幻影の讃美歌

ごさまる

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第三章

〜過去の記憶④〜気配〜

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一行は聖地に向け歩いていた。

アザゼルに抱き抱えられたヨシアは、泣き疲れ、気が付けばスヤスヤ寝息をたてている。

「・・なぁ!?アザゼル?やっぱり兄弟って・・いいもんだなっ・・。はぁ~、俺はお前が羨ましいぜ。」

スヤスヤ眠るヨシアの顔をチラチラ見ながら、ミカエルが呟いた。

「また、その話しかぁ?」

アザゼルは、少し面倒くさそうに、ミカエルの顔を見ながらぼやいた。
 
「・・いや、本当・・羨ましいぜ・・。」

ミカエルは、少し寂しそうな顔をしたまま歩いた。

ザザッ!

急にアザゼルは立ち止まり

「・・お前には・・俺やヨシアがいる!!
何度も言わせるなよっ!!本当、面倒くさい奴っ!」

「ハイハイっ!!悪かった悪かったっ♪」

ミカエルはそう言って、立ち止まるアザゼルに向けて軽く手を振りニカッと笑って見せた。

親兄弟のいないミカエルにとっては、アザゼルとヨシアの存在は、かけがえのない大切な存在であった。

                 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

聖地へ向けて歩いていた一行は、しばらくして小高い丘にある、小川の側で一晩休む事にした。

「・・お兄ちゃん・・?まだぁ?・・まだ聖地に着かないの?・・。私・・お腹すいたぁ・・。」

「ヨシアおはよう、少しは眠れたか?
聖地には、明日の太陽が真上にくる頃には、ついてるよ。」

「・・ま、うえ~?」

不思議そうにヨシアは、聞き返すと

「そう!!真上!!頭の上だよ、ヨシア。」

ミカエルが自分の頭に手を当てながら笑って見せた。

「ミカエルのお兄ちゃん・・変なのっ!!クスッ♪」

ヨシアは、背中の痛みも忘れ、笑い声が響くのだった。

「よ~しっ!軽めだが、飯にするかっ♪」

アザゼルは、リュックからパンとチーズ・・ベーコン。そして小さなフライパンを取り出し、手際よく切り分け、最後にジュージューとベーコンを焼き終えると・・

「さぁ!!出来た!!」

三人分のサンドイッチが出来上がった。

「・・お兄ちゃん?・・麒麟さんの分は?・・」

ヨシアは、ゆっくり麒麟の顔を見て言った。
すると・・

「ワッハハ~!!私は腹も空かない聖体!!
気にするでないっ!!ワッハハ~!!」

麒麟がそう言うと、ヨシアは安心した表情を浮かべ

「♪いただきまあ~すっ」

と・・サンドイッチにかぶりついた。

夜空には満点に輝く星空・・、たまに聞こえてくるのは、眠れない妖精達の心地よい静かな歌声・・。

「相変わらず、お前のサンドイッチは最高だなっ!」

ミカエルが口を開いた時だった。

ガサガサ・・ガサガサ・・。

「・・何の音ぉ?・・お兄ちゃん?」

「シ~~ッ!静かに・・。」

「・・・・・・、お兄ちゃん・・怖いよぉ・・。」

アザゼルは、ゆっくりとヨシアを脇に隠すと、

「・・ミカエル・・?お前も感じていたはずだ?」

「あぁ・・、小屋から出て、しばらくして気配を感じてはいた・・。
・・なんなんだ?いったい・・?」

二人は互いの背中を合わせ、辺りの様子をうかがった。



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