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11話
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家に帰ってきた公と薫はマザーに夕食を食べに行こうと制服姿のまま連れ出された。
「で、どこ行くんだよ」
「着いてからのお楽しみ」
マザーのウィンクに少しイラッとした公だが、なんとか怒りを抑えてあとをついていった。
そうしてやって来たのは1件の中華料理店の前。
「ここが目的地?」
「そうよ。じゃあ入りましょうか」
マザーについて中に入ると店員がやって来た。
「3名様でしょうか?」
「予約していた主人です」
「はい。お連れ様はすでに到着していますのでご案内します」
店員のこの返しに公は疑問に思う。
「他にも誰かいるの?」
「それもお楽しみ」
なにも教えてくれないマザーにため息を吐いた公。しかし、もうすぐその答えもわかるので文句は言わなかった。
「こちらです」
店員の案内でやって来た個室に入ると、そこには男性1人、少年1人、少女4人が待っていた。
「遅かったな、マザー」
「ごめんなさいね、ダディ。公が渋ってね」
マザーが話しかけた男性は公の義父のダディ。マザーとダディはそれぞれ夫と妻に先立たれて再婚した夫婦だ。
「……………………」
あれ?名前にたいしてのツッコミはないの?
"ツッコんでも無意味なのは今までで経験したからな"
そう。ならそのまま次にいこう。
「お兄ちゃ~ん」
「お義兄さま」
少女2人が公に抱きついた。2人は公の実妹でマザーの娘の舞と義妹でダディの娘の夢だ。書いてある通り、夢は義妹であって公や舞とは血の繋がりのない義兄妹だ。
大切なことだから間違えないでほしいからもう1度書くわよ。
夢は公の義妹である。義がつくことが大切だ。
"なぜそこを強調する!"
つくとつかないとでは大違いだからよ!そして「お義兄さま」呼びも大切な要素だからね!
ついていけないとばかりに公が額に手をあてていると2人が心配そうに見上げた。
「お兄ちゃん。どこか具合が悪いの?」
「具合が悪いのでしたら無理なさらないでくださいね」
「大丈夫だよ、舞、夢」
公が2人の頭を撫でると舞は気持ちよさそうに目を細め、夢は顔を少し赤くした。
「で、なんで千佳姉がいるんだ?」
「あら、翔や音がいることには疑問をもたずに私がいることだけに疑問をもつんだ」
残りの少年少女は隣の家に住む幼なじみの3兄妹で、高3で長女の千佳に中3で長男の翔、中2で次女の音だ。
「翔や音がいても問題はないけど、千佳姉はな~」
「ふ~ん。そうなんだ~」
笑顔の2人だが、黒いオーラが見えていた。
「姉貴。公兄と薫さんの入学祝いなんだからそんな黒いオーラ出すなよ」
「それもそうね」
千佳が黒いオーラを引っ込めたので公も引っ込めた。
「公兄。薫さん。入学おめでとう」
「ありがとな、音」
お礼を言われた音ははにかんだ。
「とりあえず座って乾杯しようか」
ダディの言葉でみんな席に座り、飲み物を手に取った。
「それじゃあ、公と薫の入学を祝って乾杯」
『乾杯』
グラスをあわせていることには1口飲んだ公はダディを見た。
「義父さん。明日の仕事には間に合うのか?」
「大丈夫だ。夜の夜行列車で帰るからな」
ダディは今単身赴任中であり、同い年で中3の舞と夢は冬休みなのでダディのところへ行っていた、というより連れていかれたというのが正しいだろう。
「ようやくお義父さんから解放されます」
「1週間は長かったですわ」
「そんなにお父さんといるのがいやか?」
「あはは」
「舞がいなかったら行っていませんわ」
2人に拒絶されたダディは泣いていた。そんなダディを無視して2人は公の腕に抱きついた。
「千佳姉達がいるのは母さんが誘ったからか?」
「えぇ。3人も公の制服姿が見たいって言っていたから誘ったの」
「制服姿を見せるぐらいなら家に行ったのに」
「公兄にそこまでしてもらうわけには」
音が恐縮していた。
「だったら入学式当日に頼めばよかったな~」
「千佳姉だったら行くかわからないな」
「ぶ~」
公の対応の違いに千佳は頬を膨らませた。
「姉貴。可愛くないぞ」
「うるさいわね」
千佳は翔の頬をぐりぐりし始めた。
「止めろよ~」
