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獣人族戦編
暗殺者レオン①
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ピンチな時ほど冷静な整理だ。
まず僕は王城にある一部屋にいる。
作戦室は、まあ適当な空き部屋をそう呼んでいるだけだ。
そしてその場所にいるのは現在僕、龍太、セラミさんの三人だけ。
そう思っていた。
だが僕は攻撃された。
まず人間族の街はステレス能力で見つけにくいはず。
更に王城はセキュリティが強く、簡単には入れない。
だがそんな場所に敵がいる。
そんな芸当ができるのは一人だけ。
「そこにいるのか、レオン…」
能力『色彩変化』持ちのレオン。
そいつなら誰に見られることなくここまで来ることができる。
「すまないミライ君、僕らは透明な奴に襲われていた」
「あぁそして今いるこいつだ」
そして、ついてきたと。
そこも予測通りだ。
さてこの状況どうすれば。
『前方より攻撃』
またか。
僕は急いで避ける。
ドスン
僕の後ろの壁に細い穴ができていた。
おいおい、これはコンクリート並の硬さの壁だぞ。
それに穴開けられる力、そんなので攻撃されているのか。
「いいか未来、奴の攻撃はつえー!!」
「見ればわかる!!
なぜそれを今更言う。
「俺らも殺されかけた!!油断すれば死ぬぞ!!」
「くっそ、僕は実践向きじゃないんだよ」
僕は戦闘においては基本非力だ。
「龍太!!とりあえずこの部屋のいたるところを攻撃してくれ!!」
「OK!!」
龍太は持っていた剣を振り回す。
だが、すかっすかっと見るからに手ごたえが無い。
まずいか…。
いやでも逆に言えばそこに奴はいないということになる。
それだけでも情報アドと思った方がいい。
『左方向より攻撃』
更に僕にはこの能力がある。
予測者。
僕はそう名付けたこの能力。
ありがたいことに僕が無自覚に手に入れている情報で予測してくれている。
これのおかげで何とか見えない敵にやられずに済んでいる。
「…なるほど、どうやらミライ君を狙っているようだね」
セラミさんが僕の方に何個か人形を投げる。
確かあの人の能力は囮人形。
どんな攻撃を食らっても破裂するだけの人形を用意できる能力。
それが例え世界を半壊するほどの攻撃でも人形に当たれば破裂して終わる。
弱点としては、どんな攻撃、例えば赤ん坊のパンチだとしても攻撃されたら絶対破裂すること。
パンチで例えるならジャブを人形に打って破裂した後、ストレートを打たれたらまずいというのが弱点。
だがこの状況においては使える。
現に今僕の目の前でパンパン破裂してっている。
そして破裂するたびに新しいのを投げてくれる。
さて、これなら。
「龍太よく聞け」
「何だ!?」
「僕は今、大体の位置が把握できるようになっている」
「何!?」
レオンの資料読んだから分かる。
奴の攻撃方法、それは舌だ。
舌を真っすぐ早く伸ばす、それが槍のような力になるらしい。
注目すべきは真っすぐ。
つまり攻撃してきた線上にいるということになる。
その方向だが、人形を見ることで分かった。
人形はよく見ると破裂する前に一瞬動いている。
その動きは恐らく攻撃を受けてだ。
ということは人形の飛んだ方向を見れれば分かるという事だ。
問題は距離。
真っすぐ線上にいると言ってもその位置が近くか遠くかまでは分からない。
だが、奴の行動パターン、それを読んでみると何となくわかる。
それは壁際。
奴は最初上から攻撃してきた。
上にあるもの、それは天井。
そこから攻撃できるということは恐らく壁にくっつき行動できるということ。
更に僕は奴の攻撃を避けれている。
というのも攻撃を予測してから届くまで時間があるからだ。
ということは僕から遠くから攻撃しているということ。
つまり壁を這って行動しているのでは。
さて今の位置を考え。
僕は人形の破裂をよく見る。
「龍太、僕が合図したら攻撃しろ」
「え、おう」
よく見ろ、人形の動き…。
……。
見えた。
龍太の後ろ。
「今だ!!後ろ!!」
「おう!!」
龍太はぶんと剣を振ってくれた。
よし、これなら。
「あ?」
「な!?」
だが見てわかる。
龍太の剣は明らかに当たっていない。
どういうことだ。
