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白昼夢を見るサラリーマン 編
デイドリーム その①
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「ああマズかった……」
ゲツは空き缶をゴミ箱に捨てた。カコン、と小気味良い音が鳴った。
「今度はフツーの飲み物を買おうっと……」
ゲツは片手で持っていた花束を両手で持ち直しながら言った。
そのあと何か気付いたように、自分の体を見回した。
「あとやっぱり、俺が変身できる飲み物はモンスターだけっぽいなぁ」
彼は嬉しいとも悲しいともとれないような声で呟いた。
「さて、帰ろうかな……欲しいものは手に入ったし」
ゲツは公園の出口に向かって歩き出した。
「する事もたくさんあるし……宿題どうしようかな……」
そう呟きながらゲツは公園を出た。
「……?」
ゲツはふと左に顔を向けた。人影は見えないが、なんだかザワザワしている。
「どうしたんだろ? 事故でもあったのかな」
ゲツは不思議がって言った。彼は生まれてこのかた事故に遭った事も見た事もなかったので、だんだんその雑音に興味が湧いてきた。
「うーん、なんか気になってきたな……」
「よし、行ってみよう!」
そう言うとゲツは、そちら側——駅前の交差点へと走り出した。
「え?」
その直後。
プツン、と唐突に何かが変わった。
「何ここ……? こんな場所あったっけ……?」
ゲツはキョロキョロと辺りを見回した。駅前にあったマンションやビルは、跡形もなく消えていた。
あったのは遠くに見える木造の家と、延々と続く草原だけだった。人影も見当たらない。
さらに、パッと手元を見てみると、さっきまで両手で抱えていた花束が消えている。
「え……えええぇぇ!!? そんな、これ……どういう事だよ!? 花も無いし、何が起こったんだ!?」
「どうされました?」
「わああ!!」
ゲツが取り乱していると、誰もいないはずの後ろから声が聞こえた。ゲツは声がした方に勢いよく振り向いた。
「あなた、見ない格好をしていますけど……」
「見ない格好って……言うほど変に見えます——」
「か……?」
ゲツは声を詰まらせた。
その声の主は少女だった。しかし、人ではあり得ないようなモノが、頭に生えていた。
「えっと、その頭にあるのって……ネコミミ、だよね……?」
「ネコミミ? なんですかそれは? これは私の耳です! 変だみたいに言わないでくださいよ!」
その少女は少し怒って言った。彼女の耳がちょこちょこと動いた。
「動いた……??」
彼女の耳の動きを疑問に思ったゲツは、その少女に近付き、耳を触ってみた。
「ちょ、これは……!」
「ひっ!」
体温を感じる肌、生きた毛の感触……ゲツはそれをしかと感じる事ができた。
もしかして、と背中側をチラッと見ると尻尾まで生えており、生き生きと動いているのが見えた。
「ちょ、やめてください!」
少女はゲツを突き飛ばした。
「うごっ! すみませんでした!」
ゲツは突き飛ばされながら謝った。
「突然耳を触るなんて、ジョーシキが無いですよ! 本当にやめてください!」
「いや本当ごめんなさい……」
そういいながら、ゲツはハッと気がついた。
(そうだ、携帯は!?)
パッと取り出した携帯には、圏外の文字が見える。
「ま、マジ……? ここ街中だったはずなのに、繋がらないって……」
先程まではバリバリ繋がっていたのに、ここではなぜか繋がらない。たった数十メートル動いただけで、4本の棒がゼロになっていたのだ。
(こんな事ってあるのか!? これじゃ本当に異世界に来たみたいじゃないか!)