「姉に対する口の聞き方がなってない弟なんてこれぐらいでいいのよ。でも、公が小説高校に進学するなら私も小説高校に進学すればよかったな~」
「自分のなりたいことのために今の高校選んだんだからそんなこと言うなよ」
さっきまで冷たかった公からの優しい言葉に嬉しくなった千佳は公の背後に行くと後ろから抱きついた。
「そうよね。ごめん」
「お姉ちゃんだけズルい」
音は机の下を抜けて公のお腹に抱きついた。そうなってくると抱きつく場所がなくなった薫は、行き場のなくなった手をわきわきさせていた。
そんな中、料理が運ばれて来たのでそれぞれ席に戻って料理を食べ始めた。
「まだ始まったばかりだが、高校はどうだ?」
「そうだね。新しい友達とも出会えたし、楽しい高校生活になりそうだよ」
「今日も公は女の子を助けて友達になった」
「雪とは薫も友達になっただろ」
「へぇ~」
ニヤニヤしている千佳の隣では音がジトーと公を見ていた。
「まだまだ敵は増えていく」
薫の一言に音だけでなく舞や夢もピクッと反応した。
「あらあら、モテるわね~」
「さすがです」
「羨ましい」
「あら?」
ダディの失言にマザーの眉がピクッと動き、ダディはビクッとした。
「あなた、羨ましいの?」
「あ、あぁ。高校時代、俺もあれぐらいモテたかったとは思うな」
冷や汗をかきながらマザーの反応を待ったダディ。
「そう」
それだけ言うとマザーは公を見たのでホッとしたダディ。
「でも、ただモテればいいってわけじゃないわよ、公。ちゃんと相手のことを考えないとね」
「なんでモテる前提なのかわからないが、俺を好きになってくれた相手のことはちゃんと考えるさ」
一夫多妻がOKどころか少子化対策のために推奨されてるからバンバンモテて彼女作って結婚しないとね。
「ちょっと待て作者」
なに?
「一夫多妻が推奨されてるってなんだよ!」
だってテレビで、
〇
「たった今入ったニュースです。内閣が少子化対策のために一夫多妻推奨法案を賛成多数で可決いたしました。これにより多く女性と結婚し、幸せな家庭を築いて子供をたくさん産んだ家庭には支援金が配布されることになりました。ただし、支援金目当てに手当たり次第女性と結婚した男性には重い刑罰が課せられます。支援金が出るのはあくまでも幸せな家庭を築いた場合だけですのでご注意ください。以上、臨時ニュースでした」
〇
と、いうわけだから。
「だからじゃねーよ!」
幸せな家庭を築けばいいって話なんだから難しいことじゃないのよ。
「そうだけど、そうじゃなくて!」
「お義兄さまなら大丈夫ですわ」
「そうだよ。お兄ちゃんならできるよ」
「公なら簡単なことでしょ」
「公兄なら大丈夫だって」
「その時は私も………」
最後の音の呟きは聞こえなかったが、いろいろ言われた公は思考を放棄して食べることに集中した。
「あらあら。これから先が楽しくなりそうね」
うんうん。ホントだよ。
◇
食事を終えて駅でダディを見送って帰ってきた公は部屋で一息吐いていた。その両サイドには舞と夢の2人がべったりくっついて離れない。
「そんなにくっつかなくてもよくないか」
「ダメだよ。この1週間分のお兄ちゃん充電をしないと」
「そうですわ。1週間会えなかったのですからまだまだこれだけでは足りませんわ」
あら~。両手に花状態で早速ハーレムに向けて始動し始めましたか?
「私達花だって、夢ちゃん」
「嬉しいことを言ってくれますわね、作者」
「両手に花なのは認めるが、ハーレムって言い方は止めろ。それに始動すらしてねーからな」
『きゃー!』
公に花と認められた2人がはしゃいでいた。
なんでよ。一夫多妻なんてハーレムと同じじゃない。
「その考えは否定しねーが、そもそも俺は一夫多妻をする気なんてないし、そこまでモテる人間じゃねーぞ。だから中学でも告白されたことないし」
ジーーーーーーーー。
私・舞・夢の3人の視線が公に突き刺さります。
「なんだよ」
いえ。シスコン天然ジゴロは鈍感朴念仁だと思ってね。いや、主人公にはありがちな設定ではあるけどね~。まさか公もその類いだったなんてね~。もう称号としてつけちゃおう。
「ちょっと待て!聞き捨てならねー言葉がいくつも並んだぞ!ってかその設定もお前が作ったものだろが!しかも称号としてつけるな!」
そこら辺2人はどう思うの?
