50 / 53
50
しおりを挟む
おじさんとわたしは約束をする。
① 真面目にリサと話をする事
② 話を誤魔化さない
③ 話を一方的に切り上げない
これでリサが納得するかは分からない。でも、これ以上はわたしには思いつかなった。この条件でリサと話をしてもらう事にする。
話をあする日は仕事が終わった後だ。仕事の前だと時間が気になって落ち着いて話せないと思ったからだ。
条件を決めるとわたしはリサの部屋に行く。
「リサ。入ってもいい?」
「パル? もちろん。どうぞ」
リサの部屋に入る。リサの部屋は小さいけど女子らしい可愛い部屋だ。わたしの部屋とは大違いだ。いつもこの感想を思うが私の部屋が改善されることは無い。
勧められたクッションに座りながらおじさんとの話を切り出すことにした。リサが望んでいた形だと良いのだけど。
「リサ。わたしが出来るだけの協力をするって言う話を覚えてる?」
「もちろん覚えてるけど? それがどうかした?」
「おじさんと話をしたの。リサと真面目に話をしてほしいって。おじさんも約束してくれてわ。次の休みの前の日に話をしてくれることになったの。仕事が終わってからね」
「本当に? どうして? 今まで聞いてくれなかったのに」
「なんかね。リサの反応が子供だからって思ってからみたい。おじさんには悪いけど少し脅しちゃった。このままだと子供に信じてもらえなくなりますよって」
わたしがちょっとだけおどけてそう言うと、リサはふざける様子はなく頷いた。
「そうね。パルの言う通りかも。このままだったらお父さんたちを信じられなくなりそうだったから」
「そ、そうだったんだ。なら、この話は丁度よかったかも。リサにとってどうなるかは分からないけど。話をしてみてね」
「ありがとう。パル。お父さんたちと話をしてみるね」
リサはそう言いながらも少し不安そうだった。話してもらえないと怒りながらも、いざ、その時になると不安が出てくるのは普通だと思う。その気持ちに同意しながらもここはリサ自身が考えるしかないので頑張ってもらいたい。これ以上わたしにできることは無いのだから。
「いよいよだね」
「うん。大丈夫かな?」
おじさんとの約束の日になった。リサは学校にいるときから少し緊張している様だ。無理もない。父親とはいえ大人と話をするのだから緊張するのは当然だと思っている。でも、自分自身が望んだことだ。そこは頑張ってもらいたいと思っている。
「難しく考えないで、気になっている事を一つ一つ聞いていけばいいよ」
「そうだね。そうする」
リサは緊張しながらもはにかんで見せた。わたしは上手くいく事を祈りつつ家路についた。結果を聞けるのは明後日くらいかな? と予想していた。
そう思っていた時もあった。
「おはよう。パル」
「おはよう。じゃなくて、なんでリサがいるの?」
翌日の早朝、私の部屋にリサがいた。いたというか、起こされた。わたしのベットに半身を乗り上げわたしを揺さぶってきたのだ。
リサの顔が少しむくんでいる様だ。何となしに表情もすぐれない様子。この分では昨夜の話し合いが上手くいかなかったのだろう。そう辺りを付けると邪険にもできなくて、話を聞く体制になってしまう。
この様子だと話は長くなりそうだ。取り敢えずは顔を洗ってご飯を食べるくらいの時間はもらう事にしよう。
① 真面目にリサと話をする事
② 話を誤魔化さない
③ 話を一方的に切り上げない
これでリサが納得するかは分からない。でも、これ以上はわたしには思いつかなった。この条件でリサと話をしてもらう事にする。
話をあする日は仕事が終わった後だ。仕事の前だと時間が気になって落ち着いて話せないと思ったからだ。
条件を決めるとわたしはリサの部屋に行く。
「リサ。入ってもいい?」
「パル? もちろん。どうぞ」
リサの部屋に入る。リサの部屋は小さいけど女子らしい可愛い部屋だ。わたしの部屋とは大違いだ。いつもこの感想を思うが私の部屋が改善されることは無い。
勧められたクッションに座りながらおじさんとの話を切り出すことにした。リサが望んでいた形だと良いのだけど。
