ヒキアズ創作BL短編集

ヒキアズ

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71~80

(80)サリノア

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 過去の復讐も兼ね、サリエラのおぞましい絵を芸術へと昇華しようと苦心するノアール。しかし、それも上手くいかない内に、サリエラは伯爵の手で売られることとなり……。
 狂気の少年(過去の師の息子)×教育係(金と復讐目当て)
 憎むべき女の息子の面倒を看てる内に色んな感情が沸き起こる愛憎渦巻くエモな関係が好きです!

サリエラ:絵の才を持つ少年。他人への興味が薄い。
ノアール=ニヴァーレ:シエラとは訳アリ。シエラのせいで家を追い出されてサリエラの教育係に。
シエラ:一時期バイオリニストとして活躍したが、没落。結婚して数年で死を迎える。
アルゾーラ:シエラと結婚した伯爵。
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 サリエラ=アルゾーラは天才だ。かの色白い少年から生み出される絵は、まさに芸術。常人には決して辿り着けないそれを彼は幼くして持ち合わせていた。
 だが。
「サリエラ様。これは……?」
 今し方描かれたばかりのそれを手に取り、目の前の少年に問う。
「バイオリンの絵だけど。わからなかった?」
 可愛らしく首を傾げた少年が描いた絵を、もう一度だけ見る。
 油絵の具で落とし込まれたその情景は、まさに地獄。おぞましいほどどす黒いバイオリンに次々と食われる人々の叫びが、視覚を通して伝わってくる。これほどの狂気がこの世に存在していいものか。形容しがたい不思議で不安定な色はどうやって作っているのか見当もつかない。彼はやはり天才だ。しかし、これでは駄目だ。
「ねえ、ノア。僕の絵、どうだったの?」
 期待と不安の入り混じった顔でこちらを見つめる少年に、無理やり笑顔を作って恐怖を拭い、口を開く。
「ええと。サリエラ様は、バイオリンを弾いたことがあるのですか?」
「……ノアは僕に弾いてほしいの?」
「え、いや、それは……」
 自然と漏れた疑問は、私の心をどす黒く染め上げた。私は、まだ彼女のことを引き摺っているのだろうか。
「ねえ。ノアは音楽が好き?」
「……いえ」
 零れそうな程に大きい瞳に真っすぐ見つめられた瞬間、視線を逸らす。
「それじゃあ僕も嫌いだよ」
 にこりと微笑む少年に、どこか薄ら寒い気持ちが込み上げる。
 懐かれている。この、狂気を生み出す少年に。少しでも扱いを間違えたらいけない。そんなプレッシャーが纏わりついて離れない。
 ああ。早くこの子と離れてしまいたい。
 どれほどそう思ったことだろうか。
 だけど。
 見つけてしまった才能を、利用しない手はない。こんな芸術を金にしない手はないのだから。



 サリエラの母、シエラは天才バイオリニストだった。若く、美しい女性だった。
 そんな彼女に高い金を払って、直々レッスンをしてもらっていた富豪の息子がいた。
 思春期だった彼は、すぐにシエラの音色と美しさに虜になった。
 彼は、シエラと過ごす時間が何より好きで、バイオリンにのめり込むようになっていった。
 しかし、ある日事件が起きた。
 下らないスキャンダルがシエラを貶めたのだ。そのせいでシエラの生活は一転。活躍の場を失い、酒に遊びに堕落して。
 当然のように、彼のレッスンも中止となった。
 彼は耐えられなかった。彼女が世間に悪く言われることが。彼は信じていたのだ。彼女が潔白だと。彼はただ、盲信していたのだ。彼女の音色を。
 だから、彼女を何としても元の彼女に戻したかった。
 彼は彼女を探し出した。そして、彼女を説得しようとした。
「お願いですシエラさん。こんなことやめて、バイオリンを弾いてください!」
「バイオリニストなんか、他にたくさんいるでしょ」
「私は、貴女の演奏が聴きたいんです!」
「アタシより上手い人なんかゴロゴロいるわ」
「でも! 私は貴女の音が好きなんです。他にも、そう思ってる人はきっといます!」
