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橘華 玲慧

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杉崎 累

因果関係

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存在を望まれない者。
ソレに向けられる憎悪がどれだけ軽くとも、やがて変貌し一つの結論に至る。
“殺してやりたい”

累「猫の死骸なら私の家の近くにありますよ。たまにですけど。」

グループメンバーD「マジで!?」
グループメンバー「それにしようよ!」
指示者「そうか、任せてもいいか?」

私はスタンガンを忍び込ませて外に出た。
時刻は夜。
目的の猫が家の庭に忍び込んでくる可能性が一番高い。

街頭に照らされて映る一つの動く黒い影が見えた。
それは目的の猫だった。
私は餌を持って誘き寄せる。
静かに、ゆっくりと寄ってきて餌を食べ始めた。

この餌は、猫用のではない。
ネズミとか、そういう害獣やらに対して仕掛ける毒餌だ。
まあまあな量をあげたので、少しすればどこかで死骸が見つかるだろうが、見つけられる保証が無いから、別荘の浴槽近くにあるクローゼットに、ブルーシートを床と壁に張り付けてそこに閉じ込めておいた。

父親「最近、あの野良の野郎が来なくなったんだ」
累「そう」
父親「まあ、来なくなったのはありがたいな」

何日か経った後、あのクローゼットを見に行くことにした。
恐らくもう死んでいるだろう。

クローゼットの前に置いた家具を退かして、クローゼットを開けてみると悪臭と共に一匹の猫の死体があった。周りは吐瀉物にまみれていて、それが悪臭の原因だろう。

熱湯で洗って、ブルーシートを捨てた後に猫の死体を回収、その場で段ボールに梱包する。そしてその段ボールを、更に一回り大きい段ボールに入れて二重包装にする。

その写真を撮ってグループに送った後、私は指定の住所にソレを送った。

全ての作業はレザー手袋とを着用して行い、猫も洗って指紋、体液、体毛、全ての証拠を消し去る。

送った事を報告すると、グループからは絶賛されて指示役からも信頼を得た。
この屑の溜まり場を一刻も早く破壊しなければならない。

アレを送ってから数日後、陽太さんから相談事があると言われた。

陽太「累さん。最近、静への悪戯が酷くって…引っ越そうと思ってるんですが、大家さんに申し訳ないし…どうすればいいですか…?」 

静さんも人気が出て、過激なアンチが増えてきたのだろう。
悪戯…内容によって対処法を変えた方が効率的だろう。
私は陽太さんに具体的な悪戯の内容を訊いた。

累「悪戯…どんな事があったんですか?」

陽太「酷いですよ…ストーカーに迷惑な郵便物、SNSで俺たちの住所は晒されるしで…」

陽太「郵便物なんて一番酷くって、最近なんか猫の死骸なんて送られて来ましたからね…」

累「猫の死骸…」

陽太「最初の紙やらの燃やせるやつは燃やしてたんですけど、それが届いてからは全部警察に送ってます。」

もしかしたら…いや…確実に…
私…いや、このグループが嫌がらせの標的としているのは…
陽太さんの話を聞く限り…

静さんだ。
動揺を隠せない…が、文章なら偽れる。
とりあえず引っ越しを勧めて、5日間の猶予を強引に作った。
この5日間で何か策を考えなければ…
あのグループは存在してはならない。

累「今週はあの家には来ないで欲しい」
愛莉「分かった、来週は?」
累「来週ならいけると思う。行けるかどうかが分かったらまた連絡する。」
愛莉「はーい」

猫を梱包したあの家には今、私の提案で静さんカップルが住んでいる。
5日だけそこに居てもらうことにした。
電気も水道もガスも、ライフラインとなるものは全てある。

死体は長時間置いてなかったが、消臭もして証拠を完璧に消した。
だからバレないはずだ。
一週間に一回、あの家で会っていた愛莉さんも今週は呼べない。
とにかく、指示役にボロを出させないといけない。
今分かっている事は、静さんに相当な恨みを持っているかもしれないという曖昧な情報だけ。

