幻影の讃美歌

ごさまる

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第三章

〜過去の記憶⑤〜花畑〜

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「・・・・気のせいでは・・? 
ヨシアも、ひどく怯えている・・、なぁに・・イタズラ好きな妖精でも隠れているんだろう?
明日も、早いんだ・・、さぁ、休もう。」

麒麟は、そう言うと尻尾を一振りして目を閉じた。

「・・・・気のせい・・か?アザゼル?・・。」

「そうかもしれないな?・・フゥ・・、ヨシア?大丈夫か?」

「・・う、うん・・、平気・・。」

「・・そうか、お利口さんだ。」

アザゼルとミカエルは、ヨシアが眠りにつくまで隣に寄り添った。

「・・・・・・。」

そんな三人の様子を、眠ったふりをして見ていたのは・・麒麟だった。

                         ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

心地よい風がふき、時折、花畑の香りを運んでくる。

「クスックスッ♪起きるんだっ!!」

「クスッ♪まぶたを引っ張っちゃったらッ!」

世話好きな妖精に、顔中叩かれ

「!いってぇ~なぁ~ッ!わかった!!わかった!!もう・・夜が明けたのか?
アザゼル!起きるんだっ!出発だろ?」

ミカエルは、アザゼルをお越した。

「あぁ・・、もう・・こんな時間か。」

ふと隣を見ると、まだスヤスヤ眠るヨシアの姿。

アザゼルは、起き上がると、眠っているヨシアを抱き抱えた。

麒麟は、既に目を覚まして出発できる状態。

「さぁ、出発する。」

小川から離れ、広い草原を横切ると、辺り一面に美しい花畑が広がった。

「いつ来ても美しい場所だなぁ♪
ヨシアが起きていたら、見せられたのになぁ~?」

アザゼルは、寝ているヨシアの顔を見ながら呟いた。

花畑を越えると、聖地までは、あとわずかの距離。

だんだんと聖地に近付くにつれ、咲き乱れていた花たちが、一本・・、また一本と枯れている。

「・・・・?なぁ?ミカエル、花が枯れているのが目立つが・・こんな風景・・初めてだよな?。」

「あぁ・・、いったい・・どうなってるんだよ?」

「・・・・・・。」

「う~ん・・、お兄ちゃん・・ついたの?。」

まだ、眠そうな顔をしながら、ヨシアが目を明けた。

「ゆっくり眠れたか?聖地までは、もう少しだよ。」

「・・・・フワァ・・。」

大きなあくびを一つすると、再びスヤスヤ寝始めた。

                            ◆◆◆◆◆◆◆

不思議な事は続いた。
聖地に近付けば近付くほど、荒れ地が広がり、まるで砂漠のような景色が広がった。

「これは・・・・・・。」

「・・・・・・。」

「気のせいだと・・?また言いたいのか?
誤魔化すのも・・いい加減にしたらどうだ?」

ミカエルは、少し怒った様に麒麟を問いただした。

「・・きっと・・刻の流れなんだろう・・。」

麒麟は、そう言うと前へ進んだ。

「ケッ!な~にが刻の流れなんだよ!!待てって!」

夢中になって、麒麟を追いかけていると

ドカッ!!!

「いってぇ~!!止まるなら止まるって言えよッ!」

「・・・・ついたぞ・・。」

「ハァハァ・・、お前ら俺とヨシアをおいてくなよ、ハァハァ・・。」

全員が揃い、聖地の前に到着した。

・・が・・。

「・・・・な、なんなんだよ・・?これは・・?」









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