「アンタは育ちがいいからわかんないだろうけどね、大人ってのは汚いやつばっかなのよ」
「先生?」
 虚ろな瞳で歪んだ笑顔を見せた彼女は、その穢れた手で彼の頬を擽った。
「アンタ、アタシのことが好きなんでしょう?」
「あの」
「慰めに来てくれたのよねぇ?」
「私は」
「ああ、ノアール。だったらアタシを助けて、助けてちょうだい」
 何のことはない。彼女は本当に悪い女だったのだ。ただ己の欲望に身を任せ、男を漁り、酒や薬に浸り。スキャンダルも嘘ではなかったのだろう。何て低俗な女なのだろうか。ああ、どうしてそんな女があんなに綺麗な音色を奏でることができたのか、未だに私にはわからない。
 そうして、ショックを受けた彼は彼女と距離を置いた。
 だが、悪夢は終わらなかった。
「ねえノアール。この赤ん坊が誰だかわかる?」
 久々に会った悪魔は、ねっとりとした声で彼を脅した。
「あのね、この子はアンタの子どもよ」
「そんな馬鹿な……」
「ね、この子のことは黙っててあげるから、お金を貸してほしいの。お願い、ノアール」
 彼は、最早その女に憧れなど抱いていなかった。寧ろ、憎しみすら抱き始めていた。
 しかし、彼は怖かった。家族にこのことが知れれば、自分の立場が危うくなってしまうのは目に見えていた。
 彼は女に金を渡した。女は、それを惜しげもなく遊びに使い込んだ。
 彼は金を作るために、必死で演奏して金を稼いだ。彼のような上流階級の息子が低俗な場で演奏するなど、あっていいはずがなかった。でも、彼はそうするしかなかった。しかし。
 ある日、あっさりと父にバレてしまった。
 彼は勿論、言い訳をした。だけど、彼は許されなかった。勘当された彼は、ついに路頭を彷徨うことになってしまった。
「あら、ノアールじゃない」
 途方に暮れた彼の前に、何の因果か悪戯か、甘ったるい声の悪魔が現れた。
「アンタのせいで、私の人生はめちゃくちゃだ」
「アハハ、なぁに? まさか追い出されたの?」
 地を這うように恨みの籠もった声で非難する彼に、酔っているのか、彼女は悪びれる様子もなく甲高い声で笑った。
「アタシはね、金持ちと再婚したのよ。アルゾーラ伯爵って知ってるでしょ? デブで歳食ってるけど、アンタみたいにケチケチしてないし! アタシね、アルゾーラ夫人として、毎日優雅に暮らしてるのよ。アハハ、アタシの人生はね、幸せよ、ありがとね、ノアール!」
「……」
 己のドレスを靡かせて、舞台女優のように踊ってみせた彼女に、彼はもう何の言葉も出なかった。
「でも。そうねぇ、いいわ。アンタも中々綺麗に育ったものね。もう一度やり直しましょうよ。アタシが養ってあげるわ」
「何を言って……」
「アンタの子ども、サリエラって名前をつけたの。そりゃあもう、昔のアンタみたいに坊ちゃんやってんのよ。だからね、アンタはあの子にバイオリンを教えるっていう体でアタシの相手をしてくれればいいでしょ?」
 彼が苦労をしていた間に、あの赤子は成長したらしい。
 何一つとしていいことはなかったのだが、あてのない彼にはその身を穢すことしかできなかった。
 そして。サリエラが言葉を話せるほど成長した頃、女は死んだ。酒だか薬だが原因は知らないが、あの女らしい末路だった。
 女の正体に気づきつつも、体裁のために養っていたアルゾーラ伯爵はこれ幸いと屋敷ごとサリエラを捨てた。
 聞いたところによると、伯爵もサリエラを自分の子だと言われ、脅されていたらしい。
 確かにサリエラは彼に全く似ていなかった。薄々は気づいていたのだ。
 恐らくは、本当に伯爵との間にできた子どもだったのだろう。サリエラには、どことなく伯爵の面影がある気がした。だからこそ、伯爵も女との縁を切れなかったのだろう。
 女が埋葬された後、彼は子供部屋へと足を向けた。
 そこにいたサリエラは、泣くでもなく黙々と絵を描いていた。
 母親の死がわかっていないのだろうか。
「サリエラ様……、っ!」
 彼は、サリエラの絵を覗き込んだ瞬間、己の目を疑った。
 白い紙に描かれているのは、狂った怪物の絵だった。ただの幼子の落書きではない。見る者の心臓を捻り潰すようなおぞましい芸術。
