予測者~Prophet~

高ちゃん

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獣人族戦編

飛空狩人ホーク③

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やっとの思いで一撃を与えた。
そこから流れるようにダメージを与えた。
行けるぞ。
諦めなくていい理由ができた。
このまま攻めていければ…。
そう思ったが一旦ストップした。
ホークの目を見たからだ。
「…やってくれたな」
その目は慌てていたり、激怒しているものではない。
冷静になっている。
このまま近くにワープしていたらもう一度殴られていた。
「まさかここまでザシュザシュされると思わんかったわ」
「こっちも出来ると思わんかったぜ」
骨折してる方の腕を見せつける。
「こんなハンデがあっても余裕だったわ」
「煽って冷静さ失わせる…ってとこかな?」
あーあっさりバレた。
冷静さ失わせてもう一度ガンガン攻めてやろうと思ったんだけどな。
俺なりに頭いい作戦だと思ったんだけどな。
「その手には乗らないよ、まだ俺の分身を突破したわけじゃないんだからな」
そう状況はあまり変わってない。
分身に囲まれてぶん殴られたら大ピンチ。
けど悪いな。
「突破はできる」
突破できる要素は見つけたんだよ。
「お前の能力、分身には弱点がある」
「へぇ?」
「まず一人がやられるだけやられた、それが弱点だ」
俺がホークを攻めていた時。
その時も分身体は残っていた。
だが誰も助けに来なかった。
分身の誰もが見ているだけだった。
それに俺の事をボコスカ殴っていた時。
攻撃してきたのは一人だけだった。
袋叩きにした方が強いはずなのに。
それでも動くのが一人ずつの理由。
それは複雑な処理を一気にやるのが難しいから。
「だったら簡単だ、警戒するのは本体と一人二人ぐらい違うか?」
「…へぇ」
ホークがクスっと笑う。
「君、思ったより頭脳派なんだねー」
「へへ、まあな」
未来がレオンと戦っていた時。
俺はその戦い方を見て感心したんだ。
身体能力は恐らく低いあいつ。
そんな奴が頭脳で戦っていた。
それを見てマネしてみたんだ。
「じゃあこういうのはどうかな?」
15体のホークが動き出す。
一体の、本体のホークに集まっている。
そして全員がそれぞれ合体していた。
「…おいおい」
あれがホークの完全体か…。
さっき見た姿。
あれでも分身を残していたんだ。
本来のそいつは。
「さぁ、小細工無しだぜ」
無茶苦茶でかかった。
俺の二倍はあってもおかしくはない大きさで。
それでいて筋肉もムッキムキで。
何でその体で飛べるんだよ!
「さあ行くぜ!!」
ホークがこちらに向かって飛んでくる。
そして拳を構えて殴ろうとする。
それもとんでもない速さで。
ワープすればよかったのだが。
俺は思わず右手を前に出してしまう。
「どりゃぁぁぁぁぁ!!!」
俺の右手に当たってしまう。
瞬間ゾーンと言うか。
時間が遅く感じたのだが。
俺の右腕がぐっしゃぐしゃになるのを見てしまう。
まるで潰れてくペットボトルのように。
元々折れていたのだが更にボロボロだ。
これ以上やったら全身に支障が出てしまう。
そう思ってそこで瞬間移動をした。
だがそれは逃げるためだけじゃない。
「でやああああああ!!」
後ろから剣で斬りかかる。
「がぁぁ!!」
その剣はしっかりと当たる。
「っ!!だぁぁ!!」
ホークは負けずと後ろに蹴りだす。
反射神経がとらえもう一度後ろにワープする。
だが少し当たってしまったらしい。
ワープした途端後ろに吹っ飛ぶ。
とんでもないスピードで。
意識が飛びそうになる。
少し当たっただけでこの威力かよ。
だがチャンスだ。
俺はチラッと奴の上の方を見る。
そしてワープする。
そして俺は奴の頭に背中から落ちていく。
蹴られた勢いを利用して。
「なっ!?」
気づいたホークは腕をクロスしてガードする。
だがその勢いは中々強く当たったホークは後ろにのけ反る。
そこのチャンスを逃さず。
俺はワープ繰り返して斬りつける。
脇腹を狙っていたのだが咄嗟にガードされたのだろう。
左腕を斬りつけた。
だがそれじゃ止めない。
俺は斬るのではなく刺す方へ変える。
「だぁ!?」
ホークの左腕にぶっ刺さる。
この状態で少しずつ上にワープを繰り返す。
そうすると腕がどんどん切れていく。
