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【第9章 自由の国】
第5節 魔の導き
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「ようやくお出ましか。」
男性はコンパルゴに近づいて、一定の距離を保つ。男性は筋骨隆々な体つきで、体格もかなり大きい。
「このゾンビ共はお前が原因か?」
「俺は指示に従っただけだ。」
「では、誰がお前に指示をした?」
男性はコンパルゴに問いかける。コンパルゴは口笛を吹いたあとに口を開く。
「お前が来たら言えと言われてたな。俺の指示したのはディファラスだ。」
(ディファラス……!)
ガーネットはコンパルゴの発言に驚く。ロビンは痛みで話が入ってこない。
「そいつは何者だ?」
「何者って………俺の上司みたいな奴だ。」
「そいつと話がしたい。どこにいる?」
コンパルゴは頭をかく。
「どこにいるって聞かれてもなぁ。あの人は神出鬼没だから分かんねえな。」
「ふむ…」
男性は顎に手を当てる。
「話は終わりか?終わったなら俺はこの場を離れる。まだやることがあるからな。」
コンパルゴはどこかへ向かおうとする。
「逃がすか!」
ロビンはコンパルゴに刀を振るう。
ザクッ!
コンパルゴは刀を腕で止める。
「そう死に急ぐな。後で殺してやるから。」
「いいや、俺がお前を倒す。絶対にな!」
コンパルゴはロビンを振り払うとどこかへと消えてしまう。
「やっーと来ましたねぇ、ガレジスト様ぁ。」
「今はお前にかまっている暇はない。」
ガレジストは全員を集める。
「俺はガレジスト・ブロックン。階級は神級。お前たちのことはソールから聞いている。」
ガレジストからは神級の威厳を肌でひしひしと感じる。
「話したいことは山々だが、一度支部に戻る。怪我人の治療をしなければな。」
ガレジストはロビンのほうを見る。
(やっぱりそうなるかぁー。)
「それにしても……酷い怪我ですね~。3本?いや5本か。」
マールドはロビンの胸をなぞる。
「早くしろ。遊ぶな。」
「はいはいわかってますよ~。」
ロビンはマールドに鋭い目線を向ける。
「それにしても、さっきはよくこの怪我で動けましたね~。あなた人間ですか?」
「九尾の力で痛みを和らげただけだ。」
グリッ
「あぁぁぁ!殺す気かー!」
「ちゃんと痛いみたいですね。正常な証拠です。」
マールドはロビンの肩を何回か叩きながら胸を指でなぞる。
「おま、いい加減に……あれ?治ってる??」
「さっき指でなぞったときに治しました。ついでに魔力の補給を終わらせてます。」
マールドは軍帽を指で回しながら部屋から出る。ロビンは自分の手をしげしげと握りながら見つめる。
(あいつ……一体何者なんだ?)
ロビンは服を着る。部屋の外には何人か集まっていた。
「治ったようだな。どこか違和感はあるか?」
「ない。あいつ……マールドって何者なんだ?」
ソールはロビンに部屋の端に移動するよう促す。
「移動してもらってすまない。」
「場所を変えるってことは他言無用の話なのか?」
「その通りだ。彼女のことを話すと、君や、私にも関わるものとなる。」
ソールは真剣な眼差しで話を続ける。
「失礼だが単刀直入に聞かせてもらう。君は、太陽の人で間違いないな?」
「なんでわかったんだ?!」
ロビンは驚く。ソールはやはり、という顔をする。
「これは私の直感だ。それに、マールドもこのことに気づいていた。」
「特殊な血筋を持つ者であれば、直感でその者の血統を見分けることができる。ある程度の慣れは必要になるがな。」
ロビンはなるほどと頷く。
「つまりお前も血筋なのか。なんの血を引いてるんだ?」
「私は"龍の血統"だ。」
「龍……」
「話が逸れるが、彼女、神宮寺 美桜は龍神を使役しているだろう?」
ロビンはかなりびっくりする。
「そんなことまでわかるのか?!」
「君には、龍と龍神の違いを教える。龍に関しては君も知っているだろう。」
ソールは腕を組む。
「龍神について教えよう。龍神は龍の中でもとりわけ強力な龍のことをさす。」
「龍神は非常に強大な力を持つ。神に匹敵するほどのな。」
「そもそも龍という種族自体が強力な種だ。血統の私も例外ではない。その気になれば天候すらも変えられるだろう。」
ソールは神が存在するかのような口ぶりで話す。
「龍と龍神は種族は違えど、もとは同じ龍だ。龍の血を引く私だからこそ、彼女の使役する龍神の気配を感じることができるのだ。」
ロビンは頭がこんがらがりそうになら。
「マールドはなんの血統なんだ?」
「それは私にも分からない。彼女は自身の血筋に関して、全く口を割らないからだ。」
ロビンは仕方なさそうな顔をする。