「貴方は、天才かもしれない……」
 ふいに漏れ出した己の言葉に、彼は息を飲んだ。
「天才? 僕が……?」
 美しい顔立ちの幼子は、純朴な瞳を彼に向け、首を傾げた。
「ああ……。貴方の絵は、きっと人々を惹きつける……」
 そして、きっと多額の金を生む。そう。方向性さえ変えれば、きっと高くで売れる。
「でも、僕の絵はおかしいから……」
「大丈夫です。私は貴方の絵が好きです。だから、貴方の絵がもっと見たい」
「それ、本当……?」
 こんなおぞましい絵を好きだなんて、狂っている以外ありえない。
 けれど、彼は少年に向かって微笑んだ。
「ええ。本当ですよ。でも、サリエラ様ならば、もっと美しい絵が描けるはずです」
「美しいって?」
「それは、えっとほら、こういう……」
 彼は咄嗟に、壁に掛かっている絵を指さしてみせた。海や花が鮮やかな色で描かれている無難な作品。何の変哲もないが、大衆受けはする。
「これが美しいの?」
「……はい」
 別段惹かれもしない絵だったが、彼は深く頷いて見せた。すると、サリエラは首を振って、己のスケッチブックに手を伸ばした。
「ノア。僕はね、美しいってさ、こういうことだと思うんだ」
「っ……」
 サリエラにその絵を見せられた瞬間、彼は息を飲んだ。
 そこにぶちまけられた色たちは、怒り、悲しみ、憎しみを嫌というほどに表現していて。
 美しい。身をも震わせる美しさだ。
 これは、絶望に囚われたことがあるからこそ、そう思えるものだろうか。死が美しいものだと思ってしまうように。悲劇を美しいと思ってしまう。
 それを美しいと思ってしまう私も、やはり狂っているのだろう。
 きっと、サリエラの絵は見る人が見れば素晴らしい芸術となり得る。
 だが、それでは駄目だ。
 折角の才だ。もっと白日の元に晒せるような……すぐ金になるような絵を描かせなければならない。
 そう決意した彼は、サリエラに一般的な“美しい”という感覚を教えることにした。
「そうだ、サリエラ様。サリエラ様が絵以外で美しいと思うのはどんなものなのでしょう?」
「僕が美しいと思うもの?」
「ええ。例えば景色や人、音楽なんかも……」
「ああ。それじゃあ僕はノアが美しいんだと思う」
「は……?」
「僕ね、一度ノアの演奏を聴きたいと思っていたんだ」
「それは……」
「だって、ノアも弾けるんでしょう? バイオリン」
 澄んだ瞳が彼を責め立てた。その瞳の色があの女を思わせた。
「私は、もう、弾けません……」
「……そう。それは残念。ノアの音はさぞ綺麗だろうに」
 幼子特有の甘ったるい声が彼にじわりと心地悪さを注いでゆく。
 結局、彼はバイオリンを教えるという名目でこの屋敷に連れてこられたにも関わらず、一度もバイオリンを手にすることはなかった。彼はただ、女とサリエラの遊び相手として存在していただけだった。
「私など、取るに足らないただの使用人ですから。ノア様にお聞かせするものではないのです」
「でも。僕の美しいはノアだもん。僕は今までいっぱいノアを描いてきたんだから」
「え……?」
 サリエラが指さしたスケッチブックにあるのは、おぞましくぶちまけられた色だった。
「まさか、これが私だと……?」
「そうだよ。わからなかったの? 僕は見たままの君を描いたつもりなんだけどなあ」
 サリエラから見た彼は、どうやら酷く歪んでいるらしい。それがサリエラの心を反映しているというのならば、彼は酷く嫌われているのではないだろうか。
 そう思うと、少しだけ胸が痛んだ。
 だが、アルゾーラ伯爵がいつこの屋敷を本当の意味で捨てるかもわからない現状、彼は見つけた光を手放すわけにはいかなかった。
「サリエラ様、貴方の絵は本当に素晴らしい。だからこそ、その才を伸ばさなくては」
「ノアが教えてくれるの?」
「まさか。私がいると、きっと貴方は絵に集中できない。だから、ちゃんとした講師を招いて……」
「どうしてそう思うの?」
「え?」
 静かに問うサリエラの声は、どこか怒りを含んでいた。
「いや、それはだって……。サリエラ様は私のことがお嫌いだろうから、負の感情が絵に移らないように……」
「どうして僕がノアを嫌いだと?」
「それは……」