ゲームやアニメなどではよくある話だが、こんな事は非現実的であり得ないことは、ゲツもよく知っていた。
しかし目の前にいるネコ少女、突如として起こった景色の変化、繋がらない携帯電話……これらを目の当たりにして、その常識を疑うのも無理はないだろう。
「……ここって、どこなの?」
ゲツはネコ少女に問いかけた。
「ここは……えっと、チュクシ平原という場所です」
聞いたことのない地名だ、とゲツは思った。少女は「そういえば……」と続けた。
「私の耳を珍しそうに見てましたけど……あなたはどこかからの冒険者ですか?」
「どこかって……俺、ここが何なのかよく分からないんだ……」
「よく、わからない……?」
少女は首を傾げた。
「記憶がないんですか?」
「いや、記憶はしっかりすぎるくらいあるんだけど……何というか、突然ここにいたっつーか……」
ゲツは状況をよく飲み込めない。そうやって悩んでいると、少女が切り出してきた。
「うーん……とりあえず、私の家に来ませんか?少し落ち着きましょう」
「俺はゲツっていうんだ、そっちは?」
「リリーといいます」
ゲツは、その少女に連れられて歩き出した。
「それで……俺、駅前にいたはずなんだけど、いつの間にかここにいたんだ」
少女はアゴに手を添えながら聞いている。
「あと手に持っていた花束がなくなってて……どういう事なのかわからないんだ」
そこまで聞いて、少女は何かをひらめいたようだ。
「そのエキってのは聞いたことないですけど……テレポートに巻き込まれたとかじゃないんですか?」
「テレポート?」
ゲツはその聞き慣れない言葉に引っかかった。
「はい、移動魔法の一種です。使う人はそう多くはないので、あなたみたいに何も知らずに巻き込まれる事もありえますね」
「魔法?」
「はい、魔法です」
ようやく自分の知っているものが出て来た。
(魔法に巻き込まれた? よくわからないけど、街中に魔法使いがいたのか!)
そして、同時にこの現象についての仮説が出た。
「そうか、俺は……俺の近くにいた誰かの魔法に巻き込まれ、ここに来たってことか!」
ゲツはやっと最もらしいことを聞いて、嬉しそうに言った。魔法は正直よく分からない、とアギハも言っていたので、こういうのもありえない話ではないのかもしれない。
「はい、おそらくそうだと思います」
この少女のことはよくわからないけど、とゲツは思った。
と、話しながら歩いていると——
「グゥルルル……」
「ふぇ!?」
「なんだぁ!?」
目の前に突然、とても大きな狼のような生き物が現れた。その生き物は、こちらに敵意をむき出しにしながら#唸_うな__#っている。
「ま、魔物です!」
「魔物!?」
少女は怯えながらうなずいた。
「そうです……はわわ、どうしよう……帰れないよぉ」
ゲツはそう言った彼女を横目で見て、魔物の方に目線を移した。狼のように見えたが、それにしては少し大きすぎるような気がした。
「……そうだ、これなら……」
ゲツは手持ちのバッグの中を漁り始めた。
「え?」
「だ、大丈夫なんですか!?」
少女は心配そうに彼を見た。ゲツは、モンスターの缶をちょうど開けたところだった。
「これさえ飲めば、大丈夫……なはず!」
そして一気に、飲み込んだ!
「……ふー、よし」
缶の中身を半分ほど飲み込んだゲツは、まだ残っている缶を地面に置いた。
ゲツの体が、メキメキと音を立てて変化し始めた。体が鱗に覆われていく。
ゲツはすぐに攻撃できるよう、スッと野性味あふれるポーズで構えた。
「な、な、何ですか……!? これ……」
驚いている少女に、ゲツは言った。
「魔法だよ!」
「ウガァァァァ!」
魔物はゲツに大きく口を開きながら、飛びかかってきた。
(集中して……殴るタイミングは!)
