紡ぐ者

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【第21章 紡ぐ者】

第12節 巨竜撃墜

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「いた!」
美桜は視界の中に、暴れまわる竜の姿を捉える。竜に近づくにつれ、天候が激しくなり、銃声も大きくなる。
「さっきから聞こえる銃声は何?!」
「それよりも、この天候を問題視したほうがよさそうだ!」
2人は強風に逆らって突き進むが、立っていることがやっとのほどに強い。
「くっ、さっきから全く進んでない…」
2人が停滞していると、近くの建物に向かって竜が突っ込んでくる。瓦礫の上から誰かが飛び降りてくる。
「やっと来たか。統制会(キャラバン)は指示が遅いのか?」
1人の女性がこちらを睨むように見る。両手には銃が握られている。しかし、普通の銃ではない。
「その銃……」
「話は後だ。今はやつを倒すことに集中しろ。」
瓦礫が崩れ、瓦礫の下から竜が姿を現す。
(これ……竜なの?)
竜の体は生物とは思えない、不自然な姿をしていた。まるで、様々な竜を組み合わせたかのようだ。
「離れて!」
美桜はサーミルを突き離す。直後、竜の爪が振り下ろされる。美桜は青に乗り、竜の頭部の裏にまわる。竜は青を追って噛みつこうとしてくる。青は竜の顎の下をくぐり、反対にまわる。
「貸せ!」
女性はサーミルを踏んで空中に飛び上がる。竜はそれに気づいて女性のほうを見る。
「今更気づいても遅い!」
女性は竜を地面へと蹴り倒す。
(あの巨体を簡単に……一体何者なんだ?)
女性は竜に銃口を向ける。竜は女性に口を開けて襲いかかる。女性は竜の後頭部に飛び移る。同時に、大きな銃声が辺りに響く。竜の顔から一筋の煙が立ち昇る。
「ちっ、だめか。」
竜は起き上がって女性を振り落とす。女性はすぐに立ち上がり、竜の動きを警戒する。
「伏せろ!」
竜が体を回転させて、尻尾を振り回す。尻尾は建物を簡単に破壊する。サーミルは瓦礫に阻まれる。
「しまった?!」
抜け出した直後、竜の尻尾が目の前に迫る。
「ぼさっとしてんじゃねえ!」
カトラリーはサーミルの前に飛び込み、竜の尻尾を押し返す。
「間に合ったようだな。」
カトラリーの後方にソールが降り立つ。
「で、あのデカブツはどうすんだ?」
「決まっている。やつを討伐する。」
竜はソールのほうを見る。ソールの姿を認識すると、空に向かって雄叫びをあげる。
「やはり、正体を隠すことはできないようだな。君たちは下がれ。やつの攻撃がくる。」
ソールは手に魔力を集める。竜はソールに向かって無数の雷を落とす。
「はあっ!」
ソールは雷の隙間を通り抜け、竜に向かって集めた魔力を放つ。直撃するが、竜はお構いなしに進んでくる。
「これではだめか。ならば……」
ソールは空に向かって魔力を飛ばす。上空で魔力が分裂して、無数の魔力弾となって竜を襲う。
「効いてる?」
美桜は煙の中から竜の姿を探す。
「おい下がれ!」
青が美桜を引っ張って建物の陰へと引きずり込む。
「急にな……」
その直後、美桜は凄まじい衝撃に襲われる。
「……何?」
美桜は恐る恐る顔を出す。そこには信じられない光景が広がっていた。
「嘘……でしょ……」
建物の崩れ、竜の周辺が廃墟と化していた。竜の体には魔力が電流のように流れている。
「やつが魔力を解き放ったらしい。」
「他の皆は?」
「あそこだ。」
青の視線の先に、ソールの結界に守られたサーミルたちの姿があった。
「ちっ、まさかお前に守られるとはな……だが、このバケモノはどうすんだ?」
「私が隙を作る。そのうちにやつの弱点を探せ。」
女性は竜に向かって発砲する。竜は銃声に反応して女性を追いかける。カトラリーは女性を追うようにして飛び出す。
「1人で囮になってんじゃねぇ!2人のほうが撹乱しやすいだろ?!」
「そうだといいがな。」
2人は竜を翻弄するように周りを駆け回る。竜は2人に向かって雷を落とす。
(ちぃっ、くらったら即死じゃねぇか……)
「後ろだ。」
女性はカトラリーの背後に向かって発砲する。雷が弾丸目掛けて落ちる。
「この弾丸は特殊でな。遠くに撃てば、避雷針のように使うこともできる。落雷のことは気にするな。」
「それ以前に、風がうぜえな!」
風は徐々に強くなり、大粒の雨粒が体に打ち付けられる。
「これもあの竜の力だって言うのか?」
「それ以外考えられないだろう。」
竜は顔を下にして2人に噛みついてくる。カトラリーは顎の下をくぐり抜け、女性は竜の頭に飛び乗る。女性は竜の体に弾丸を何発か撃ち込む。
(何をしてるの?)