 スケッチブックを横目で見る。あのおぞましい色は明らかに憎悪の色だった。
「僕はノアのこと、好きだよ。だからね、僕から離れちゃダメだよ」
 ぞっとするような瞳に見つめられた彼は、サリエラの手を振りほどけなかった。
 いや、違う。これに飲まれるものか。私がこれを支配するのだ。
「……サリエラ様、たまには外に出ましょうか。きっと世界が美しいことに気づくはずだ」
 繋がれた手を引いて、彼とサリエラは外に出た。勿論、彼は世界が美しいなどとは思ったこともなかったが、一般的に言う美しさをサリエラに理解させたかった。
 あの女もそうだった。
 女の音色はどこか奇抜で。認められるのに相当時間がかかったらしい。
 認められたのは奇跡だ、と自分で言っていた。
 決して万人受けする音色ではなかった。が、それでも、それを美しいと称する人はいた。彼もその一人で、その不思議な音色にいつしか心を奪われていたのだ。
 花を見る。青い花弁をドレスのように纏ったそれは、朝露をあしらい、穏やかに咲いていた。普通の人間ならば、一目見てそれが美しいものだとわかるのだろう。
「ほら。こうやって手繰り寄せて、匂いを嗅いでみてください」
 花弁に口づけながらその香りを吸い込む。何が楽しいのかはわからないが、人はこうして花を楽しむのだ。
「……綺麗」
「そうでしょう?」
 良かった。美的感覚はまだ残っていたか。
「うん。僕は知らなかったよ。こんなに美しい光景を」
 瞳を揺らしながら頬を高揚させるサリエラに、彼は満足した。
 そうだ。この子はろくな教育も受けずに育ったんだ。食う寝るに困らずとも、愛を注がれず、ただ自分の世界に籠っていただけで。この子は知らないだけなのだ。どれが美しいものなのかを。そう。壊れてしまった私とは違って。ただ知らないだけ。ならば、まだ遅くはない。この手で育てればきっとすぐにその歪みも治るはずだ。



 そう思い、どれだけ月日が流れただろうか。
 結論から言うと、私は未だにサリエラを端正できずにいた。
 彼が描く私は、相変わらずおぞましいものだった。
 そんなある日のこと。恐れていた事態が起きた。
 アルゾーラ伯爵が屋敷に訪れたのだ。
「単刀直入に言おう。サリエラを売ろうと思っているのだ」
「そんな……」
 サリエラが声変りを終えてしまう前にと、伯爵は引き取り手を決めたらしい。
「なあに心配はない。子どもができないと困っている友人の養子として迎えてもらうだけだよ。きっと今以上に裕福に暮らせることだろう」
「ですが……」
「はは。君がアレを利用しようとしているのは知っている」
「え……?」
 どうやらこの伯爵は馬鹿ではないらしい。だが、怒りの感情は見受けられなかった。
「アレは確かに絵の才を持っている。だが、アレは無理だ、使い物にはならんだろう」
「どうして」
「アレの絵は一度見たんだよ。まだアレが幼い頃だったが、喧嘩するワタシたちを見て、すっと差し出してきたんだ」
「それは……」
「ああ。地獄のようだった。いや、もっと酷い。とにかく、あの女に対する怒りもあっという間に冷めて、ただアレが怖いと思った」
 容易に想像ができた。サリエラが描いた絵を見た伯爵は、きっと気の毒なほどに動揺したのだろう。
「あの女も初めて見たようで、死にそうな顔をしていたよ。今思うと、あの顔、あれは愉快だった。はは。まあ、とにかくだ。今もきっとあの調子なんだろう? あれは無理だ。生まれ持っての血だ。あいつらは、悪魔だ。だから、アレが人間の感覚を持つとは思えん」
「……」
 確かに、伯爵の言う通りだった。私も同意見だった。
「なぁに、君のことは悪くしないさ。あの女に騙されたんだ。同情する。退職金として幾らか出そう。何ならワタシの屋敷に来てもいい」
「……」
「君は確か、ニヴァーレ家の子だったな。なんならワタシが君を再び迎えるように口添えしよう。君は被害者だったんだとな。あの家も、君がいなくなってから、随分と堕落したよ。昔はワタシよりも金を持っていたのに。今じゃニヴァーレ家は貴族として生き残るのも危うい」
「そんな、どうしてそんなことに」
「なんでも当主が妻に暴力を振るっていたとか。それでみるみるうちに世間の噂になって、信用ガタ落ちさ」
