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獣人族戦編
ほんの一時の安息
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「どういう…ことだ…?」
目の前には何故か、徒歩30分はかかる医務室があった。
何が起きている。
ワープ、ということは龍太の能力関係か?
「マジか!?何だこれ!?」
龍太も驚いている。
ということは違うということか?
いや僕みたいに自動発動系の能力の可能性も…。
いや、今は予測している場合ではない。
「よく分からないが、今は治療だ」
僕は医務室のドアを開ける。
「あらいらっしゃ…!?」
医務室のおばさんが僕らを見て驚く。
「何かあったみたいね…急いでやるよ!!」
おばさんは白衣をバサッと羽織り、僕ら元へと駆け寄る。
そしてセラミさんを抱え、運び出す。
「まずはセラミちゃんからね、あんた達は一旦そこのソファに座ってな!」
そう言って奥の方に行き、カーテンを閉めた。
僕たちは言われた通りその辺にあったソファに座る。
座ったことで体が休まり、一旦終わった自覚が生まれる。
「とりあえず、助かったのか…?」
間違いなくそうなはずなんだが、色々と腑に落ちない。
まず突然床がせり上がったりしたこと。
あれはまるで、床が意思を持って攻撃したような、そんな感じだ。
そしてこの医務室。
突然僕らの目の前に現れたというのも分からない。
一体…。
…そういえばセラミさんが言っていた。
城内において最強の能力者と
王が対処してくれたと。
その二点から考えると…。
「まさか、王が?」
俺は王の能力は声を届けたり、聞こえたりする能力だと考えていた。
もしこれが王の能力だとすると。
…あーそういうことか。
「王の能力は、王城内に干渉することとかかな?」
声を届ける能力も、声を聞くのも、床をせり上がらせるのも。
全て王城内で起きたことだ。
「だとすると城内において最強というのも腑に落ちる」
城外では特に発生する能力ではないのだろう。
後医務室。
医務室が突然近くまで来た。
ということは城の内装まで思うがままなのだろう。
「だとすると、本当に無敵だな」
いや、恐らく弱点もあるのだろう。
そうでなければレオンが入った時、もしくは襲った時に対処できたはずだ。
「一体それは…」
僕が予測していると。
「本当に楽しそうだよな」
隣の龍太が話しかけてきた。
「何がだ?」
「いや、ぶつぶつと何か考えていただろ?」
「まあな」
「それがだよ」
ああ、予測の事か。
「いつもやってるし、本当に好きなんだな?」
好き…?
こいつは予測を好き嫌いで聞いているのか?
「はっこれだから凡人は」
「ぼ、何て?」
「いいか、我々人間は他の生物に比べて色々と劣る部分がある」
「え、急に何…?」
「例えばゴリラには力、犬には嗅覚、そもそも飛べない時点で鳥に劣っている」
「お、おう」
「だが人間は他の生物に圧倒し生物界の覇者となった、それは何故か?」
「えっと」
「それは頭脳だ、他の生物に圧倒する頭脳が高度なコミュニケーション、情報処理を可能にし、それ故に他の生物に劣った部分を大きく補うものとなった」
「あ、はい」
「つまり脳を使う行為は我々人類に与えられた特権、いや義務と言ってもいい」
「はあ」
「そして予測は頭脳の有効活用の一つである、つまり好き嫌いで考えるのは愚かしい発言だ!」
と、ここまで話したところで冷静になった。
一体、何で僕はこんなに熱くなっているんだ?
目の前の龍太がぽかんとしている。
やばい。
確かに今言ったのは嘘偽りの無い本音だ。
だがそれを話したところで誰にも理解されないこと、引かれるということは自覚している。
だからあまり表には出さないのだが。
「あ、えっと、今のは一般論というか」
自分で言ってツッコミたくなる。
一般論なわけあるか!!
どうやら少しテンパっているらしい。
「ふ」
そんなこと考えていると、龍太から息が漏れる。
「?」
どうしたのだろうか?
