ヒキアズ創作BL短編集

ヒキアズ

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31~40

(40.5)教育係と純真無垢

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船長と捕虜のスピンオフ的な話。純真無垢青年スミレ×不憫な教育係ひなげし。

スミひなが熱いと思ったので、少し未来の話を書き足しました。
子どものときから面倒みてんのに、成長してから押されまくってたじたじになる受けが好きです。本能的噛み癖のある攻めが好きです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 僕は海賊である。名前はひなげし。
 色々あって船員の増えた『霧蓮』海賊団において、それなりの地位も貰っている。
 なのに。
「スミレくん。これは一体何かな?」
 僕は、目の前の少年に向かって自分の肩口を指し示して問う。
「歯形じゃん?」
「そうだね」
 けろりと答える青年に、怒りを抑えながらゆっくり頷いて肯定する。
「誰がこんなことをしたのかな?」
「えっ。ひなげしってば、ボク以外にもそんなことさせてんの?」
 ああ。つくづく人気のない部屋で良かった。これが船員たちに聞かれようものなら、あっという間に変態のレッテルを貼られてる。
「あのね……。君以外いないでしょうが、スミレくん!」
「なんだ。良かった」
 幼さを残したその微笑みは、紛れもない清さだ。でも……。
「良くないでしょ。あのねぇ、何でわざわざ勉強教えてやってんのに、いきなり噛みついてくるわけ?」
「そりゃあ、噛みつきたくなったからじゃん」
 悪びれる様子もなく平然と答える彼に、頭が痛くなってくる。
 昔から何かと衝突して、その度にがぶがぶと噛みつかれていたのだけど、どうも最近のは少し違う。
 例えば他愛のない会話をしながら海を見つめていた時。ふいにスミレくんが近づいてきたので、どうしたのかと思っていると、がぶり。思いっきり首を噛まれた。
 例えば椅子に座りながら、一人酒を飲んで月を眺めていた時。ふいにスミレくんが近づいてきたので、どうしたのかと思っていると、がぶり。思いっきり肩を噛まれた。
 そんな調子で首やら肩やら背中やら、挙句の果てには手足までもがぶりと噛まれて、毎日歯形が絶えない状態だ。
 昔からの上司である霧真船長や、スミレくんの保護者もどきである水蓮船長に相談しようとも思ったけれど、中々言い出せないまま月日が過ぎた。
「噛みつきたくなるって……。一応聞くけど、それはどういう感情なの?」
「……わかんない。ただ、美味しそうだな~って思って」
「美味しそうって……」
 純真無垢な瞳が突き刺さる。揶揄っているわけではなさそうだ。だが、それが余計に面倒臭い。
 スミレくんは根っこが純粋だからなぁ。本人も自分の中にある欲求に追いつけていないのだろう。
 思春期。その一言に尽きる。盛りのついたこの時期に、男ばかりのむさ苦しい船の上じゃあ多少頭がおかしくなって暴走しても、怒るに怒れない。
「スミレくんはさぁ、僕以外にも噛みつきたくなったりしないの?」
「えっ。ひなげし以外?」
「うん。例えば、船員のみんなだったり、船長の二人だったり……」
「いや、だって。船長に噛みついたりしたら絶対、真が怒るもん。下手したら殺されちゃうし考えたこともないよ。真に噛みつくのもなんか違うし。船員のみんなはいい人ばっかだけど、不味そうなんだもん」
「……確かに」
 考えてみれば、異性のいないこの空間で船長たちを除けば、より女性に近いのは僕なのだろう。もちろん、僕はどこからどう見てもれっきとした男だ。だが、筋肉隆々がさつ豪快な他船員のみなさんに比べれば、どうしてもスリムでスマートになってしまう。だから、スミレくんが僕をそういう対象に置き換えてしまうことは必然で……。
 って、納得してどうすんだ。理由よりも対策を考えるべきだっての。
「ひなげし~。とにかくもう寝ようよ~。ボクもう眠いもん……」
 目を擦りながら僕の服の裾を引っ張るスミレくんに、はっとして時計を見る。
「ああ。もうこんな時間か……」
 勉強を教えていたときから欠伸してたもんなぁ。何だかんだ言ってまだ子ども。可愛い少年のままなんだよなぁ。だからこそ、余計にちゃんと叱ることができないんであって。
「じゃあひなげし、ランプ消して~」
「はいはい。それじゃあ、おやすみね」
 言われた通りランプの灯を消して、寝床につく。
 流石に成長したスミレくんと一緒に寝るには、ちょっと窮屈なんだよなぁ……。って。
「いやいやいやいや! なんでまた一緒に寝る流れになってんのさ!」
 一度はノリで寝てしまったが、異常に気づいて瞬時に飛び起きる。
「え~?」
「え~? じゃない! 何度言えばわかるんだ! 男の子なら一人で寝なさい!」
「でも、最初の頃は一緒に寝ても怒んなかったじゃん」
