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甲斐が満期釈放となったこの年、凛義は獲得賞金七千万円を突破し、年末に開催されるグランプリへの出場権を手に入れた。
あっという間の三年だった。五十嵐が生きていると知ってから、凛義は一度も甲斐の面会に行っていない。
「グランプリに出れるなんてほんとすごいっ! 優勝目指して、頑張って来いよ」
「マジで応援してるから!」
支部仲間が祝賀会を開いてくれた。皆の激励をどこか一歩引いて聞いてしまうのは、彼らの言葉が通り一遍で、つい最近、人気レーサーが度重なる誹謗中傷を開示請求したところ、犯人が同期だったという噂を耳にしたからかもしれない。
疑心暗鬼とまでは言わない。表面的に応援の体をとってくれる彼らの気遣いはありがたいし、レーサー同士でなければ分かち合えないこともある。
でもふとした瞬間に奥の言葉を思い出す。結局、純粋な応援は観客からしか得られないのではないか。
「ありがとう。難しいだろうけど、頑張ってくるよ」
飲み会を終え、帰路につく。十一月下旬。東京は真冬の寒さで、ダウンジャケットを着ていても指先から凍えるような冷気が上ってくる。
マンションが見えてきた。慣れ親しんだ一本道を進んでいると、植え込みのそばに立つ、薄着の男が目についた。
「甲斐さん?」
口の中でつぶやいたつもりが、男がこちらを向く。坊主に近い黒髪に手をやり、「遅い」と甲斐は言った。上がった口角は寒さのせいか、引き攣ったように見える。唇は真っ青だった。
「甲斐さんっ……どうして……」
駆け寄り、シャツ一枚の体にダウンジャケットを羽織らせた。
「どうしてって……いつでも頼れ言うたのはわりゃじゃろ。あの手紙はガセか?」
面会には行かなかったが、困ったらいつでも頼ってくださいと未練がましい手紙は送りつけた。
「中国に行くんじゃなかったんですか?」
「なによーるん。あんなとこ行ったってしゃーないやん」
「だって……五十嵐さんが……」
甲斐は凛義の顔を覗き込み、「あほ」と笑った。
「五十嵐さんは死んだんやで。そう言うたやん」
頬をペチンと叩かれる。ひんやりとした手にハッとし、「とりあえず、中、入りましょう」とマンションに連れ込んだ。
玄関に入った瞬間、理性が吹っ飛んだ。背後から甲斐にしがみつく。けれどダウンジャケットから香るのは自分の香水だ。乱暴にダウンジャケットを脱がし、薄い体を抱きしめた。
「そがいに好きやったら面会来いや」
「すみません」
「わしな、雑誌とかネットニュースとか、いろいろ調べたんよ。わりゃが他に恋人できとったらノコノコ来れんやん」
「いませんよ。いるわけないじゃないですか」
「……じゃったら面会来いて」
「すみません」
耳に齧り付く。くすぐったいのか、甲斐は肩をすくめた。
「耳、めちゃくちゃ冷たいです。何時間待ったんですか?」
「うる……さい。早う湯船浸からせろや」
「一緒に入ってもいい?」
「勝手にし」
「はあ……やばい。夢みたいだ……」
「前科モンに夢中になるなんて、残念なレーサーじゃな」
「いいです。別に。どうでもいい」
「なんや、洒落た時計つけとるやん」
甲斐の手が凛義の腕時計に触れる。
「甲斐さんがバカにしたセイコーですよ」
「日本が誇る一流ブランドやで。わしがバカにするわけないやん」
「忘れないでくださいよ」
そんなこともおかしくて、凛義はクスクスと笑った。
「尼崎のプールによう似とる」
「諏訪湖です」
「なんや湖か」