「くっそ、失敗k…ガッ!?」
「龍太!?」
「リュウタ君!?」
突然左方向に飛んでいく。
攻撃を受けたのだろう。
龍太は吹っ飛んでいき、壁に激突する。
「いっつー」
龍太は右腕を抑える。
「まさかっ!!っ!!」
セラミさんはそれを見て自分の周りに人形を一気に作りだす。
そのうち一体が破裂する。
今遠くから舌打ちが聞こえた気がする。
一体何が。
僕を狙っているような行動をとっていた。
だが突然龍太やセラミさんを攻撃しだした。
一体何故。
「…まさか」
僕を攻撃していた理由はこの状況を待っていて…。
龍太やセラミさんは一応戦いの勘というものがあるみたいだ。
このレオン相手にここまで逃げてきたのがその証拠だ。
戦いの勘は恐らく咄嗟の判断で攻撃を回避できたのだろう。
そしてレオンは攻撃するよりついていき潜入することを選んだ。
次にレオンの行動として二人の隙をずっと狙っていたのだろう。
どこだと探すと彼らが入った部屋には僕がいた。
なんの情報も無い相手だ。
もしかしたら強いかもしれない。
一応警戒し身を潜めた。
僕の情報を集めた。
僕は、まあ少し見れば何となく分かるだろうが指揮官向きだ。
戦闘向きでは無い。
奴もそう感じて賭けたんだ。
それが最初の天井からの攻撃。
僕はすぐにテーブルの下に入ったがその時頭をぶつけた。
バレたのだ。
僕が運動神経も無さそうな事。
そこで僕への攻撃を続けた。
セラミさんが防ぐことも分かっていて。
人形の能力を使い続けたら、もしかしたら弱点を見いだせるかもしれない。
まあ僕を殺すことに成功しても、それはそれでOKだったのだろう。
その時は単細胞そうな龍太が冷静さを失いそうだから。
そして作戦通りかそうでないかは分からないが、その時は来た。
龍太が僕を信じて全力で攻撃し、はずした。
そこに油断が生まれたのだろう。
龍太は攻撃された。
そして一瞬油断したセラミさんも攻撃された。
僕は…予測勝負で負けたのか。
そのせいで龍太も、セラミさんにも迷惑をかけたのか。
『前方から攻撃』
「な!?」
少し反応が遅れ、避けたものの少し掠ってしまった。
ドスン
また僕の後ろの壁に細い穴ができる。
今何故攻撃された?
確かにセラミさんが人形を用意してくれているのに。
ちゃんと人形は破裂して守ってくれていたのに…。
いや、まさか。
「セラミさん危ない!!」
奴は気づいた。
人形の弱点に。
「え?あ!」
恐らく今、二回同じ方向に攻撃したのだろう。
それも一回目は弱めにして。
そうすることで二回目にすぐ転じた。
「まにあわn、ずぁ!?」
「くっ!!」
セラミさんは声にならないような声で叫んだ。
それもそうだろう。
左肩に穴が開いている。
貫通しているのだろう。
「…何とか…心臓は守れたようだね…」
肩を抑えながら言う。
まさか本当は心臓を一突きしようとしていたのか…?
それを左肩に、うまく避けたのか?
これが戦闘勘…。
「…にしてもだ」
僕は今、足を引っ張っている。
僕の指示のせいで龍太はやられた。
僕を守っていたせいでセラミさんも。
今セラミさんは負傷した結果、自分と龍太を守るのに手いっぱいになっている。
つまり大分不利な状況だ。
ここから勝つには誰かが来るのを待つ他ない。
だがこの城は無駄に広い。
場合によっては気づくのも、来るのも時間かかる可能性がある。
その場合は、もう諦めるしかない。
その状況を作ってしまったのが僕だ。
僕が、僕のせいで。
「……」
僕はふさぎこみそうになる。
「…ふざけるな」
だがグッと堪えた。
一回の失敗でなんだ。
予測というのは無限の可能性に挑む無理難題。
一回や二回なんて当たり前だ。
だが、その失敗すら情報だろ。
何故失敗したかを考えれば、失敗したことを避ければ。
それは立派な予測の餌だ。
「こんな時にあの人の事を思い出すとはな」
思い出に浸りたいところだが、それは一瞬で終わらす。
今は目の前に集中しろ。
『攻撃が前方から』『攻撃が右から』『左から』
僕は流れてくる予測に従いよけながら考える。
何か、今の失敗から手に入った新しい情報は無いか。
資料にも無かった奴の弱点。
資料じゃ手に入らない突破法。
「何か…」
思い返せ。
まず失敗は何だ。
龍太の事とセラミさんの事。
そしてそこに何か鍵は無いか。
龍太とセラミさんの違い…。
違い…?