「それは、まだ君が幼かったし……」
「でも船長たちは、大人になっても一緒に寝てるじゃん」
「ぶっ……。そ、それは……。なんていうか……」
「ひなげしは、ボクのことが邪魔なの?」
「う……」
 至近距離でそのキラキラとした純粋な視線をぶつけられ、言葉に詰まる。
「邪魔っていうか……、ほら、スミレくんってば、もう随分と大きくなったから、ベッドも狭いし……」
「じゃあ今度、船長に言って新しいベッド買ってもらう。そしたらいいでしょ?」
「よくないよくない! 全然よくないよ! ていうかね、スミレくん、え~っと、そうだ、そういう甘ったれた男の子は、女の子にモテないよ!」
「別にいいもん。ボク、女の子にモテなくったって平気。ひなげしでいいもん」
「よくないっ! マジで! 僕ってば、スミレくんよりずっと年上だし! 自分で言うのもなんだけど、言いたかないけどっ、もういい年したおっさんだし!」
「ひなげしはおっさんじゃないでしょ。出会った頃からずっと変わんないし。ていうか、むしろ小っちゃくなった?」
「それはスミレくんが大きくなったせいでしょうが、こん畜生!」
「でも、ひなげしは船員のおっちゃんたちみたいに臭くないし」
「か、嗅ぐなっ! ってか、近……」
「ボクね、ひなげしの匂い嗅いでると、なんかぐらぐらしてくるんだよ」
「っ……」
 首筋に吐息がかかって、ぞわりとする。
「やっぱり、ひなげしってば可愛い」
「ま、待てスミレくん! それは違うぞ! 間違ってる! 君は今、非常に危険な勘違いをしていて、それは思春期である君自身には気づきがたい事実なのかもしれないけどっ」
「ひなげし」
「ひゃ……」
 首筋を指でなぞられたかと思うと、いきなりベッドに押し倒される。
「す、スミレくん、待って、落ち着いて……」
「ああ。やっぱり。こんなのが勘違いだなんて。ひなげしこそ、どうしようもない勘違いをしてるんだよ」
 すうっと目を細めた青年は、純粋な顔をしたまま残酷に微笑む。
「ち、違う……。待って、今度街についたときに、いい店を紹介するからっ。だから、ほら、こんなのは止めにして……」
「ひなげしは黙っててよ」
「っああ!」
 首筋に痛みが走る。くそ、思いっきり噛みやがって!
「は……。足りない。もっと噛みたい。ひなげし。ひなげし……」
「痛っ、待て、そんなとこ、噛むなって……、くっ!」
 服を脱がされ、太ももを噛まれた辺りから、どうしようもなく体が火照る。
「やっぱり、ひなげしは綺麗だよ。真っ白な肌で。美味しい」
 どこで育て方を間違えてしまったのか。必死に考えても、熱は冷めることを知らない。
「あっ。は……。もう、やめ……」
 間違ってしまったのは僕も同じか。弟のように可愛がってきたクソガキに、噛まれて息を上げてるなんて。いくら欲求不満だからといって、大人として失格だ。
「泣いてるの?」
「う、うるさい……」
 目の端に溜まった涙を掬い取ってゆくその手を叩く。そのまま、スミレくんを振り切って起き上がろうとするが、簡単に押し込められて再びベッドに倒れる。
 本当に憎たらしい。いつの間にか力で抑えることが難しくなって。気づいたら、逆に力で抑え込まれるようになって。身長だって、もう少ししたら抜かれてしまうのだろう。
「ねぇ、ひなげし。そんなにボクのことが嫌?」
「え?」
 いつもと違う、低音で呟かれたそれにハッとして彼を見つめる。
 そこにあった瞳は、純粋でキラキラしたものとは程遠い。欲に押しつぶされそうな脆さと愁いを潜めた、雄のぎらついた瞳。
「ひなげし、ボクは君のことがこんなにも欲しいのに。ひなげしはそれを否定するつもりなの?」
 かと思えば純粋なあの瞳も健在で、くるりくるりと万華鏡のように表情を変えていくそれを追っているだけで、頭がぼんやりとしてくる。
「でも……。スミレくんは、船長たちの弟みたいなもんだし……。僕だって、そう思って……」
「酷いね。ひなげしは本当に酷い」
「痛っ……」
 がぶりと噛まれたところから、スミレくんの言葉が浸透していくような気がした。
「ひなげしはきっと、言葉で言っても理解してくれない」
「っあ。い、痛いっ……」
「だからね、ひなげしの脳みそじゃなくて、体に教えてあげないといけないんだ」
「は……。待ってくれ、す、みれくん……。頼むから、考え直して……」
「黙って。わざわざ教えてあげるんだから。溜め込んできたボクの想い、ちゃ~んと全部受け止めて、ね?」
「っ……」
 耳元で囁いたその口で、流れるように唇に触れる。
 ああ、これじゃあ教育係失格だなぁ。きっと船長たちに酷く怒られるんだろうなぁ。
 そんなことがちらりと頭をよぎった途端、歯を割って入ってきた舌が口内を掻きまわす。
「っは……」
「余計な事考えてる暇なんてないからね?」
 そう可愛い顔で宣言したスミレくんが、更に激しく口づけを落とす。
 ああ。もうダメかもしれない……。そう思った時には、すっかり熱に浮かされていて。
 激しくなる行為を受け入れ、ただただ欲に身を任せていた。