「ここにいたか。奴の場所がわかった。すぐに出るぞ。」
「ガレジストか。私は支部で待機する。立場上、表立って動くことができない。」
「そうだろうな。」
「迷惑をかけるな。」
「いつものことだろ。気にするな。」
ロビンはガレジストに着いていく。
「あいつはどこにいるんだ?」
「奴は今、"ラスベガス"にいる。詳しいことは車内で話す。」
ロビンは外に出ると車が用意してある。かなり頑丈そうな車だ。
「こっちよ。」
美桜が手招きする。車内にはガーネットと玖羽が座って飲み物を飲んでいる。テーブルには通信機が置いてある。
「少々狭いが遠慮するな。ラスベガスまでは長い。話でもしながら気長に待とう。」
ガレジストが合図すると、車はラスベガスに向かって走り出す。
「なんであいつがラスベガスにいるってわかったんだ?」
「魔力探知で居場所がわかった。どうやら奴は、隠れる気はないみたいだ。」
玖羽は飲み物を飲む。
「なあロビン。あいつの名前ってコンパルゴで合ってるか?」
「あぁ。合ってる。」
「奴はコンパルゴと言うのか。奴の言っていたディファラスとは何者なんだ……」
「ディファラスは……私の両親を殺した男です。」
ガーネットが口を開く。
「そういえば、ヴァンパイアもディファラスのことを口にしたんだよな?」
「えぇ。」
「なんて言っていた?」
「私たちでは、ディファラスには勝てないと言い残したわ。あの場にいた者達なのか、それとも魔道士全体に言ったのかは分からないわ。」
美桜は話を横目に聞いていた。
(ヤバい……何言ってるか分からない。)
ピッ!
通信機が繋がる。
「このような形で失礼する。今回の件について話し合おう。」
「お前は真面目だな。」
「最高管理者として、これぐらいできなくては意味がない。」
ソールが書類を整理する音が聴こえる。
「まず、ゾンビの大量発生の原因だ。市街地の路地裏に怪しい試験管が落ちていた。検査したところ、ゾンビと同じ成分が見つかっている。」
「コンパルゴも自白してたから確定だな。」
「現在、マールドが特効薬を作っている。完成すればこの問題は解決するだろう。」
また書類の音がする。
「君たちは話し合うことはないのか?」
「ディファラスについてだな。」
「何か知ってることはあるか?」
「少し調べてくる。」
ソールは席を外す。
「ヴァンパイアはディファラスに半獣にしてもらったと言っていたわ。」
「そういえば、コンパルゴの名前を知ったのもヴァンパイアが話したからだな。」
「この3人は繋がっていると思ったほうがいいな。」
「あっ。」
ロビンは何かを思い出した。
「八岐大蛇の時にコンパルゴが言ってたんだが、姉御の命令があって八岐大蛇を復活させたらしい。」
「姉御?ディファラスとは別の奴がいるのか?」
「そう思っていいと思う。」
ガタ…
通信機から音がする。ソールが戻ってきたようだ。
「調べてみたが、ディファラスという男の情報は見当たらなかった。だが調べている最中、ある物語を思い出した。君たちに聞かせよう。」
ソールは物語を語り始める。
「昔、この地には竜が住んでいた。竜と人間は、互いに刺激しないように離れて暮らしていた。」
「しかしある時、1人の人間と竜が恋に落ち、1人の少女が産まれた。その少女は人間の姿ではあるが、所々に竜の特徴が見られた。」
「そのせいで、少女は酷く疎外されたという。物心がついた頃に少女は故郷を出て、辺境の地へと姿を消したらしい。」
「それ以降、少女を見たものはいない。しかし10年後、少女は再び故郷に姿を現し、故郷の周辺一体を水没させたらしい。」
「でもそれって、おとぎ話だろ?」
ロビンはソールに聞く。
「私もそうだと思いたいが、事実、過去に水没した集落が存在している。君にも先程話したように、特殊な血筋の人間はこの世に存在している。この話を無視することはできない。」
「確かにそうですね。イギリス支部には、200年前に1人の男が竜の女を探していた、という記録があります。」
5人の間に沈黙が走る。ガレジストが口を開く。
「今は目の前の問題に対処しよう。」
「妙に慎重だな。」
「あぁ。不本意だがこれから、相手の罠に自ら足を踏み入れることになるからな。」
車はラスベガスへと徐々に近づいている。不穏な空気が少しずつ、辺りに漂いながら。
男性はコンパルゴに近づいて、一定の距離を保つ。男性は筋骨隆々な体つきで、体格もかなり大きい。
「このゾンビ共はお前が原因か?」
「俺は指示に従っただけだ。」
「では、誰がお前に指示をした?」
男性はコンパルゴに問いかける。コンパルゴは口笛を吹いたあとに口を開く。
「お前が来たら言えと言われてたな。俺の指示したのはディファラスだ。」
(ディファラス……!)