「この野郎!!」
ホークは俺の剣に向かって殴る。
「あ!?」
俺の剣が折れてしまう。
ここに来てからずっと共に戦った相棒が折れてしまった。
だがショックを受けてる場合じゃない。
腕に刺さったまんまになった剣先。
そいつを思い切り蹴ってやる。
「っだぁ!!」
どうだちょっといてーだろ。
だがホークはそんな無防備を許さなかった。
そんな俺の蹴った足を掴まれる。
「げっ…!?」
「つーかまえた!」
楽しそうに言ったなと思ったそんな瞬間。
とんでもない握力で潰しかかってくる。
「ヴぁぁぁぁぁ!?」
とんでもなく痛い。
体験したことない痛み。
流石に逃げざるを得ない。
俺はぱっと上空にワープして逃げる。
「ヴぁぁ…」
潰されかけた自分の足を見てみる。
少しひょうたんみたいに潰れていて青く変色していた。
「いっでぇ…」
もう全身痛くないところが無くなった気がする。
少し休もうとする。
が、あいつは休ませてくれない。
俺の方に飛んできてる。
「そうだよな…!!」
そんな甘い考え持ったらだめだ。
ちょっとの油断で死んでもおかしくない。
やつがこっちに向かって飛んでくるなら!
俺は折れた剣を向ける。
「うおおおお!!」
奴が拳を突き付けたところに、剣が当たる。
だが奴はそのまま勢いを止めない。
剣を持っている俺の腕が反動で筋が切れてしまう。
何なら痛みから左腕の方も折れてしまったかもしれない。
それでも力を抜かず持ったまま耐えてみせる。
奴の手も同時にザクザクと刺さっていくから。
上手くいけばここで無力化できるかもしれない。
「うおおおおおおおお!!!!」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ホークも俺をここで終わらせる勢いだ。
その拳がどんどん近づいてくる。
剣がどんどんボロボロに壊れていく。
だったらやることは簡単だ。
俺はここでワープする。
そのワープで全てを終わらせる。
そのワープは本当にホークの目の前。
それは伸びていた腕が丁度避けられるから。
そして
「うおおおおおおおおおお!!!!」
ボロボロになって逆にとげとげしくなった俺の剣。
そいつを勢いがついたホークにぶっ刺すため。
それも顔面に。
ホークも気づいた。
だが遅かった。
剣がどんどん奥へと入っていく。
「がぁぁ!!」
逃げようとする。
させるか。
俺は刺さっている剣を持ち、下方向に切っていく。
「うおおおおおおおおおおおお!!!!」
「がぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!!!」
ホークが負けじと俺を殴ってくる。
さっきまでの俺なら避けていた。
その隙を狙ってもう一回逃げんだろ?
だったら
「ヴはっ!」
俺はあえて逃げない。
あばらがぼっきぼきに折れたのだろう。
鈍い音が中に響く。
何なら折れた骨が肺に刺さったのかな?
吐血する。
息苦しくなる。
だが読み通りだ。
しっかり殴れないこの状況。
ボロボロになった腕。
そんなんじゃ俺を殺すほどのパンチは打てない。
避けなかった俺に驚いたのだろう。
瞳孔が開ききっている。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
声にならない叫び声を出し、引き続き斬っていく。
「がああああああああああああ!!!!????」
そして顔から始まった俺の剣は、下半身までいき。
「でやああああ!!!!]
腰から抜いた。
「ぐぁぁ…」
断末魔のような声を上げたホークは白目になって落ちていく。
俺もワープするほどの集中力が無くなった。
そのまま落ちていく。
下には氷の膜。
そのまま落ちたら死んでしまう。
だけど諦めない。
俺が生き残れる方法は。
探すためにちらっと見る。
そこにいたのは…。
「澪…」
澪が氷の膜を触っていた。
俺はそこに向かってワープする。
案の定そこは柔らかかった。
「ちょ、大丈夫なのこれ?」
俺のボロボロの体を見てドン引いてる。
まあそのぐらいやられてきたさ。
「…それでも…勝ったぞ」
向こうからすごい音が聞こえた。
あっちはホークが落ちていた方向だ。
あいつは落ちたようだ。
確認できてよかった…。
俺はそこで…気を失った…。
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