く。
何ともテンションの高い教授だが、一体アバラは何をしたらこんな気のよさそうな中年女性の不興を買ったのか。マダム・カルハは教室をぐるりと見渡した。
「あら、ちゃんと出入り禁止のお知らせは届いておりますわね。まったく。度重なる授業妨害で、本当に腹が立ちましたわ!!魔法生物を見るたび見るたび、『これって食べれるんですかね!!』『美味しいんですかね!!』と聞いてくるのですから」
まさかあいつ、狩りが出来る魔法生物を学びにこの授業を取っていたのか?レオの顔を見ると、こくりと頷いた。追い出されるのは当然だった。反省しろ。
最初にいくつか魔法生物を解説し、淡々と進めていく。しかし時々入る小ネタがとても面白い。もとより話し上手な人なのだろう。
「では次は本日の授業のメインですわね。国鳥でもあるフェニックスについてになりますわ!偉大なる王族たちの祖先ともされる、我が国の象徴ですわね」
今日はフェニックスの講義なのか。これは、運がいい。フェニックスとは何かと縁がある。とても興味深い講義になるだろう。教科書には、スケッチで描かれた不死鳥が乗っていた。
「フェニックス、不死鳥。呼び名は複数ありますわね。赤い鳥で、その名の通り、死を知らない鳥ですわ。故に、再生の象徴として名高いですわね」
マダム・カルハは魔法でチョークを持ち上げ、黒板にカリカリと描いていく。
「国鳥。とはいえ、存在が希少であるために、存在自体は有名な割に生態系は多くは知られておりません。フェニックスは雌雄がないため単性生殖という説が魔法界では優勢だったものの、ある研究者のによって番をつくることが分かってきましたの」
そういえば、私も単性生殖と聞いたことがあるのだが、今では学説が変わっているのか。昔の学説で威張る教授が少なくない中、常に最新の情報を漁るとは、中々優秀な教授だ。
「とても貴重な本で、執筆はそれこそ随分昔なのですが、最近発掘されて定説が変わりましたわ。貴重生物を愛している冒険家のような人が執筆したのですが、なんと見つけたフェニックス、番持ちだったそうなの。それもなんと、相手はアークランドオオルリの雄だったそう」
アークランドオオルリというのは、この国固有の鳥である。日本でいうオオルリと見た目は変わらない。すなわち、見た目が青いのだ。
「フェニックスは獲物を狩っては番のオオルリに、分け与えていたそうなの。オオルリは小さい体なのに、フェニックスは身をかがめて羽づくろいもしていたそうよ」
そういえばアウレリウスは私に弁当を作っていたし、私の髪がボサボサだと櫛で丁寧にとかしてくれるな。
「些細な事故でオオルリが傷を負うと、自らの血を飲ませていたこともあったそうなの」
されたな。自分の腕を切って、私に飲ませて回復させようとしてきたな。
「住まいにもこだわりがあるのか、一生懸命巣作りをするそうなの。それこそ番との愛の巣をね」
前に引っ越し騒ぎがあったが、やたら協力的だったのは巣作りをしたかったのか?
