幻影の讃美歌

ごさまる

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第四章

〜9つの魂を司るベリアル①〜

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ふわりふわりと、ルシファー達の元へ降りてゆくダミアンとベリアル。

「♪アハッ。
さすがセイラなのだ。
秘密にしていた理由は、セイラの言うとおり。
・・時間も迫っているのだ。
ゆっくり説明する事は難しい・・けれども訳も分からずという訳にはいかんのだ・・。
ん~・・どこから話せば?・・。」

ダミアンは、首をかしげながらドサッっとソファーに座る。
ベリアルは、ピョンッ!とダミアンの膝上に飛び乗ると、険しい顔付きで話し始めた。

「よく聞くがいいにゃっ!
これより月が二度沈んだ夜・・大勢の軍勢を引き連れ・・お前達の宿敵ミカエルが乗り込んでくるにゃ・・。」

「・・それは、あんたを具現化させた事が関係しているのか?」

「♪ルシファーっ!!!言葉をつつしむのだっ!!」

「そうにゃっ!!!あんたとは無礼にゃっ!!!
ベリアルと呼ぶにゃ!!!ベリアルにゃっ!!!」

《くそっ!・・調子が狂うが・・仕方あるまい・・。》

ルシファーは心中で呟くと、不機嫌な顔で話し始めた。

「フゥ・・あぁ、わかった、承知した・・で、やはりベリアル・・あんたが具現化した影響なのか?。」

「にゃっ!!!あんたって・・まぁいいにゃ。
そうだにゃ、我のエネルギーの余波がミカエル達に感知され・・お前達の隠れ場も同時に感知されるにゃ。」

「🖤なら?・・どうして今のタイミングで、ダミアン様はベリアル様を具現化したの?
戦いの準備が不十分な状況で・・?。」

「♪・・アハッ・・それは優の兆し・・。
それはすなわち、ベリアルからの影響が思っていたよりも早く・・強く現れ始めたからなのだ。」

「優の波動と我のエネルギーの相性が抜群でにゃ♪
だんだんと優に我のエネルギーが流れ始めたにゃ。
まぁ♪その《逆》もあるがにゃっ♪」

「逆とはなんだ?」

「♪・・・・・・」

珍しくうつむくダミアンに、ルシファーが怒鳴った。

「おいっ!?!!聞いているのかっ!!!
俺の質問に答えろっ!!!ダミアンっ!!」

シュッ!!

ベリアルは、ダミアンの膝上から飛び降り、スタスタと屋敷の広間に歩き出した。
広間の中央にくると、ベリアルは背を向けたまま立ち止まり、くるんと勢いよくジャンプした瞬間・・黒煙が立ち込め稲妻がベリアルを包み込んだ。

ブワッッッ!!!!

するとそこには、おぞましく巨大で2つの頭を持ち、口からは黒炎を吐く真っ赤な鱗に包まれた大蛇がとぐろを巻いて皆を睨み付けていた。

「こ、これは・・・・!?!!ッ!」

ゴクリと息を飲むルシファー達。

「・・・・まぁ・・そんなに驚くな・・。
ワシは・・ベリアルが司る9つある魂の一つ・・
《湿気》を司る魂者だ・・。
ダミアンの代わりに・・ワシが貴様の質問に答えよう・・。」

《9つある魂の一つだと?だとすれば・・こんな奴が後・・8つ潜んでいるって訳か・・。》

「♪・・すまないのだ・・ベリアル・・。」

「さて・・ルシファーとやら・・、貴様が尋ねた質問だが・・そうだな・・しいて言うなら・・貴様は、真の闇の主について何やら勘違いをしておる・・。」

「フンッ!・・いきなり猫と入れ替わり・・何を話すのかと思えば・・俺が勘違いをしているだと?。」

「あぁ・・そうだ、勘違いだ・・。
お前は真の闇の主の事を知っているようで・・何も知らない・・。
貴様が知っている今宵までの歴史なんぞ・・ダミアンや我々からすれば、ただその歴史に《触れただけ》にしか過ぎん・・。
まぁ・・仕方ないがな。
まぁ・・そんな世迷い事はこれぐらいで・・。
さて・・お前は、真の闇の主が何故、優を選び、その身を隠れ蓑にしていたか?知っているか?。」

「フンッ!馬鹿にするな・・。」

ルシファーは、殺気だった己を押さえるのに必死である。

「フフ・・では・・答えてみよ?」

「優の闇に呼応し真の闇の主が宿った・・。
そして、この俺が優に呼ばれた。
優を取り巻く《悪》を共に狩り・・浄化する。
そして・・・・。」

そこまで話すとルシファーは、うつ向いた。

「フフフフ・・《そして》なんだ・・?
遠慮?なぞ貴様に似合わぬ・・それとも答えられぬのか?」

「くっ・・そうではないっ!!だがっ!!・・。」

「んっ?・・おぉ~・・すまぬ、すまぬ!!
我としたことが大事な事を言い忘れていた。
・・心配せずとも、貴様は《浄化》されぬ。
我が具現化された時点で・・《言葉の呪縛》はとうに解かれている。
安心して話すがいい。」













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