幻影の讃美歌

ごさまる

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第三章

〜過去の記憶⑳〜堕天使・ルシファー〜

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一方、天使神六人とアザゼルの元では異変が起き始めていた。

「・・!!始まった・・!!」

ガタガタガタガタッッッ!? !!!?

魔方陣の真ん中で囚われているミカエルの体が、ガタガタと震えだした。

アザゼルが叫ぶ。

「か、神は・・!?七人目の大天使は・・まだか?」

すると、天使神六人が魔方陣のミカエルの元へ集まった。

「いよいよだ・・!!」

「く、来るぞっっっ!!!!」

ミシミシミシ・・!!!!!!!!
バシッッッ!!!!!!

一気に手足を拘束していた縄が切れ、ミカエルの体がゆっくり宙に浮かんでゆく。
まばゆい黄金色をした光に包まれ、両手は水平に伸ばしたまま。
されど・・意識はないままに。

「おおっ!!!!!!!なんと・・美しい・・!!」

「第七人目の大天使・・・・!!!!!!!!」

「第七人目の大天使!!我々を光へと導く・・・・
大天使・・ミカエル様の誕生だっ!!!!」

天使神六人が口々に叫んだ。

バリバリッッ!!!?!!

ミカエルの背中が割れ始め、真っ白に輝く大きな翼があらわれた。

閉じられていた瞳は、ゆっくりゆっくり開き始め、その口元は微笑みを浮かべている。

すると、

「クスッ・・この「体」・・いや「器」も悪くはない・・、まぁ・・じきに俺の力に馴染むだろう・・。
だが・・六人の天使どもよ?失敗したな・・。」

「!?!!!失敗!?ま、まさかっ!・・!?」

慌てる六人の天使神をよそに、大天使ミカエルが空高く舞い上がった。

バサッバサッバサッ!!!!!!

真っ白に輝く大きな翼を力強く羽ばたかせ、大天使ミカエルは叫んだ。

「どうやら俺だけが誕生した訳ではなさそうだ・・。
来るぞ・・、皆、構えろ・・。」

「そ、そんな・・儀式が失敗などと・・!!」

「・・あ、あり得ん・・!?一体何故っ!!?」

「ハッ!?これは・・、この・・、この影は!?」

宙を舞う大天使ミカエルの、あるはずもない影が地面に浮かんでいる。

ピタッ・・。

影は、ミカエルを追う事をやめ、次第に地上に浮き出てきた。

ズズズズズ・・・・。

「やれやれ・・堕天使様の登場だ・・。」

大天使ミカエルはそう呟くと、六人の天使神そしてアザゼルと共に魔方陣の中へ入った。

地上に浮き出てきた影は、みるみる内にその姿を表した。
影は次第に、人の形へと変わりミカエル達の目の前に立った。

「・・・・あ・・あの顔は・・ミカエル・・!?」

思わずアザゼルが叫んだ。

そして影は静かに口を開いた。

「・・・その名は・・もう《奴》のものだ・・。
俺は・・人として死んだ・・、そんな名など貴様らにくれてやる・・。」

「お前・・一体どうやって・・!?
七人目の大天使が復活すると同時に・・お前は消滅するはず・・!!
儀式に落ち度はなかったハズだ!!・・。
貴様・・一体何者だっ!?!」

動揺するアザゼル。

すると、静かに七人目の大天使ミカエルが呟いた。

「・・・明けの明星・・堕天使ルシファー・・。」

「・・・・そう俺の名は・・ルシファー・・貴様の宿敵だ・・。
そして・・貴様ら神の・・終わりの始まりだ・・。」

赤く染まった鋭い瞳には、昔の面影は微塵も残っていなかった。












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