父に代わり、悪魔に身を捧げることになりまして…。

卯月終

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「我を喚び出したのは貴公か?」
お決まりの言葉を試しに言う。

「あ、あぁ、そうだ。」

まさか悪魔が本当に現れるとはそう言いたそうだな。
呼び出したのは貴様だろうが。

「そ、それで願いは叶えてもらえるのだろうな。」

当たり前だろう。そう言いそうになるのを抑え

「あぁ、金か地位か、はたまた……
なんでも望みを叶えよう。ただし代償は頂く。」

「あ、あぁ。」

それしか言えないのか?貴様は。

「望みは何だ?」

「金、地位、女だ。」

欲張りだな。だが、それがいい。
人は愚かで欲張りな存在だ。
その欲を我ら悪魔は好む。そして魂を喰らう。

「数が増えればその分支払いも増えるがいいのか?」
警告はしないとな。後で色々と揉めるのは面倒だ。

「ぐっ。
それなら金や女が手に入るような地位を寄越せ。
それが望みだ。」

思っていたより、頭は回るようだな。
だが、もっと美しい望みの方が良かったな。
魂まで穢れるではないか。

「望みは金が手に入り、女が寄ってくる
それだけの地位だな。
契約の取り消しや修正は出来ないから後悔しない選択をするといい。」

「あぁ、問題ない。」

「では、地位をやろう。」

パチンと指を鳴らす。
これがなくても問題ないが雰囲気作りだな。あとは癖。

「終わりか?」

「あぁ。これで完了だ。
貴公の望みは叶えた。」

「我を疑うのか?
契約の取り消し、修正は出来ないが
我の機嫌一つで我が与えた貴公の地位を奪うことは
出来る。それを忘れるな。」

「わ、悪かった。
だが、地位はもう返さんからな。」

「あぁ、それで構わん。
せいぜい我の機嫌を損ねないようにするのだな。」

ちっ、そう舌打ちをしながら扉の方へ歩いていく。

「どこへ行く気だ?」

「契約は終わったのだろう?
どこへ行こうと勝手ではないか。」

はぁ?何を言っているのだ、貴様は。

「貴公は代償をまだ払っていないだろう。
さぁ、代償を、魂をいただこうか。」

「な、何を言っておる。
われはこの国で名を知らぬ者はいない貴族だぞ。
貴様、無礼だぞ。」

「何を言う。
その悪魔召喚書にも書いてある。
それに我は最初に言ったはずだ。
どんな願いでも叶えるが、代償は支払ってもらうと。」

「た、魂はやらんぞ。
代わりなら幾らでも払う。
金か名誉か。女でもいい。望むものは全てやる。」

「く、く、く。」

何事かと目を丸くする、馬鹿な貴族様。
笑いが抑えられなくなるだろうが。

「あっはっはっは。
堪らん、堪らんな。
我ら悪魔は貴様のような傲慢な奴が
泣いて懇願する姿が好きなんだよ。
命乞い、よい、よいぞ。
もっとやれ。幾らでも聞いてやるぞ。
聞くだけだがな。」
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