「観察地点は崖の壁に出来た穴だったらしいのだけれど、敵が近くにいると察知すると、オオルリを穴の奥に押しやって警戒態勢に入っていたそうね」
アウレリウス、周囲への警戒心が強いのか、すぐに私を閉じ込めようとするんだよな。
・・・そうか。アウレリウスは、フェニックスとしての本能が強いのか・・・。そう思うと、私に懐いてくるあの子が段々と人間に懐く高貴な鳥に思えてきたな。
「アリオン、腕組んで何を頷いてるの?」
「いや、興味深いなあって思って」
マダム・カルハは授業を続ける。
「けれど、ある日のこと。オオルリが寿命で亡くなってしまったの。すると、フェニックスは死を目の当たりにするのが初経験だったようで、食べ物を運んだり、オオルリの骸の毛づくろいをしていたそうなの。自分たちの種族は死なないから、死ぬということがなんなのか、分からなかったのでしょうね」
けれど、段々と体は腐敗していくだろう。それをフェニックスはどんな思いで見ていたのだろうか。
「やがてオオルリの水分は抜け、体は土にかえり、フェニックスはそこでやっと番の死を理解したそうよ。そして、自傷行為を経たのちに体を自分の炎で包み、自ら灰となったとのこと。ええ、多くの鳥が番をなくすと後追いするように、フェニックスもまた自死を選んだそうなの。不死鳥とはいうけれど、唯一の例外が自死。愛した相手を見送ることしかできない、とても悲しい種ね」
マダム・カルハは悲し気な表情をした。
私の訃報を流したあの時、アウレリウスは自分の指にかまわず土を掘り返そうとしていた。そして私の墓の前で自ら喉を突き刺そうとした。後追い自殺しようとしていた。
「・・・アリオン?ものすごく悲しそうな表情をしているけれど、どうしたの?」
「フェニックスにまつわるすべての不幸が許せないんだよ」
「す、すごく共感性が高いんだね・・・?」
この授業を取って本当に良かった。思いがけず、いくつかあの子について理解が出来た。
一点目は、アウレリウスはフェニックスとしての本能が強いこと。
もう一点は、やはり私のことを完全に番と誤認していること。
フェニックスとアウレリウスの行動は、不自然なまでに一致している。
キーンコーン
「あら、授業は終わりですわね。では板書が出来た者から帰ってよろしい。質問のある子はおいでなさい」
他の生徒たちは手際よく片付け、教室を出ていく。
「じゃあ僕らも行こうか。・・・アリオン?」
「ごめん、レオ。僕は残っていくね」
私は荷物と自分の体を魔法で浮かし、最前列の席に座り直す。マダム・カルハはそんな私のことを目を丸くして見ていた。
「あら、何年も教鞭をとっているのだけれど、本当に残っていく子は初めて見ました。お名前頂いても?」
「アリオンです。フェニックスについてもっと知りたいんです」
実はこの後別の講義があるものの、知ったことではない。私はフェニックスについてもっと知りたいのだ。
「ええ、ええ!!魔法生物にそんなに興味を持っていただけるなんて!!感激ですわ!!」
「アリオン、だったら僕も聞いていってもいいかな?君がそこまで気になるくらいだから、お供するよ」
私はうなずく。一方でマダムは少し悲しい顔をした。
「けれどごめんなさいね。フェニックスについては情報がとても少ないの」
「いいんです、知りうることすべてを教えてくだされば!!例えば、番のこととか」
「番。ええ、アリオン君。フェニックスはどうやって相手に求愛すると思う?」
求愛?ふむ、交尾を迫ったらとか?隣に座るレオの顔を見るが、答えは出ないようだ。
「正解はね、相手に自分の羽を渡すことなの。羽を渡して、それを受け取ることでフェニックス視点で番契約が成立するのよ」
「そうなんですね。それは・・・それ・・・は・・・」
不死鳥の守り。アウレリウスは私に羽を渡すことで、残機をくれた。そう、羽を渡すことで。
つまり、不死鳥の守りを渡してしまったことで、番契約をしてしまったということだ。
「ちょっと、アリオン!?青くなってどうしたの!?」
「い、いや、その、なんでもない・・・」
私は自分の魔道具である巾着袋を見る。この中にはあの子の綺麗な羽が入っていた。つまり、この羽によってあの子は私を父ではなく番と思い込んでしまっている。受け取ったというか、当時は強引に渡されなかったか・・・?
「けれどそれはあくまでフェニックスから。番側からフェニックスへ羽を渡すこともあるのだけれど、同様に自身の羽を渡すことで伴侶なのだって双方で認めるの。そこでようやく子作りに励むという流れね」
よし!私に羽などない!契約は未了のままだ!!
