私のための小説

桜月猫

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46話

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 ゴールデンウィークを終えるとやってくるのはそう中間テスト。授業中に先生からその話が出てくると悲鳴をあげる生徒がどのクラスでも少なからずいた。
 そして、公のクラスでは当然庵が悲鳴をあげるわけで、

「テストイヤだー!」
「うるさい」

 朧月が庵の頭を叩くと、叩かれた庵はシクシクと泣き真似をした。

「お前だって教科によっては俺と同じ立場なくせに」

 庵の言葉は間違ってはいないのだろうけど、朧月が気にした様子はなく、普通にお弁当を食べていた。

「まぁ、今回は範囲がわかってる分マシだろ」

 公のなぐさめともとれる言葉に庵は顔をあげた。

「あとは、そのテスト範囲をちゃんと勉強してれば赤点になることはないだろ」
「そうね。ちゃんと勉強さへしていれば大丈夫でしょう」
「う、うわーん!公と桜がイジめるよー!」

 庵は机に突っ伏してまた泣き真似をした。

「人聞きの悪いこというな」
「そうよ。勉強していれば赤点を取らないのは事実なんだから」

 正論で押されると反論できない庵は泣き真似を止めたかわりにいじけた様子でお弁当を食べ始めた。

「そんな風に叫んだりするってことは、庵って成績悪いの?」

 実力テストの結果をしらない牡丹による直球の問いかけは庵の胸をえぐった。

「そうだな。このメンバーの中では最下位だろうな」

 蛙の答えも直球なので、庵はさらに傷口をえぐられて悶絶していた。

「あ~。そこまで酷いんだ。なんかゴメンね」
「謝らないでくれ。よけいみじめになるから」
「ふっふっふ。なら我が貴様達をよけいにみじめにしてやろう」

 どこからともなく現れてそんなことを言い出した中二を誰もが無視してお弁当を食べていた。

「ちょっ!誰でもいいから反応しろ!」

 しかし、反応すれば厄介なことを理解している公達は反応しない。

「ふっ。我とテストの点数で勝負するのが怖くて逃げるか」
「なんだと?」

 中二の挑発に庵がのってしまったので公達は呆れてため息を吐いた。

「我を無視するということはそういうことだろ?」
「そこまで言うなら勝負してやるよ」
「では、ここにいるメンバーで5教科の平均点で勝負ということでいいな」
「やってやろうじゃねーか」

 というわけで、公・桜・楓・暁・蛍・庵・朧月・蛙・光・薫・雪・中二・牡丹・由椰・夕・ゆっこ・彩・蘭・長・龍・万結の計21人で点数勝負を行うことをここに宣言します!

「ちょっと待て!作者!」

 なんだよ。

「やるって言ってるのは庵と中二だけだし、ここにいない人間まで入ってるってどういうことだよ!」

 やるならこれまでに出てきた1年の登場人物全員参加でやったほうが楽しいから、作者権限で強制参加だ!

「やっぱりこの作者は駄作者だ!」

 公の言葉に桜達も同意するように頷いた。

 ふふふ。すでに決定事項だからもう変更はできないぞ。

「ホントにいらないことしかしないわね」
「こっちの迷惑も考えてほしいよ~」
「1つ言っとくと、半分は庵と中二のせいだからな」
「はぁ!?」
「なんでそうなるんだよ!」

 蛙の言葉で矛先が自分達に向いたことが信じられない2人は驚いていた。

「お前達がくだらない言い争いを始めなかったらこっちが巻き込まれることはなかったんだから当然だろ」
「いやいや!どうせ作者なら我らが言い争いを始めずともこのような展開にもってきていただろ!」
「そうだ!結局結果は変わらなかったんだよ!」
「かもしれないが、今回はお前達の言い争いがきっかけになったからお前達も悪い」
『ぐっ!』

 反論出来ずに黙りこんだ2人。

 そうそう。罰ゲームがあったほうが楽しいから、下位5名は割り勘で全員にジュースを奢るってことで。

『おい!』

 反応したのは庵と中二の2人だけ。

「って、お前達はそれでいいのか!?」
「作者にしては良心的な罰ゲームだと思うぞ」
「そうね。最下位が全員に奢るとか言わなかっただけ良心的よね」
「うちの学校にある自販機は紙パックのやつも紙コップのやつも全て100円だから、下位5人は1人につき420円の出費で済むんだからな」
「それに~、ここで下手にごねると変な罰ゲームに変更される可能性もあるから~、ここは素直に了承しとくほうがいいと思うんだよね~」
『あぁ~』
「納得したら返事は?」
『了解!』

 庵と中二は敬礼しながら了承した。

 それじゃあ罰ゲームも決定ということで、頑張ってね~。

「なにを言ったところでやらされるのはわかってるからやるけど、ムカついてるからな」

 怒気のこもった言葉を放つ公。

 ハハハ。ムカつきたければムカつくといい。俺はそっちのほうが面白いからな。

「ホントにイヤな性格してるよね」

 蛍は困ったように苦笑していた。

「しかし、そうと決まれば頑張って勉強して下位5人に入らないようにしないとな!」

 庵が気合いを入れている横では中二が余裕の表情でいた。

「ふふふ。安心しろ。我がトップを取るのは確定している」
「蛙、朧月、泊まりの勉強会するぞ!」
「そのやる気がいつまで続くか」

 朧月は呆れたように庵を見ると、庵は拳を握りしめて気合いを入れていた。

「まぁ、期待しないでつき合ってやろうぜ」

 蛙の言葉に朧月は仕方ないとばかりに頷いた。

「僕達も泊まりで勉強会する~?」
「そうだな。泊まりでするかどうかはその時に考えるとして、勉強会はするか」
「そうね」
「いいわね」
「賛成」

 というわけで、公達も勉強会をすることが決まった。


          ◇


 放課後の生徒会ではハルが沈んでいた。

「どうしたんですか?」

 万結は心配そうにハルに近づいた。

「万結。気にしなくていいぞ。中間テストがイヤで落ち込んでるだけだからな」
「テストなんて無くなってしまえばいいノデス」

 そう思っているのか、秋や壱や廻は「あ~」なんて声を出していた。

「お前達」

 裁が声をかけると4人は苦笑した。

「別に生徒会役員なんだからいい点数をとれとは言わないが、赤点だけはとってくれるなよ」
「そこまで悪い点数はとらないので安心してクダサイ」
「だったらそこまで落ち込む必要はないだろ?」

 裁の言葉にハルは首を振った。

「それとこれとは別問題なのデス。なぜなら、点数が悪くないからといって、テストをしたいかと聞かれたら答えはNO!だからデス」

 ハルの言いたいことを理解した裁は苦笑するしかなかった。

「なるほど。確かにそうかもな」
「裁。そこで頷かない。ハルが調子にのってテスト勉強しないとか言い出すわよ」

 冬の言葉にハルは勢いよく立ち上がった。

「そこまで落ちぶれはしまセンヨ!」
「そう。なら落ち込んでないで仕事をしてくれるかな?」
「ハイ」

 静かに着席しなおしたハルは書類を手にとって作業を始めた。

「それで、1年のみんなは中間テスト対策はキチンとしている?」

 絆の問いに1年全員頷き返した。

「よろしいい。裁も言ってた通り、赤点を取らない限りテストの点数はそれほど気にしないでいいわよ。とりあえず、自分の出来る精一杯のことをして中間テストにのぞむように」
『はい』

 1年達から返ってきた返事を聞いた絆は微笑んだ。
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