「あははははは!!」
「は!?」
龍太は突然大笑いしだした。
「何だ?僕は何か変な事を?」
「まあ変っちゃ変かな?あはははは!」
失礼なこと言いながら笑っている。
「いやあわりい、なんつうかさ、俺ずっと壁を感じてたんよ」
壁?
「まあ正直ダルがらみをうざがってるしな」
「ひどっ!?ってそうじゃなくてさ」
何だそれ以外あんのか。
「なんていうかさ、何かを隠しているような気がしてさ」
「隠している…?」
「ああ、それが何か具体的には分からんかっただけどさ…」
何か含みのある貯め方をしている。
「それがもしかしたら、俺達の事態に関係する大きなことなんじゃないかなって」
俺達の事態…それはこの世界に来たことだろう。
なるほど、どうやら彼なりに予測はしているようだ。
「もしそうだったとしたらって…正直ちょっと怖くてさ」
「あのダルがらみが怖いやつのすることか?」
「そんなに根に持ってるの…?まあそれは恐怖をバレないようにはしてたさ」
「何でそんなことを?」
「うーん…未来は来たばっかだから知らないかもしれないけどさ」
龍太は上を向いて話し始める。
「皆のメンタルさ、結構ボロボロだったんだよ」
「…そっか」
まあそりゃそうか。
いきなり殺人事件に巻き込まれて、こんな世界に飛ばされて。
追い詰められるなと言う方が無理ある。
「かくいう俺も結構きたよ…オリンピックの夢すら潰えたしな」
「お前でもそうなんだな」
「まあね、でもさ、俺は多分皆に比べたらましだったかもな」
「まし?」
「ああ、最初は理恵と二人だったんだけどあいつ結構やばかったんだぜ」
「そうなのか…」
僕は具体的にどうヤバいのか、それは聞かないことにした。
「でも、だからこそかな、俺がしっかりしなきゃって思えたんだ」
なるほど、それは心理学的にもある。
自分より強い感情を持ってる、例えば慌ててたり怒ってたりする人を見ると冷静になる心理。
一回調べたんだけど名前無いようだこの現象。
「それからさ、俺は兄貴分になってやろうって」
「兄貴分?」
「ああ、どんなに辛くてもこいつがいれば大丈夫、そんな存在」
それを話す龍太は、どこか寂しそうだった。
誰かを思い出しているのだろうか。
「だから俺は常に元気であり続けた、皆の兄貴だからって」
「…」
こいつなりにすごい考えているんだな。
僕は自分の浅かった部分を少し反省した。
「でもお前が怖かった、だから知りたかった、お前の隠しているものは何なのかって」
すると龍太はまた笑いだした。
「はは、そしたら、その隠してるものがこんな小難しいうんちくだったなんてな」
「な!?」
小難しいうんちく…僕の熱弁をその一言で片づけたのかこいつは?