「あっ」
僕は思わず声を出す。
そうだ、違いがある。
それはダメージの大きさだ。
セラミさんは重傷だ。
肩を突き抜けるほどの。
だが龍太のケガは、それほどひどくはない。
この違いは一体なんだ?
まずこのダメージ、おかしいのはどっちか。
それは龍太だ。
何故なら僕の時の攻撃は壁を見れば明らか。
今絶賛避けているが後ろの壁はべっこべこだ。
それほどのパワーがありながら何故龍太はあの程度で済んだ?
①殺そうとしなかった
そうなのか?
いやそれは違うはずだ。
龍太は確かに殺されかけたと言っていた。
ということは別の理由。
②龍太の時だけ弱くなった
こっちのほうが正しいだろう。
では何故それが起きたのか?
その前の龍太の行動を思い返してみろ。
龍太は僕の指示で攻撃し、そして攻撃を受ける。
セラミさんは僕と同じようなシチュエーションだ。
…龍太とセラミさんの違いは…。
「…もしかして」
僕はある予測を立てた。
その予測は大分危ないものだ。
下手すれば死ぬことになる。
だが、やるしかない。
この状況をひっくり返せるのは。
ぶっ飛んだこの発想のみ。
セラミさんは…まあいい。
人形があれば完璧だが、無くても仕方ない。
「予測者、この作戦は僕の命を懸ける、だから力を貸せ」
…声をかけてみる。
『セラミの血により、場所の予測可能』
ありがとう。
流石予測者。
おかげでやつの場所は分かった。
『今までの行動パターンから攻撃タイミング予測可能』
こっちもか。
本当に助かる。
僕はポケットからナイフを取り出す。
さあこれで準備は整った。
見せてやるよレオン。
僕の覚悟を。
まず僕は王城にある一部屋にいる。
作戦室は、まあ適当な空き部屋をそう呼んでいるだけだ。
そしてその場所にいるのは現在僕、龍太、セラミさんの三人だけ。
そう思っていた。
だが僕は攻撃された。
まず人間族の街はステレス能力で見つけにくいはず。
更に王城はセキュリティが強く、簡単には入れない。
だがそんな場所に敵がいる。
そんな芸当ができるのは一人だけ。
「そこにいるのか、レオン…」
能力『色彩変化』持ちのレオン。
そいつなら誰に見られることなくここまで来ることができる。
「すまないミライ君、僕らは透明な奴に襲われていた」
「あぁそして今いるこいつだ」
そして、ついてきたと。
そこも予測通りだ。
さてこの状況どうすれば。
『前方より攻撃』
またか。
僕は急いで避ける。
ドスン
僕の後ろの壁に細い穴ができていた。
おいおい、これはコンクリート並の硬さの壁だぞ。
それに穴開けられる力、そんなので攻撃されているのか。
「いいか未来、奴の攻撃はつえー!!」
「見ればわかる!!