ガーネットはコンパルゴの発言に驚く。ロビンは痛みで話が入ってこない。
「そいつは何者だ?」
「何者って………俺の上司みたいな奴だ。」
「そいつと話がしたい。どこにいる?」
コンパルゴは頭をかく。
「どこにいるって聞かれてもなぁ。あの人は神出鬼没だから分かんねえな。」
「ふむ…」
男性は顎に手を当てる。
「話は終わりか?終わったなら俺はこの場を離れる。まだやることがあるからな。」
コンパルゴはどこかへ向かおうとする。
「逃がすか!」
ロビンはコンパルゴに刀を振るう。
ザクッ!
コンパルゴは刀を腕で止める。
「そう死に急ぐな。後で殺してやるから。」
「いいや、俺がお前を倒す。絶対にな!」
コンパルゴはロビンを振り払うとどこかへと消えてしまう。
「やっーと来ましたねぇ、ガレジスト様ぁ。」
「今はお前にかまっている暇はない。」
ガレジストは全員を集める。
「俺はガレジスト・ブロックン。階級は神級。お前たちのことはソールから聞いている。」
ガレジストからは神級の威厳を肌でひしひしと感じる。
「話したいことは山々だが、一度支部に戻る。怪我人の治療をしなければな。」
ガレジストはロビンのほうを見る。
(やっぱりそうなるかぁー。)
「それにしても……酷い怪我ですね~。3本?いや5本か。」
マールドはロビンの胸をなぞる。
「早くしろ。遊ぶな。」
「はいはいわかってますよ~。」
ロビンはマールドに鋭い目線を向ける。
「それにしても、さっきはよくこの怪我で動けましたね~。あなた人間ですか?」
「九尾の力で痛みを和らげただけだ。」
グリッ
「あぁぁぁ!殺す気かー!」
「ちゃんと痛いみたいですね。正常な証拠です。」
マールドはロビンの肩を何回か叩きながら胸を指でなぞる。
「おま、いい加減に……あれ?治ってる??」
「さっき指でなぞったときに治しました。ついでに魔力の補給を終わらせてます。」
マールドは軍帽を指で回しながら部屋から出る。ロビンは自分の手をしげしげと握りながら見つめる。
(あいつ……一体何者なんだ?)
ロビンは服を着る。部屋の外には何人か集まっていた。
「治ったようだな。どこか違和感はあるか?」
「ない。あいつ……マールドって何者なんだ?」
ソールはロビンに部屋の端に移動するよう促す。
「移動してもらってすまない。」
「場所を変えるってことは他言無用の話なのか?」
「その通りだ。彼女のことを話すと、君や、私にも関わるものとなる。」
ソールは真剣な眼差しで話を続ける。
「失礼だが単刀直入に聞かせてもらう。君は、太陽の人で間違いないな?」
「なんでわかったんだ?!」
ロビンは驚く。ソールはやはり、という顔をする。
「これは私の直感だ。それに、マールドもこのことに気づいていた。」
「特殊な血筋を持つ者であれば、直感でその者の血統を見分けることができる。ある程度の慣れは必要になるがな。」
ロビンはなるほどと頷く。
「つまりお前も血筋なのか。なんの血を引いてるんだ?」
「私は"龍の血統"だ。」
「龍……」
「話が逸れるが、彼女、神宮寺 美桜は龍神を使役しているだろう?」
ロビンはかなりびっくりする。
「そんなことまでわかるのか?!」
「君には、龍と龍神の違いを教える。龍に関しては君も知っているだろう。」
ソールは腕を組む。
「龍神について教えよう。龍神は龍の中でもとりわけ強力な龍のことをさす。」
「龍神は非常に強大な力を持つ。神に匹敵するほどのな。」
「そもそも龍という種族自体が強力な種だ。血統の私も例外ではない。その気になれば天候すらも変えられるだろう。」
ソールは神が存在するかのような口ぶりで話す。
「龍と龍神は種族は違えど、もとは同じ龍だ。龍の血を引く私だからこそ、彼女の使役する龍神の気配を感じることができるのだ。」
ロビンは頭がこんがらがりそうになら。
「マールドはなんの血統なんだ?」
「それは私にも分からない。彼女は自身の血筋に関して、全く口を割らないからだ。」
ロビンは仕方なさそうな顔をする。
「ここにいたか。奴の場所がわかった。すぐに出るぞ。」
「ガレジストか。私は支部で待機する。立場上、表立って動くことができない。」
「そうだろうな。」
「迷惑をかけるな。」
