幻影の讃美歌

ごさまる

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第三章

〜第31話〜終わりの始まり〜

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暗黒の主・・堕天使ルシファーが大天使ミカエルの誕生と共に生まれ、この世に「神」と「悪魔」と呼ばれる概念が生まれた。
そしてその戦いは、「神々の戦い」と呼ばれ、長きににわたり、今まで幾度となく繰り返されてきた。

「フン・・奴は、ミカエルの復活と共に力の一部を取り込んだ。
そのおかげで、俺以外の攻撃を吸収出来るようになった。
・・ダミアン?お前も忘れてはなかろう?
お前は、常に俺の動向を知っている唯一の者・・。
昔話はこれぐらいで良かろう・・?。」

「♪・・・・忘れてなどいない・・、ただ気が収まらなかっただけだ・・ふんっ!」

腑に落ちないダミアン。

ジャリッ・・!!

足元の地面を強く踏むと、ルシファーは黒い稲妻を右手にし、アザゼルへ向けた。

「・・この長きに渡る戦いで確信した事がある・・。」

「☆・・確信だと?・・」

「・・アザゼル・・。
よく聞け・・、「善」が「悪」を生むのではなく・・互いの「正義」が衝突する時・・「憎しみ」が生まれる・・。
それは、やがて・・お前達の言う「悪」と呼ばれる様になった・・。
神の概念に反する行為・・悪の仕業だとほざいてな。
俺がそのいい例だ・・。
だが、それは違う。
どんなに「憎しみ」を抱えようとも、それを打破し前へ進もうと、もがきながら「答え」を探しさ迷う。
そして互いにとって・・永遠の戦いが生まれる・・。
繰り返し繰り返し・・何年も・・何世紀も・・。
その度に・・尊い犠牲を払いながら・・。
だが・・神の名の元に・・人間や、動物の魂を・・命を・・己の「利己的満足・・理想の世界」の為に殺めるなんぞ・・「正義」ではない。
まして・・人間の「憎しみ」を煽り、争わせ・・いつしか、憎しみが人の心を蝕むのを望むなど・・。」

「☆フッ・・!
ルシファー・・?貴様こそ己の理想を、ほざいている・・ただの、おめでたいヤローだ・・。
ハアハアハアハア・・チィッ・・くそっ・・。」

ブワッッッ!!

《えっっっ! 結界が・・一瞬と、解けたっ!?
しかも・・不安定な感じがする・・!でも・・身動きが出来ないっ!!?》

アザゼルの腕が優の背後から回され、身動きが出来ない。

《♪・・!?結界を保つ、奴の魔素が不安定になり始めた・・!アザゼルの奴・・様子が変だ・・!?。》

ギュッ。

首斬り鎌を強く握りしめ、構えるダミアン。

しかし、ルシファーは表情一つ変えずにこう言った。

「フン・・おめでたい奴か・・。
だが、少なくともアザゼル・・、貴様が俺の目の前で青ざめた顔をしている事は・・紛れもない現実・・。
そして貴様が・・、貴様自身の「正義」の為に、俺や・・「ヨシア」を・・・・俺達二人への思いを・・売ったその時から、もう貴様らの「終わり」は・・始まった・・。
いい加減・・消えろ・・。
・・・・サヨナラだ。」

次の瞬間、ルシファーの右手にあった黒い稲妻が、アザゼルめがけ放たれた。

バキバキバキバキバキッッ!!!!!!

「!?!!?」



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