美桜は青の背中から女性の行動を見ていた。
「おいノコギリ女。こっちに来い。」
「誰がノコギリ女だ!……間違ってないのが微妙に腹立つな。」
カトラリーは竜の背中に飛び乗る。カトラリーが飛び乗った瞬間、竜の体に風が集まりだす。
「気にするな。早く来い。」
「言われなくとも……」
カトラリーは女性のもとまで一気に竜の体を飛び越える。
「来てくれて早々悪いが、飛び降りるぞ。」
「はあっ?!」
「いいから、早く……行け!」
女性はカトラリーの服を掴んで、宙に投げる。そのあと、女性も竜の頭から飛び降りる。竜は女性に向かって雷を落とす。
「無駄だ。」
女性は自身の真上に弾丸を放つ。雷は弾丸に吸われるが、引き付けきれなかったものが女性の真横を通過する。
「……言っただろ?無駄だと。」
女性は竜に向かって銃から魔力の弾丸を放つ。弾丸は竜の体に撃ち込まれる。その直後、弾丸は竜の内側で爆発する。それに合わせて、最初に撃ち込んだ弾丸が順番に爆発する。
「ガラアァァァッ?!」
竜の体が地面へと倒れる。女性は地面に着地する。
「………効いたか?」
「いや、まだ生きている。」
竜の瞼が上がり、瞳がこちらを見ている。竜はゆっくりと体を起こす。しかし、様子がおかしい。
「背中に何かあるのか?」
美桜は青の背中から身を乗り出して竜の背中を見る。背中に小さな突起物のようなものがある。それはピクピクと動いている。
(あれは……)
竜が背中に力を込めると突起物が大きくなり、やがて、巨大な翼へと形を変える。
「なるほど、ここからが本番か……」
竜は翼ができると同時に、巨大な雄叫びをあげる。辺りの天候が更に悪化する。
「…寒い………」
カトラリーが小さな声で弱音を漏らす。吐息は少し白くなっている。冷えた体に、雨風が容赦なく襲いかかる。しかしそれは、女性も同じだった。
(まずいな。指の感覚が鈍くなっている。)
女性は魔力残量を確かめる。
(まだ余裕はあるが、体温のほうに余裕はない。一気にかたをつけるしかないな。)
「影があればいいが……」
竜の足元には影ができている。まだ崩されていない建物の下にもある。
(やむを得ない場合以外は使うなと言われたが…今がそのやむを得ない場合じゃないのか?)
女性は竜を瞳に映す。
「来いよ。狙った獲物を逃すつもりはない。」
竜は上空を見上げて雄叫びをあげる。空から無数の雷が降り注ぐ。女性は落雷の隙間を走り抜ける。竜は女性目掛けて雷を飛ばす。
「こんなもの……」
女性は自身の周囲に弾丸を散らばらせる。雷は弾丸を辿って地面へと着弾する。雷が着弾した衝撃で、近くの建物が崩れる。
「てめぇ1人にカッコつけさせると思うな!」
カトラリーは倒壊する建物目掛けて飛び込む。瓦礫をかき分けて、砂埃を払いながらカトラリーは女性に向かって叫ぶ。
「だったら、足を引っ張るなよ?」
女性はカトラリーに銃口を向ける。カトラリーも同じようにノコギリの先端を女性に向ける。
「跳べ。」
カトラリーは女性の声に反応して上空に向かって跳躍する。直後、女性はカトラリーのいた場所に弾丸を放つ。竜は女性の周りに風を集まり竜巻となり、女性の体が宙に吹き上げられる。
「打ち上げたところで……」
女性は竜巻の中で無数の弾丸を放つ。
「そこか!」
カトラリーが女性の更に上から、竜巻を突き破って急降下し、竜の頭を地面へと押し付ける。
「殺れ!」
カトラリーは上空の美桜に向かって叫ぶ。美桜は薙刀に赤の魔力を纏わせる。同時に、体中に電流のような痛みが走るのを感じる。
(痛いのは一瞬、痛いのは一瞬、痛いのは一瞬……)
美桜は薙刀を手に、竜の頭部めがけて落下する。竜の頭部に薙刀が深く突き刺さる。
「グラァァァァァッ?!」
竜はおぞましい断末魔をあげる。やがて、竜は地面に倒れて動かなくなる、
「流石に倒したでしょ……」
美桜は薙刀を引き抜いて竜から飛び降りる。
「さて、あんたは誰なの?」
美桜は女性に問いかける。
「やはり、話せなければならないのか……私は…」
女性が話を始めようとしたとき、背後から物音がする。振り返ると、竜が額から血を垂らしながらも起き上がろうとしていた。
「こいつ……まだ動けんのか?!」
カトラリーはすぐにノコギリを構える。
「いや、様子が変。皆、結界の中に。」
ソールは全員を結界で覆う。竜の体表の鱗にヒビが入っていく。そして、少しずつ鱗が剥がれ落ちていく。
「まさか……成長?」
竜の鱗の下から新たな肉体が現れる。しかしそれは、成長前とは似ても似つかないものであり、青や赤に似た"龍"の姿だった。
