幻影の讃美歌

ごさまる

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第一章

〜忍び寄る光〜

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ルシファーにベッドまで抱き抱えられると、フワッと下ろされ横にされた。
少し悲しげな眼で優を見つめ、こう言った。

「・・ゆっくり休め、俺はソファーにいる。貴様の、もう一つ心配であろう「現実世界」も、時が止まっている。娘の心配も大丈夫だ・・わかったな?」

そう告げると、ルシファーはベルベットのカーテンから、消えていった。

「・・!?な、何だろうっ・・?このドキドキ感は・・!?何だか変よ!わたし!しっかりしなきゃ!よし!眠るぞ!」    

               スーッと深い眠りについたのだった。

                             *******

《・・かすかに遠いところで・・眩しく光る男の人?長い杖の様な棒を持ってる・・!?私に・・手を差しのべてる・・?な・・何だろう・・私を導いてい・・る・・のか・な・・?》


「!おいっ!起きろっ!チクショウっ!おいっ、優!!戻るんだっ!!」
 
《・・あれ?・・反対側から、誰かが「私」を呼んでいる・・?誰だろ・・真っ黒な炎の中に・・誰?・・とても悲しそうな・・だけど・・とても暖かい・・誰・・》


「はっ!・・ル、ルシファー!?ど、どうしてここに?」

目を覚ました優の目の前に、心配した顔のルシファーがいた。

「・・貴様!大丈夫か!?・・激しくうなされていた・・!来てみたら・・このざまだ、・・」

眠りからさめた優は、ルシファーに話した。

「・・夢を見たの・・眩しく光る杖の様な棒を持ってる男の人が、私に手を差しのべていて・・何だか・・私を導いていた様な・・でも・・反対側には、真っ黒な炎の中に誰かいて・・悲しげな感じだけど・・とても暖かい感じが伝わってきて・・夢にしては少しだけ・・リアルだった・・」

そこまで話すとルシファーが言った。

「・・この世界の結界が弱まっている様だな・・チッ!」

ルシファーは、少し慌てた様子で

「全員・・今すぐ「薔薇の部屋」に来いっ!」

そう呟くと、ブワッっとダミアン、ハデス、ミーミルがルシファーの後ろに現れた。

「ルシファー・・結界が弱まっている・・私の所までその影響が・・優を通して感じられた・・」

ダミアンが神妙な顔つきで言った。

けわしい顔でルシファーが聞く、

「・・奴らに優の居場所が突き止められたのかっ?・・ダミアン・・どう読む・・!?」

ルシファーが振り返り、ダミアンに尋ねた。

「・・いや・・そうではなさそうだ・・まだ探している様子だ。だが・・ここも時間の問題だ・・結界を張り直し・・なるべく時間稼ぎをする・・」

ダミアンが皆に、そう話すとミーミルが口を開いた。

「ルシファー様、私に提案があります!魔界より・・ダンジョンの「セイラ」を呼ばれてはいかがでしょうか!?奴なら強化した結界の回りに「ダンジョン」を展開し奴等を惑わす事が出来ます!」

「・・「セイラ」を・・奴?を呼び寄せるのか!?・・少し厄介だな・・」

ルシファーの様子に、優が少し驚いた様子で

「・・!?ルシファーが珍しく遠慮する相手なんて、どんな仲間なの?」

「・・・」

一同が皆、黙りこんだ。

「!?ねぇっ!凄い奴なのねっ!♪」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

さりに・・黙りこんだのだった。


    
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