細い顎をつまみ、首を伸ばして唇を重ねた。冷たい唇の中はコーヒーの味がした。甲斐の手には缶コーヒーが握られている。さりげなく取り上げ、「風呂、入れてきます」と目を見据えて言った。欲望にまみれた瞳に怯んだのか、甲斐はふいっと目を逸らした。
湯が溜まるのも待てずに、バスルームに甲斐を連れ込んだ。温かいシャワーに当たりながら、泡立てた石鹸で後ろから彼の体を洗う。脇腹を撫でながら、尻の間に指を差し込んだ。
「んっ……」
「きついですね」
「嘘やん。わし、あっちで色んなもん咥えとったで」
「は?」
「んんっ……指じゃ、足らんくて」
煽られているのか。もどかしくなり、まだ狭いそこから指を引き抜く。とっくに硬くなったペニスを彼のそこに当てがうと、彼の背中がびくりと震えた。身構えるように、壁についた手の位置を変える。凛義はその手を上から押さえつけた。
「ひっ……」
「痛い?」
目の横にキスしながら聞いた。腰を突き出せばめりめりと中へ吸い込まれていく。
「うっ……いっ……たくは……んっ……じゃけ……き、つい……わりゃん……こんなっ……」
腰を突き出すと、甲斐の背中がのけぞった。
「あっちで男咥えすぎて、忘れちゃいました?」
「ん……わ、が……ああっ……」
「まだ半分も入ってないよ」
軽く引き、生まれた空洞をすぐさま埋めた。
「はあっ……あっ」
焦らすつもりが、自分の方が我慢の限界だった。両手で腰を掴んで奥まで一気に突き入れる。
「ああっ!」
「あー……やばい。甲斐さんの中、すげえ気持ちい……」
「わ、ひあ……急……にっ……」
「動きますね」
「ちょ……んあっ、ああっ」
凛義は欲望のままに腰を動かした。
「ひっ……んっ」
すぐに達してしまいそうだった。甲斐の中はきつくて温かい。掴んだ腰がびくびくと震え、見ると、壁に乳白色の液体が滴り落ちていた。
「ああ……」
息を荒げ、自身の放ったものをぼんやりと見つめる姿がどうしようもなく可愛い。
「俺もいっていい?」
「あ……」
激しく腰をゆすった。壁から手が離れ、甲斐の体がガクンと落ちかける。凛義は両腕で彼の体を抱きしめ、下からずいっと突き上げた。
「ひああっ」
悲鳴のような嬌声がバスルームに響く。足先から耐え難い快感が迫り上がってきて、凛義は凶暴な欲望を余すことなくぶち込んだ。自分の性器が、甲斐のなかでどくどくと波打つ。まるで共鳴するように甲斐の体もびくんびくんと波打った。
「思い出しました?」
「ん……ぁっ」
軽く動かすと、クチュッと卑猥な音がした。
「あっちで咥えた男のこと、忘れました?」
「お……とこ、なんか……咥えとらん」
「え?」
甲斐は体を揺らして笑った。
「あほお……わしが咥えとったんは、歯ブラシとか、石鹸とか……ものじゃよ、モノ!」
想像しただけで復活した。
「あっ……ははっ……なんじゃ、興奮したん……ほんま……残念なレーサー……っ」
「どこがですか。一番好きな人に選んでもらえたのに」
「選ぶもなにも、わりゃしか残っとらんし」
「良いんですか、本当に。俺、もう耐えられる気がしないです。あとからやっぱ五十嵐さんが良いとか言われて、中国行かれたら……絶対立ち直れないです」
「あほやなー」
軽々しい、けれど泣きそうな声で甲斐は言った。
「あの人はとっくに死んだんじゃ」
今になって、凛義は同じだと気づいた。自分が「生きている」と嘘をつくのと同じかそれ以上に、その嘘は苦しい。
「……すみません」
「なんで謝んの。わしは仕事、失ったんよ。幸せにしますとか、もっと気前のええこと言えや」
「幸せにします」
「おう……期待しとる」
「甲斐さん……好きです」
