幽霊さんと私

アン

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溶解エンド

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長く続いた空想
長く、とても長く
どれ程の月日が流れただろうか

この家も朽ち始め、屋根からは星空が覗いている
いや、家だけじゃない
自分達も例外ではなく

「何の話をして居たか」

「もう、忘れん坊さんなんだから!
魔法使いがパイを焼いた所まで話したんだよ」

「ん、嗚呼、そうだったね
魔法のパイが人を食べたんだっけ?」

「んもう!
そんな怖い話しないもん!
お父さんの意地悪!」

「……ごめんごめん、つい面白くて
許してくれるかな?」

「んむ?
なんでお母さんが謝るの?」

「……少しぼーっとしてたみたい、ごめんね」

壊れだした心
そうか、これが僕達の結末か
壊れて、溶けて
きっといずれは、何も分からなくなる

これも正しい選択だったのだろう
僕達はもう生きていない
こんな心を持っている事自体、本来はありえないんだ

「憎いなぁ」

「にく?お肉?」

「ん、どうかした?」

「ううん、何でもないよ幽霊さん!
気のせいだったみたい」

「幽霊?
あははっ、相変わらず怖がりだね
お父さんもお母さんも一緒だから、大丈夫だよ
さあ、続きを聞かせて
その魔法使いはどうなったんだい?」

「……ありがとう、ごめんね」

「ん?」

もう気付いてる
私が悪い子だから、幽霊さんを巻き込んじゃったんだ

あんなに大好きだったお母さん達も、もやもやしてきて
あんなに楽しかった夜の時間も、もやもやしてきて

怖い
忘れるのは怖い
大好きなのに、ごめんなさい

「ね、お母さんは、お母、あれ、あ、う?
何か言おうとしてたんだけど、忘れちゃった!」

「忘れん坊さんだな
全く、誰に似たんだか」
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