 嘘ではないだろう。父は昔から母に何かと暴力を振るっていた。それが世間にバレてしまったというのならば、自業自得だ。
「なあノアール君。君が望むならあの家に少しくらいは出資したっていいんだよ?」
「貴方がそこまでする義理はないはずだ」
「勿論そうだけどね。君はどうにもアレに固執しているようだからね。その執着を無くしてくれるのなら、ワタシは君の望みを叶えるさ」
「執着……」
 言われてからハッとする。サリエラが上手く育たないと分かった今、何を躊躇うことがあるのだろうか。このままアルゾーラ伯爵の温情を受けてしまえば、きっと私の人生を立て直すことができる。なのに……。
「とにかく、君も悪魔と縁を切るべきだ」
 アルゾーラ伯爵の言葉が、腹の中で冷たく響く。
「……わかりました。あの子に近づくのはもう辞めます」
「ああ。それがいい。君はまだ若い。大丈夫。これから先にいいことがあるはずだ」
 そう言ってアルゾーラ伯爵は恰幅の良い腹を揺らして笑った。改めて、伯爵は良い人だなと思う。あの女とサリエラに対する憎しみは強いが、結局、サリエラの引き取り手を見つけてくれている辺り、慈悲深い。それに、憎まれて当然の私に、本気で温情を抱いてくれている。本当にありがたいことだ。でも。それなのに。
 私は、まだ笑えずにいた。


「さて。それじゃあノアール君。これでさよならだ。ニヴァーレが復活したら、贔屓にしておくれよ?」
「はい。アルゾーラ様。本当に、今までありがとうございました」
 サリエラが売られた。さよならなんてしなかった。私は屋敷に別れを告げた。涙などでなかった。
 サリエラを利用してやることはできなかったが、上出来だ。金にも困ることはなく。家も救える。こんなハッピーエンドがあっていいものだろうか。
『なんでも、買い手の当主は、そういう趣味みたいで』
『怖いわあ』
『サリエラ様、可愛いからね……』
 屋敷の門をくぐろうとしたその時に、聞こえてきたメイドたちの噂に足を止める。
「……それは、どういう意味だ?」
『あ、いえ……』
「どうした?」
『本当にわからないんですか?』
 てっきり分かってて了承したのかと、とメイドがきまり悪そうに小さく呟く。
「だから、なんのことだ」
 嫌な予感がした。メイドたちの会話から推理してしまう前に、思考を破棄したが、メイドの言葉が無慈悲にも全てを明らかにしてしまう。
『えっと。ですから、サリエラ様を引き取った当主がそういう趣味……、つまりは、男の子が好きな方でして……』
「っ……」
 咄嗟にサリエラの澄んだ瞳が脳裏に過り、全身の血が煮えたぎった。
「場所は?! どの屋敷に売られたんだ?!」
 気づいたら、私はメイドを問い詰め、場所を聞き、馬車を走らせていた。
 我ながらどうかしている。だけど、まるで憑りつかれたかのように、私はただサリエラのことだけを思い、動いていた。

 雨が降る。私を責め立てるように打ち付ける雨音が、どうしようもなく不安を掻き立てる。
『これ以上は、川が氾濫していて危険です! 進めません!』
「くそ!」
 従者の言葉に悪態を吐いて馬車を降りる。
 ああ、こんな言葉遣い、きっと父に怒られてしまうな。それに、こんな泥水に足を突っ込んで。紳士のやることではないだろうに。
 土を踏みしめ、橋に着く。確かに危険だ。橋を飲み込む勢いで川は轟々と流れていた。
 それでも、私は駆ける。
 私は世間知らずだった。
 あの女の音楽を聞いた時、その珍しい音にまんまと惹かれてしまった。
 私は何もわかっていなかった。
 シエラを救おうだなんて、軽い気持ちで思ってはいけなかったのだ。
 私は無力だった。
 屋敷に教育係りとして就いたとき、シエラに、アルゾーラ伯爵に、サリエラにもう少し寄り添えていたならば。
 私には力がなかった。私には知恵もなかった。私は、間違えてばかりだ。
 本当は、あの子の、サリエラのことだって――。
 あの子をあんな風にしてしまったのは私だ。
 もっと、シエラの代わりに愛を注いであげられていたら。もっと、優しく接してあげられていたら。もっと素直に気持ちを伝えられていたならば――。
 ドンッ!