「竜から龍に……過去に今まで、このような生物を見たことはない。」
「おいおい、あいつは一体なんなんだ?」
「私にも分からない。だが、1つだけ断言できる。やつが生物と呼べるか分からないことだ。先程も言ったように竜のほうが格上の存在。竜から龍になったということは、退化しているということになる。生物は進化し続けて今の姿にある。退化を果たして、成長と言えるのだろうか……」
龍は体に付着した鱗を振り払うと、空に向かって飛び立つ。龍の背中に幾つもの羽が生え、その姿は神々しいものとなった。
「なにあれ……ほんとに、龍なの?」
「今はそんなことを気にしている場合か?!何か来るぞ!」
青は美桜がしっかり掴まったのを確認すると、全速力で龍から離れる。龍の体が少しずつ光りだす。
「おいおい、もしかしなくとも……まずいんじゃないか?」
カトラリーはソールの陰から龍の様子を見る。龍は地上に降りてくる様子はない。それどころか、放つ光がよりいっそう強さを増している。
「下がれ。ハーベストはまだか?」
「待たせたな。」
後ろの建物の上にハーベストの姿がある。
「かなりまずい状況だ。道中、街中に魔獣が跋扈していた。できる範囲で片付けてきたが、それでも精々半分ぐらいだろう。」
「なぜこうも……くそっ……魔獣は私が片付ける。お前らはあのでかいのをさっさと倒してくれ!」
カトラリーはノコギリを担いで街中に向かって走っていく。サーミルはハーベストに目配せしてカトラリーの後を追う。
「さて、どうすんだ?」
「私たちがやることは、龍の攻撃を全力で防ぐことだ。」
「ふんっ、だと思ったぜ!」
2人は街を覆うほどの巨大な結界を貼る。龍の体から放たれた光が最高潮に達する。すると、龍が羽を広げて、龍の周囲に無数の魔法陣が生成される。
「来るぞ!」
2人は攻撃に備える。無数の魔法陣から大量の光線が結界めがけて放たれる。
「振り落とされるなよ!」
青は突風でバランスを崩す。美桜は必死に青にしがみつく。光線は建物等を簡単に破壊しながら突き進む。光線が通っただけで、触れずとも地盤が抉られる。光線が結界に触れると、2人に猛烈な負荷がかかる。
「ぐっ、うぉぉぉぉ!」
2人は結界を破壊されないよう、懸命に堪える。無数の光線が1箇所に集まりだす。2人はその場所の結界を強める。
「ふっああぁぁぁっ!」
光線が全て放たれたあと、結界の前に魔力の塊が残り、ゆっくりと膨れ上がる。その直後、魔力の塊は大爆発を起こす。
「くっ……」
2人は結界を維持するが、爆発の威力が高く、結界が割れてしまう。結界の隙間から爆風が街を襲う。
「ぐっ…あぁぁっ!」
カトラリーとサーミルは街灯に掴まり爆風を耐える。魔獣は爆風によりあたりに吹き飛ばされる。
「くそっ、バケモノめ……」
ハーベストは槍を支えにしてゆっくりと立ち上がる。龍は羽を再び広げる。
「まさか……まだ使えるのか……」
龍の体が光りだした途端、青が龍に向かって頭から突っ込む。
「かあぁぁっ?!」
龍はバランスを崩す。光は上空に向かって光線状に放たれる。光線は暗雲を突き破り、空に巨大な穴を作る。
「行けっ!」
青の背中から女性が飛び降りる。
「うっ?!」
女性は龍に近づこうとするが、上昇気流により上空へと打ち上げられる。龍は狙っていたかのように女性に噛みつこうとする。女性はすかさず銃を取り出して龍の口内に向かって無数の弾丸を放つ。龍は怯んで顔を大きく振る。青は女性に向かって飛行する。
「掴まって!」
美桜は青の背中から体を乗り出して女性に手を伸ばす。女性は美桜の手を掴み、すぐに青の背中に登る。龍は青のほうを睨む。龍の周囲から無数の光線が青めがけて放たれる。
「まずいな……振り落とされるんじゃねえぞ!」
青は光線の隙間をかいくぐるが、光線は絶え間なく襲いかかる。龍の周囲全方位に無数の魔法陣が生成される。
「伏せろ!」
ソールとハーベストは結界を貼る。カトラリーはサーミルの腕を掴んで建物の陰へと隠れる。龍が空に向かって吠えた瞬間、魔法陣から無数の光線が放たれる。光線は建物や魔獣などを容赦なく破壊する。
(くそっ、無差別攻撃か。)
青は光線を雷で相殺するが、全てを捌き切ることはできない。青の尻尾を光線がかする。
「っ?!」
青はバランスを崩して高度が少し下がる。
「ぐうぅぅっ!大丈夫か?!」
「私は問題ない。」
ソールは龍を見る。龍の羽が少しばかり大きくなっている。
(果たしてやつは……生物と呼べるのだろうか…)
