君は太陽

咲夢(さゆ)

文字の大きさ
1 / 4

私の新しい家族。

しおりを挟む
  当時8歳だった 私には、誰よりも頃信頼出来る一家がいた。
その一家は、いつもひとりぼっちの私に親切にしてくれた。始まりはお父さんとお母さんが離婚した時だ。私は悲しくて家を飛び出した。そして近所の神社で1人でお昼ご飯を食べていると、声をかけられた。顔を上げるとそこに居たのは、向かいに住む6歳の女の子だった。私は、流れていた涙を拭いて
「何?」
と震えた声で言った。すると
「おかぁーさーぁーん!女の子が泣いてるぅー!」
と女の子が叫ぶと、後ろから
「どーしたー!?」
と叫びながらその女の子のお母さんが走ってきた。私はビックリした。だけど女の子のお母さんはそのまま私に飛びついた。
「。。。???」
私はお母さんを思い出した。すると涙がまた溢れ出てきた。私は必死に止めようと思ったけど、なんでか止まらなかった。それから私は花木さんの家によく行くようになった。だが通いだして半年が経ったある日、花木さん家のお母さんとお父さんが死んだ。交通事故だ。3人の子供はバラバラに住むことになってしまった。一番下の次男、優斗(ゆうと。5歳)は栃木へ。長女、優凛(ゆうり。6歳)は、大阪へ。そして長男、凛斗(りんと。15歳)は、あの家に残ることになった。
そして私もそれから1年くらいして引っ越した。隣町だからすぐ行けるけど。

あれから9年が経った。 
(何ヶ月ぶりだろ。。。何回歩いても懐かしく感じるなー。)
そんなことを思ってると頭に何かが乗っかった。
(まっまさか。。。!)
「よっ!かーぎょ!」
ムッ
(やっぱし!)
「かぎょじゃないし!かおだし!」
「あーはいはい」
こいつは凛斗。前遊びに行ってた時もこんな風にいじめてきた。だけど嫌じゃなかった。この会話はもう何回も繰り返してる。もう。いつもいつも大変なんだから。
「今日はどした?かぎょ。」
またぁー!
「だ、か、ら!かおだって!私の名前は華魚!
もう。」
ホンットに!
「ぷくくく。。。はい!で?」
あっそうだった。でも今日はそれといった理由はない。
「べっ別に。。。ただの散歩だっ!」
本当は会いたくなったとか死んでも言えない。。。私は、お父さんに嫌われている。だからそれで傷ついたら、いつも凛斗に聞いてもらってる。そして今日は、無視され続けている。
「まぁいい。もう暗いのに女子高生が歩いてたら危ないぞ?」
「そっそうだな!じゃあ帰ろう!じゃあな!」
私は、回れ右をして家に帰る道を辿った。すると後ろから
トコトコトコトコ
と私以外の足音がする。だが私は後ろを振り返らず歩いた。でもさすがに怖くなって、思いっきり振り返り、パンチをかました。すると
「うを!いってー。。。かぎょーいきなりパンチはいけねーよ」
「!?!?り、凛斗!?なんでいんだよ!」
そう。足音の正体は凛斗だったのだ。
「心配になっておってきたんだよ。」
凛斗は、私を心配しておってきたのだ。

家に着いた。
「た、ただいま」
ガチャ     お父さんだ。
「待ってたぞ。ほら。」
渡されたのは、私の私物だった。
「お、お父さん?なに?」
私がそう聞くと
「俺が嫌なら出てけ。」
私は固まった。そして今まで我慢してきた涙が溢れ出てきた。するとドアが開き、
「おい!それでも父親かよ!」
凛斗が入ってきたのだ。
「りん。。。と」
凛斗は、泣いてる私を見て
「行くぞ!華魚」
私はお父さんに渡された荷物を持ったまま、引っ張られた腕に頼るようについてった。さっきまで凛斗とワイワイ楽しみながら通ってた道をまた2人で今度は静かに通ってる。私は、ハッとして凛斗に聞いた。
「ちょっ!凛斗どこに連れてくの!?」
私は涙を拭いて聞いた。
「決まってるだろ。俺の家だよ。」
私はビックリしたが、気づいたら、泣いていた。悲しいんじゃない。悔しいんでもない。そう。嬉しかったのだ。
「ぶはっ!何泣いてるんだよーかぎょー!」
「うぅ~!かぎょじゃないしっ!。。。っかおだしっ!うっうっ!」
私はもう我慢できなくなって声を出して泣いた。凛斗は、少しオロオロしてたけど歩幅を揃えて手を繋いだまま歩いて凛斗の家に帰った。

「りっ凛斗!あの、迷惑じゃないか?私なんかがお邪魔して。。。」
私がちょっと心配そうに言った。すると
「大丈夫に決まってんだろ!だってかぎょは、今日から家族だからなっ!」
私はさっき流したばっかりの涙がまた溢れ出てきた。
「っ。。。!うっん!」
5月1日。私は花木凛斗に連れられ
「花木」になった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。 そこで待っていたのは、最悪の出来事―― けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。 でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――

貴方なんて大嫌い

ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い

悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。

しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。 断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。

【完結】逃がすわけがないよね?

春風由実
恋愛
寝室の窓から逃げようとして捕まったシャーロット。 それは二人の結婚式の夜のことだった。 何故新妻であるシャーロットは窓から逃げようとしたのか。 理由を聞いたルーカスは決断する。 「もうあの家、いらないよね?」 ※完結まで作成済み。短いです。 ※ちょこっとホラー?いいえ恋愛話です。 ※カクヨムにも掲載。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

処理中です...