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第2章 魔王軍四天王 リベルタ
第九話
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あのあと、魔物の討伐任務だったり、防衛拠点の加勢だったりで、時が過ぎていった。
木々が青々と生い茂る季節。
魔法学校は夏休みに入ったらしい。シエルが館に帰ってきた。俺も、今は依頼を受けていないので、のんびりと過ごしている。ラルフは、故郷に帰ると言って一昨日まで館にいなかったが、今は戻ってきている。
シエルは、夏休みの間に出された課題が難航しているようだった。
俺はシエルのいるテーブルに近づく。
「どんな宿題なんだ?」
「自由に研究や調査を1つ行うという課題です。」
「へー、どんな研究するの?」
ラルフは興味を持ったらしく、いつのまにか俺たちの近くにいた。
ラルフの問いにシエルが答える。
「1つだけ思い付いたことがあるのです。」
それから、シエルが語りだした。
「以前、魔法に関する事故が多いと聞きました。
魔法が使えるのかどうかの道具は、ギルドや専門機関にしかなく、魔法を使えると知らず、暴発してしまうことがあるそうです。
また、今の道具では魔力の量を細かく測れないので、どれだけの魔力を持っているのか知らないまま、魔法を使いすぎて昏倒してしまうことも、最悪の場合、命を落とすこともあるそうです。
私は、そんな魔法の事故を無くしたいと思いました。だから、私は魔力を測る道具について、研究し、改良したいです。」
シエルがここに来てから、数ヶ月しか経っていないが、ここまでのことを考えているとは思わなかった。
ラルフも不意を突かれたのか口を開けたまま止まっている。
「へぇ……なんというか、すごいね……。」
「それで、アルバ様達に協力していただきたいのですが、ダメでしょうか。」
「もちろん手伝うよ。」
とは言っても、何をしようか。
そう思ったとき、以前、シエルとギルドへ行ったときのことを思い出した。
「そうだな……。まずはギルドに行って、シエルの手続きのときに見た水晶について聞いてみようか。何か、材料だったり、研究のヒントが分かるかもしれないからな。」
「ありがとうございます。」
王都に行く準備をしなければ。
「ラルフはどうする?一緒に行くか?」
「うん、行くよ。たまには、ギルドにも行こうかな。」
「えっ……何かあったのか?」
ラルフは普段ギルドには行きたがらない。
いつも、面倒くさいとか、あっちに気になるものがあるからとか言ってギルドに行かないのだ。まあ、ラルフは正式な冒険者ではないため、困ることはない。
そういえば、以前、俺の仲間だということで王城に招待されたときも、丁重に断っていた。
何か苦手意識でもあるのだろうか。
「いや、単純に気分なだけ。」
その返答を聞いて、何か問題があったわけではないようなので、安心した。
ギルドにも王城にも行かない理由が、気分が乗らないからだけでも、ラルフならおかしくない。
俺たちは一度解散して、必要な荷物を持ってから、王都のギルドに向かうのだった。
ギルドに着くと、冒険者達がいつもより騒がしいことに気づいた。
ふと、こんな話が聞こえてくる。
「なぁ、それにしてもなんでアイツ、あんなに怪我して帰ってきたんだよ。」
「なんでも、アイツ、例の城に忍びこもうとしたらしいぜ。」
「はあ!? あの魔王軍四天王、リベルタの城にか!」
「ほんと、よくやるぜ……。誰も侵入に成功したやつなんかいないって言うのにな。」
どうやら、みんな、この話について騒いでいるらしい。
魔王軍四天王、それは魔王に強さを認められた4人の魔王軍の幹部達のことだ。強さといっても、剣の強さ、魔法の強さで決まっているわけではなく、魔王の独断で決まっていると言われている。そのため、その4人が極めた能力はそれぞれ異なっているらしい。
その4人の中でも、リベルタは最も謎が多い幹部だ。分かっているのは、城の状況から罠を仕掛けるのがとても得意だということである。
噂によると、その城には財宝が眠っているらしい。その財宝を求めて、侵入しようとする人がいるのだ。
「アルバ様、どうかなさいましたか?」
「いや、なんでもない。」
おっと、いけない。ここには、水晶を見に来たのだった。
俺たちは、受付へと向かう。
「こんにちは、アルバ様。ラルフ様、シエルちゃんもようこそギルドへ。本日の御用件をお伺いします。」