「そこも含めてお義兄さまのいいところですわ」
「私はどんなお兄ちゃんでも受け入れて応援するよ!」
いい妹達だね。感動したわ。それにたいしてこの兄は。
「お前にだけはそんな見下したふうに言われたくねーな」
はぁ。
「ため息を吐きたいのは俺のほうだからな!」
「公。お風呂あいたわよ」
お風呂あがりでパジャマ姿の薫が呼びにきたので、舞と夢は公から離れた。
「わかったよ」
ため息を吐いて頭を掻いた公は部屋を出て脱衣所へ。服を脱ごうとしてかごを見た公は、かごに残っているものに気づいた。
それは薫のパンツ。
「公。パンツ穿き忘れた」
狙ったように薫が入ってきた。
「ぜってーわざとだろが!」
「そのまま部屋に持って返っておかずにしてもいいよ?」
公は無言で薫にパンツを投げつけた。
「恥ずかしがり屋さん」
1発叩いてやろうと公が近づいた瞬間、薫はズボンを一気に脱いで下半身丸出しになったので慌てて反転する公。
「なんで脱ぐんだよ!」
「だって脱がないとパンツ穿けないから」
「俺のいる前でやることじゃねーだろが!」
「でも、ここ脱衣所だし」
「部屋でしろ!」
「はーい」
パンツとズボンを素早く穿いた薫が出ていったので、大きくため息を吐いた公は服を脱いでお風呂に入り、かけ湯をしてからお湯に浸かった。
「極楽極楽」
「私のあとのお風呂だから?」
いつの間にか脱衣所に戻ってきていた薫の声が聞こえた。
「お風呂はいつでも極楽なんだよ」
「別にお湯を飲んでもいいよ」
「飲まねーよ」
「パンツ置いとこうか?」
「それもいらねーよ」
「ホントに?」
「ホントだよ」
「わかった」
薫が脱衣所を出ていく音が聞こえたので、ようやく公はゆっくりと今日の疲れを癒した。
「で、どこ行くんだよ」
「着いてからのお楽しみ」
マザーのウィンクに少しイラッとした公だが、なんとか怒りを抑えてあとをついていった。
そうしてやって来たのは1件の中華料理店の前。
「ここが目的地?」
「そうよ。じゃあ入りましょうか」
マザーについて中に入ると店員がやって来た。
「3名様でしょうか?」
「予約していた主人です」
「はい。お連れ様はすでに到着していますのでご案内します」
店員のこの返しに公は疑問に思う。
「他にも誰かいるの?」
「それもお楽しみ」
なにも教えてくれないマザーにため息を吐いた公。しかし、もうすぐその答えもわかるので文句は言わなかった。
「こちらです」
店員の案内でやって来た個室に入ると、そこには男性1人、少年1人、少女4人が待っていた。
「遅かったな、マザー」
「ごめんなさいね、ダディ。公が渋ってね」
マザーが話しかけた男性は公の義父のダディ。マザーとダディはそれぞれ夫と妻に先立たれて再婚した夫婦だ。
「……………………」
あれ?名前にたいしてのツッコミはないの?
"ツッコんでも無意味なのは今までで経験したからな"
そう。ならそのまま次にいこう。
「お兄ちゃ~ん」
「お義兄さま」
少女2人が公に抱きついた。2人は公の実妹でマザーの娘の舞と義妹でダディの娘の夢だ。書いてある通り、夢は義妹であって公や舞とは血の繋がりのない義兄妹だ。
大切なことだから間違えないでほしいからもう1度書くわよ。
夢は公の義妹である。義がつくことが大切だ。
"なぜそこを強調する!"
つくとつかないとでは大違いだからよ!そして「お義兄さま」呼びも大切な要素だからね!