「よーく知っとるよ」
優しい口調が胸に沁みた。多幸感に包まれながら、凛義はバカみたいに「好きです」と繰り返した。
あっという間の三年だった。五十嵐が生きていると知ってから、凛義は一度も甲斐の面会に行っていない。
「グランプリに出れるなんてほんとすごいっ! 優勝目指して、頑張って来いよ」
「マジで応援してるから!」
支部仲間が祝賀会を開いてくれた。皆の激励をどこか一歩引いて聞いてしまうのは、彼らの言葉が通り一遍で、つい最近、人気レーサーが度重なる誹謗中傷を開示請求したところ、犯人が同期だったという噂を耳にしたからかもしれない。
疑心暗鬼とまでは言わない。表面的に応援の体をとってくれる彼らの気遣いはありがたいし、レーサー同士でなければ分かち合えないこともある。
でもふとした瞬間に奥の言葉を思い出す。結局、純粋な応援は観客からしか得られないのではないか。
「ありがとう。難しいだろうけど、頑張ってくるよ」
飲み会を終え、帰路につく。十一月下旬。東京は真冬の寒さで、ダウンジャケットを着ていても指先から凍えるような冷気が上ってくる。
マンションが見えてきた。慣れ親しんだ一本道を進んでいると、植え込みのそばに立つ、薄着の男が目についた。
「甲斐さん?」
口の中でつぶやいたつもりが、男がこちらを向く。坊主に近い黒髪に手をやり、「遅い」と甲斐は言った。上がった口角は寒さのせいか、引き攣ったように見える。唇は真っ青だった。
「甲斐さんっ……どうして……」
駆け寄り、シャツ一枚の体にダウンジャケットを羽織らせた。
「どうしてって……いつでも頼れ言うたのはわりゃじゃろ。あの手紙はガセか?」
面会には行かなかったが、困ったらいつでも頼ってくださいと未練がましい手紙は送りつけた。
「中国に行くんじゃなかったんですか?」
「なによーるん。あんなとこ行ったってしゃーないやん」
「だって……五十嵐さんが……」
甲斐は凛義の顔を覗き込み、「あほ」と笑った。
「五十嵐さんは死んだんやで。そう言うたやん」
頬をペチンと叩かれる。ひんやりとした手にハッとし、「とりあえず、中、入りましょう」とマンションに連れ込んだ。
玄関に入った瞬間、理性が吹っ飛んだ。背後から甲斐にしがみつく。けれどダウンジャケットから香るのは自分の香水だ。乱暴にダウンジャケットを脱がし、薄い体を抱きしめた。
「そがいに好きやったら面会来いや」
「すみません」
「わしな、雑誌とかネットニュースとか、いろいろ調べたんよ。わりゃが他に恋人できとったらノコノコ来れんやん」
「いませんよ。いるわけないじゃないですか」
「……じゃったら面会来いて」
「すみません」
耳に齧り付く。くすぐったいのか、甲斐は肩をすくめた。
「耳、めちゃくちゃ冷たいです。何時間待ったんですか?」
「うる……さい。早う湯船浸からせろや」
「一緒に入ってもいい?」
「勝手にし」
「はあ……やばい。夢みたいだ……」
「前科モンに夢中になるなんて、残念なレーサーじゃな」
「いいです。別に。どうでもいい」
「なんや、洒落た時計つけとるやん」
甲斐の手が凛義の腕時計に触れる。
「甲斐さんがバカにしたセイコーですよ」
「日本が誇る一流ブランドやで。わしがバカにするわけないやん」
「忘れないでくださいよ」
そんなこともおかしくて、凛義はクスクスと笑った。
「尼崎のプールによう似とる」
「諏訪湖です」
「なんや湖か」
細い顎をつまみ、首を伸ばして唇を重ねた。冷たい唇の中はコーヒーの味がした。甲斐の手には缶コーヒーが握られている。さりげなく取り上げ、「風呂、入れてきます」と目を見据えて言った。欲望にまみれた瞳に怯んだのか、甲斐はふいっと目を逸らした。
