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第1章 水の研究者、異世界へ

第20話 野営(※)

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「ダメにゃ。次の町まではまだ遠そうニャ」
「そう。偵察ありがと」

 日が沈んできた。少しミーナに先行してもらい、小高い丘の上から周囲を確認してもらったが、見渡せる範囲に人が住む村や町はなかったようだ。

「今日はここで野営しようか」
「ウチは平気だけど、トールは良いのかニャ?」
「ここで寝るしかなければそうするよ」

 ミーナが心配そうに聞いてきた。野宿もできない軟弱者と思われているのだろうか? 舐めないでもらいたい。確かにこのようなキャンプ道具も持たない状態で野外で寝る経験はない。それでも研究が忙しくて家に帰れず、何日も研究所の硬い床で寝たことはある。子どもの頃は親に連れられてキャンプしたことだってあるんだ。

 逆に俺はこの状況に少しワクワクしていた。

「周りが見えなくなっても移動し続ける方が危険だろ」

「確かにそうニャ。それじゃ、今日はこの辺で寝れそうな場所探すニャ。ちなみにトールは地面と木の上、どっちがいいかニャ?」

 そうか、ミーナは猫獣人だったな。地上を闊歩する夜行性の魔物に襲われにくい木の上で寝るって選択肢があるんだ。

「俺は地面で寝るよ。木から落ちないように寝られないし、こいつらのそばにいて守ってやらないと」

 そう言いながら、俺たちをここまで乗せてきてくれた馬の背を撫でた。魔物の襲撃にも怯えることなく、冷静に俺たちの指示に従ってくれた優秀な馬たちだ。これからの移動のためにも失うわけにはいかない。

「ならウチも下で寝るニャ。トールのそばで寝てるのが一番安全だからニャ」

「うん。自動防御する水魔法は範囲指定型だから、そばにいてくれた方が良いな」

 ただ、安全と言い切ることはできない。俺がミーナを襲わない保証ができないからだ。でもさすがに、外でヤるのは我慢した方が良いか。自動防御魔法を展開したとしても危ない気がするが──

「ちなみに今日はするのかニャ?」
「……おい、まさか」
「そのまさかニャ」

 ミーナが俺に身体を寄せ、俺の息子を触ってくる。

「トールにご奉仕するのがウチの役目ニャ。トールの魔法が自動で守ってくれて安全なら、今晩しない理由がないニャ」

「お、俺はそんなことさせるためにミーナを連れてきたわけじゃない!」

 襲わない保証ができないなどとふざけて考えていても、ほんとにするつもりはないんだ。もちろん彼女とヤりたくないわけじゃない。ただ俺も時と場をわきまえる理性くらいは持ち合わせているつもりだ。

「じゃあ、ウチは通訳として? それとも戦闘要員? ウチはどうしたら、何を頑張ればトールのお役にたてるか教えてほしいニャ!」

「無理になにかを頑張る必要なんてないよ。俺はただ、ミーナみたいな可愛い子と一緒に旅をできたら楽しいかなって思って」

 ミーナを引き寄せ、ギュッと抱きしめる。

「戦闘とか、危ないことは全部俺がやる。野営の見張りとかも任せてくれ。3日くらいなら連続で徹夜できる。慣れてるから問題ない。だから、俺についてきてくれるだけで十分なんだ」

「……でも、トールのはウチとシたいって言ってるニャ」

 愚息が最大サイズになっていた。

 良い感じなセリフを言って綺麗に収めようとしたのに。なんでだ、我が息子よ! 確かにミーナを抱きしめた時にふわっといい香りがしたし、武具を身に付けていない彼女の柔らかな胸の感触が伝わってきたからって……。今はダメだろ!!

「こんなに大きくなって、すごぐ辛そうニャ」

 ミーナが俺のズボンを手ですりすりしてくる。コイツもコイツで、せっかく我慢してる俺になんでそんな仕打ちをするんだよ! 俺に襲われたいのか!? ここは野外だぞ! 魔物が来るかもしれないんだぞ!?

「いくらトールの魔法で守られてるって言っても、魔物はたくさん寄ってくるかもしれないニャ。ただ外でするのもドキドキするけど、魔物に見られながらなんて」

 俺の耳元に口を近づけたミーナがささやく。

「すっごく興奮しそうニャ」

 はい、アウトー! アウトです。もう我慢できませーん! 囁き声がエロ過ぎるし、耳元でそんなこと言われたら紳士な俺でも無理です。絶対に襲います。

 というか、俺の身体はもう動いてます。

「あっ、トール…ん、んんっ!」

 俺の手が勝手にミーナの胸を服の上から揉んでいた。彼女の口から洩れる嬌声が俺をいっそう興奮させる。

 ちなみにミーナを待っている間、魔物に襲われないよう自動防御の水魔法は周囲に展開済みだった。展開といっても、俺の魔力を溶け込ませて複数の詠唱をした水を用意し、その水が入った容器を周囲にいくつか置いただけ。これで近づいてきた奴らを自動で迎撃してくれる。俺の魔力を含んだ水を事前に飲んでおけば、自動攻撃の対象外となる。もちろん馬たちにも飲まさせた。

 だから魔物の襲撃など気にせずミーナを襲える。

「だ、だめニャ。そ、そこ──んっ!!」

 幾度となくミーナと身体を重ね、だんだんと彼女の好きな場所が分かってきた。敏感な部分に指を這わせるたびにビクンと身を震わせるのが可愛い。そしてそれを必死に隠そうとしている様子が俺の嗜虐心を増長させる。


「ミーナ、脱いじゃおっか」

 野外で女性を脱がせるなんて紳士にあるまじき行為だ。絶対にやっちゃダメ。だけど我慢してた俺を挑発してきたのは彼女のほう。

 俺はもう、己の欲望に身を任せることにした。
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