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第47話 万能薬の製法
しおりを挟む大精霊シルフが俺の家族になり、世界樹の葉が大量に手に入ったので改めて万能薬エリクサーの作成に取り掛かることにした。
「ケイトは本当のエリクサーの作り方を知ってるの?」
「教会が把握してる方法って、本物の製法かな? それだったら俺も分かる」
エリクサーにはいくつもの間違ったレシピが世に出回っている。そのためシルフが俺に『本当のエリクサーの作り方』を理解しているか聞いてきたんだ。
「材料に千寿草があるやつ?」
「そう。他には水竜の牙を砕いた粉とか、聖水なんかを使うレシピ」
「なら大丈夫そうだね。世界樹の葉以外を集めるあてはある? 何だったら私が他の大精霊に協力をお願いしてあげる」
「えっ、マジで!?」
俺はシルフと契約を結んだが、今の彼女を戦力としてはカウントできなかった。悪魔に吸われた力が完全に戻るまで百年近くかかるらしい。
しかしシルフに力がなくとも、その人脈(?)は非常に強力な武器になるかもしれない。彼女以外の大精霊。例えば炎のイフリートとかが、俺たちに協力してくれる可能性があるということなのだから。
「さすがに『魔王と戦え!』とかはちゃんと契約結ばないとダメだろうけど、その辺の竜を倒すぐらいなら協力してくれると思う」
りゅ、竜を倒してくれるんですか……。
いやぁ。シルフと契約結んで良かった。
「それは助かる。でも素材集めは大丈夫なんだ」
「そうなの?」
「あぁ。世界樹の葉以外でエリクサー作成に必要なアイテムは、ほとんど私が所有しているからな」
城の保管庫に行っていたフリーダが帰ってきた。その腕にはいくつもの素材が抱えられている。彼女の後ろにはクルフィンやシスタとステラがいて、彼らも複数の素材を持っていた。
「みんなで素材を運んできてくれたのか。ありがとな」
「えへへ。落とさないように気をつけてもってきたんだよ」
クルフィンの頭を撫でてあげると、シスタとステラがソワソワしだした。もちろん彼女たちも頭を撫でてあげる。
「ふたりもありがと。これからエリクサーをつくるけど、人手がいるからそっちも手伝ってくれる?」
万能薬をつくる過程には魔法で楽ができる部分と、完全に人の手で行わなければならない部分がある。非常に時間がかかる作業だが、難易度はそれほど高くないので子どもたちにも手伝ってもらうつもりでいた。
「うん!」
「「私たちも手伝いまーす」」
「テルーたちにも声をかけてきた。みんな来てくれるそうだ」
「ありがと。助かるよ」
「それじゃ私はシルフと難易度の高い加工を始めるから、子どもたちへの説明は君に任せていいか? 千寿草を割く作業をやってもらうんだよな」
「うん、そのつもり」
一番時間がかかるのは千寿草を縦に割く作業だ。大人の手のひらほどの幅がある千寿草を、その筋に沿って一枚を千本に割かなければならない。道具や魔法を使って作業を早めようとすると、繊細な千寿草は途端に枯れてしまう。手作業で進めるしかないんだ。そんな作業を万能薬一本につき千枚分もやらなければならない。
「あとは分離の工程が鬼門だな。それと聖水が足りるかどうか……。ま、とりあえず私たちはできることから進めていくよ」
「よろしく。フリーダ、シルフ」
「まっかせてー!」
集中力を必要とする作業があるので、フリーダとシルフは別室に移動していった。それと入れ替わるようにテルーやミィたちがこの部屋に入ってくる。
「ケイトさん。みんなでお手伝いに来ました」
「ミィもご主人様のお力になりにきたにゃ!」
九人の子どもたちが全員集合してくれた。
俺も入れて十人で作業すれば早く終わるだろう。
「みんな、ありがと。大変な作業だけど、世界を平和にするために頑張ってる人のためになるとても大切なことなんだ。だから頑張ろうな」
「「「はーい!」」」
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