ついていけないとばかりに公が額に手をあてていると2人が心配そうに見上げた。
「お兄ちゃん。どこか具合が悪いの?」
「具合が悪いのでしたら無理なさらないでくださいね」
「大丈夫だよ、舞、夢」
公が2人の頭を撫でると舞は気持ちよさそうに目を細め、夢は顔を少し赤くした。
「で、なんで千佳姉がいるんだ?」
「あら、翔や音がいることには疑問をもたずに私がいることだけに疑問をもつんだ」
残りの少年少女は隣の家に住む幼なじみの3兄妹で、高3で長女の千佳に中3で長男の翔、中2で次女の音だ。
「翔や音がいても問題はないけど、千佳姉はな~」
「ふ~ん。そうなんだ~」
笑顔の2人だが、黒いオーラが見えていた。
「姉貴。公兄と薫さんの入学祝いなんだからそんな黒いオーラ出すなよ」
「それもそうね」
千佳が黒いオーラを引っ込めたので公も引っ込めた。
「公兄。薫さん。入学おめでとう」
「ありがとな、音」
お礼を言われた音ははにかんだ。
「とりあえず座って乾杯しようか」
ダディの言葉でみんな席に座り、飲み物を手に取った。
「それじゃあ、公と薫の入学を祝って乾杯」
『乾杯』
グラスをあわせていることには1口飲んだ公はダディを見た。
「義父さん。明日の仕事には間に合うのか?」
「大丈夫だ。夜の夜行列車で帰るからな」
ダディは今単身赴任中であり、同い年で中3の舞と夢は冬休みなのでダディのところへ行っていた、というより連れていかれたというのが正しいだろう。
「ようやくお義父さんから解放されます」
「1週間は長かったですわ」
「そんなにお父さんといるのがいやか?」
「あはは」
「舞がいなかったら行っていませんわ」
2人に拒絶されたダディは泣いていた。そんなダディを無視して2人は公の腕に抱きついた。
「千佳姉達がいるのは母さんが誘ったからか?」
「えぇ。3人も公の制服姿が見たいって言っていたから誘ったの」
「制服姿を見せるぐらいなら家に行ったのに」
「公兄にそこまでしてもらうわけには」
音が恐縮していた。
「だったら入学式当日に頼めばよかったな~」
「千佳姉だったら行くかわからないな」
「ぶ~」
公の対応の違いに千佳は頬を膨らませた。
「姉貴。可愛くないぞ」
「うるさいわね」
千佳は翔の頬をぐりぐりし始めた。
「止めろよ~」
「姉に対する口の聞き方がなってない弟なんてこれぐらいでいいのよ。でも、公が小説高校に進学するなら私も小説高校に進学すればよかったな~」
「自分のなりたいことのために今の高校選んだんだからそんなこと言うなよ」
さっきまで冷たかった公からの優しい言葉に嬉しくなった千佳は公の背後に行くと後ろから抱きついた。
「そうよね。ごめん」
「お姉ちゃんだけズルい」
音は机の下を抜けて公のお腹に抱きついた。そうなってくると抱きつく場所がなくなった薫は、行き場のなくなった手をわきわきさせていた。
そんな中、料理が運ばれて来たのでそれぞれ席に戻って料理を食べ始めた。
「まだ始まったばかりだが、高校はどうだ?」
「そうだね。新しい友達とも出会えたし、楽しい高校生活になりそうだよ」
「今日も公は女の子を助けて友達になった」
「雪とは薫も友達になっただろ」
「へぇ~」
ニヤニヤしている千佳の隣では音がジトーと公を見ていた。
「まだまだ敵は増えていく」
薫の一言に音だけでなく舞や夢もピクッと反応した。
「あらあら、モテるわね~」
「さすがです」
「羨ましい」
「あら?」
ダディの失言にマザーの眉がピクッと動き、ダディはビクッとした。
「あなた、羨ましいの?」
「あ、あぁ。高校時代、俺もあれぐらいモテたかったとは思うな」
冷や汗をかきながらマザーの反応を待ったダディ。
「そう」
それだけ言うとマザーは公を見たのでホッとしたダディ。
「でも、ただモテればいいってわけじゃないわよ、公。ちゃんと相手のことを考えないとね」
「なんでモテる前提なのかわからないが、俺を好きになってくれた相手のことはちゃんと考えるさ」
一夫多妻がOKどころか少子化対策のために推奨されてるからバンバンモテて彼女作って結婚しないとね。
「ちょっと待て作者」
なに?