ゲツはその魔物から目をそらさず、右腕曲げ、腰あたりに構えた。
魔物の口が目の前に迫ってきた、その瞬間。
「ここだ!」
『『『バキィィィィ』』』
ゲツのアッパーが、魔物のアゴにヒットした。
「ギャアァァァァァァ……」
魔物はその攻撃で、激しく縦回転しながら30メートルほどぶっ飛び、気を失った。
「以外とあっけなかったな……あ、大丈夫だった?」
ゲツは少女に駆け寄った。
「す、すごい……恐ろしい魔物を、あれほどあっけなく……」
「へへへ、あれくらい楽勝だよ」
少し照れながらゲツは答えた。
(……いや、でも何かあっけなさすぎるよな……あんなに吹っ飛ぶもんか? あの大きな体が……)
ゲツはこの力についてまだ正確に把握出来ていないのだが、狼のような動物をここまでぶっ飛ばせるような力があるとは思っていなかった。
(しかもゲームで敵と遭遇する時みたいに突然現れたし、いろいろおかしいよな)
(……いや、それよりも……)
ゲツは考えるのを中断した。
「ここら辺では、魔物はあまりでないんですけど……本当に助かりました……」
「そうなんだ……」
(魔物なんて、この地球上にいるはずないし……やっぱり、ここは別世界なのかな……)
地球上のどこかへのテレポートなのか、と考えていたが、さすがにそれだといろいろおかしすぎると思い至った。
「とりあえず、行きましょうか。私の家はもうすぐなので」
「あ、あのさっきから見えてる家か……」
少女はそうですよーと言った。
(誰も連絡つかないし……本当どうしようかな……)
「おい、お前! お前が噂の竜人だな!」
「え?」
また突然、後ろから声が聞こえた。振り返ると、剣を持った男と、杖を持った女が立っていた。
「ケネ族の少女を連れ去ろうとしてるよ……間違いないね」
女がそう呟いた。
「リザードマンって、そんな風に……見えるわ」
ゲツは今体が鱗だらけになっている事を思い出した。
「覚悟しろ!」
男がいきなり切り掛かってきた。
「ちょ、何だよ!?」
「ファイア!」
「!? アッツ! 何だ!?」
女が何かを言うと、急に炎が飛んできた。その炎はゲツの腰あたりをかすめて、地面に着火し、すぐに消えた。
「な、何ですかこの人たち……ゲツさん、あなたも魔物なんですか!?」
ゲツから少し離れたところにいた少女が、ゲツに聞いた。
「いや、違う! 何かと勘違いしてるんだ、この人たち!」
(次から次へと……何がどうなって……)
続く
ゲツは空き缶をゴミ箱に捨てた。カコン、と小気味良い音が鳴った。
「今度はフツーの飲み物を買おうっと……」
ゲツは片手で持っていた花束を両手で持ち直しながら言った。
そのあと何か気付いたように、自分の体を見回した。
「あとやっぱり、俺が変身できる飲み物はモンスターだけっぽいなぁ」
彼は嬉しいとも悲しいともとれないような声で呟いた。
「さて、帰ろうかな……欲しいものは手に入ったし」
ゲツは公園の出口に向かって歩き出した。
「する事もたくさんあるし……宿題どうしようかな……」
そう呟きながらゲツは公園を出た。
「……?」
ゲツはふと左に顔を向けた。人影は見えないが、なんだかザワザワしている。
「どうしたんだろ? 事故でもあったのかな」
ゲツは不思議がって言った。彼は生まれてこのかた事故に遭った事も見た事もなかったので、だんだんその雑音に興味が湧いてきた。
「うーん、なんか気になってきたな……」
「よし、行ってみよう!」
そう言うとゲツは、そちら側——駅前の交差点へと走り出した。
「え?」
その直後。
プツン、と唐突に何かが変わった。
「何ここ……? こんな場所あったっけ……?」
ゲツはキョロキョロと辺りを見回した。駅前にあったマンションやビルは、跡形もなく消えていた。
あったのは遠くに見える木造の家と、延々と続く草原だけだった。人影も見当たらない。
さらに、パッと手元を見てみると、さっきまで両手で抱えていた花束が消えている。
「え……えええぇぇ!!? そんな、これ……どういう事だよ!? 花も無いし、何が起こったんだ!?」
「どうされました?」
「わああ!!」
ゲツが取り乱していると、誰もいないはずの後ろから声が聞こえた。ゲツは声がした方に勢いよく振り向いた。
「あなた、見ない格好をしていますけど……」
「見ない格好って……言うほど変に見えます——」
「か……?」
ゲツは声を詰まらせた。
その声の主は少女だった。しかし、人ではあり得ないようなモノが、頭に生えていた。
「えっと、その頭にあるのって……ネコミミ、だよね……?」
「ネコミミ? なんですかそれは? これは私の耳です! 変だみたいに言わないでくださいよ!」
その少女は少し怒って言った。彼女の耳がちょこちょこと動いた。
「動いた……??」
彼女の耳の動きを疑問に思ったゲツは、その少女に近付き、耳を触ってみた。
「ちょ、これは……!」
「ひっ!」
体温を感じる肌、生きた毛の感触……ゲツはそれをしかと感じる事ができた。
もしかして、と背中側をチラッと見ると尻尾まで生えており、生き生きと動いているのが見えた。
「ちょ、やめてください!」
少女はゲツを突き飛ばした。
「うごっ! すみませんでした!」
ゲツは突き飛ばされながら謝った。
「突然耳を触るなんて、ジョーシキが無いですよ! 本当にやめてください!」
「いや本当ごめんなさい……」
そういいながら、ゲツはハッと気がついた。
(そうだ、携帯は!?)