「これだから凡人は!本来たどり着かなきゃいけない真理を言っているのであって」
「ほらほらそういうところ!凡人って」
「凡人だから凡人と言っている!予測が」
「はいはい」
「!!」
くっそ腹立つ。
GFジュースはないのかここには。
「私も分かるわ、予測の大切さ」
「うおっ!?」
いつの間にか後ろに宮垣がいた。
そういえば貧血で医務室にいたな。
「私はいつも予測を立てているわ」
「宮垣…」
まさかこいつをこんなに感動できる日がくるとは。
「例えば駅に二人の男子高校生がいたとする」
「ん?」
「一見それはただの友達だ、だがその距離、それでは息がかかるではないか、それは君の息がかかる距離にいたいということか?それにツッコミで肩をたたくのも一見ただのツッコミ、だがそれはさりげないボディタッチとも考えられる」
「…」
「そう予測とは、あらゆる可能性を生むものである!!」
宮垣は謎の決めポーズをする。
「はは、これが未来の言う予測か」
「それは妄想だろ!!!」
もう怒った。
こうなったら僕の持論を徹底的に叩き込んでやる。
「いいか予測と言うのは様々な可能性と言う名のルートを」
僕の講座が始まった時、何故か二人は恐怖の顔に変わった。
ふっ、やっと僕の怖さに気が付いたか。
「未来、後ろ…」
龍太が顔を青ざめながら言う。
「後ろぉ?」
全く僕の講義中に一体なにが。
「お前たちぃぃぃぃ」
そこには、恐ろしい形相のおばさんが立っていた。
「あ、いや、その」
それから一瞬の出来事だった。
ドカン
僕は宙に舞っていた。
とんでもない力で吹っ飛ばされたようだ。
ドッゴォォォォォン
気が付いたら天井に刺さっていた。
「ここは医務室だぁぁ!!!静かにしろぉぉ!!!」
消えゆく一瞬にそんなおばさんの声が聞こえた。
目が覚めたら、僕はベッドの上だった。
「あぁ…確か天井に刺さって…」
恐ろしい力だった。
まさかあのおばさんがこんなに強いなんて。
あの人が兵士になったほうがいいんじゃないか?
そんなことを思っていると。
「あら起きたのね」
例のおばさんが来た。
「ひっぃぃ」
なんか情けない声が出た。
「とりあえず、頭蓋骨のヒビ及び、肋骨のヒビ、腹部の強い打撲全て治しておいたわ」
肋骨と打撲は、あの腹部で受け止めた時か。
だが頭蓋骨…。
…それって天井に刺さったからじゃ。
「治ったからいいでしょ?」
「あ、はい」
僕は一生、この人には勝てないと悟った。
それにしても…。
「処置ではなく、治した…」
「ええ、もう完治よ」
そんな早く、骨のケガが。
「秘密はこれよ」
「あ」
おばさんが取り出したものに見覚えがある。
あの植物だ。
僕が最初に見た、根っこの部分が口の草。
「こいつは不思議な草でね、触ってるだけで薬になるのさ」
「薬…?」
「あぁ、正確にはこいつは毒を触ってるやつに押し付けるの」
「毒!?」
「ああ安心して、その毒は人にとっては細胞を活性化させ早く治してくれる薬になるの」
「そんなことが…」
なんというか都合のいい草だ。
「そして血とかを逆に吸い取り、最後に消化して地面に吐き出す」
「そうやって大地に栄養を送っている?」
「そういうこと、面白い草でしょ」
本当に不思議だ。
少なくとも僕らの世界では聞いたことが無い。
…そういえば。
僕の左腕。
タウロスによって僕の左腕は折れた。
それは間違いない。
だが気が付いたら、というか気が付かないうちに忘れていた。
アドレナリンで痛みを感じなくなったのは憶えていたが。
その後たまたまこの草に触っていたおかげで治っていた、ということか。
良かった、もし骨が折れたまんまだったらレオンとの戦いができなかっただろう。
偶然とはいえ、都合のいい展開になって助かった。
……本当に都合よすぎないか?
都合のよすぎる薬草に都合よく触っていたおかげで都合よく治っていた。
全てが出来すぎている。
僕はたまたまあの草原に飛ばされたと思っていたが。
…もしかして最初からあの草原からスタートするように仕組まれていた?
もしそうだとしたら、目的は何だ?
…だめだまだ情報が足りない。
「おかげでセラミちゃんやリュウタちゃんのケガも治せたわ」
おばさんが言ったことではっとなる。
「そういえば、あの大けがも?」
龍太はともかくセラミさんは穴が開いている。
「まあいくらこの草とはいえ時間はかかるでしょうけど」
おばさんが指を折りながら何かを数えていた。
「大体3日と言ったところかしら?」
「3日…」
貫通しても3日で治んのか。
すごい世界だなここは。
「ああそうそう、伝言があんのよ」
「伝言?」
「ええ、王座の間に集合って」
「王座に…?」
一体話とは何だろうか?