「一夫多妻が推奨されてるってなんだよ!」
だってテレビで、
〇
「たった今入ったニュースです。内閣が少子化対策のために一夫多妻推奨法案を賛成多数で可決いたしました。これにより多く女性と結婚し、幸せな家庭を築いて子供をたくさん産んだ家庭には支援金が配布されることになりました。ただし、支援金目当てに手当たり次第女性と結婚した男性には重い刑罰が課せられます。支援金が出るのはあくまでも幸せな家庭を築いた場合だけですのでご注意ください。以上、臨時ニュースでした」
〇
と、いうわけだから。
「だからじゃねーよ!」
幸せな家庭を築けばいいって話なんだから難しいことじゃないのよ。
「そうだけど、そうじゃなくて!」
「お義兄さまなら大丈夫ですわ」
「そうだよ。お兄ちゃんならできるよ」
「公なら簡単なことでしょ」
「公兄なら大丈夫だって」
「その時は私も………」
最後の音の呟きは聞こえなかったが、いろいろ言われた公は思考を放棄して食べることに集中した。
「あらあら。これから先が楽しくなりそうね」
うんうん。ホントだよ。
◇
食事を終えて駅でダディを見送って帰ってきた公は部屋で一息吐いていた。その両サイドには舞と夢の2人がべったりくっついて離れない。
「そんなにくっつかなくてもよくないか」
「ダメだよ。この1週間分のお兄ちゃん充電をしないと」
「そうですわ。1週間会えなかったのですからまだまだこれだけでは足りませんわ」
あら~。両手に花状態で早速ハーレムに向けて始動し始めましたか?
「私達花だって、夢ちゃん」
「嬉しいことを言ってくれますわね、作者」
「両手に花なのは認めるが、ハーレムって言い方は止めろ。それに始動すらしてねーからな」
『きゃー!』
公に花と認められた2人がはしゃいでいた。
なんでよ。一夫多妻なんてハーレムと同じじゃない。
「その考えは否定しねーが、そもそも俺は一夫多妻をする気なんてないし、そこまでモテる人間じゃねーぞ。だから中学でも告白されたことないし」
ジーーーーーーーー。
私・舞・夢の3人の視線が公に突き刺さります。
「なんだよ」
いえ。シスコン天然ジゴロは鈍感朴念仁だと思ってね。いや、主人公にはありがちな設定ではあるけどね~。まさか公もその類いだったなんてね~。もう称号としてつけちゃおう。
「ちょっと待て!聞き捨てならねー言葉がいくつも並んだぞ!ってかその設定もお前が作ったものだろが!しかも称号としてつけるな!」
そこら辺2人はどう思うの?
「そこも含めてお義兄さまのいいところですわ」
「私はどんなお兄ちゃんでも受け入れて応援するよ!」
いい妹達だね。感動したわ。それにたいしてこの兄は。
「お前にだけはそんな見下したふうに言われたくねーな」
はぁ。
「ため息を吐きたいのは俺のほうだからな!」
「公。お風呂あいたわよ」
お風呂あがりでパジャマ姿の薫が呼びにきたので、舞と夢は公から離れた。
「わかったよ」
ため息を吐いて頭を掻いた公は部屋を出て脱衣所へ。服を脱ごうとしてかごを見た公は、かごに残っているものに気づいた。
それは薫のパンツ。
「公。パンツ穿き忘れた」
狙ったように薫が入ってきた。
「ぜってーわざとだろが!」
「そのまま部屋に持って返っておかずにしてもいいよ?」
公は無言で薫にパンツを投げつけた。
「恥ずかしがり屋さん」
1発叩いてやろうと公が近づいた瞬間、薫はズボンを一気に脱いで下半身丸出しになったので慌てて反転する公。
「なんで脱ぐんだよ!」
「だって脱がないとパンツ穿けないから」
「俺のいる前でやることじゃねーだろが!」
「でも、ここ脱衣所だし」
「部屋でしろ!」
「はーい」
パンツとズボンを素早く穿いた薫が出ていったので、大きくため息を吐いた公は服を脱いでお風呂に入り、かけ湯をしてからお湯に浸かった。
「極楽極楽」
「私のあとのお風呂だから?」
いつの間にか脱衣所に戻ってきていた薫の声が聞こえた。
「お風呂はいつでも極楽なんだよ」
「別にお湯を飲んでもいいよ」
「飲まねーよ」
「パンツ置いとこうか?」
「それもいらねーよ」
「ホントに?」
「ホントだよ」
「わかった」
薫が脱衣所を出ていく音が聞こえたので、ようやく公はゆっくりと今日の疲れを癒した。
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