龍は地上を見渡す。地上は光線により地盤が抉れ、建物が倒壊している。
「痛てて……大丈夫?」
青は地面に倒れ込んでいる。
「……我のことは気にするな。」
「行くぞ、時間がない。」
女性は青に目を向けず、龍に向かって歩き出す。
「ゆっくり休んで。」
青は美桜の中に戻る。龍は地面の近くへと降りてくる。龍は女性の前に降り立ち、女性の様子を伺っている。女性は自身の銃の状態を確認する。
(まだ魔力は保つな。だが、早く仕留めるに越したことはない。でなければ、被害が更に大きくなる。)
女性は銃を龍に向ける。
(影はまだ……いや、かなり少ないな。でも十分だ。あとは隙を作るだけだが……)
女性の背後から美桜が女性の前に出る。
「その顔、何か作戦があるんでしょ?」
「バレたか……なら、やつの隙を作ってもらおう。そうだな……1分あれば十分だ。」
「了解。」
美桜は龍に向かって歩く。龍は空に向かって吠える。空から無数の雷が地上へ向かって降り注ぐ。美桜は赤の魔力を借りて身体能力を向上させ、雷の間を駆け抜ける。
(くっ………)
美桜の体に痺れるような痛みが走る。
「無理はするな。お前が死んでは意味がない。」
女性の足元から黒い触手のようなものが溢れ出す。
(久々に使うな。体が保つといいが……)
女性が集めた黒い触手は体に絡みつく。女性は自身の足元に黒い触手を放つ。黒い触手は影を辿り、龍の影から飛び出してくる。黒い諸は龍に巻き付き、龍の動きを妨害する。
「離れろ!」
女性は黒いもので美桜を龍から引き離す。女性は龍のほうを睨みつける。
「最初に行っただろ?後悔しろと!」
女性は黒い触手を思い切り引っ張る。龍の体に巻き付いた黒い触手が引っ張られ、黒い触手が龍の体を引き裂く。女性は足元に向かって腕を突っ込む。龍の影から無数の黒い触手が飛び出し、龍の体を貫く。美桜はその光景を見て唖然としている。
「ふぅ……」
女性の体から黒い触手が消える。同時に、女性は地面に座り込む。美桜は女性の頭に手を置く。
「あんた何者なの?」
「有耶無耶にしたかったが、隠すことはできないか……」
女性は美桜の手を払う。
「私は……」
女性が話をしようとしたとき、龍のほうから何かの声が聞こえる。
「今度は何?!」
龍の体が徐々に再生していく。龍が羽を広げると、羽に目のような模様がある。羽から魔力が脈打つように龍の体へ流れている。
「あれが……弱点?」
龍が空に向かって吠えると、周囲に幾つもの竜巻が発生する。
「近づくのは無理みたいだ。」
「じゃあその銃で…」
「この銃では到底届かない。仮に届いたとしても、この天候の中で標準を合わせるのは極めて困難だ。」
「じゃあどうすれば……」
女性は美桜から視線を逸らす。
(あいつがいれば……)
女性は立ち上がり、龍のほうを睨む。竜巻はいっそう勢いを増す。
「やばいやばいやばい!飛ばされるー!」
美桜は飛ばされないよう、薙刀を地面に突き刺す。女性は先程の黒い触手を使おうとするが、魔力を思うように使うことができない。
(くそっ、こんなときに……魔力を使いすぎたか。)
龍は2人の周囲に魔法陣を生成する。
「早く逃げっ……」
美桜は女性を連れて離れようとするが、体が硬直して動かない。
(なんでこんなときに……)
美桜は背筋が凍るような感じがする。龍に睨まれているからだ。魔法陣が光だす。青と赤が飛び出し、2人の周りに結界を貼る。美桜は目を強くつぶる。
「だあぁぁぁあっ!」
突然、龍が地面に向かって墜落する。魔法陣は消え、美桜は体が動くようになる。龍の背中から玖羽が飛び降りてくる。
「なんであんたがここにいるの?!」
「ちょっとした用事だ。」
龍は起き上がり、玖羽に向かって吠える。
「あーそうそう。悪いが俺はこれ以上は手を貸さない。」
「はあっ?!」
「その代わり、助っ人を連れてきた。この状況を打開できる助っ人をな。」
玖羽は美桜と目を合わせると、すぐにどこかへと立ち去ってしまう。
「あいつ……何考えてんの?」
「ビビって逃げたんじゃないのか?」
女性はゆっくりと立ち上がり龍のほうを見る。
「次の攻撃が来るぞ!」
2人は龍の攻撃に備える。空に電撃が走り、地上に向かって大量の雷が降り注ぎ、竜巻は更に勢いを増す。龍が体に魔力を集めたとき、1つの弾丸が龍の羽の1つを貫く。龍はバランスを崩し、集めた魔力が辺りに放出される。
「誰だ?!」
(青は気づいてない。でも、この状況で弾丸を正確に命中させれるやつなんて1人しかいない!)