・・・いや、待てよ。以前私は羽の刺繍のハンカチを渡したことがある。魔法使いにとってイメージや概念は非常に重い意味を持つ。すると、羽の刺繍だけでも成立するのでは・・・?
アウレリウスはあれをみてニンジンと認識していた。まさか、私の裁縫の腕がもっと高かった場合、あれで契約が完成した可能性があったのか・・・!?
危なかった、非常に危なかった!!ただでさえフェニックスとしての本能が強いアウレリウスなんだ。ハンカチの刺繍が羽であると認識していた場合、発情期に入っていた可能性があった!!
「自分の裁縫スキルがゴミでよかった・・・」
「今フェニックスの話を聞いてるんだよね?どこから裁縫がやってきたの?」
マダム・カルハはそこまで語ると、頬に手を当てた。
「ごめんなさいね、私が知り得るのはここくらいまでかしら。専門家でしたらもっと詳しい話を聞けるかもなのだけれど、もうこの世を去っているの」
「僕でも手に取れるような、書籍は遺していませんか?」
「書籍自体は、ええ、残しているわ。でも、あまりに貴重だから相当高価だったはず。それこそ、貴族が屋敷を買えるくらいの」
「金銭に糸目はつけません。一体どこで入手できるんですか!?」
足が万全であれば今頃マダムの胸倉を掴む勢いだっただろう。レオはそんな鬼気迫る私に引いていた。
「貴重な一冊は王都にあると聞いたことがありますわ。ごめんなさいね、それ以上は知らないの」
「・・・いえ、ありがとうございました。貴重な情報を」
「いいえ、これだけ興味を持ってくれたことが嬉しいの。また何かあったら聞いてほしいわ」
そしてマダム・カルハによる特別授業も終わった。
フェニックスを知ることが、複雑な我が子の心を掴む糸口である。魔塔時代の貯金を全部突っ込んででも入手して見せる!
「では、本日の授業を始めますわ~!!わたくし、本日の授業を大変待ち遠しく思っておりましたの。では教科書62ページを開いてくださいね」
分厚い教科書を開く。
何ともテンションの高い教授だが、一体アバラは何をしたらこんな気のよさそうな中年女性の不興を買ったのか。マダム・カルハは教室をぐるりと見渡した。
「あら、ちゃんと出入り禁止のお知らせは届いておりますわね。まったく。度重なる授業妨害で、本当に腹が立ちましたわ!!魔法生物を見るたび見るたび、『これって食べれるんですかね!!』『美味しいんですかね!!』と聞いてくるのですから」
まさかあいつ、狩りが出来る魔法生物を学びにこの授業を取っていたのか?レオの顔を見ると、こくりと頷いた。追い出されるのは当然だった。反省しろ。
最初にいくつか魔法生物を解説し、淡々と進めていく。しかし時々入る小ネタがとても面白い。もとより話し上手な人なのだろう。
「では次は本日の授業のメインですわね。国鳥でもあるフェニックスについてになりますわ!偉大なる王族たちの祖先ともされる、我が国の象徴ですわね」
今日はフェニックスの講義なのか。これは、運がいい。フェニックスとは何かと縁がある。とても興味深い講義になるだろう。教科書には、スケッチで描かれた不死鳥が乗っていた。
「フェニックス、不死鳥。呼び名は複数ありますわね。赤い鳥で、その名の通り、死を知らない鳥ですわ。故に、再生の象徴として名高いですわね」
マダム・カルハは魔法でチョークを持ち上げ、黒板にカリカリと描いていく。
「国鳥。とはいえ、存在が希少であるために、存在自体は有名な割に生態系は多くは知られておりません。フェニックスは雌雄がないため単性生殖という説が魔法界では優勢だったものの、ある研究者のによって番をつくることが分かってきましたの」
そういえば、私も単性生殖と聞いたことがあるのだが、今では学説が変わっているのか。昔の学説で威張る教授が少なくない中、常に最新の情報を漁るとは、中々優秀な教授だ。