なぜそれを今更言う。
「俺らも殺されかけた!!油断すれば死ぬぞ!!」
「くっそ、僕は実践向きじゃないんだよ」
僕は戦闘においては基本非力だ。
「龍太!!とりあえずこの部屋のいたるところを攻撃してくれ!!」
「OK!!」
龍太は持っていた剣を振り回す。
だが、すかっすかっと見るからに手ごたえが無い。
まずいか…。
いやでも逆に言えばそこに奴はいないということになる。
それだけでも情報アドと思った方がいい。
『左方向より攻撃』
更に僕にはこの能力がある。
予測者。
僕はそう名付けたこの能力。
ありがたいことに僕が無自覚に手に入れている情報で予測してくれている。
これのおかげで何とか見えない敵にやられずに済んでいる。
「…なるほど、どうやらミライ君を狙っているようだね」
セラミさんが僕の方に何個か人形を投げる。
確かあの人の能力は囮人形。
どんな攻撃を食らっても破裂するだけの人形を用意できる能力。
それが例え世界を半壊するほどの攻撃でも人形に当たれば破裂して終わる。
弱点としては、どんな攻撃、例えば赤ん坊のパンチだとしても攻撃されたら絶対破裂すること。
パンチで例えるならジャブを人形に打って破裂した後、ストレートを打たれたらまずいというのが弱点。
だがこの状況においては使える。
現に今僕の目の前でパンパン破裂してっている。
そして破裂するたびに新しいのを投げてくれる。
さて、これなら。
「龍太よく聞け」
「何だ!?」
「僕は今、大体の位置が把握できるようになっている」
「何!?」
レオンの資料読んだから分かる。
奴の攻撃方法、それは舌だ。
舌を真っすぐ早く伸ばす、それが槍のような力になるらしい。
注目すべきは真っすぐ。
つまり攻撃してきた線上にいるということになる。
その方向だが、人形を見ることで分かった。
人形はよく見ると破裂する前に一瞬動いている。
その動きは恐らく攻撃を受けてだ。
ということは人形の飛んだ方向を見れれば分かるという事だ。
問題は距離。
真っすぐ線上にいると言ってもその位置が近くか遠くかまでは分からない。
だが、奴の行動パターン、それを読んでみると何となくわかる。
それは壁際。
奴は最初上から攻撃してきた。
上にあるもの、それは天井。
そこから攻撃できるということは恐らく壁にくっつき行動できるということ。
更に僕は奴の攻撃を避けれている。
というのも攻撃を予測してから届くまで時間があるからだ。
ということは僕から遠くから攻撃しているということ。
つまり壁を這って行動しているのでは。
さて今の位置を考え。
僕は人形の破裂をよく見る。
「龍太、僕が合図したら攻撃しろ」
「え、おう」
よく見ろ、人形の動き…。
……。
見えた。
龍太の後ろ。
「今だ!!後ろ!!」
「おう!!」
龍太はぶんと剣を振ってくれた。
よし、これなら。
「あ?」
「な!?」
だが見てわかる。
龍太の剣は明らかに当たっていない。
どういうことだ。
「くっそ、失敗k…ガッ!?」
「龍太!?」
「リュウタ君!?」
突然左方向に飛んでいく。
攻撃を受けたのだろう。
龍太は吹っ飛んでいき、壁に激突する。
「いっつー」
龍太は右腕を抑える。
「まさかっ!!っ!!」
セラミさんはそれを見て自分の周りに人形を一気に作りだす。
そのうち一体が破裂する。
今遠くから舌打ちが聞こえた気がする。
一体何が。
僕を狙っているような行動をとっていた。
だが突然龍太やセラミさんを攻撃しだした。
一体何故。
「…まさか」
僕を攻撃していた理由はこの状況を待っていて…。
龍太やセラミさんは一応戦いの勘というものがあるみたいだ。
このレオン相手にここまで逃げてきたのがその証拠だ。
戦いの勘は恐らく咄嗟の判断で攻撃を回避できたのだろう。
そしてレオンは攻撃するよりついていき潜入することを選んだ。
次にレオンの行動として二人の隙をずっと狙っていたのだろう。
どこだと探すと彼らが入った部屋には僕がいた。
なんの情報も無い相手だ。
もしかしたら強いかもしれない。
一応警戒し身を潜めた。
僕の情報を集めた。
僕は、まあ少し見れば何となく分かるだろうが指揮官向きだ。
戦闘向きでは無い。
奴もそう感じて賭けたんだ。
それが最初の天井からの攻撃。
僕はすぐにテーブルの下に入ったがその時頭をぶつけた。
バレたのだ。
僕が運動神経も無さそうな事。
そこで僕への攻撃を続けた。
セラミさんが防ぐことも分かっていて。
人形の能力を使い続けたら、もしかしたら弱点を見いだせるかもしれない。
まあ僕を殺すことに成功しても、それはそれでOKだったのだろう。
その時は単細胞そうな龍太が冷静さを失いそうだから。
そして作戦通りかそうでないかは分からないが、その時は来た。
龍太が僕を信じて全力で攻撃し、はずした。
そこに油断が生まれたのだろう。
龍太は攻撃された。
そして一瞬油断したセラミさんも攻撃された。
僕は…予測勝負で負けたのか。
そのせいで龍太も、セラミさんにも迷惑をかけたのか。
『前方から攻撃』
「な!?」
少し反応が遅れ、避けたものの少し掠ってしまった。
ドスン
また僕の後ろの壁に細い穴ができる。
今何故攻撃された?
