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しおりを挟む叩きつけるような雨の中を黒塗りの馬車は進んでいる。
馬車を曳くのは額に角が生えた黒い馬だ。馬具は金無垢の装飾が施され、見る者がいれば目を瞠っただろうが、土砂降りの雨の中、そんな人間はいなかった。
「どこへ行くんですか?」
ラファエルは不安を隠そうと気丈な声を出した。
明るい銀の髪に紫の瞳をした少年は、少女に見えるほど華奢で美しい。まもなく十七歳の誕生日を迎える彼に、隣りに座った魔族の男は優雅に微笑んだ。
不思議な紅い光彩を持つこの悪魔がラファエルの元を訪れるようになって半年が経とうとしているが、外に連れ出されたのは初めてだ。
寝室に現れた悪魔は物憂げな顔で「今宵は出かける」と言ったのだ。ラファエルに拒否権などあるはずもない。
こんな土砂降りの雨の中、どこへ行くというのだろう。
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