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第14章-3
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大澤が尾てい骨のつけ根まで背筋をすうっと指でたどる。
「ほら、いけただろ」
「…入った、の?」
「ああ、気持ちいいな」
そういわれて、ふしぎに心が高揚した。
じぶんの体で相手が快感を得ているということが、喜びをもたらした。
「ほんと、ですか? いいの?」
「すげーいいよ。熱くてキツイ」
大澤も堪えているのだろう、早い息遣いと腰をつかむ熱い手がリアルに感じられた。ゆっくり何度も突き上げられて、じぶんの中が大澤になじんでいくのが絡みつく感覚でわかる。
さっき指で触られて一気に発情したところを擦られると、かーっと熱が上がって頭のなかがぐちゃぐちゃに溶けてしまってどうにかなりそうだった。
「あ、そこ、…だめ、です…っ」
「うん、めちゃくちゃいいだろ。腰揺れてる」
動物の本能の動きかたで祐樹が腰を揺らすと、衝動的に強く突き上げられた。がくがく揺さぶられてももう痛みはほとんど感じない。
「あ、ああっ、…やあっ、あっ…んん」
声を抑えることもできなくて、大澤に翻弄されるままどんどん追いつめられる。きつく目を閉じて、浅く呼吸するだけで精いっぱいだった。
「祐樹、…祐樹、はっ…っ」
大澤の呼ぶ声にも欲情がにじんでいる。
とろりと溶けだしそうなくらい体が熱かった。力強い律動で追いつめられ、くらくらする感覚のなかで登りつめた。
セックスするってこういうことか。体で納得した気がする。じぶんも相手も気持ちよくなりたい、互いに与えあいたいと思うから抱き合うのだ。
それには男も女も関係ないのかもしれない。
「悪い、最後のほう、ちょっとセーブできなかった。きつかったか?」
すこし落ち着いた大澤が眉をさげて、祐樹の汗で張り付いた前髪をかきあげた。
「いえ、すごくよかった、です」
「…そんな顔して、そういうセリフをさらっと言うなよ」
大澤が照れくさそうに苦笑して、こんな顔も初めて見るなと思う。きっとじぶんも大澤に初めての顔をいろいろ見せてしまっただろう。照れるけれど嫌な気持ちにはならない。
「男同士でもゴム使うんですね」
「ああ。生でもできるけど、祐樹の後始末が大変になるから。誰かと寝るつもりなら使ってもらったほうがいいぞ。病気もあるしな」
「今のところ、そういう相手はいません」
気を遣ってくれたのだとわかって、そういう律義さを好きだと思う。大澤に感じているのは恋愛感情ではないけれど、互いに快楽を分け合うのは悪くなかった。
それにこうして抱き合ってみて、じぶんが男とセックスするのに抵抗がないことはわかった。
恋愛感情が沸かないのが、なんか切ないね。。。
「これって浮気にカウントされますかね? それとも、男はカウント外?」
「浮気って誰の?」
「え? 先輩の」
「俺? 浮気って…ああ、そういう意味か」
「言ってなかったか、あいつとは最近別れた。今はフリーだからそんな心配はしなくていいぞ」
「え、そうなんですか? なんで?」
「あいつが社会人になって会う時間も減って、すれ違うようになったせいかな。会社で3期上の先輩社員に告白されて、そいつが好きになったんだって」
社会人の男相手に張り合っても無駄だと思って別れたと大澤は淡々と答えた。まあよくある話だと、さばさばした表情だ。
「浮気じゃないなら、またしたい?」
いたずらっぽく訊かれて、祐樹は赤くなって言葉を探した。
「…したい、かも」
苦しくて気持ちよくて、同性とのセックスは素直に言うならまたしたいと思えた。
「じゃあまた、そのうちな。彼氏ができるまでは、俺にしておけ」
大澤の大きな手に撫でられているうちに眠くなり、祐樹は素直にうなずいて目を閉じた。
「ほら、いけただろ」
「…入った、の?」
「ああ、気持ちいいな」
そういわれて、ふしぎに心が高揚した。
じぶんの体で相手が快感を得ているということが、喜びをもたらした。
「ほんと、ですか? いいの?」
「すげーいいよ。熱くてキツイ」
大澤も堪えているのだろう、早い息遣いと腰をつかむ熱い手がリアルに感じられた。ゆっくり何度も突き上げられて、じぶんの中が大澤になじんでいくのが絡みつく感覚でわかる。
さっき指で触られて一気に発情したところを擦られると、かーっと熱が上がって頭のなかがぐちゃぐちゃに溶けてしまってどうにかなりそうだった。
「あ、そこ、…だめ、です…っ」
「うん、めちゃくちゃいいだろ。腰揺れてる」
動物の本能の動きかたで祐樹が腰を揺らすと、衝動的に強く突き上げられた。がくがく揺さぶられてももう痛みはほとんど感じない。
「あ、ああっ、…やあっ、あっ…んん」
声を抑えることもできなくて、大澤に翻弄されるままどんどん追いつめられる。きつく目を閉じて、浅く呼吸するだけで精いっぱいだった。
「祐樹、…祐樹、はっ…っ」
大澤の呼ぶ声にも欲情がにじんでいる。
とろりと溶けだしそうなくらい体が熱かった。力強い律動で追いつめられ、くらくらする感覚のなかで登りつめた。
セックスするってこういうことか。体で納得した気がする。じぶんも相手も気持ちよくなりたい、互いに与えあいたいと思うから抱き合うのだ。
それには男も女も関係ないのかもしれない。
「悪い、最後のほう、ちょっとセーブできなかった。きつかったか?」
すこし落ち着いた大澤が眉をさげて、祐樹の汗で張り付いた前髪をかきあげた。
「いえ、すごくよかった、です」
「…そんな顔して、そういうセリフをさらっと言うなよ」
大澤が照れくさそうに苦笑して、こんな顔も初めて見るなと思う。きっとじぶんも大澤に初めての顔をいろいろ見せてしまっただろう。照れるけれど嫌な気持ちにはならない。
「男同士でもゴム使うんですね」
「ああ。生でもできるけど、祐樹の後始末が大変になるから。誰かと寝るつもりなら使ってもらったほうがいいぞ。病気もあるしな」
「今のところ、そういう相手はいません」
気を遣ってくれたのだとわかって、そういう律義さを好きだと思う。大澤に感じているのは恋愛感情ではないけれど、互いに快楽を分け合うのは悪くなかった。
それにこうして抱き合ってみて、じぶんが男とセックスするのに抵抗がないことはわかった。
恋愛感情が沸かないのが、なんか切ないね。。。
「これって浮気にカウントされますかね? それとも、男はカウント外?」
「浮気って誰の?」
「え? 先輩の」
「俺? 浮気って…ああ、そういう意味か」
「言ってなかったか、あいつとは最近別れた。今はフリーだからそんな心配はしなくていいぞ」
「え、そうなんですか? なんで?」
「あいつが社会人になって会う時間も減って、すれ違うようになったせいかな。会社で3期上の先輩社員に告白されて、そいつが好きになったんだって」
社会人の男相手に張り合っても無駄だと思って別れたと大澤は淡々と答えた。まあよくある話だと、さばさばした表情だ。
「浮気じゃないなら、またしたい?」
いたずらっぽく訊かれて、祐樹は赤くなって言葉を探した。
「…したい、かも」
苦しくて気持ちよくて、同性とのセックスは素直に言うならまたしたいと思えた。
「じゃあまた、そのうちな。彼氏ができるまでは、俺にしておけ」
大澤の大きな手に撫でられているうちに眠くなり、祐樹は素直にうなずいて目を閉じた。
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