確かにセラミさんが人形を用意してくれているのに。
ちゃんと人形は破裂して守ってくれていたのに…。
いや、まさか。
「セラミさん危ない!!」
奴は気づいた。
人形の弱点に。
「え?あ!」
恐らく今、二回同じ方向に攻撃したのだろう。
それも一回目は弱めにして。
そうすることで二回目にすぐ転じた。
「まにあわn、ずぁ!?」
「くっ!!」
セラミさんは声にならないような声で叫んだ。
それもそうだろう。
左肩に穴が開いている。
貫通しているのだろう。
「…何とか…心臓は守れたようだね…」
肩を抑えながら言う。
まさか本当は心臓を一突きしようとしていたのか…?
それを左肩に、うまく避けたのか?
これが戦闘勘…。
「…にしてもだ」
僕は今、足を引っ張っている。
僕の指示のせいで龍太はやられた。
僕を守っていたせいでセラミさんも。
今セラミさんは負傷した結果、自分と龍太を守るのに手いっぱいになっている。
つまり大分不利な状況だ。
ここから勝つには誰かが来るのを待つ他ない。
だがこの城は無駄に広い。
場合によっては気づくのも、来るのも時間かかる可能性がある。
その場合は、もう諦めるしかない。
その状況を作ってしまったのが僕だ。
僕が、僕のせいで。
「……」
僕はふさぎこみそうになる。
「…ふざけるな」
だがグッと堪えた。
一回の失敗でなんだ。
予測というのは無限の可能性に挑む無理難題。
一回や二回なんて当たり前だ。
だが、その失敗すら情報だろ。
何故失敗したかを考えれば、失敗したことを避ければ。
それは立派な予測の餌だ。
「こんな時にあの人の事を思い出すとはな」
思い出に浸りたいところだが、それは一瞬で終わらす。
今は目の前に集中しろ。
『攻撃が前方から』『攻撃が右から』『左から』
僕は流れてくる予測に従いよけながら考える。
何か、今の失敗から手に入った新しい情報は無いか。
資料にも無かった奴の弱点。
資料じゃ手に入らない突破法。
「何か…」
思い返せ。
まず失敗は何だ。
龍太の事とセラミさんの事。
そしてそこに何か鍵は無いか。
龍太とセラミさんの違い…。
違い…?
「あっ」
僕は思わず声を出す。
そうだ、違いがある。
それはダメージの大きさだ。
セラミさんは重傷だ。
肩を突き抜けるほどの。
だが龍太のケガは、それほどひどくはない。
この違いは一体なんだ?
まずこのダメージ、おかしいのはどっちか。
それは龍太だ。
何故なら僕の時の攻撃は壁を見れば明らか。
今絶賛避けているが後ろの壁はべっこべこだ。
それほどのパワーがありながら何故龍太はあの程度で済んだ?
①殺そうとしなかった
そうなのか?
いやそれは違うはずだ。
龍太は確かに殺されかけたと言っていた。
ということは別の理由。
②龍太の時だけ弱くなった
こっちのほうが正しいだろう。
では何故それが起きたのか?
その前の龍太の行動を思い返してみろ。
龍太は僕の指示で攻撃し、そして攻撃を受ける。
セラミさんは僕と同じようなシチュエーションだ。
…龍太とセラミさんの違いは…。
「…もしかして」
僕はある予測を立てた。
その予測は大分危ないものだ。
下手すれば死ぬことになる。
だが、やるしかない。
この状況をひっくり返せるのは。
ぶっ飛んだこの発想のみ。
セラミさんは…まあいい。
人形があれば完璧だが、無くても仕方ない。
「予測者、この作戦は僕の命を懸ける、だから力を貸せ」
…声をかけてみる。
『セラミの血により、場所の予測可能』
ありがとう。
流石予測者。
おかげでやつの場所は分かった。
『今までの行動パターンから攻撃タイミング予測可能』
こっちもか。
本当に助かる。
僕はポケットからナイフを取り出す。
さあこれで準備は整った。
見せてやるよレオン。
僕の覚悟を。
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