美桜は弾丸が放たれた方向に目を向ける。建物の上からマールドがスナイパーライフルを構え、龍に標準を合わせていた。
「行くぞ。」
女性は美桜を置いて先頭に飛び出す。女性は龍の頭部に向かって弾丸を放って龍の注意を引く。その隙に、もう一発の弾丸が龍の羽を貫く。
「あと4つ!」
美桜は龍の尻尾を薙刀で防ぐ。龍は上空に向かって飛ぶ。
「掴まれ!」
青は美桜と女性を背中に乗せて龍を追う。
「傷は大丈夫なの?」
「今はこんなものを気にしている場合じゃない。」
龍は青に向かって光線を放つ。青は光線の隙間を通り抜ける。
「ええい、とっとと……降りてこい!」
青は龍の体に噛みつくと、地面に向かって龍を投げ倒す。龍は途中で態勢を直し、青の周囲に竜巻を発生させる。
「行け!」
青は2人を龍に向かって投げる。龍が2人に気を取られている隙に、マールドは龍の羽に弾丸を撃ち込む。龍は弾丸のほうに気を取られる。女性は龍の体に弾丸を撃ち込み、一気に爆破させる。爆炎の中、標準が定まらない状態で、マールドは弾丸で龍の羽を貫く。
「あと2つ!」
美桜は龍に向けて赤の魔力の斬撃を放つ。斬撃は龍の鱗を切り裂く。弾丸がもう1つの羽を捉える。
「あと1つだけど……」
龍が羽を広げると周囲に竜巻が発生し、視界が遮られる。
(どこ?)
マールドは龍の羽を探すが、竜巻が邪魔で羽を見つけることができない。
「くっ、これじゃあ、マールドが標準を定められない……」
「私に任せろ。」
女性は美桜を踏んで、竜巻の上から龍の背中に飛び込む。龍は女性を見上げると、女性に向かって雷を落とす。
「くっ…」
女性は上空に向かって弾丸を放つ。弾丸が避雷針の代わりとなり雷を集める。しかし、集めきれなかった雷が女性に落ちる。
「私の……作戦勝ちだ!」
女性は浴びた雷を銃に集めて、弾丸として龍の最後の羽に向かって放つ。弾丸は龍の羽を貫通することはなかったが、龍の羽に埋め込まれる。
「終わらせろ!」
マールドは弾丸が埋め込まれた場所に標準を合わせて引き金を引く。スナイパーライフルの銃口から放たれた弾丸が龍の羽に埋め込まれた弾丸を捉え、弾丸に込められた雷が龍の羽を貫く。
「ガアァァアッ!」
龍は首を振り上げて絶叫する。同時に周囲の竜巻が消える。龍は悶え苦しみながら、地面へと落下する。龍は空に手を伸ばしながら体が塵となって消えていく。
「これで……終わり?」
「あぁ。特異の竜は死んだ。」
「大丈夫か?」
遠くからカトラリーとサーミルが駆けつけてくる。
「竜は?」
「あの竜は死んだ。」
「くそっ、私がトドメを刺したかったな……」
カトラリーは女性のほうを見る。
「で、お前は誰なんだ?」
「それについては、全員が集まってから話す。」
女性は銃の状態を確認している。
「君たち、無事か?」
ソールがハーベストを支えながら歩いてくる。
「何があったわけ?」
「竜巻から街を守っていたが、案の定このざまだ。」
「俺はもう大丈夫だ。ありがとよ。」
ハーベストは服の汚れを払う。
「では、君たちについて詳しく説明してもらおう。」
ソールはマールドのほうを見る。マールドの後ろには玖羽と椿がついてきていた。
「なんであんたまでいるの…」
美桜は椿を見て少し戸惑う。
「別に気にする必要はないでしょ?それより、あんたたちの関係については私も気になるところがあるの。」
椿はマールドの頭を掴む。
「話すから離して~!」
「待て、私が質問を受ける。」
椿はマールドの頭から手を離す。
「単刀直入に言うが、君は誰だ?」
「ふぅ……私はユニウェル・アルザーク。マールド・アルザークの実の姉だ。そして、呪法連合の幹部でもある。」
「やはりか。君の容姿や話し方が彼女に似ていたからな。つまり、この写真の人物も君なのか?」
ソールは例の写真を見せる。
「あぁ。私で間違いない。その日、私はビルから標的をは狙撃した。」
「その標的は、俺のことか?」
玖羽が腕を組んでユニウェルを睨む。
「そうだ。……彼の言う通り、生きていたか。」
「彼?」
「カーネリアだ。俺がこいつに撃たれる前、俺はカーネリアと話していたんだよ。俺が撃たれても平気なんて情報、知ってるやつは限られる。」
「いや、君が撃たれても平気ということはこちらも初耳だが?」
ソールは玖羽の言葉に疑問を持つ。