時間はかけたくない。
次の嫌がらせの指示が出された時、本格的に動くことにしよう。

あの後、私の指示通りに引っ越しを終えれたらしい。
ただ、一筋縄ではいかないのが有名人の辛いところだ。

グループメンバーA「これ、新居の住所www」
グループメンバーD「早すぎるwww」

他にも、写真等も添付されていた。
訴えればすぐに勝てる程のものだ。
悪意の塊、それがこのグループを突き動かす要因なのだろう。
シズさんに親でも殺されたのか?と思う程の仕打ちだが、
彼らがこんなにも積極的に動く要因は、指示役に違いない。
早く突き止めなければ…

流石にエスカレートしすぎて…警察の捜査が及んできた。
それにグループは焦りを見せた。
私は実行したから「出頭しろ」と言われた。
しかし、警察側の鑑識によって私がやった事にはならなかった。
証拠が出なかったって事だろう。
他の腐った物とか、誹謗中傷を書いた紙を送ったグループメンバーは逮捕された。

この出来事はグループに暗い影を落とした。
しかし、次第に「アイツは通報しやがったんだ」と逆恨みし始めて、
逮捕者が出た事にも懲りずにまた悪事の計画をし始めた。
決めた。この計画を機に、私は本格的に動く事にした。

静さんの親友である美優さんという方が結婚するらしい。
その情報が不幸にもこのグループに入ってきた。

「「「これしかない」」」

グループメンバーは皆、そう口を揃えて計画を立て始めた。
様々な意見や提案が飛び交う中、決まったことが一つあった。

「結婚式を台無しにする」

…おおよそ人から出る思考ではない。人の形をした鬼畜、或いは悪魔だ。

メンバーは3人。
私は「どうしても外せない予定がある」と言ってなんとか断れた。
他の2人は自ら立候補していた。
が、それでは一人足りない。

指示役「じゃあ、ルーレットで決めるけど、いけないって人いる?」

私以外、行けない人はいなかった。

指示役「じゃあルーレットで決めるね」

画面配信で行われる魔のルーレット。
決まったのはGというメンバーだった。

指示役「じゃあ3人目はGで決定ね!」
メンバーG「余裕っすw」

そうして決行日まで待つだけとなった。

決行日の夜。
私は気が気で無かった。
私が予想した結婚式場で行われたらしいが、私が行った時にはもう誰もいなかった。
つまり、計画は終わった後なのだ。
静さんや陽太さん、美優さん等の安否が気になる中、一つのネット記事が送られてくる。

「人気インフルエンサー交際者、暴行か」

タイトル、見出し、タイミング的に、静さん関連の可能性が高い。
その記事を開いて見ると、予想通り静さんの関わっている事件だった。
添付されている動画を見ると、2人と陽太さんらしき人物が言い争った後、急に陽太さんが一人を殴った。
そこで終わっていた。

何も事情を知らない、無知の人間がこれを見たら陽太さんに非がある様に見えるだろう。
実際、この記事の筆者もその一人だ。
しかし…私はそうは見えなかった。
殴り方に焦りが感じ取れる。
それに、決行メンバーの一人が「あわよくば殺してやるわwww」なんて事を送っていた。
事から見るに、凶器からの自己防衛だろう。

静さんは無事だろうか?
そう心配していたら静さんから一件のメッセージが届いてきた。

静「陽太君はどうなっちゃうの?」

こんな事が起きて、静さんも気が気じゃないだろう。
私は「正当防衛になると思うから大丈夫」と返してあげた。
静さんは安心した様子で、「良かった…」と言った。

グループメンバーの情報によって分かった事がある。
あの記事に載っていた動画は、メンバーGが撮影、投稿した物であるという事。

余裕をこいていた癖に、いざ現場となると弱気になって隠れて撮っていたんだろう。
そして物事が予想外の方向へ転換したら、自分達が被害者であるという事を一方的に主張。

このGというメンバーの投稿のせいで、波紋が広がり炎が舞った。
許されない、最も陰湿でタチの悪い実行犯だ。
あの二人は銃刀法違反で逮捕。
だが、Gは逮捕されなかった
なら、Gにも責任を取ってもらわないといけないな。

私は例の家で愛莉を呼んだ。
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