 ずぶ濡れになりながらも辿り着いた先、屋敷の扉を無理やり開ける。
 暗い。雨が降っているというのに、灯り一つついていないことに疑問を覚える。
 まさか、場所を間違えたのか……?
 物音一つ聞こえない屋敷の中を黙って進む。
 床に埃が溜まっていないところをみると、やはりここに人はいるらしい。更に奥、大きな扉の前まで来た時、ふいに寒気を覚えた。
「サリエラ、様……?」
 影がある。子どもの背丈だったので、思わず口から言葉が漏れる。
「ノア……?」
「サリエラ様っ……!」
 暗闇の中から聞こえる声に向かって、私は駆けた。
 早く助けなくては。サリエラは自分のようになってはいけない。だから、私が――。
 ドッ!
 雷が落ちる音と共に、辺りが激しく照らされる。
「あ……」
 赤だ。全てが赤かった。踏みしめた床すらもが赤く染まっていて、思わず後ずさる。
「ノア。来てくれたんだね?」
 ほんのり灯る蝋燭の炎。炎の揺らめきと共に、それを持つサリエラの姿が現れる。その手はべったりと赤く濡れ、顔にも同じく点々と赤い液体がついていた。
「それ、は……?」
 サリエラの足元に転がるそれは、この屋敷のメイドだろうか。胸から血を流したまま、ピクリとも動かない。
「ああ。これね。殺しちゃったんだ」
「まさか……、サリエラ様が……?」
 まるで何でもないように言ってのけたサリエラに、眩暈を覚える。
「そうだよ。すごいでしょ? この屋敷の人間、ぜ~んぶ殺しちゃったよ」
「そんなこと……」
 不可能だ。まだ子どもである彼にそんな真似ができるはずがない。できるはずが……。
「みんな油断しすぎなんだもん。イチコロだよ」
「それじゃあ、当主は……?」
「ベッドでぐうすか寝てる間にぐさりと刺してやったよ。チョロいもんだよ」
「まさか……」
 目の前の少年が本当に人を殺めてしまったのだと知り、言葉を失う。
 サリエラはそんな私を見て目を細めたかと思うと、独白を続けた。
「僕はね、こういうことは得意だよ。絵なんかよりもよっぽど才能があるよ。それこそ食べていけるぐらい、ね。でもね。だけどね。ノアが描けって言うのなら、僕は絵を描き続けるよ?」
 頬を血で染めた少年は、歪んだ信愛の籠もった瞳で真っすぐに私を見つめた。
「……貴方は、絵が好きじゃないのですか?」
「絵は別に好きじゃないよ。ただの感情表現さ」
「……」
「ノア、僕が怖い?」
「っ……」
 一歩踏み出したサリエラに恐怖を感じて、一歩後ろに下がる。
「そう。やっぱりそうなんだね」
「私は……」
「はは。そんな顔しないでよノア」
「サリエラ様……」
「安心してよ、僕は君を殺さない。僕は行くよ。君の目の届かない場所へ。今までごめんね、ノアール。母さんのことも、きっと謝って済むことじゃないだろうけど。この罪は僕が背負って生きるよ。だから、ね。もう大丈夫。僕は、君の幸せを遠くから祈るだけにするよ」
 少年の手が頬をするりと撫で、遠ざかる。
 まさか。これでこの呪いは終わるというのか? この悪魔が、私の幸せを願うというのか?