というか直接声を届けられるんじゃ…。
「まあいいや、おばさんありがとう」
「ええ二度とくんじゃないわよ」
ちょっとびっくりした。
医務室に二度と来んなは、まあいい意味だろうか?
まだここの文化には染まりきれない。
「さて、場所は…おっと」
扉を開け、目の前には王座があった。
能力が分かった瞬間やりたい放題だな。
僕は苦笑いしながら扉を開ける。
そこには僕以外のルイン隊が集まっていた。
「ミライ!!」
ルインさんが僕のもとに来る。
「あのレオンにやられたと聞いたぞ!!大丈夫だったか!!」
「え、ああ」
まあ大丈夫だった。
気絶はおばさんにやられたものだし、そもそも唯一のダメージは自ら受けたものだし。
…あれおばさんの方がやってね?
「びっくりしたわよ、私達が部屋から出た後そんなことになっていたなんて」
理恵が心配そうな目で見てた。
「本当に、皆が出た後だから運が悪かった…」
僕はたははと苦笑いする。
「まあ!俺の力で何とかなったがな!」
「といつつほぼ頑張ったのは未来君とセラミさんだったり」
ゆうきがニヤッとする。
「ぎっくぅ!?」
龍太達が楽しそうに話している。
…あいつ、いつもこんな感じで和ませているんだな。
「それにしても君は四天王に縁があるな」
ルインさんが言って自覚する。
「本当ですね」
何で四天王のうち二人と直接対決しなければならないんだ。
2/4、つまり1/2だぞ。
半分じゃないか。
「2/4を倒したってことは…」
かりんが何かを考える。
「もう2/4も行けるってことじゃね!?」
ウインクしながら言い放った。
「わーこれで達成だねー」
澪も何かノッてきた。
「いや簡単に言うなよ!?」
「未来っちマジ最強!」
「聞けよ!?」
そんなだべりを少し楽しんでいた。
「さて、ルイン隊よ」
見かねた王が話しかけた。
この人いつも待ってくれて優しいな。
「集まったのは他でもない、この獣人族との戦いが大きく動きそうだからだ」
大きく…?
「それは、レオンが関係あるんですか?」
「そうだ」
王は話し始めた。
「レオンとやらよ、声が聞こえるか?」
能力を使って、床で捕まえたレオンに王座から話しかける。
『あぁ、どうやら人間族の王のようだな』
「ほう、勘がいいな」
『まあこれでも四天王やってるからな』
「ならこの後言う事も勘づいているだろう」
『…まあな』
「獣人族の情報を吐け、さもなければこの床で貴様を潰す」
『やっぱりか…』
今情報はできるだけ手に入れたい。
こっち陣営の未来という青年。
彼には情報をうまく使う能力がある。
だから喋ってくれればありがたいのだが。
『…俺はここまでだわ』
だが奴が放ったのは諦めの言葉。
脅しには屈さないということだろう。
そこで本気で潰しかかってみる。
もし本当にやるつもりが無いと思っているならこれで喋るはずだからだ。
だが、奴は無抵抗。
潰れるのを受け入れていた。
どうやら脅しは失敗のようだ。
ならばこのまま…。
その時、虫の知らせというやつだろうか。
嫌な予感がしたため奴の持ち物を見てみる。
今よりより集中すれば見ることができる。
そこで気づいた。
「通話アイテム?…まずい!!」
そしてレオンをしっかりと潰した。
レオン、そして通話アイテムは完全に終わっただろう。
だが。
「遅かったか…」
その通話アイテムはついていた。
恐らく捕まる前につけたのだろう。
そして通話アイテムの機能を考えると一つの可能性が上がった。
「その機能とは、現在地を知らせるものだ」
「な!?」
僕は流石に状況に気づいた。
「ルイン隊を呼んだのは他でもない、今からこの街は攻め込まれる」
そうつまり。
「ルイン隊に告げる、獣人族からグランドヘヴンを守れ!!」
防衛戦が始まるということか…。
目の前には何故か、徒歩30分はかかる医務室があった。
何が起きている。
ワープ、ということは龍太の能力関係か?
