幻影の讃美歌

ごさまる

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第三章

〜過去の記憶⑥〜結界〜

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目の前に広がる光景は、まるで人間を拒むかの様に、絶対的な空間が広がっていた。

「・・・・ど、どうなってるんだよ・・?」
・・俺達・・道にでも・・迷ったのか・・?」

「い、いや・・そんなの、あり得ねぇ・・。
アザゼル・・俺達・・夢でも見ているのか・・?」

二人の目の前に広がったのは、かつての聖地・・。
しかし、その姿は・・全て、巨大なドーム状の強力な結界に覆われている姿だった。

荒れ果てた大地のど真ん中に、まるで聖地だけが隔離され、水が流れ草木や山々がそびえ立ち、それは、今まで見てきた、荒れ果てた大地とは、全て違っていた。

「・・結界なんて・・しかも人界と聖地に境界線なんて・・あり得ねぇ・・。
一体何の為に・・?しかも・・こんな巨大な結界を・・?」

ミカエルは、絶望的な表情を浮かべた。

「・・・・?お、お兄ちゃん?・・ついたの?・・」

アザゼルの腕の中で寝ていたヨシアが、ムクッと顔を出した。

「ウワア!!!お、お兄ちゃん?眩しいよぉ!!」

思わず目を閉じるヨシア。

「・・平気か?・・ヨシア!」

「う、うん・・。」

ザザッ・・。

「・・・・・・。」

無言のまま、結界に近付く麒麟。

「ち、ちょっと!!待てよッ!
そもそも・・結界なのかも分からないんだぜっ?!」

慌てるミカエルの右手が、思わず結界に触れた。

バチバチバチバチッ!!!!!!!

「!?痛ってぇぇ~!!!!!!!!」

ドサッッッ!!!!!!

あやまって結界に触れたミカエルは、火花と共に
思いっきり弾かれ、地面にたおれこんだ。

「キャアアア!!ミカエルのお兄ちゃんッ!」

「ミカエルッ!」

あわててアザゼルが抱き起こした。

「・・こんな・・こんな結界・・、一体・・?」

倒れこんだまま、見上げる結界の中から、何やらサイレンのような音が、けたたましく鳴り響いている。

「こ、今度は、な、なんなんだよ?・・!!」

「・・俺の後ろから動くな?・・いいな・・?」

麒麟は、三人の前にくるとそう呟いた。

「一体何がどうなってるんだよっッ!わかるなら、説明しろよっ!!!」

ミカエルは起き上がると、勢いよく麒麟に向かって叫んだ。

「・・麒麟さん?・・どうしたんだろ?・・」

ヨシアは、怖さで震えながら麒麟を見つめる。

「・・・・来るぞ!!・・。」

麒麟が、そう呟くと・・さっきまで、けたたましく鳴り響いていたサイレンが、ピタリとやんだ。

すると・・・・白く輝く光の中から鳥?が羽ばたく様な音が聞こえ、その羽ばたく音は、次第にミカエル達に迫ってきた。

バサッ!バサッ!バサバサッ!

「な、なんなんだ・・?コイツらは?・・」

ミカエル達の目の前に、白く立派な翼の生えた天使神六人が、回りを取り囲む様に立っていた。

「・・・・・・・・。」

天使神達は、一向に口を開かない。
しばらく両者とも、にらみ合いが続いた。




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