SCRAP

都槻郁稀

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本編 18.12 - 19.03

今日も/293/現代文芸

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 今日も朝が始まる。市街地のビルを朝日が照らすと、街路樹や軒下の巣から、鳥が鳴き始める。朝、車の音が騒々しくなってくると同時に、深夜の静けさはまだ暗い西の方へと逃げていく。主要道路はいつの間にか渋滞し、夕立のように通勤ラッシュが過ぎていく。
 いつものように太陽が西に沈むと、街灯が東から照らしていく。
 日付が変わると、街が少しずつ暗くなる。ゆっくりと、静けさが街を這う。夜に街が飲み込まれると、時間すらも鈍く、今にも止まりそうになる。

 暗く、重く、深く。

 低く、鈍く、小さく。

 朝日の影が東に見えると、それは帰る支度を始める。また来るはずなのに、いた形跡すら残さず、去っていく。

 今日も、朝が始まる。
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