「マジか!?何だこれ!?」
龍太も驚いている。
ということは違うということか?
いや僕みたいに自動発動系の能力の可能性も…。
いや、今は予測している場合ではない。
「よく分からないが、今は治療だ」
僕は医務室のドアを開ける。
「あらいらっしゃ…!?」
医務室のおばさんが僕らを見て驚く。
「何かあったみたいね…急いでやるよ!!」
おばさんは白衣をバサッと羽織り、僕ら元へと駆け寄る。
そしてセラミさんを抱え、運び出す。
「まずはセラミちゃんからね、あんた達は一旦そこのソファに座ってな!」
そう言って奥の方に行き、カーテンを閉めた。
僕たちは言われた通りその辺にあったソファに座る。
座ったことで体が休まり、一旦終わった自覚が生まれる。
「とりあえず、助かったのか…?」
間違いなくそうなはずなんだが、色々と腑に落ちない。
まず突然床がせり上がったりしたこと。
あれはまるで、床が意思を持って攻撃したような、そんな感じだ。
そしてこの医務室。
突然僕らの目の前に現れたというのも分からない。
一体…。
…そういえばセラミさんが言っていた。
城内において最強の能力者と
王が対処してくれたと。
その二点から考えると…。
「まさか、王が?」
俺は王の能力は声を届けたり、聞こえたりする能力だと考えていた。
もしこれが王の能力だとすると。
…あーそういうことか。
「王の能力は、王城内に干渉することとかかな?」
声を届ける能力も、声を聞くのも、床をせり上がらせるのも。
全て王城内で起きたことだ。
「だとすると城内において最強というのも腑に落ちる」
城外では特に発生する能力ではないのだろう。
後医務室。
医務室が突然近くまで来た。
ということは城の内装まで思うがままなのだろう。
「だとすると、本当に無敵だな」
いや、恐らく弱点もあるのだろう。
そうでなければレオンが入った時、もしくは襲った時に対処できたはずだ。
「一体それは…」
僕が予測していると。
「本当に楽しそうだよな」
隣の龍太が話しかけてきた。
「何がだ?」
「いや、ぶつぶつと何か考えていただろ?」
「まあな」
「それがだよ」
ああ、予測の事か。
「いつもやってるし、本当に好きなんだな?」
好き…?
こいつは予測を好き嫌いで聞いているのか?
「はっこれだから凡人は」
「ぼ、何て?」
「いいか、我々人間は他の生物に比べて色々と劣る部分がある」
「え、急に何…?」
「例えばゴリラには力、犬には嗅覚、そもそも飛べない時点で鳥に劣っている」
「お、おう」
「だが人間は他の生物に圧倒し生物界の覇者となった、それは何故か?」
「えっと」
「それは頭脳だ、他の生物に圧倒する頭脳が高度なコミュニケーション、情報処理を可能にし、それ故に他の生物に劣った部分を大きく補うものとなった」
「あ、はい」
「つまり脳を使う行為は我々人類に与えられた特権、いや義務と言ってもいい」
「はあ」
「そして予測は頭脳の有効活用の一つである、つまり好き嫌いで考えるのは愚かしい発言だ!」
と、ここまで話したところで冷静になった。
一体、何で僕はこんなに熱くなっているんだ?
目の前の龍太がぽかんとしている。
やばい。
確かに今言ったのは嘘偽りの無い本音だ。
だがそれを話したところで誰にも理解されないこと、引かれるということは自覚している。
だからあまり表には出さないのだが。
「あ、えっと、今のは一般論というか」
自分で言ってツッコミたくなる。
一般論なわけあるか!!