「ひなげし。話がある」
 そう言って、霧真船長に呼び出されてから数分。僕は落ち着きもなく船長の部屋の前を行ったり来たりしていた。
「おい。こんな狭い廊下でウロウロしていると危ないだろう?」
「ひゃ、水蓮船長!」
 後ろから声を掛けられた瞬間、飛び上がる。
「悪い。驚かせたようだな。だがひなげし、君は確か霧真に呼ばれてここに来たんじゃなかったか?」
「あ、ハイ。そっすね……」
「だったらさっさと入るがいい。何の話かわからんが、私も同じく呼ばれている」
「は、ハイ……」
 あ、これもう逃げられないやつだ。いや、そもそも海の上って時点でもう逃げ場なんてない。クソ! 何が海に落ちるより俺に落ちろだ!
 過去の自分への八つ当たりもほどほどに、思い切ってドアノブに手を掛ける。
「失礼します!」
「霧真、来たぞ」

「やあ、待っていたよ」
 にこやかに迎えてくれた霧真船長。そのいつもと違う雰囲気に、否が応でも恐怖を煽られる。
「霧真、話は何だ? スミレのことだと言っていたが、まさか……」
「そのまさかだ。ついにやったらしい」
 あああ、もう駄目だ。二人にとって、スミレくんはかけがえのない弟分だ。それを誑かしたとなると、とても怒られるだけでは済みそうにない。
 ああ、思えば長い航海だった。職を探して港を彷徨っていたところを霧真船長に拾われて、それからずっと海賊としてやってきた。正直、喧嘩なんてやったことない僕は弱っちくて何の役にも立てなくて。料理洗濯掃除ばっかりやってた。それなのに、船長は僕のことを信頼してくれて。あ、でもあの時、霧真船長の影武者として仕事したとき初めて役に立てた気がしたっけ。
 あ~、嫌だなぁ。この船下りたくないなあ。合併してからも変わらずに船長たちは僕のことを気に掛けてくれてたし。それに、スミレくんだって。本当の家族みたいに可愛がってきたはずだったのに。
 は~。今ならわかるなぁ。水蓮船長の気持ち。
「お~い、ひなげし。なに水蓮に見惚れてんだ」
「えっ。いえ! まさか! 滅相もない! 水蓮船長は霧真船長のものですし!」
「わかってんならそれでいい」
「よくないだろうが。ったく、さっさと謝った方がいい」
「うん。そうだな」
 謝った方がいい……? あ、これ僕に言ってるやつか? まじか。そうだよな……。
 覚悟を決めて、座り込むと同時に頭を地面に擦りつける。
「その……! す、すみませんでしたっ! 許してください! 僕の教育が至らないばっかりに!」
「「え……?」」
 土下座をキメた僕を見て、二人が戸惑ったような声を上げる。
「あ、いえ、その。これはスミレくんの人格を否定しているわけじゃなくてですね……。なんというか、僕自身の甘さというか、そういう気持ちにさせてしまった責任があるというかですね……」
「ひなげし、お前……」
 霧真船長がゆっくりとこちらに近づいてくる。そして……。
 殴られる。そう思った瞬間、肩をぽんと叩かれる。
「え?」
「お前、そんなにスミレくんのことを庇って……」
「私はてっきり、スミレの片思いだとばかり思っていたが。なるほどこれは脈がありそうだ」
「んん……?」
「いや~。悪かったな、ひなげし。まさかスミレくんがあんなにあっさりお前のことを犯すだなんて思ってなかったからさ」
「えっ。何で知って……」
「スミレくんが俺に泣きついてきたんだよ。ひなげしに酷いことしちゃった~って」
「スミレはどうして私でなく、霧真に相談したんだ……」
「落ち込むな水蓮。どう考えてもお前には相談しづらい内容だ」
「だからって……。くそ。霧真に負けた気分だ」
 え……。なんだこのイチャラブ空間は。いや、僕はてっきり処刑されるとばかり思ってたんだけども。
「もしかして、僕ってば労わられてます?」
「うん。だってお前は俺の右腕なんだぞ? そりゃ心配するわ」