湯が溜まるのも待てずに、バスルームに甲斐を連れ込んだ。温かいシャワーに当たりながら、泡立てた石鹸で後ろから彼の体を洗う。脇腹を撫でながら、尻の間に指を差し込んだ。
「んっ……」
「きついですね」
「嘘やん。わし、あっちで色んなもん咥えとったで」
「は?」
「んんっ……指じゃ、足らんくて」
煽られているのか。もどかしくなり、まだ狭いそこから指を引き抜く。とっくに硬くなったペニスを彼のそこに当てがうと、彼の背中がびくりと震えた。身構えるように、壁についた手の位置を変える。凛義はその手を上から押さえつけた。
「ひっ……」
「痛い?」
目の横にキスしながら聞いた。腰を突き出せばめりめりと中へ吸い込まれていく。
「うっ……いっ……たくは……んっ……じゃけ……き、つい……わりゃん……こんなっ……」
腰を突き出すと、甲斐の背中がのけぞった。
「あっちで男咥えすぎて、忘れちゃいました?」
「ん……わ、が……ああっ……」
「まだ半分も入ってないよ」
軽く引き、生まれた空洞をすぐさま埋めた。
「はあっ……あっ」
焦らすつもりが、自分の方が我慢の限界だった。両手で腰を掴んで奥まで一気に突き入れる。
「ああっ!」
「あー……やばい。甲斐さんの中、すげえ気持ちい……」
「わ、ひあ……急……にっ……」
「動きますね」
「ちょ……んあっ、ああっ」
凛義は欲望のままに腰を動かした。
「ひっ……んっ」
すぐに達してしまいそうだった。甲斐の中はきつくて温かい。掴んだ腰がびくびくと震え、見ると、壁に乳白色の液体が滴り落ちていた。
「ああ……」
息を荒げ、自身の放ったものをぼんやりと見つめる姿がどうしようもなく可愛い。
「俺もいっていい?」
「あ……」
激しく腰をゆすった。壁から手が離れ、甲斐の体がガクンと落ちかける。凛義は両腕で彼の体を抱きしめ、下からずいっと突き上げた。
「ひああっ」
悲鳴のような嬌声がバスルームに響く。足先から耐え難い快感が迫り上がってきて、凛義は凶暴な欲望を余すことなくぶち込んだ。自分の性器が、甲斐のなかでどくどくと波打つ。まるで共鳴するように甲斐の体もびくんびくんと波打った。
「思い出しました?」
「ん……ぁっ」
軽く動かすと、クチュッと卑猥な音がした。
「あっちで咥えた男のこと、忘れました?」
「お……とこ、なんか……咥えとらん」
「え?」
甲斐は体を揺らして笑った。
「あほお……わしが咥えとったんは、歯ブラシとか、石鹸とか……ものじゃよ、モノ!」
想像しただけで復活した。
「あっ……ははっ……なんじゃ、興奮したん……ほんま……残念なレーサー……っ」
「どこがですか。一番好きな人に選んでもらえたのに」
「選ぶもなにも、わりゃしか残っとらんし」
「良いんですか、本当に。俺、もう耐えられる気がしないです。あとからやっぱ五十嵐さんが良いとか言われて、中国行かれたら……絶対立ち直れないです」
「あほやなー」
軽々しい、けれど泣きそうな声で甲斐は言った。
「あの人はとっくに死んだんじゃ」
今になって、凛義は同じだと気づいた。自分が「生きている」と嘘をつくのと同じかそれ以上に、その嘘は苦しい。
「……すみません」
「なんで謝んの。わしは仕事、失ったんよ。幸せにしますとか、もっと気前のええこと言えや」
「幸せにします」
「おう……期待しとる」
「甲斐さん……好きです」
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