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défendu
街娘 アメリー・ミシュレ
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「雨!?さっきまであんなに良い天気だったのに…」
客から注文されたブーケを作っていた最中急に降り出した雨に驚き、アメリー・ミシュレは慌てて店の外に飾ってある花を中に取り込む。だがそんな彼女の努力などお構い無しに雨足は強まるばかり。
「あらあらアメリー、ごめんなさいねぇ、まさかこんなに降るなんて!」
買い物から帰ってきた店主のジョアナ・アルシェは店に荷物を置くとアメリーと一緒に花を取り込み始めた。
ーーー
雨は次第に酷くなり今日は客も来ないであろうと判断したジョアナは店を閉めた。アメリーを2階にある自宅に案内するとタオルを渡し、リビングの椅子に座らせた。そして寝室から寝惚けた顔の夫、エリク・バルトを引っ張ってきた。
「本当にごめんなさいねアメリー…。アンタ!店番アメリーに全部押し付けて寝てたってどういう事だい!?」
ジョアナは申し訳なさそうにアメリーに謝罪すると、エリクを怒鳴りつけた。
「ふあぁ…すまんすまん。何せ眠たかったもんでなぁ…」
反省の色を見せない夫に呆れたジョアナはため息をついた。
「ほんっとうにすまないねぇアメリー。ウチのバカ亭主ときたら役立たずの怠け者で…」
「いえいえ!私は大丈夫ですよ!花が無事で良かったです!」
アメリーが笑って答えるとジョアナも微笑み返した。が、その間もずっと寝惚けた顔をしていたエリクをジョアナが睨み付けた。
「アンタ、何ボーッとしてんだい!アメリーとアタシに紅茶でも入れとくれ!」
「ひいぃっ!おっかねぇカミさんだ…。はいはい分かりましたよ…。アメリーや、こんな大人になっちゃぁいかんよ?」
「余計な事言うんじゃないよ!アンタが言えたことかね!?」
ジョアナとエリクの文字通り夫婦漫才のような会話にアメリーは思わず吹き出した。
ジョアナの営む花屋『フルール・ド・アルシェ』でアメリーはもうかれこれ1年は働いている。この仕事は彼女にとって天職だったらしく、仕事を覚えるのが早いのは勿論、彼女が作った花束は客から大好評だ。店主であるジョアナも彼女の才能を認めており、様々な知り合いに自分の娘のように自慢しているらしい。物心着いた頃から天涯孤独で孤児院で育ったアメリーにはそれが嬉しかった。
ーーー
降り続いていた大雨が止んだのは22時くらいの事だった。ジョアナとエリクはアメリーを孤児院まで送ろうとしたが、夫妻が明日朝早くから隣町まで仕事に行く事を知っていたアメリーは2人を気遣い断った。アメリーは夫妻に礼を言い、孤児院への帰路に着いた。
花屋から孤児院へはそう遠くない。アメリーが明日の休みは何をして過ごすか頭の中で計画を立てているうちに教会が見えた。アメリーの孤児院はこの聖アントワーヌ教会に併設されている。孤児院へ帰るにはこの教会を通り抜ける必要がある。
夜の教会ってなんか新鮮…。いつもはこんなに遅くならないもんね。
アメリーは少しだけ心が踊る気持ちで教会の扉を開けた。
客から注文されたブーケを作っていた最中急に降り出した雨に驚き、アメリー・ミシュレは慌てて店の外に飾ってある花を中に取り込む。だがそんな彼女の努力などお構い無しに雨足は強まるばかり。
「あらあらアメリー、ごめんなさいねぇ、まさかこんなに降るなんて!」
買い物から帰ってきた店主のジョアナ・アルシェは店に荷物を置くとアメリーと一緒に花を取り込み始めた。
ーーー
雨は次第に酷くなり今日は客も来ないであろうと判断したジョアナは店を閉めた。アメリーを2階にある自宅に案内するとタオルを渡し、リビングの椅子に座らせた。そして寝室から寝惚けた顔の夫、エリク・バルトを引っ張ってきた。
「本当にごめんなさいねアメリー…。アンタ!店番アメリーに全部押し付けて寝てたってどういう事だい!?」
ジョアナは申し訳なさそうにアメリーに謝罪すると、エリクを怒鳴りつけた。
「ふあぁ…すまんすまん。何せ眠たかったもんでなぁ…」
反省の色を見せない夫に呆れたジョアナはため息をついた。
「ほんっとうにすまないねぇアメリー。ウチのバカ亭主ときたら役立たずの怠け者で…」
「いえいえ!私は大丈夫ですよ!花が無事で良かったです!」
アメリーが笑って答えるとジョアナも微笑み返した。が、その間もずっと寝惚けた顔をしていたエリクをジョアナが睨み付けた。
「アンタ、何ボーッとしてんだい!アメリーとアタシに紅茶でも入れとくれ!」
「ひいぃっ!おっかねぇカミさんだ…。はいはい分かりましたよ…。アメリーや、こんな大人になっちゃぁいかんよ?」
「余計な事言うんじゃないよ!アンタが言えたことかね!?」
ジョアナとエリクの文字通り夫婦漫才のような会話にアメリーは思わず吹き出した。
ジョアナの営む花屋『フルール・ド・アルシェ』でアメリーはもうかれこれ1年は働いている。この仕事は彼女にとって天職だったらしく、仕事を覚えるのが早いのは勿論、彼女が作った花束は客から大好評だ。店主であるジョアナも彼女の才能を認めており、様々な知り合いに自分の娘のように自慢しているらしい。物心着いた頃から天涯孤独で孤児院で育ったアメリーにはそれが嬉しかった。
ーーー
降り続いていた大雨が止んだのは22時くらいの事だった。ジョアナとエリクはアメリーを孤児院まで送ろうとしたが、夫妻が明日朝早くから隣町まで仕事に行く事を知っていたアメリーは2人を気遣い断った。アメリーは夫妻に礼を言い、孤児院への帰路に着いた。
花屋から孤児院へはそう遠くない。アメリーが明日の休みは何をして過ごすか頭の中で計画を立てているうちに教会が見えた。アメリーの孤児院はこの聖アントワーヌ教会に併設されている。孤児院へ帰るにはこの教会を通り抜ける必要がある。
夜の教会ってなんか新鮮…。いつもはこんなに遅くならないもんね。
アメリーは少しだけ心が踊る気持ちで教会の扉を開けた。
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