「今日、用があるのはシエルだよ。」
「すみません、研究のために戸籍登録のときに使った水晶について聞かせていただけませんか?」
「まあ! 自由研究ですね。いいですよ、あちらでお話ししますね。」
「ありがとうございます。」
俺たちは案内された席に座る。すぐに、受付のお姉さんが仲間に仕事を引き継いでから、やって来て座った。
受付のお姉さんは笑顔で答えてくれた。
「さて、あの水晶の話ですね。しかし、基本情報の登録方法は機密事項ですし、私も知りませんよ。」
「魔力の測定の仕組みについて知りたいです。」
「それなら、全然構いませんよ。」
それから、受付のお姉さんが仕組みについて、教えてくれた。
魔力の測定にはとある石の性質を使っているらしい。西にあるエウトスという町の近郊でよく採集されるルカハクリョマという名前の石らしい。
その石は魔力に反応するらしく、魔力を一定量持っていると黒く光り、より多く持っていると強く光るそうだ。
ただし、光らない、黒く光る、強く光るの3段階しかないため、細かいことはわからないらしい。
「なるほど、ルカハクリョマですね。教えていただきありがとうございます。」
「いえいえ、構いませんよ。エウトスでは、ルカハクリョマの他にもいろいろな石も売っていますので、一度行ってみてはいかがでしょうか。」
「そうだな。」
俺はシエルの方を向いて言う。
「旅行も兼ねて、行こうか、エウトスに。」
「良いのですか! ありがとうございます、アルバ様。」
「ラルフもそれで大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよー。」
受付のお姉さんは、俺たちの会話を微笑ましく聞いていた。
「エウトスといえば、今度、お祭りがあるそうですよ。」
受付のお姉さんは、一度ギルドの受付の奥へと戻り、一枚の紙と小さな袋を持って席に帰ってきた。
「これです! 毎年盛り上がっているんですよー。」
そう言って、受付のお姉さんは紙を俺たちに見せる。
その紙によると、今からちょうど1週間後、闘技場やその周辺で祭りをするそうだ。
闘技場では、血湧き肉踊る闘いをする……というわけでもなく、障害物競走で、一番最初にゴールした人が優勝というものだ。障害物競走は観戦も可能と書かれている。
また、闘技場の周辺では、屋台がたくさん出て、商店街がとても活発になるらしい。
「ついでに、この祭りも見てみようか。」
「良いのですか!」
シエルがほんの少し笑顔になった……ような。気のせいだろうか。
受付のお姉さんが少し微笑んでから、口を開く。
「それと……アルバ様にお渡したいものがあるんです。」
「どうした?」
受付のお姉さんは小さな袋から中身を取り出した。
それは、腕時計のような形をしたものだった。
俺とシエルとラルフ用なのだろう。同じものが3つある。
「これは?」
「最近開発された、小型の遠隔通信装置です。正しく機能することは確認されているので、大丈夫ですよ。」
「試しに使ってもいいか?」
「もちろんです。」
ラルフが通信装置を手首につけて、ギルドの外に出る。
俺も通信装置をつけて、ボタンを押してから話しかける。
「ラルフ?」
「やっほー、アルバ。聞こえる?」
「聞こえるよ。」
俺はボタンから手を離してから、受付のお姉さんの方を向く。
「すごいな、これ。」
「はい、本当に素晴らしい発明品だと思います。一般向けの普及はまだなのですが、勇者様には早めにお渡しするようにと国王陛下からのお達しでした。」
「ありがとうな。大事に使わせてもらうよ。」
そんな話をしていると、外からラルフが帰ってきた。
「アルバ、すごいね、これ。」
受付のお姉さんが、フフ、と少し声を出して、笑っていた。こらえられず、といった感じである。
何がそんなに面白かったのだろうか。
ラルフも同じことを思ったらしい。
「えっ、なになに。どうしたの?」
「いえ、アルバ様とラルフ様があまりにも同じ反応をしていたので……。」
なるほど、通信装置への感想の話か。
俺自身はそこまで同じだとは感じなかったのだが。
俺は苦笑いをして答える。
「まあ、ラルフとは7歳頃からの仲だからな。」
ラルフは俺たちが何を言っているのかわからないらしい。受付のお姉さんと俺の言葉に首を傾げていた。
「さて、そろそろ帰るか。エウトスに行く準備をしないとな。」
「そうだね~。」
「お姉さん、ありがとうございました。」
俺たちは立ち上がって、扉へ向かう。
受付のお姉さんは笑顔で俺たちに手を振った。
