幻影の讃美歌

ごさまる

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第四章

〜駆け引き〜②〜

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「・・・!?」

ダミアンの思いがけない言葉に、先程まで殺気だち、主人であるオオネズミを煽っていたネズミの兵達は、一瞬で黙り込んだ。

オオネズミは、自身の後方にチラッと視線を移すと、そのままゆっくりと口を開いた。

「・・・やれやれ・・?すっかり我が兵が動揺しておる・・。
一体・・何の真似かのう・・?ダミアン・・?。」

ブンッっ!!!
ドスンっ!!!っ!!!っ!!!っ!!!

手にしていた大ハンマーをひと振りしたオオネズミは、力強くダミアンの足元へ、投げ飛ばした。

「・・・・・・。」

「・・のう?ダミアン?
お主・・誰に物申しておるのか・・知っての無礼であるのかのう・・?。
返答次第では・・・この我とて考えねばならんのう・・?
のう?ダミアン?。」

オオネズミの目がたちまち赤く染まり、鋭く尖った牙を剥き出し、恐ろしい形相でダミアンを睨んだ。

「・・お言葉ですが・・オオネズミ殿?
長い間、お会いしない間に・・重要な約束事をお忘れのご様子・・?・・。」

「ほぅ・・?重要な約束事とな?・・。」

一体何の事かと、軽く首をかしげるオオネズミ。

「主は・・約束事を破られた・・・・。
その事に・・気付いているのか?・・はたまた・・気付かぬフリをしているのか・・?
我々は、《あの御方》から・・《ネーム》を仰せつかった魂者。
その時より・・《あのお方》との永きにわたる《契約》が始まったはず・・。
まぁ?・・いずれにせよ・・貴殿がその事を忘れていようが・・いまいが・・きっちりと、そのお返しはしていだだく・・。」

「ファアハハハっ!!!っ!!!
大きく出たなっ!!!ダミアンよっ!!!!?」

突き出た腹を、丸太のように太い両腕で撫でながら、オオネズミは高笑いした。

「・・私は笑い話を申し上げた訳では御座いません・・。
・・真を申し上げたまで・・。」

「ほう?《真》とな・・?」

オオネズミは、少しおどけた様子でそう呟いた。
すると、二人の様子を見ていたネズミの兵達が口々にこう叫んだ。

「チュウっ!!!何ふざけた事を言ってるんだっ!!!
主様に対して無礼だぞっ!!!」

「チュウっ!!!優しくしてやったら、いい気になりやがってっ!!!
調子にのるなっ!!!チュウっ!!!」

「そうだっ!!!そうだっ!!!チュウっ!!!」

「バーかっ!!!バーかっ!!!」

ザワザワと、ネズミの兵達は皆ざわめきだち、互いに周りにいるネズミ同士、顔を見合せ騒ぎ始めた。

そんな中、ダミアンの耳に一匹のネズミの兵の言葉が、罵声とざわめきの間を抜け届いた。

「・・ネ・・ネームを取り上げちゃえっ!!!」



























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