「とても貴重な本で、執筆はそれこそ随分昔なのですが、最近発掘されて定説が変わりましたわ。貴重生物を愛している冒険家のような人が執筆したのですが、なんと見つけたフェニックス、番持ちだったそうなの。それもなんと、相手はアークランドオオルリの雄だったそう」
アークランドオオルリというのは、この国固有の鳥である。日本でいうオオルリと見た目は変わらない。すなわち、見た目が青いのだ。
「フェニックスは獲物を狩っては番のオオルリに、分け与えていたそうなの。オオルリは小さい体なのに、フェニックスは身をかがめて羽づくろいもしていたそうよ」
そういえばアウレリウスは私に弁当を作っていたし、私の髪がボサボサだと櫛で丁寧にとかしてくれるな。
「些細な事故でオオルリが傷を負うと、自らの血を飲ませていたこともあったそうなの」
されたな。自分の腕を切って、私に飲ませて回復させようとしてきたな。
「住まいにもこだわりがあるのか、一生懸命巣作りをするそうなの。それこそ番との愛の巣をね」
前に引っ越し騒ぎがあったが、やたら協力的だったのは巣作りをしたかったのか?
「観察地点は崖の壁に出来た穴だったらしいのだけれど、敵が近くにいると察知すると、オオルリを穴の奥に押しやって警戒態勢に入っていたそうね」
アウレリウス、周囲への警戒心が強いのか、すぐに私を閉じ込めようとするんだよな。
・・・そうか。アウレリウスは、フェニックスとしての本能が強いのか・・・。そう思うと、私に懐いてくるあの子が段々と人間に懐く高貴な鳥に思えてきたな。
「アリオン、腕組んで何を頷いてるの?」
「いや、興味深いなあって思って」
マダム・カルハは授業を続ける。
「けれど、ある日のこと。オオルリが寿命で亡くなってしまったの。すると、フェニックスは死を目の当たりにするのが初経験だったようで、食べ物を運んだり、オオルリの骸の毛づくろいをしていたそうなの。自分たちの種族は死なないから、死ぬということがなんなのか、分からなかったのでしょうね」
けれど、段々と体は腐敗していくだろう。それをフェニックスはどんな思いで見ていたのだろうか。
「やがてオオルリの水分は抜け、体は土にかえり、フェニックスはそこでやっと番の死を理解したそうよ。そして、自傷行為を経たのちに体を自分の炎で包み、自ら灰となったとのこと。ええ、多くの鳥が番をなくすと後追いするように、フェニックスもまた自死を選んだそうなの。不死鳥とはいうけれど、唯一の例外が自死。愛した相手を見送ることしかできない、とても悲しい種ね」
マダム・カルハは悲し気な表情をした。
私の訃報を流したあの時、アウレリウスは自分の指にかまわず土を掘り返そうとしていた。そして私の墓の前で自ら喉を突き刺そうとした。後追い自殺しようとしていた。
「・・・アリオン?ものすごく悲しそうな表情をしているけれど、どうしたの?」
「フェニックスにまつわるすべての不幸が許せないんだよ」
「す、すごく共感性が高いんだね・・・?」
この授業を取って本当に良かった。思いがけず、いくつかあの子について理解が出来た。
一点目は、アウレリウスはフェニックスとしての本能が強いこと。
もう一点は、やはり私のことを完全に番と誤認していること。
フェニックスとアウレリウスの行動は、不自然なまでに一致している。
キーンコーン
「あら、授業は終わりですわね。では板書が出来た者から帰ってよろしい。質問のある子はおいでなさい」
他の生徒たちは手際よく片付け、教室を出ていく。
「じゃあ僕らも行こうか。・・・アリオン?」
「ごめん、レオ。僕は残っていくね」
私は荷物と自分の体を魔法で浮かし、最前列の席に座り直す。マダム・カルハはそんな私のことを目を丸くして見ていた。