「お気をつけて。また来てくださいね。」
エウトスへの期待を膨らませながら、俺たちは帰路に着いたのだった。
木々が青々と生い茂る季節。
魔法学校は夏休みに入ったらしい。シエルが館に帰ってきた。俺も、今は依頼を受けていないので、のんびりと過ごしている。ラルフは、故郷に帰ると言って一昨日まで館にいなかったが、今は戻ってきている。
シエルは、夏休みの間に出された課題が難航しているようだった。
俺はシエルのいるテーブルに近づく。
「どんな宿題なんだ?」
「自由に研究や調査を1つ行うという課題です。」
「へー、どんな研究するの?」
ラルフは興味を持ったらしく、いつのまにか俺たちの近くにいた。
ラルフの問いにシエルが答える。
「1つだけ思い付いたことがあるのです。」
それから、シエルが語りだした。
「以前、魔法に関する事故が多いと聞きました。
魔法が使えるのかどうかの道具は、ギルドや専門機関にしかなく、魔法を使えると知らず、暴発してしまうことがあるそうです。
また、今の道具では魔力の量を細かく測れないので、どれだけの魔力を持っているのか知らないまま、魔法を使いすぎて昏倒してしまうことも、最悪の場合、命を落とすこともあるそうです。
私は、そんな魔法の事故を無くしたいと思いました。だから、私は魔力を測る道具について、研究し、改良したいです。」
シエルがここに来てから、数ヶ月しか経っていないが、ここまでのことを考えているとは思わなかった。
ラルフも不意を突かれたのか口を開けたまま止まっている。
「へぇ……なんというか、すごいね……。」
「それで、アルバ様達に協力していただきたいのですが、ダメでしょうか。」
「もちろん手伝うよ。」
とは言っても、何をしようか。
そう思ったとき、以前、シエルとギルドへ行ったときのことを思い出した。
「そうだな……。まずはギルドに行って、シエルの手続きのときに見た水晶について聞いてみようか。何か、材料だったり、研究のヒントが分かるかもしれないからな。」
「ありがとうございます。」
王都に行く準備をしなければ。
「ラルフはどうする?一緒に行くか?」
「うん、行くよ。たまには、ギルドにも行こうかな。」
「えっ……何かあったのか?」
ラルフは普段ギルドには行きたがらない。
いつも、面倒くさいとか、あっちに気になるものがあるからとか言ってギルドに行かないのだ。まあ、ラルフは正式な冒険者ではないため、困ることはない。
そういえば、以前、俺の仲間だということで王城に招待されたときも、丁重に断っていた。
何か苦手意識でもあるのだろうか。
「いや、単純に気分なだけ。」
その返答を聞いて、何か問題があったわけではないようなので、安心した。
ギルドにも王城にも行かない理由が、気分が乗らないからだけでも、ラルフならおかしくない。
俺たちは一度解散して、必要な荷物を持ってから、王都のギルドに向かうのだった。
ギルドに着くと、冒険者達がいつもより騒がしいことに気づいた。
ふと、こんな話が聞こえてくる。
「なぁ、それにしてもなんでアイツ、あんなに怪我して帰ってきたんだよ。」
「なんでも、アイツ、例の城に忍びこもうとしたらしいぜ。」
「はあ!? あの魔王軍四天王、リベルタの城にか!」
「ほんと、よくやるぜ……。誰も侵入に成功したやつなんかいないって言うのにな。」
どうやら、みんな、この話について騒いでいるらしい。
魔王軍四天王、それは魔王に強さを認められた4人の魔王軍の幹部達のことだ。強さといっても、剣の強さ、魔法の強さで決まっているわけではなく、魔王の独断で決まっていると言われている。そのため、その4人が極めた能力はそれぞれ異なっているらしい。
その4人の中でも、リベルタは最も謎が多い幹部だ。分かっているのは、城の状況から罠を仕掛けるのがとても得意だということである。
噂によると、その城には財宝が眠っているらしい。その財宝を求めて、侵入しようとする人がいるのだ。
「アルバ様、どうかなさいましたか?」
「いや、なんでもない。」
おっと、いけない。ここには、水晶を見に来たのだった。
俺たちは、受付へと向かう。
「こんにちは、アルバ様。ラルフ様、シエルちゃんもようこそギルドへ。本日の御用件をお伺いします。」
「今日、用があるのはシエルだよ。」
「すみません、研究のために戸籍登録のときに使った水晶について聞かせていただけませんか?」
「まあ! 自由研究ですね。いいですよ、あちらでお話ししますね。」
「ありがとうございます。」