パッと取り出した携帯には、圏外の文字が見える。
「ま、マジ……? ここ街中だったはずなのに、繋がらないって……」
先程まではバリバリ繋がっていたのに、ここではなぜか繋がらない。たった数十メートル動いただけで、4本の棒がゼロになっていたのだ。
(こんな事ってあるのか!? これじゃ本当に異世界に来たみたいじゃないか!)
ゲームやアニメなどではよくある話だが、こんな事は非現実的であり得ないことは、ゲツもよく知っていた。
しかし目の前にいるネコ少女、突如として起こった景色の変化、繋がらない携帯電話……これらを目の当たりにして、その常識を疑うのも無理はないだろう。
「……ここって、どこなの?」
ゲツはネコ少女に問いかけた。
「ここは……えっと、チュクシ平原という場所です」
聞いたことのない地名だ、とゲツは思った。少女は「そういえば……」と続けた。
「私の耳を珍しそうに見てましたけど……あなたはどこかからの冒険者ですか?」
「どこかって……俺、ここが何なのかよく分からないんだ……」
「よく、わからない……?」
少女は首を傾げた。
「記憶がないんですか?」
「いや、記憶はしっかりすぎるくらいあるんだけど……何というか、突然ここにいたっつーか……」
ゲツは状況をよく飲み込めない。そうやって悩んでいると、少女が切り出してきた。
「うーん……とりあえず、私の家に来ませんか?少し落ち着きましょう」
「俺はゲツっていうんだ、そっちは?」
「リリーといいます」
ゲツは、その少女に連れられて歩き出した。
「それで……俺、駅前にいたはずなんだけど、いつの間にかここにいたんだ」
少女はアゴに手を添えながら聞いている。
「あと手に持っていた花束がなくなってて……どういう事なのかわからないんだ」
そこまで聞いて、少女は何かをひらめいたようだ。
「そのエキってのは聞いたことないですけど……テレポートに巻き込まれたとかじゃないんですか?」
「テレポート?」
ゲツはその聞き慣れない言葉に引っかかった。
「はい、移動魔法の一種です。使う人はそう多くはないので、あなたみたいに何も知らずに巻き込まれる事もありえますね」
「魔法?」
「はい、魔法です」
ようやく自分の知っているものが出て来た。
(魔法に巻き込まれた? よくわからないけど、街中に魔法使いがいたのか!)