「あら、何年も教鞭をとっているのだけれど、本当に残っていく子は初めて見ました。お名前頂いても?」
「アリオンです。フェニックスについてもっと知りたいんです」
実はこの後別の講義があるものの、知ったことではない。私はフェニックスについてもっと知りたいのだ。
「ええ、ええ!!魔法生物にそんなに興味を持っていただけるなんて!!感激ですわ!!」
「アリオン、だったら僕も聞いていってもいいかな?君がそこまで気になるくらいだから、お供するよ」
私はうなずく。一方でマダムは少し悲しい顔をした。
「けれどごめんなさいね。フェニックスについては情報がとても少ないの」
「いいんです、知りうることすべてを教えてくだされば!!例えば、番のこととか」
「番。ええ、アリオン君。フェニックスはどうやって相手に求愛すると思う?」
求愛?ふむ、交尾を迫ったらとか?隣に座るレオの顔を見るが、答えは出ないようだ。
「正解はね、相手に自分の羽を渡すことなの。羽を渡して、それを受け取ることでフェニックス視点で番契約が成立するのよ」
「そうなんですね。それは・・・それ・・・は・・・」
不死鳥の守り。アウレリウスは私に羽を渡すことで、残機をくれた。そう、羽を渡すことで。
つまり、不死鳥の守りを渡してしまったことで、番契約をしてしまったということだ。
「ちょっと、アリオン!?青くなってどうしたの!?」
「い、いや、その、なんでもない・・・」
私は自分の魔道具である巾着袋を見る。この中にはあの子の綺麗な羽が入っていた。つまり、この羽によってあの子は私を父ではなく番と思い込んでしまっている。受け取ったというか、当時は強引に渡されなかったか・・・?
「けれどそれはあくまでフェニックスから。番側からフェニックスへ羽を渡すこともあるのだけれど、同様に自身の羽を渡すことで伴侶なのだって双方で認めるの。そこでようやく子作りに励むという流れね」
よし!私に羽などない!契約は未了のままだ!!
・・・いや、待てよ。以前私は羽の刺繍のハンカチを渡したことがある。魔法使いにとってイメージや概念は非常に重い意味を持つ。すると、羽の刺繍だけでも成立するのでは・・・?
アウレリウスはあれをみてニンジンと認識していた。まさか、私の裁縫の腕がもっと高かった場合、あれで契約が完成した可能性があったのか・・・!?
危なかった、非常に危なかった!!ただでさえフェニックスとしての本能が強いアウレリウスなんだ。ハンカチの刺繍が羽であると認識していた場合、発情期に入っていた可能性があった!!
「自分の裁縫スキルがゴミでよかった・・・」
「今フェニックスの話を聞いてるんだよね?どこから裁縫がやってきたの?」
マダム・カルハはそこまで語ると、頬に手を当てた。
「ごめんなさいね、私が知り得るのはここくらいまでかしら。専門家でしたらもっと詳しい話を聞けるかもなのだけれど、もうこの世を去っているの」
「僕でも手に取れるような、書籍は遺していませんか?」
「書籍自体は、ええ、残しているわ。でも、あまりに貴重だから相当高価だったはず。それこそ、貴族が屋敷を買えるくらいの」
「金銭に糸目はつけません。一体どこで入手できるんですか!?」
足が万全であれば今頃マダムの胸倉を掴む勢いだっただろう。レオはそんな鬼気迫る私に引いていた。
「貴重な一冊は王都にあると聞いたことがありますわ。ごめんなさいね、それ以上は知らないの」
「・・・いえ、ありがとうございました。貴重な情報を」
「いいえ、これだけ興味を持ってくれたことが嬉しいの。また何かあったら聞いてほしいわ」
そしてマダム・カルハによる特別授業も終わった。
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