「それは今関係ない。とにかく、今はこいつがなんの目的でここにいるかのほうが大事なんじゃないのか?」
「一理ある。」
椿はユニウェルの前に立つ。
「私は呪法連合に助けを求めた憶えはないけど?なんでここにいるの?」
「確かに、連合はあんたに一蹴された。だが、私がここにいるのは個人的な目的があったからだ。」
「個人的な目的?やましいことでも隠してんじゃないの?」
椿はユニウェルに疑いの目を向ける。
「それに、あんたがいつから呪法連合にいるかは知らないけど、幹部であるということは、少なくとも何年かはいるんじゃない?その上、彼女の様子を見るに、あんたが呪法連合にいることを知っていたように見えるけど?」
「そうなのか?」
「………はい。」
マールドはソールの問に静かに答える。
「あんたに疑いがある以上、彼女にも疑惑があるけど?もし吐かないのなら、尋問をすることになる。最悪、拷問になるかもしれないけど。」
「先に言わせてもらうが、マールドは連合とは無関係だ。尋問を彼女にしてみろ。私は容赦なくお前たちの命を奪う。」
「へぇ……今ここでやってみる?」
椿はユニウェルを挑発する。ユニウェルは目を閉じたのち、ゆっくりと目を開く。
「……ふんっ、やめておく。多勢に無勢だ。」
「ふーん……」
椿はユニウェルから離れる。
「では、マールドは呪法連合について何も知らないという認識でいいのだな?」
「それでいい。」
「でもそれを表す証拠がない。」
椿はユニウェルの痛いところを突く。
「……証拠になるかは分からないが、これならどうだ?」
椿は一目見てそれがなんなのか理解した。ユニウェルの首にはカーネリアの腕にもあった、螺旋状に記された不気味な文字列がある。
「なに……これ……」
美桜は不気味さに気分を害する。
「これは呪いだ。カーネリアの腕にもあった。他の幹部にも同じものがあるだろ?」
「ある。これこそが、呪法連合の一員であるという証だ。」
「その様子だと、君は知っているようだな。」
ソールは椿にこの文字列がなんなのか尋ねる。
「これはある種の呪いと言えるものよ。名前は、"虚偽の契約"(きょぎのけいやく)といったかしら。」
「あぁ。それで間違いない。」
「契約か。虚偽の契約について詳しく教えてもらうことはできるか?」
「……それはできない。」
「そのことについては私が…」
マールドが声を懸命に絞り出しながら前に出る。
「私ならいいでしょ?」
「……あぁ……お前なら大丈夫だ。」
一瞬、ユニウェルの目が変わったように見える。それは先程からは考えられないほど温和なものだった。
「虚偽の契約は、ある2つの条件をもとに身体能力や魔力といった、人間の潜在能力のあらゆるものを飛躍的に上昇させる呪いです。それに加えて肉体が異常なまでに頑丈になり、骨折程度なら一瞬で治癒してしまいます。」
「なるほど。それなら、先程までの戦闘での適応力も説明できる。それで、条件はなんだ?」
「1つはこの呪いについて呪いをかけられたものは、やたらむやみに口外してはならない。もう1つは、嘘をついてはならない。これだけです。」
「もし、条件を破ったら何が起こる?」
「……死にます。そしてこの呪いにより死んだ者は、いかなる蘇生や治療を受け付けません。たとえそれが、"完全な蘇生魔法"であっても。そしてその者の魂は、永遠に肉体に囚われることになります。たとえ肉体が消滅したとしても、その者が存在したという記録が残っている限り、永遠にこの世界を彷徨うことになります。転生することも許されない。契約を破ったという罰を未来永劫、永遠に背負う必要があるのです。」
「ふむ……」
ソールはユニウェルのほうを見る。
「その呪いを解く方法はないのか?」
「ありません。この呪いはあまりにも強力過ぎます。解ける者がいるとすれば、それは呪法連合の盟主、グレイ・ローズただ1人でしょう。」
ソールは顎に手を当てて深く考え込む。
「あの、お姉様と2人で話がしたいのですが……」
「構わない。こちらは少し、情報を整理しなければならないからな。」
マールドは裏路地へと入る。ユニウェルはマールドの後ろについていく。
「やっと……会えました…」
マールドはユニウェルに抱きつく。ユニウェルはマールドの体に手を置く。
「お前は変わっていないな。昔みたいに、私に甘えてばかりだ。」