「いつものことだろ。気にするな。」
ロビンはガレジストに着いていく。
「あいつはどこにいるんだ?」
「奴は今、"ラスベガス"にいる。詳しいことは車内で話す。」
ロビンは外に出ると車が用意してある。かなり頑丈そうな車だ。
「こっちよ。」
美桜が手招きする。車内にはガーネットと玖羽が座って飲み物を飲んでいる。テーブルには通信機が置いてある。
「少々狭いが遠慮するな。ラスベガスまでは長い。話でもしながら気長に待とう。」
ガレジストが合図すると、車はラスベガスに向かって走り出す。
「なんであいつがラスベガスにいるってわかったんだ?」
「魔力探知で居場所がわかった。どうやら奴は、隠れる気はないみたいだ。」
玖羽は飲み物を飲む。
「なあロビン。あいつの名前ってコンパルゴで合ってるか?」
「あぁ。合ってる。」
「奴はコンパルゴと言うのか。奴の言っていたディファラスとは何者なんだ……」
「ディファラスは……私の両親を殺した男です。」
ガーネットが口を開く。
「そういえば、ヴァンパイアもディファラスのことを口にしたんだよな?」
「えぇ。」
「なんて言っていた?」
「私たちでは、ディファラスには勝てないと言い残したわ。あの場にいた者達なのか、それとも魔道士全体に言ったのかは分からないわ。」
美桜は話を横目に聞いていた。
(ヤバい……何言ってるか分からない。)
ピッ!
通信機が繋がる。
「このような形で失礼する。今回の件について話し合おう。」
「お前は真面目だな。」
「最高管理者として、これぐらいできなくては意味がない。」
ソールが書類を整理する音が聴こえる。
「まず、ゾンビの大量発生の原因だ。市街地の路地裏に怪しい試験管が落ちていた。検査したところ、ゾンビと同じ成分が見つかっている。」
「コンパルゴも自白してたから確定だな。」
「現在、マールドが特効薬を作っている。完成すればこの問題は解決するだろう。」
また書類の音がする。
「君たちは話し合うことはないのか?」
「ディファラスについてだな。」
「何か知ってることはあるか?」
「少し調べてくる。」
ソールは席を外す。
「ヴァンパイアはディファラスに半獣にしてもらったと言っていたわ。」
「そういえば、コンパルゴの名前を知ったのもヴァンパイアが話したからだな。」
「この3人は繋がっていると思ったほうがいいな。」
「あっ。」
ロビンは何かを思い出した。
「八岐大蛇の時にコンパルゴが言ってたんだが、姉御の命令があって八岐大蛇を復活させたらしい。」
「姉御?ディファラスとは別の奴がいるのか?」
「そう思っていいと思う。」
ガタ…
通信機から音がする。ソールが戻ってきたようだ。
「調べてみたが、ディファラスという男の情報は見当たらなかった。だが調べている最中、ある物語を思い出した。君たちに聞かせよう。」
ソールは物語を語り始める。
「昔、この地には竜が住んでいた。竜と人間は、互いに刺激しないように離れて暮らしていた。」
「しかしある時、1人の人間と竜が恋に落ち、1人の少女が産まれた。その少女は人間の姿ではあるが、所々に竜の特徴が見られた。」
「そのせいで、少女は酷く疎外されたという。物心がついた頃に少女は故郷を出て、辺境の地へと姿を消したらしい。」
「それ以降、少女を見たものはいない。しかし10年後、少女は再び故郷に姿を現し、故郷の周辺一体を水没させたらしい。」
「でもそれって、おとぎ話だろ?」
ロビンはソールに聞く。
「私もそうだと思いたいが、事実、過去に水没した集落が存在している。君にも先程話したように、特殊な血筋の人間はこの世に存在している。この話を無視することはできない。」
「確かにそうですね。イギリス支部には、200年前に1人の男が竜の女を探していた、という記録があります。」
5人の間に沈黙が走る。ガレジストが口を開く。
「今は目の前の問題に対処しよう。」
「妙に慎重だな。」
「あぁ。不本意だがこれから、相手の罠に自ら足を踏み入れることになるからな。」
車はラスベガスへと徐々に近づいている。不穏な空気が少しずつ、辺りに漂いながら。
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