「リサ。わたしが出来るだけの協力をするって言う話を覚えてる?」
「もちろん覚えてるけど? それがどうかした?」
「おじさんと話をしたの。リサと真面目に話をしてほしいって。おじさんも約束してくれてわ。次の休みの前の日に話をしてくれることになったの。仕事が終わってからね」
「本当に? どうして? 今まで聞いてくれなかったのに」
「なんかね。リサの反応が子供だからって思ってからみたい。おじさんには悪いけど少し脅しちゃった。このままだと子供に信じてもらえなくなりますよって」
わたしがちょっとだけおどけてそう言うと、リサはふざける様子はなく頷いた。
「そうね。パルの言う通りかも。このままだったらお父さんたちを信じられなくなりそうだったから」
「そ、そうだったんだ。なら、この話は丁度よかったかも。リサにとってどうなるかは分からないけど。話をしてみてね」
「ありがとう。パル。お父さんたちと話をしてみるね」
リサはそう言いながらも少し不安そうだった。話してもらえないと怒りながらも、いざ、その時になると不安が出てくるのは普通だと思う。その気持ちに同意しながらもここはリサ自身が考えるしかないので頑張ってもらいたい。これ以上わたしにできることは無いのだから。
「いよいよだね」
「うん。大丈夫かな?」
おじさんとの約束の日になった。リサは学校にいるときから少し緊張している様だ。無理もない。父親とはいえ大人と話をするのだから緊張するのは当然だと思っている。でも、自分自身が望んだことだ。そこは頑張ってもらいたいと思っている。
「難しく考えないで、気になっている事を一つ一つ聞いていけばいいよ」
「そうだね。そうする」
リサは緊張しながらもはにかんで見せた。わたしは上手くいく事を祈りつつ家路についた。結果を聞けるのは明後日くらいかな? と予想していた。
そう思っていた時もあった。
「おはよう。パル」
「おはよう。じゃなくて、なんでリサがいるの?」
翌日の早朝、私の部屋にリサがいた。いたというか、起こされた。わたしのベットに半身を乗り上げわたしを揺さぶってきたのだ。
リサの顔が少しむくんでいる様だ。何となしに表情もすぐれない様子。この分では昨夜の話し合いが上手くいかなかったのだろう。そう辺りを付けると邪険にもできなくて、話を聞く体制になってしまう。
この様子だと話は長くなりそうだ。取り敢えずは顔を洗ってご飯を食べるくらいの時間はもらう事にしよう。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
寵愛の花嫁は毒を愛でる~いじわる義母の陰謀を華麗にスルーして、最愛の公爵様と幸せになります~
紅葉山参
恋愛
アエナは貧しい子爵家から、国の英雄と名高いルーカス公爵の元へと嫁いだ。彼との政略結婚は、彼の底なしの優しさと、情熱的な寵愛によって、アエナにとってかけがえのない幸福となった。しかし、その幸福を妬み、毎日のように粘着質ないじめを繰り返す者が一人、それは夫の継母であるユーカ夫人である。
「たかが子爵の娘が、公爵家の奥様面など」 ユーカ様はそう言って、私に次から次へと理不尽な嫌がらせを仕掛けてくる。大切な食器を隠したり、ルーカス様に嘘の告げ口をしたり、社交界で恥をかかせようとしたり。
だが、私は決して挫けない。愛する公爵様との穏やかな日々を守るため、そして何より、彼が大切な家族と信じているユーカ様を悲しませないためにも、私はこの毒を静かに受け流すことに決めたのだ。
誰も気づかないほど巧妙に、いじめを優雅にスルーするアエナ。公爵であるあなたに心配をかけまいと、彼女は今日も微笑みを絶やさない。しかし、毒は徐々に、確実に、その濃度を増していく。ついに義母は、アエナの命に関わるような、取り返しのつかない大罪に手を染めてしまう。
愛と策略、そして運命の結末。この溺愛系ヒロインが、華麗なるスルー術で、最愛の公爵様との未来を掴み取る、痛快でロマンティックな物語の幕開けです。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる