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才能の代償
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服部美穂は,幼い頃から優秀だと目を付けられた。美穂の親は,娘の教育を重視し,レベルの高い高等学校に通わせられるように,共働きをして,頑張って稼いだ。
親と本人の努力のおかげで,無事に,名門大学に入学出来た美穂は,法学部に入り,自分の会社を立ち上げるという夢に向かって,学問に励んだ。しかし,いざ,卒業して,創業してみると,女性であることで,周りになめられ,不利な扱いを受けたりする世の中に放り出され,自分の起業家としての存在を認めてもらおうとあたふたした。
粘り強く,めげずに,積み重ねた努力が功を奏し,事業がようやく軌道に乗った。しかし,慌てふためいた時期がトラウマとなり,気がついたら,美穂は,起業家としての顔しか,世間に見せない人になっていた。
部下に対し,ハッタリや辛口の批評を使い,自分の立場を守る。他人には,仕事関係以上の関心を持たない。自分の感情を絶対に見せない。他人の感情に例え気付いても,冷たくスルーする。鉄の女になっていた。
***
社長室から女性の泣き声が聞こえ,雄二は気になった。社長ではないようだった。
「山田さん,朝から仕事に身が入らないようですが,どうしましたか?」
服部社長が若い女性社員の山田に質問した。
「申し訳ありません。もう,大丈夫です。」
山田が頭を恥ずかしそうに下げて,謝った。
「山田さん,朝から,ずっと涙を流していますよね?大丈夫じゃないですよね?何があったんですか?」
服部社長が山田さんに顔を近づけて,追求した。
山田は,何も言わずに,社長の顔から目を逸らし,俯いた。
服部社長が呆れたように小さくため息をついてから,言った。
「山田さんが取り乱しているせいで,仕事の効率が下がっているというのに,話してもらわないと,社長として困ります。」
「…すみません。あの…5年も,付き合っていた人に,昨日,突然振られて…とてもショックで…。すみません。」
山田さんがうなだれたまま,説明した。
「その些細なことで?」
服部社長は,呆れて言った。
「山田さん,彼氏とのことは,プライベートです。ここは,職場です。プライベートの事柄を職場に持ち込まないで欲しいです。傷ついたかもしれませんが,仕事中は,プライベートのことを忘れて、仕事に集中してもらわないと困ります。」
服部社長が幼い子供を諭すように、山田さんを説教し始めた。
「すみません。もう二度と人を好きになったりしません!」
山田さんが頭を下げて,また謝りました。
「仕事に支障が出るなら、それがいいと思いますよ。」
服部社長が厳しく言い放ってから,山田さんを席に戻らせた。
山田さんが涙の粒を顔についたまま,戻って来ると,雄二が心配になり,尋ねた。
「あの…さっき,社長室で泣いていましたよね?」
山田さんは,泣いていたことに気づかれたのが恥ずかしくて,照れ臭く頷いた。
「大丈夫ですか?」
雄二が訊いた。
「大丈夫です。すみません。」
山田さんが謝った。
「…社長に何か言われましたか?」
雄二が気になって,尋ねた。
「違います。」
山田さんが素っ気なく答えた。
親と本人の努力のおかげで,無事に,名門大学に入学出来た美穂は,法学部に入り,自分の会社を立ち上げるという夢に向かって,学問に励んだ。しかし,いざ,卒業して,創業してみると,女性であることで,周りになめられ,不利な扱いを受けたりする世の中に放り出され,自分の起業家としての存在を認めてもらおうとあたふたした。
粘り強く,めげずに,積み重ねた努力が功を奏し,事業がようやく軌道に乗った。しかし,慌てふためいた時期がトラウマとなり,気がついたら,美穂は,起業家としての顔しか,世間に見せない人になっていた。
部下に対し,ハッタリや辛口の批評を使い,自分の立場を守る。他人には,仕事関係以上の関心を持たない。自分の感情を絶対に見せない。他人の感情に例え気付いても,冷たくスルーする。鉄の女になっていた。
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社長室から女性の泣き声が聞こえ,雄二は気になった。社長ではないようだった。
「山田さん,朝から仕事に身が入らないようですが,どうしましたか?」
服部社長が若い女性社員の山田に質問した。
「申し訳ありません。もう,大丈夫です。」
山田が頭を恥ずかしそうに下げて,謝った。
「山田さん,朝から,ずっと涙を流していますよね?大丈夫じゃないですよね?何があったんですか?」
服部社長が山田さんに顔を近づけて,追求した。
山田は,何も言わずに,社長の顔から目を逸らし,俯いた。
服部社長が呆れたように小さくため息をついてから,言った。
「山田さんが取り乱しているせいで,仕事の効率が下がっているというのに,話してもらわないと,社長として困ります。」
「…すみません。あの…5年も,付き合っていた人に,昨日,突然振られて…とてもショックで…。すみません。」
山田さんがうなだれたまま,説明した。
「その些細なことで?」
服部社長は,呆れて言った。
「山田さん,彼氏とのことは,プライベートです。ここは,職場です。プライベートの事柄を職場に持ち込まないで欲しいです。傷ついたかもしれませんが,仕事中は,プライベートのことを忘れて、仕事に集中してもらわないと困ります。」
服部社長が幼い子供を諭すように、山田さんを説教し始めた。
「すみません。もう二度と人を好きになったりしません!」
山田さんが頭を下げて,また謝りました。
「仕事に支障が出るなら、それがいいと思いますよ。」
服部社長が厳しく言い放ってから,山田さんを席に戻らせた。
山田さんが涙の粒を顔についたまま,戻って来ると,雄二が心配になり,尋ねた。
「あの…さっき,社長室で泣いていましたよね?」
山田さんは,泣いていたことに気づかれたのが恥ずかしくて,照れ臭く頷いた。
「大丈夫ですか?」
雄二が訊いた。
「大丈夫です。すみません。」
山田さんが謝った。
「…社長に何か言われましたか?」
雄二が気になって,尋ねた。
「違います。」
山田さんが素っ気なく答えた。
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