「私だって、ひなげしにはスミレの面倒をみてくれていることも含めて感謝しているんだ」
「それに水蓮はそっち側の痛みもわかるしな」
「殺されたいみたいだな」
「ひゅ~。水蓮に殺されるなら本望だ」
「あの……」
「とにかく。君がスミレを許してくれると言うのならば、どうかこれからもスミレの側にいてやってはくれないか」
「ひなげしだって、実はスミレくんのこと満更でもないみたいだしな」
「ちょ、それは誤解……」
 弁解のために口を開いた途端、勢いよく扉が開かれる。
「ひなげし!」
「スミレくん……!?」
 扉が開かれた瞬間に大きな声で名前を呼ばれ、驚いている隙に強く抱きしめられる。
「ごめんなさい! ボク、歯止めが効かなくて、ひなげしに酷いことして……。許してほしいけど……。怒ってるんならボクを殴って! なんなら同じことをボクにしてくれたって構わない!」
「ぶっ……。な、なんてことを」
「だからお願い。ボクの側に居て! ボク、ひなげしがいない世界なんて生きてる意味なんかないもん」
「ひゅ~。熱烈的~!」
「スミレ、男らしくなったな……」
 つ、ツッコミが不在だ……。恐らく素で歯の浮くようなセリフを吐くスミレくん、全てを察した上で手を叩いて揶揄っている霧真船長、純粋に親の気持ちで涙ぐむ水蓮船長。考えることを放棄してすぐさま寝たい気持ちに襲われたけれど、スミレくんのあまりの必死さに、真摯に向き合うことを決意する。
「僕は、確かに驚いたし……、体もきつかったし……、怖かったけど……。でも」
 スミレくんの目を見つめる。その許しを請う潤んだ瞳は正直反則だ。
「でも、それだけで嫌いになるほど柔な付き合いしてないでしょ、僕らは」
「ひなげし……」
「よしよし。わかったらもう今後こんなことしちゃ駄目だからな」
 スミレくんの背中に手を回し、とんとんと背中をさすってやる。こうしてみるとなんてことはない。この子もまだまだ赤子のようで……。
「ひなげしは、やっぱり全然わかってないみたいだね」
「え?」
 背中に回した手が引き剥がされて、睨みつけられる。そして。
「ボクのこといつまで子ども扱いするつもりだ馬鹿!」
「い、痛っ!」
 完全に無防備だった肩を、がぶりと噛みつかれる。
「えっ。なに、なんで僕、噛まれてんです?!」
「……これは少し、ひなげしも悪いわ」
「ひなげし。悪いけど、私たちには止められそうにないかもしれん」
「えっ、ちょっと待ってくださいよ……。いやいや、何諦めてんですか二人とも」
「ひなげし……。やっぱりボクのこと嫌いなの?」
「えっ。いや、そんなことは……」
「じゃあ、今日も勉強教えてくれる?」
「あ~。うん。勉強教えるぐらいなら。ていうかむしろそれが僕の仕事だし……」
「よかった。ありがとう、ひなげし!」
 弾けるような笑顔に、教育係としての親心が満足感を与える。
 なんだ。やっぱりスミレくんは良い子じゃないか。今はちょっと大人の階段を上るうえで不安定なだけであって。反省もしてるみたいだし……。
「なぁ霧真。これは……」
「あ~。ひなげしのヤツ、めちゃくちゃ付け込まれてるな」
「なんというか、面目ないな……」
「まぁでも、恐らくひなげしもスミレくんに惚れてると思うし。多分。本人は気づいてないんだろうけど。最終的にはハッピーエンドになるでしょ。多分」
「その道中、ひなげしにかかる負担が大きすぎると思うんだが」
「……大丈夫。それは俺たちの心配することじゃないさ!」
 なんだか不穏な会話が聞こえた気がしたけど、きっと気のせいだろう。
 だって、目の前のスミレくんはこんなにも天使みたいな顔をしているんだから!
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