俺たちは案内された席に座る。すぐに、受付のお姉さんが仲間に仕事を引き継いでから、やって来て座った。
受付のお姉さんは笑顔で答えてくれた。
「さて、あの水晶の話ですね。しかし、基本情報の登録方法は機密事項ですし、私も知りませんよ。」
「魔力の測定の仕組みについて知りたいです。」
「それなら、全然構いませんよ。」
それから、受付のお姉さんが仕組みについて、教えてくれた。
魔力の測定にはとある石の性質を使っているらしい。西にあるエウトスという町の近郊でよく採集されるルカハクリョマという名前の石らしい。
その石は魔力に反応するらしく、魔力を一定量持っていると黒く光り、より多く持っていると強く光るそうだ。
ただし、光らない、黒く光る、強く光るの3段階しかないため、細かいことはわからないらしい。
「なるほど、ルカハクリョマですね。教えていただきありがとうございます。」
「いえいえ、構いませんよ。エウトスでは、ルカハクリョマの他にもいろいろな石も売っていますので、一度行ってみてはいかがでしょうか。」
「そうだな。」
俺はシエルの方を向いて言う。
「旅行も兼ねて、行こうか、エウトスに。」
「良いのですか! ありがとうございます、アルバ様。」
「ラルフもそれで大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよー。」
受付のお姉さんは、俺たちの会話を微笑ましく聞いていた。
「エウトスといえば、今度、お祭りがあるそうですよ。」
受付のお姉さんは、一度ギルドの受付の奥へと戻り、一枚の紙と小さな袋を持って席に帰ってきた。
「これです! 毎年盛り上がっているんですよー。」
そう言って、受付のお姉さんは紙を俺たちに見せる。
その紙によると、今からちょうど1週間後、闘技場やその周辺で祭りをするそうだ。
闘技場では、血湧き肉踊る闘いをする……というわけでもなく、障害物競走で、一番最初にゴールした人が優勝というものだ。障害物競走は観戦も可能と書かれている。
また、闘技場の周辺では、屋台がたくさん出て、商店街がとても活発になるらしい。
「ついでに、この祭りも見てみようか。」
「良いのですか!」
シエルがほんの少し笑顔になった……ような。気のせいだろうか。
受付のお姉さんが少し微笑んでから、口を開く。
「それと……アルバ様にお渡したいものがあるんです。」
「どうした?」
受付のお姉さんは小さな袋から中身を取り出した。
それは、腕時計のような形をしたものだった。
俺とシエルとラルフ用なのだろう。同じものが3つある。
「これは?」
「最近開発された、小型の遠隔通信装置です。正しく機能することは確認されているので、大丈夫ですよ。」
「試しに使ってもいいか?」
「もちろんです。」
ラルフが通信装置を手首につけて、ギルドの外に出る。
俺も通信装置をつけて、ボタンを押してから話しかける。
「ラルフ?」
「やっほー、アルバ。聞こえる?」
「聞こえるよ。」
俺はボタンから手を離してから、受付のお姉さんの方を向く。
「すごいな、これ。」
「はい、本当に素晴らしい発明品だと思います。一般向けの普及はまだなのですが、勇者様には早めにお渡しするようにと国王陛下からのお達しでした。」
「ありがとうな。大事に使わせてもらうよ。」
そんな話をしていると、外からラルフが帰ってきた。
「アルバ、すごいね、これ。」
受付のお姉さんが、フフ、と少し声を出して、笑っていた。こらえられず、といった感じである。
何がそんなに面白かったのだろうか。
ラルフも同じことを思ったらしい。
「えっ、なになに。どうしたの?」
「いえ、アルバ様とラルフ様があまりにも同じ反応をしていたので……。」
なるほど、通信装置への感想の話か。
俺自身はそこまで同じだとは感じなかったのだが。
俺は苦笑いをして答える。
「まあ、ラルフとは7歳頃からの仲だからな。」
ラルフは俺たちが何を言っているのかわからないらしい。受付のお姉さんと俺の言葉に首を傾げていた。
「さて、そろそろ帰るか。エウトスに行く準備をしないとな。」
「そうだね~。」
「お姉さん、ありがとうございました。」
俺たちは立ち上がって、扉へ向かう。
受付のお姉さんは笑顔で俺たちに手を振った。
「お気をつけて。また来てくださいね。」
エウトスへの期待を膨らませながら、俺たちは帰路に着いたのだった。
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