そして、同時にこの現象についての仮説が出た。
「そうか、俺は……俺の近くにいた誰かの魔法に巻き込まれ、ここに来たってことか!」
ゲツはやっと最もらしいことを聞いて、嬉しそうに言った。魔法は正直よく分からない、とアギハも言っていたので、こういうのもありえない話ではないのかもしれない。
「はい、おそらくそうだと思います」
この少女のことはよくわからないけど、とゲツは思った。
と、話しながら歩いていると——
「グゥルルル……」
「ふぇ!?」
「なんだぁ!?」
目の前に突然、とても大きな狼のような生き物が現れた。その生き物は、こちらに敵意をむき出しにしながら#唸_うな__#っている。
「ま、魔物です!」
「魔物!?」
少女は怯えながらうなずいた。
「そうです……はわわ、どうしよう……帰れないよぉ」
ゲツはそう言った彼女を横目で見て、魔物の方に目線を移した。狼のように見えたが、それにしては少し大きすぎるような気がした。
「……そうだ、これなら……」
ゲツは手持ちのバッグの中を漁り始めた。
「え?」
「だ、大丈夫なんですか!?」
少女は心配そうに彼を見た。ゲツは、モンスターの缶をちょうど開けたところだった。
「これさえ飲めば、大丈夫……なはず!」
そして一気に、飲み込んだ!
「……ふー、よし」
缶の中身を半分ほど飲み込んだゲツは、まだ残っている缶を地面に置いた。
ゲツの体が、メキメキと音を立てて変化し始めた。体が鱗に覆われていく。
ゲツはすぐに攻撃できるよう、スッと野性味あふれるポーズで構えた。
「な、な、何ですか……!? これ……」
驚いている少女に、ゲツは言った。
「魔法だよ!」
「ウガァァァァ!」
魔物はゲツに大きく口を開きながら、飛びかかってきた。
(集中して……殴るタイミングは!)
ゲツはその魔物から目をそらさず、右腕曲げ、腰あたりに構えた。
魔物の口が目の前に迫ってきた、その瞬間。
「ここだ!」
『『『バキィィィィ』』』
ゲツのアッパーが、魔物のアゴにヒットした。
「ギャアァァァァァァ……」
魔物はその攻撃で、激しく縦回転しながら30メートルほどぶっ飛び、気を失った。
「以外とあっけなかったな……あ、大丈夫だった?」
ゲツは少女に駆け寄った。
「す、すごい……恐ろしい魔物を、あれほどあっけなく……」
「へへへ、あれくらい楽勝だよ」
少し照れながらゲツは答えた。
(……いや、でも何かあっけなさすぎるよな……あんなに吹っ飛ぶもんか? あの大きな体が……)
ゲツはこの力についてまだ正確に把握出来ていないのだが、狼のような動物をここまでぶっ飛ばせるような力があるとは思っていなかった。
(しかもゲームで敵と遭遇する時みたいに突然現れたし、いろいろおかしいよな)
(……いや、それよりも……)
ゲツは考えるのを中断した。
「ここら辺では、魔物はあまりでないんですけど……本当に助かりました……」
「そうなんだ……」
(魔物なんて、この地球上にいるはずないし……やっぱり、ここは別世界なのかな……)
地球上のどこかへのテレポートなのか、と考えていたが、さすがにそれだといろいろおかしすぎると思い至った。
「とりあえず、行きましょうか。私の家はもうすぐなので」
「あ、あのさっきから見えてる家か……」
少女はそうですよーと言った。
(誰も連絡つかないし……本当どうしようかな……)
「おい、お前! お前が噂の竜人だな!」
「え?」
また突然、後ろから声が聞こえた。振り返ると、剣を持った男と、杖を持った女が立っていた。
「ケネ族の少女を連れ去ろうとしてるよ……間違いないね」
女がそう呟いた。
「リザードマンって、そんな風に……見えるわ」
ゲツは今体が鱗だらけになっている事を思い出した。
「覚悟しろ!」
男がいきなり切り掛かってきた。
「ちょ、何だよ!?」
「ファイア!」
「!? アッツ! 何だ!?」
女が何かを言うと、急に炎が飛んできた。その炎はゲツの腰あたりをかすめて、地面に着火し、すぐに消えた。
「な、何ですかこの人たち……ゲツさん、あなたも魔物なんですか!?」
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「いや、違う! 何かと勘違いしてるんだ、この人たち!」
(次から次へと……何がどうなって……)
続く
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