「そうですよ……私にとってのお姉様は、あなただけなんですから……」
ユニウェルはふと昔のことを思い出す。



「どこに行くの?」
マールドはユニウェルに話しかける。
「買い物。ついてくる?」
「うん、行く!」
マールドはすぐに着替えてユニウェルのもとに走っていく。
 2人は街の中を歩いている。ユニウェルは手にカゴを持っている。カゴの中には1つのりんごが入っている。
「ねぇねぇ、なんでお姉ちゃんはそんなに暗いの?」
「なんでもない、ちょっと疲れてて。」
「じゃあこのりんごを食べなよ!」
マールドはカゴの中からりんごを取り出す。
「あ、どこにあるかと思ってたけど……まさか、出し忘れてたなんて。」
ユニウェルはりんごを受け取って眺めると、マールドにりんごを返す。
「これはあなたが食べなさい。」
「えっ?でも……」
「いいから。」
マールドは渋々りんごを口にする。ユニウェルはカゴを持ち替えると、マールドの手を握る。
(生きて。あなただけでも…)



「ねぇ……」
「どうした?」
ユニウェルはマールドのほうを見る。
「最近どこに行ってるの?なんか……最近変だよ。」
「別に……私はいつもと変わらない。それより、魔道士にはなれそう?」
「うん……試験も合格したし、適性もある。あとは書類が届くのを待つだけ。」
「そう……ならよかった。」
ユニウェルはマールドの肩を軽く叩いて部屋を出る。
「ロールケーキでも買ってきてあげる。夕飯の支度をしておいて。」
マールドはユニウェルを目で追う。その後ろ姿からは、何か重苦しい空気を感じた。



 ユニウェルは街の一角にある廃墟に辿り着く。
「約束通りだ。」
廃墟の2回からグレイ・ローズがユニウェルに話しかける。
「銃の扱いにはなれたか?」
ユニウェルは銃を取り出す。
「だいぶな。だが、まだ完璧ではない。」
「完璧をも止める必要はない。ただ、お前が実力以上の戦果を出せればいいだけだ。」
グレイ・ローズの背後に無数の魔法陣が生成される。ユニウェルはすぐに銃を構える。
「私に力を示せ。お前の連合での存在価値を私に認めさせろ。」
魔法陣から無数の刃がユニウェルに向かって放たれる。ユニウェルは弾丸で刃を弾き落とす。グレイ・ローズは刃の軌道を変えてユニウェルに飛ばす。ユニウェルは足元にある鉄板を蹴り上げ、盾にする。ユニウェルはすぐに階段を登りグレイ・ローズに向かって弾丸を放つ。グレイ・ローズは刃で弾丸を切り裂く。
「これはどうだ?」
ユニウェルは反射的に態勢を低くする。ユニウェルの頭上を巨大な刃が通り過ぎる。巨大な刃は廃墟の上部を切り崩す。巨大な刃が通り過ぎたあと、無数の刃がユニウェルに向かって多方向から飛んでくる。ユニウェルは柵を乗り越えて2階から宙に飛び出す。グレイ・ローズは刃をムチのように集めると、ユニウェルに向かって発射する。刃はユニウェルの脇腹を抉る。ユニウェルは顔をしかめながら1階に着地する。
「お前の実力はこの程度?」
グレイ・ローズは魔法陣を消すと、ユニウェルに向かって無数の光線を放つ。ユニウェルは光線の隙間をかいくぐって2階に登る。その瞬間、ユニウェルの足元に魔法陣が現れる。
(まずい…)
魔法陣から刃の先端が見える。その瞬間、ユニウェルはすでに魔法陣の外にいた。
(私の想像より速い。)
ユニウェルはグレイ・ローズに接近するし、銃口をグレイ・ローズに向ける。
「面白い。だが……」
グレイ・ローズはユニウェルの上から光線を放つ。光線はユニウェルの足に直撃する。
「はっ……?!」
ユニウェルの体は1階へと落下する。ユニウェルは立ち上がろうするが、立つことができない。足を片方を失ってしまったからだ。足からは激痛が全身に走る。ユニウェルは苦しそうに呼吸をする。グレイ・ローズはユニウェルに手を差し伸べる。
「もしお前が望むなら、この手を取れ。そうすればお前は、お前が望む結果を手に入れることができる。」
ユニウェルは最後の力を振り絞ってグレイ・ローズの手を取る。ユニウェルは、体に魔力が流れ込んでくるのを感じる。
「がっ……?!なんだ……」
ユニウェルの体に焼けるような痛みが生じる。
「24時間だ。その間に、お前の大事なやつに話を済ませておいたほうがいい。」



「……ただいま。」
「おかえり!」
マールドはユニウェルに飛びつく。
「なんでこんなに遅かったの?!今何時だと思ってるわけ?!」
