愛せれるまで出させません。

せいら

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ホットケーキ

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朝の6時30分。いつもキッチンで朝御飯をつくる時間に兄の晶は弟が先に起きていることを知らない様にリビングがあるキッチンへと向かう。



だけれども寝坊しがちの弟がまさか自分より先に起きていた事を知らないような素振りをする晶。
そしてリビングのドアを少し眠たそうにあける。






『おはよう晴。今日は早起きだね?』







そんな兄の声をきくと弟の晴は嬉しそうに犬みたいに兄の方へと駆け寄る。






『兄さん!誕生日おめでとう!!!』


『よく覚えてくれたね?ありがとう』 


『当たり前だろ!!そんな事よりホットケーキ焼いたから…って、兄さん、』







急に兄に抱き締められた晴は少し驚いたように固まった。




兄から抱き締められるのは、晴にとっては慣れているものの今日の抱き締め方は何かを求めている様な考えているような力強そうで強くない抱き締め方な様な気がしたからだ。





それほど嬉しかったのかと晴は思う。
本当にこの兄は弟好き。それは自分がたった1人の家族だから。そういつも思う。






『…さあ、冷めないうちに食べようか』




そう晴から少し距離をおくと笑顔で嬉しそうに晴が用意していたテーブルに置かれているホットケーキを微笑ましく見つめ、いつも一緒に食事をしている椅子へと軽々しく座る。






『でも味は保証しないからな?』

『朝早く大事な弟がつくってくれた料理美味しくないわけないじゃないか』






そんな他愛のない会話をしながら笑顔で『いただきます』と丁寧に兄は言う。
ホットケーキを嬉しそうに食べる兄を幸せに思いながら作ったことを誇りに晴は思う。

















この日が兄弟としてお互いを思う最後の朝食ともしらずに。



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