幻影の讃美歌

ごさまる

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第三章

〜過去の記憶〜⑦〜生け贄〜

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ミカエル達の目の前に現れた、白く輝く天使神六人は、無表情のまま目の前に立ちはだかった。

「・・・・?」

「・・お、おい?コイツら・・なんだか様子が変だ?・・?て言うか・・意識・・無くねぇか・・?」

思わず小さな声でミカエルが呟いた。

「・・?どうやら・・その様だな・・。」

アザゼルも天使神の様子に、小さくうなずいた。

「お、お兄ちゃん・・、怖いよ・・・・。」

ヨシアの声にハッとした二人は、静かに立ち上がり

「・・・・お、俺達に・・何か用か・・?」

「・・・・・・・・・・。」

「・・!?な、何とか答えろよッ!!!」

すると天使神六人が、一声に口を開いた。

「・・貴様ら二人に用はない・・。」

「・・・・!?」

バサバサッ!!!

天使神六人はそう答えると、次々と翼を広げ右手を出し、一ヵ所を指差しこう言った。

「・・・・生け贄を・・置いて行け・・。」

「・・・・!?」

「・・!?な、何だって・・?何言ってるんだよ・・!?コイツら・・?」

「・・・・もう一度言う・・、その生け贄を・・置いて行け・・。」

天使神六人が指差す方向には、恐怖で怯えているヨシアの姿だった。

「!?コイツら・・生け贄を・・って・・?さっきから・・何訳のわかんねぇ事いってんだよ・・・・!?」

「・・・・お、お兄ちゃん・・、あの神様達・・ヨシアの事・・連れて行っちゃうの・・?」

アザゼルの洋服の裾を強く握りながら、ヨシアが泣き出した。

「そんな事・・命に変えてもさせないさっ・・。」

ヨシアを、強く抱き締めたアザゼルは、鋭い目付きで天使神を睨んだ。

「生け贄・・生け贄・・って・・、この世界・・一体どうなってるんだよ・・。
今まで・・こんなこと・・起きるはずがなかったのに・・。」

「アザゼル・・、どうやら・・俺達の知っている聖地じゃ・・なくなっているみたいだな・・。
もはや・・想像すら・・出来ねぇよ・・。」

ジリジリ・・。

身構えるミカエルとアザゼル。

「・・無駄だ・・。
我々を相手に戦うなど・・、人間ふぜいが指ひとつ触れる事も出来ぬだろう・・。」

その時だった。

「・・そうね・・?その「人間」なら出来ないかもしれないけれど・・。
残念ながら・・私は・・違うっッ!!!!!」

「・・えっ・・?!!」

「・・ッ!!!!!」

突然、鋭い緑色の閃光が辺り一面を貫いた。
次の一瞬・・光の中から人影が天使神に向かって飛び出した。

「動くな・・。」

「・・お主・・やはり・・紛れていたか・・。」

天使神六人の頭上には、聖水の入った杯が現れた。












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