「……ごめん。これ、ロールケーキだ。明日にでも食べてくれ。」
「………何か言いたいことがあるんじゃない?」
マールドはユニウェルの目を見る。
「何も………いや、1つだけある。」


「話って何?」
「正直に答えて。あんたは呪法連合を知ってる?」
「うーん……試験中に聞いたような……それがどうしたの?」
「悪いけど、あんたと同じ、魔道士の道を進むことはできない。」
「どうして?」
「私は呪法連合に入るからよ。」
マールドは身を乗り出してユニウェルと顔を合わせる。
「なんで……約束したじゃん……魔道士になって、一緒に戦おうって……」
「ごめん……だけど、今の私には、これしか選択肢がない。でもいつか、共に戦うことはできる。だからそれまで……耐えて。私も耐えるから。」



(共に戦うことは、果たして……できたのだろうか……。いや、それを決めるのは私じゃない。)
ユニウェルはマールドと目線を合わせる。
「1つ聞いていいか?」
「何?」
「今回、私たちは……共に戦えたと思うか?」
「さぁ……分かんない。けど、そうだと思う。」
ユニウェルはマールドに背を向ける。
「お前がそう思うならそれでいい。」
ユニウェルは誰かの気配を感じ取る。
「どうやら、迎えが来たようだ。」
「もう……行っちゃうの?」
「あぁ。だがまた会える。」
ユニウェルはマールドにペンダントを手渡す。
「これはお前が持っておけ。私には相応しくない。」
「やっと見つけたよ。」
裏路地の入口からカーネリアが顔を出す。
「さっ、用は済んだだろ?」
「あぁ、すぐに行く。」
ユニウェルはマールドの頭を撫でる。マールドが振り向いたときにはユニウェルとカーネリアの姿はなかった。マールドはペンダントを開ける。中には2枚の写真が入っていた。
「お姉様も、昔と変わっていないわね……」


「渡してよかったのか?」
「私には不要だ。むしろ、彼女が持つべきだった。私が連合に入ったときからそうすべきだったかもしれない。」
カーネリアはユニウェルにトランプを見せる。
「君はどれを選ぶ?」
「お前から見て一番左。」
カーネリアは指定されたトランプを引く。
「ダイヤの5。この結果が何を意味するかは………自分で考えてくれ。」
「もとよりそのつもりだ。」


「ん?君だけか?」
ソールはマールドが戻ってきたことに気づく。
「はい。お姉様はもうこの街にはいません。」
「そうか。まだ聞きたいことが山ほどあったが……君の顔に免じて今回は見逃そう。」
ソールは美桜のほうに視線を移す。
「話が変わるが、君がこの街に来たのは、特異の竜の討伐以外に何か理由があるのだろう?詳しいことは私の部屋で話そう。」
「少しいいか?」
ソールの後ろから聞き覚えのある声がする。振り返ると、がレジストが数名の団員を連れて立っていた。
「君か。特異の竜は倒された。」
「それはわかっている。俺がここに来たのは、お前に用があるからだ。神宮寺 椿。」
全員の視線が椿のほうを向く。椿はわかっていたかのような表情をしている。
「一体何があったんだ?」
「彼女に対して、とある密告があった。」
「内容はなんだ?」
「それは俺にも分からない。知っているのは、天垣と団長であるアーロンド、そして、裁定者(さいていしゃ)であるギルガラントだけだ。」
「ギルガラント……すでに彼の耳に入っているのか。」
「というわけだ。本部まで同行を願いたい。」
「別に構わない。何ラントだか知らないけど、さっさと終わらせてやるわよ。」
椿は玖羽を引っ張りながらガレジストに同行する。
「いや俺もかよーっ!」



2日後……
「入れ。」
美桜はソールの部屋に入る。
「君か。話は聞いている。紡ぎ人になるのだな?」
「うん。だから、私を鍛えてほしくて…」
「ふむ……その必要はないと思うが?」
「え?」
「数名であるにせよ、特異の竜を退けた君であれば実力は十分だろう。それに、私は君に何かを教えるようには言われていない。」
美桜は予想外よの言葉に放心している。
「だが、君には会わせなければならない人物がいる。私についてきてくれ。」
ソールは椅子から立ち上がり、1つの鍵を手に取り部屋を出る。
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