「サリエラ様は、これからどうするおつもりで……?」
「ふふ。馬鹿だな。ノアはそんなことを気にしないでいいんだよ?」
 そう言って微笑んだサリエラの瞳は、どこまでも優しい色をしていて……。
 この少年は、自らの命を断とうとしているのではないだろうか……?
「サリエラ様、あの……」
「ノア。僕の幕は僕が引く。いいかいノア。君は僕から解放されたんだ。もう僕のことは気にすることはない」
 確信した。この少年は、自殺する。全ての罪を、自分の命を持って償おうとしているのだ。
「待ってください! そんなこと……!」
「さようなら。ノアール。君と過ごした時は、唯一価値のあるものだったよ」
「サリエラ……!」
 サリエラが持っていた蝋燭の炎を吹き消すと、辺りは再び暗闇に包まれる。
 上手く見えない暗闇の中で必死に手を伸ばすが、サリエラには届かない。
 自分でも、どうして彼を引き留めようとしているのか、わからなかった。色んな感情がない交ぜになって、最早どれが正しいのかわからなくなってしまっていた。
「痛っ……」
 手探りで歩を進めていると、つま先が何かにぶつかる。固いケースのような、懐かしく馴染み深いその大きさの箱にハッとする。
「これは……」

 ケースからバイオリンを取り出し、暗闇の中でそれを奏でる。
 自然に動いてゆく指に、全てを任せ、目を閉じる。
 行くな、行かないでくれ。私は、私は……。
 言葉にできなかった感情を、ありのまま音色に乗せる。
 手入れの届いていないまま飾られていた他人のバイオリンと、演奏することを拒み、怠っていた私の指では、良い音は出せないだろう。でも。それでも、私はサリエラに聞いてほしい一心で音を奏でる。
 こんなに激しい音が、自分の中にあったなんて。こんなにも叫びたがっていたなんて。知らなかった。でも。伝えたい。全てを、サリエラの元に届けたかった。

 どれくらい時が経ったことだろう。いつの間にか辺りは晴れ、激しい雨が嘘のように世界は輝きを取り戻していた。
 演奏の手を止め、窓を開ける。やはり外には誰もいない。
 ああ。また私は失敗してしまったのか。
「はは。でも、なんか。シエラのときよりも、堪えるな……」
 その場にへたり込み、力なく笑ってみる。
 愛していた。バイオリンも、彼も。今だって、それは継続されているのだと、痛いほどに自覚する。
 バイオリンをそっと抱き、瞳を閉じる。
 私の音は狂っていただろうか。私は、狂っているのだろうか。悪魔と称した女の息子を。こんなにも愛していただなんて。
「サリエラ……」

「そんなに可愛い顔して呼ばないでよ。すっかり意志が鈍ってしまったじゃないか」
「えっ?」
 ハッとして顔を上げると、目の前にサリエラが立っていた。
「バイオリン、やっと聴かせてくれたね」
「わ、私は……」
 何を言うべきかと考えあぐねる私の頬を、サリエラが優しく撫ぜる。
「ねぇ、ノアール。僕はね、本当は絵が嫌いだったんだ。お母様とお父様に見せたら、化け物だって言われちゃってさ。それからは、誰にも見せないように、描かないようにしてたんだけどさ。あの日、どうしても描きたくなったんだ。辛くて、悲しい気持ち、絵に全部落とし込んだら楽になるかなって」
 知らなかった。彼にも辛く悲しい気持ちがあっただなんて。ああ、だからあの絵はあんなにもおぞましいものだったのか。
「そんな絵を、君に見られて、僕は死にそうだった。化け物だって言われたらどうしようって思った。でも。ノアはそれを、まるで美しいものを見るような目で見てくれた」
 だって、あれは確かに価値があった。おぞましいけれど、芸術としては完璧だった。
「ノアに才能があると言われた時、嬉しかったんだ。だからノアのためなら、僕は絵を描こうって思ったんだ。だって、僕はノアが好きだから」
 好き、という台詞のところで、サリエラの指に唇をなぞられる。勘違いしていい間柄ではないのに、妙に色っぽいサリエラの瞳は真っすぐに私を捕らえる。