どうやら少しテンパっているらしい。
「ふ」
そんなこと考えていると、龍太から息が漏れる。
「?」
どうしたのだろうか?
「あははははは!!」
「は!?」
龍太は突然大笑いしだした。
「何だ?僕は何か変な事を?」
「まあ変っちゃ変かな?あはははは!」
失礼なこと言いながら笑っている。
「いやあわりい、なんつうかさ、俺ずっと壁を感じてたんよ」
壁?
「まあ正直ダルがらみをうざがってるしな」
「ひどっ!?ってそうじゃなくてさ」
何だそれ以外あんのか。
「なんていうかさ、何かを隠しているような気がしてさ」
「隠している…?」
「ああ、それが何か具体的には分からんかっただけどさ…」
何か含みのある貯め方をしている。
「それがもしかしたら、俺達の事態に関係する大きなことなんじゃないかなって」
俺達の事態…それはこの世界に来たことだろう。
なるほど、どうやら彼なりに予測はしているようだ。
「もしそうだったとしたらって…正直ちょっと怖くてさ」
「あのダルがらみが怖いやつのすることか?」
「そんなに根に持ってるの…?まあそれは恐怖をバレないようにはしてたさ」
「何でそんなことを?」
「うーん…未来は来たばっかだから知らないかもしれないけどさ」
龍太は上を向いて話し始める。
「皆のメンタルさ、結構ボロボロだったんだよ」
「…そっか」
まあそりゃそうか。
いきなり殺人事件に巻き込まれて、こんな世界に飛ばされて。
追い詰められるなと言う方が無理ある。
「かくいう俺も結構きたよ…オリンピックの夢すら潰えたしな」
「お前でもそうなんだな」
「まあね、でもさ、俺は多分皆に比べたらましだったかもな」
「まし?」
「ああ、最初は理恵と二人だったんだけどあいつ結構やばかったんだぜ」
「そうなのか…」
僕は具体的にどうヤバいのか、それは聞かないことにした。
「でも、だからこそかな、俺がしっかりしなきゃって思えたんだ」
なるほど、それは心理学的にもある。
自分より強い感情を持ってる、例えば慌ててたり怒ってたりする人を見ると冷静になる心理。
一回調べたんだけど名前無いようだこの現象。
「それからさ、俺は兄貴分になってやろうって」
「兄貴分?」
「ああ、どんなに辛くてもこいつがいれば大丈夫、そんな存在」
それを話す龍太は、どこか寂しそうだった。
誰かを思い出しているのだろうか。
「だから俺は常に元気であり続けた、皆の兄貴だからって」
「…」
こいつなりにすごい考えているんだな。
僕は自分の浅かった部分を少し反省した。
「でもお前が怖かった、だから知りたかった、お前の隠しているものは何なのかって」
すると龍太はまた笑いだした。
「はは、そしたら、その隠してるものがこんな小難しいうんちくだったなんてな」
「な!?」
小難しいうんちく…僕の熱弁をその一言で片づけたのかこいつは?