「僕がノアの絵を見せた時、君は変な顔をしてたけど、ごめん。あれは美しかったんだ。君が憎しみに溺れているのが美しくて。つい君の心を映した絵を描いてしまったんだ。でも、違う。僕の目に映る君は、こうだよ」
「これは……」
「さっき描いたんだ。バイオリンのお礼」
 紙切れに鉛筆で描かれただけの肖像画。それなのに、まるで色がついてるみたいに線が美しく鮮やかで、淡く、それでいて優しく……まるで愛に溢れていて。
「僕は別に花が美しいとは思わない。でも、それを愛でる君はとても美しいと思えたんだ。僕は、いつだって君の美しさに救われてきたんだよ、ノア」
「私が、美しい……?」
「そうだよ。僕にとって大切なものはノアだけだ。だから、僕は君に幸せになって欲しいんだよ。……ノアール、僕は君が好きだ」
「それは、どういう意味で……」
「わかるだろ? ノアール」
「っ……」
 甘く囁かれたそれは、あっという間に体を火照らせる。
「僕は君を愛している。だけど、僕は存在するだけで君を傷つけてしまうだろう? 僕はそれが我慢ならない。だから、僕は君を呪縛から解き放ってあげたかった。それなのに」
 サリエラの瞳が弱々しく揺れる。初めて見るその陰のある表情に、馬鹿な私の心臓はぎこちなく高鳴る。
「君のバイオリンの音色を聞いて、どうしようもなく恋い焦がれてしまった。だって、あんなに切ない音を聞いたら、君を放っておけるはずがない」
「そんなに、私の音色は、情けなかったですか……」
 思い切り演奏しておいて、今更襲い来る羞恥に耐えられずに視線を地面に落とす。
「初めて本当のノアの気持ちを知ったよ。てっきり君は僕のことを金のなる木としか、憎い女の息子としてしか見ていないんだろうって思ってたから。本当に、嬉しかった」
 驚いた。どうやらサリエラも馬鹿ではないらしい。自分が利用されているだけだと知っていたとは。
「ねえ。もし君が僕を許してくれるというのなら、できることなら、僕に君を幸せにする権利を与えて欲しいんだ。愛しているよ、ノアール。僕の生きる意味は君だけなんだ」
 熱い視線が注がれる中、私は戸惑った。まさか、こんな展開になるとは夢にも思っていなかった。
「でも、その、私は……」
「ノア。君は僕を利用して生きればいい。僕は君のために絵を描くよ。だから、どうか僕の愛を受け入れて? なんなら母さんの代わりとしてでも……」
「やめてください、サリエラ。私はもうあの女への未練はありません。憎しみすらも薄れてしまいました。だから、気遣いなど無用です」
「ノアール……」
「ご存じの通り、私はとっくの昔に貴方に情を抱いてしまっているのです。それが親愛なのか、はたまた恋なのかはわかりませんが、私はもう貴方を拒めない。例え、貴方が絵を描かなくとも、私は貴方の傍に居たい」
「情熱的な台詞。でも、きっと君は後悔するよ?」
「いいえ。これだけ道を踏み外しておいて、今更私はどこにもいけませんよ」
「それは僕も同意見だな。似た者同士、仲良く生きようじゃないか」
「ふふ。そうですね」
 ようやく零れた笑みと共に、目尻から涙が零れ落ちる。それを掬い取ったサリエラの指が優しく髪を撫で、そして、唇が重なり合う。
 これはハッピーエンドではないのかもしれない。犯した罪が多すぎた。だけど。私たちはもう止まれない。

「ノア、お願い。バイオリンを弾いておくれ。僕はその姿を絵に描きたいんだ」
 相変わらず澄んだ声で、サリエラが私を呼び止める。
「わかりました。でも、今度売りに行く絵もちゃんと描いてくださいよ?」
「うん。わかってる。今度は海が見える街に行こう。そこで綺麗な海を描いてみせるよ」
「ああ。海ならばきっと良い絵が描けるでしょう」
「その次は山に行こう。そんでもってその次はとびきり賑やかな街に行こう」
「ええ。貴方とならば何処へでも」
 バイオリンの音色が絵の具の中に溶け込んで、一つの美しい芸術を生み出してゆく。
 二人の罪が完全に消えることはないのだろう。だけど、私たちは生きることを選んだ。
 この美しい世界の中で。
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