「これだから凡人は!本来たどり着かなきゃいけない真理を言っているのであって」
「ほらほらそういうところ!凡人って」
「凡人だから凡人と言っている!予測が」
「はいはい」
「!!」
くっそ腹立つ。
GFジュースはないのかここには。
「私も分かるわ、予測の大切さ」
「うおっ!?」
いつの間にか後ろに宮垣がいた。
そういえば貧血で医務室にいたな。
「私はいつも予測を立てているわ」
「宮垣…」
まさかこいつをこんなに感動できる日がくるとは。
「例えば駅に二人の男子高校生がいたとする」
「ん?」
「一見それはただの友達だ、だがその距離、それでは息がかかるではないか、それは君の息がかかる距離にいたいということか?それにツッコミで肩をたたくのも一見ただのツッコミ、だがそれはさりげないボディタッチとも考えられる」
「…」
「そう予測とは、あらゆる可能性を生むものである!!」
宮垣は謎の決めポーズをする。
「はは、これが未来の言う予測か」
「それは妄想だろ!!!」
もう怒った。
こうなったら僕の持論を徹底的に叩き込んでやる。
「いいか予測と言うのは様々な可能性と言う名のルートを」
僕の講座が始まった時、何故か二人は恐怖の顔に変わった。
ふっ、やっと僕の怖さに気が付いたか。
「未来、後ろ…」
龍太が顔を青ざめながら言う。
「後ろぉ?」
全く僕の講義中に一体なにが。
「お前たちぃぃぃぃ」
そこには、恐ろしい形相のおばさんが立っていた。
「あ、いや、その」
それから一瞬の出来事だった。
ドカン
僕は宙に舞っていた。
とんでもない力で吹っ飛ばされたようだ。
ドッゴォォォォォン
気が付いたら天井に刺さっていた。
「ここは医務室だぁぁ!!!静かにしろぉぉ!!!」
消えゆく一瞬にそんなおばさんの声が聞こえた。
目が覚めたら、僕はベッドの上だった。
「あぁ…確か天井に刺さって…」
恐ろしい力だった。
まさかあのおばさんがこんなに強いなんて。
あの人が兵士になったほうがいいんじゃないか?
そんなことを思っていると。
「あら起きたのね」
例のおばさんが来た。
「ひっぃぃ」
なんか情けない声が出た。
「とりあえず、頭蓋骨のヒビ及び、肋骨のヒビ、腹部の強い打撲全て治しておいたわ」
肋骨と打撲は、あの腹部で受け止めた時か。
だが頭蓋骨…。
…それって天井に刺さったからじゃ。
「治ったからいいでしょ?」
「あ、はい」
僕は一生、この人には勝てないと悟った。
それにしても…。
「処置ではなく、治した…」
「ええ、もう完治よ」
そんな早く、骨のケガが。
「秘密はこれよ」
「あ」
おばさんが取り出したものに見覚えがある。
あの植物だ。
僕が最初に見た、根っこの部分が口の草。
「こいつは不思議な草でね、触ってるだけで薬になるのさ」
「薬…?」
「あぁ、正確にはこいつは毒を触ってるやつに押し付けるの」
「毒!?」
「ああ安心して、その毒は人にとっては細胞を活性化させ早く治してくれる薬になるの」
「そんなことが…」
なんというか都合のいい草だ。
「そして血とかを逆に吸い取り、最後に消化して地面に吐き出す」
「そうやって大地に栄養を送っている?」
「そういうこと、面白い草でしょ」
本当に不思議だ。
少なくとも僕らの世界では聞いたことが無い。
…そういえば。
僕の左腕。
タウロスによって僕の左腕は折れた。
それは間違いない。
だが気が付いたら、というか気が付かないうちに忘れていた。
アドレナリンで痛みを感じなくなったのは憶えていたが。
その後たまたまこの草に触っていたおかげで治っていた、ということか。
良かった、もし骨が折れたまんまだったらレオンとの戦いができなかっただろう。
偶然とはいえ、都合のいい展開になって助かった。
……本当に都合よすぎないか?
都合のよすぎる薬草に都合よく触っていたおかげで都合よく治っていた。
全てが出来すぎている。
僕はたまたまあの草原に飛ばされたと思っていたが。
…もしかして最初からあの草原からスタートするように仕組まれていた?
もしそうだとしたら、目的は何だ?
…だめだまだ情報が足りない。
「おかげでセラミちゃんやリュウタちゃんのケガも治せたわ」
おばさんが言ったことではっとなる。
「そういえば、あの大けがも?」
龍太はともかくセラミさんは穴が開いている。
「まあいくらこの草とはいえ時間はかかるでしょうけど」
おばさんが指を折りながら何かを数えていた。
「大体3日と言ったところかしら?」
「3日…」
貫通しても3日で治んのか。
すごい世界だなここは。
「ああそうそう、伝言があんのよ」
「伝言?」
「ええ、王座の間に集合って」
「王座に…?」
一体話とは何だろうか?
というか直接声を届けられるんじゃ…。
「まあいいや、おばさんありがとう」
「ええ二度とくんじゃないわよ」
ちょっとびっくりした。
医務室に二度と来んなは、まあいい意味だろうか?
まだここの文化には染まりきれない。
「さて、場所は…おっと」
扉を開け、目の前には王座があった。
能力が分かった瞬間やりたい放題だな。
僕は苦笑いしながら扉を開ける。
そこには僕以外のルイン隊が集まっていた。
「ミライ!!」
ルインさんが僕のもとに来る。
「あのレオンにやられたと聞いたぞ!!大丈夫だったか!!」
「え、ああ」
まあ大丈夫だった。
気絶はおばさんにやられたものだし、そもそも唯一のダメージは自ら受けたものだし。
…あれおばさんの方がやってね?
「びっくりしたわよ、私達が部屋から出た後そんなことになっていたなんて」
理恵が心配そうな目で見てた。
「本当に、皆が出た後だから運が悪かった…」
僕はたははと苦笑いする。
「まあ!俺の力で何とかなったがな!」
「といつつほぼ頑張ったのは未来君とセラミさんだったり」
ゆうきがニヤッとする。
「ぎっくぅ!?」
龍太達が楽しそうに話している。
…あいつ、いつもこんな感じで和ませているんだな。
「それにしても君は四天王に縁があるな」
ルインさんが言って自覚する。
「本当ですね」
何で四天王のうち二人と直接対決しなければならないんだ。
2/4、つまり1/2だぞ。
半分じゃないか。
「2/4を倒したってことは…」
かりんが何かを考える。
「もう2/4も行けるってことじゃね!?」
ウインクしながら言い放った。
「わーこれで達成だねー」
澪も何かノッてきた。
「いや簡単に言うなよ!?」
「未来っちマジ最強!」
「聞けよ!?」
そんなだべりを少し楽しんでいた。
「さて、ルイン隊よ」
見かねた王が話しかけた。
この人いつも待ってくれて優しいな。
「集まったのは他でもない、この獣人族との戦いが大きく動きそうだからだ」
大きく…?
「それは、レオンが関係あるんですか?」
「そうだ」
王は話し始めた。
「レオンとやらよ、声が聞こえるか?」
能力を使って、床で捕まえたレオンに王座から話しかける。
『あぁ、どうやら人間族の王のようだな』
「ほう、勘がいいな」
『まあこれでも四天王やってるからな』
「ならこの後言う事も勘づいているだろう」
『…まあな』
「獣人族の情報を吐け、さもなければこの床で貴様を潰す」
『やっぱりか…』
今情報はできるだけ手に入れたい。
こっち陣営の未来という青年。
彼には情報をうまく使う能力がある。
だから喋ってくれればありがたいのだが。
『…俺はここまでだわ』
だが奴が放ったのは諦めの言葉。
脅しには屈さないということだろう。
そこで本気で潰しかかってみる。
もし本当にやるつもりが無いと思っているならこれで喋るはずだからだ。
だが、奴は無抵抗。
潰れるのを受け入れていた。
どうやら脅しは失敗のようだ。
ならばこのまま…。
その時、虫の知らせというやつだろうか。
嫌な予感がしたため奴の持ち物を見てみる。
今よりより集中すれば見ることができる。
そこで気づいた。
「通話アイテム?…まずい!!」
そしてレオンをしっかりと潰した。
レオン、そして通話アイテムは完全に終わっただろう。
だが。
「遅かったか…」
その通話アイテムはついていた。
恐らく捕まる前につけたのだろう。
そして通話アイテムの機能を考えると一つの可能性が上がった。
「その機能とは、現在地を知らせるものだ」
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僕は流石に状況に気づいた。
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