美形×平凡 短編BL小説集

鯛田オロロ

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ルームシェア(大学生・現代)

ルームシェア1※

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高校一年の時からの密かに片想いしている友人の司と、大学入学を期にルームシェアを始めた。大学は違うんだけど、二人の大学の間ぐらいに2LDKの部屋を借りている。

『大学決まったら、一緒に住まない?』

そう言われたとき、驚いたけど嬉しかった。

司と親しくなったきっかけは、高校の入学式に俺が実家の犬にじゃれつかれ、真新しい制服が犬の毛まみれのまま登校したことだった。

『それ、犬の毛?』

隣の席の人に、突然話しかけられ、そちらを向いた。

それが、めちゃくちゃかっこよくてびっくりした。高くすっきりとした鼻梁、長いまつげに縁どられた切れ長の目、さらりとした前髪。美少年、というか、美青年というか。

『う、うん』

『うちも犬飼ってるんだ』

そう言いながら司は相好を崩した。これは反則だ。笑顔は途端に親しみやすい。

それから飼い犬の写真や動画を見せ合ったりして仲良くなった。



司は、すぐにクラスで、学校で一目置かれる存在になった。

眉目秀麗、品行方正、文武両道。その上、誰にでも別け隔てなく優しく、みんなから一目置かれて頼られる。一年でテニス部のレギュラーになり、最終的には主将、クラスの委員長も三年間していた。

帰宅部の俺と司とは、司の部活のない日は一緒に帰ることもあった。部活のない日は、司と遊びたい他の人達もいるから毎回というわけではないけど。

お互い無類の犬好きで、散歩中の犬を見かけると自然とふたりとも目で追ってしまった。

『いいお尻してるな』

『うん、最高だね』

なんてよく笑いあった。


俺なんかと司がいるのがおかしいのか、クラスメイトに突っかかられたこともあった。

『なんでお前なんかと司は仲良くしてんの?』

多分、学校で司と一番親しいのは俺だった。突っかかってきたのは、司に何かと言えば話しかけているクラスメイトだった。俺を邪魔に思っていることは知っていた。

『さあ……犬飼ってるからかな』

クラスメイトの男は、釈然としないようすで立ち去っていった。俺だってよくわからない。犬好き同士通じるものがあった、ということか。いや、犬が好きな人間なんてごまんといるし。

たまたま、隣の席にいたから。多分それだけ。

あと、俺の髪の毛が気に入っているのかもしれない。

ことあるごとに、わしゃわしゃと俺の髪で司は遊ぶ。それは今でもそう。整髪剤もつけてないからわしゃわしゃされたって困らない。やめてよ、なんていいながら、嬉しかった。

『シロウと同じ手ざわりなんだよな、たまんないな』

シロウは司の家の犬だ。遊びに行ったときに触ってみたけど、本当に同じ手触りだった。


片想い相手と同棲、ではなくて、ルームシェアなんてうきうきしていた。

あっちの部屋のが良かったかなとかなんとかいいながら部屋を決めたのも、家具や家電など生活に必要なものを一緒に買いに行くのも楽しかった。並んで刺さった歯ブラシを見るのさえ幸せだった。

ごみ捨てとか、洗濯とか、皿洗いはしたことがなかったみたいだけど、俺が気になるところを言えば、すぐに直してくれた。

『そっか、今まで母さんがしてくれてたのか』

と、ぼそりと呟きながら。

俺の方も、司から言われて直したことが一つだけある。風呂上がりなどに、下着姿でうろつかないこと。

『俊貴、それは、やめよう。目の毒っていうか』

目の毒。見ると害になるもの、か。何もそんな言い方しなくても、と思ったけど、男の下着姿なんか見たいもんじゃないか。俺のうちだと下着でうろうろするのはお祖父ちゃんも父さんも当たり前だったけど、司の家では違うらしい。



五月の司の誕生日にはちょっと奮発したご飯を近くのスーパーで買ってきて二人で食べた。

『誕生日おめでとう』

『ありがとう。今日は、俊貴と暮らし始めて一ヶ月でもあるね。これからもよろしくね』

なんか、司のものすごく特別な存在になった気がした。

一緒に住んで、買い物に言って、誕生日を祝って、司が笑って。

プレゼントにはシャープペンシルを贈った。男の友人からのちょっとしたものって難しい。これまでは、お金もないし帰りにジュースおごるとかそんなものだった。

『ありがとう! 大切にするね』

そんな高いものではないし、実はこっそり色違いを自分用に買ってたりという気持ち悪いこともしてるんだけど。



暮らし始めて三ヶ月。

実際は生殺しもいいところだと気がついた。俺の考えが完全に足りなかった。

一緒に暮らして、もっと司が好きになってしまった。

こんなに距離が近いのに決して手に入ることはない。

神話に、首まで水まで満たされているのに、いざのどが渇いて水を飲もうとすると、水位が下がってしまう、なんていうのがあった。

目の前に大好きな相手がいるのに、相手はこちらに振り返ることはない。

男同士という絶望の上、俺は、自分に魅力がないのも知っている。

低く丸い鼻、大きいだけの目、自信のなさの表れた眉、厚ぼったい唇、中肉中背、胴長短足。

性格がいいわけでもないし、勉強はそこそこだけど、スポーツは壊滅。

司にとっては、この犬と同じ手触りの、落ち着きのない癖毛の髪だけは加点ポイントかもしれないけど。

友人としてさえ不釣り合いに思われるのだ。気持ちに蓋をして、殊更ごく普通の友人のように振る舞った。

それだけならいいのに、司といると、どうしてもムラムラしてしまう。その頻度がこれまでの比ではない。

愛されたい、抱かれたい。なんの役にも立たない俺の性欲なんていっそ消えてしまえばいいのに、ままならない。

ひどい自己嫌悪だ。友人になってルームシェアしているのだって奇跡としか言いようがないのに。

この、司に抱かれたいという欲望をどうにか鎮めなければならない。

アナニーで、どうにかできないだろうか。

興味はあったが、これまでアナルオナニーはしたことなかった。実家にはいつも誰かしらいたし、親は勝手に部屋に入ってくるし片付けるし掃除もするし。いや、ありがたいんだけど、思春期の男子としては無理すぎる。

早速ネットで注文した。はりがた、とか、ディルドとか言うものと、球が連なったような棒状の徐々に太くなるアナル開発用のスティック5本セット、それらに被せる用のコンドームも一緒に買った。ニトリルの手袋に、ペットシーツも買った。

ローションも買ったし、洗浄用の使い捨ての精製水の入ったビデというやつも買ってみた。通販ならなんでも恥ずかしくなく買える。無敵だ。準備は整った。

注文して翌々日。

今日は俺は一日フリー。司は朝から夕方まで講義、夜からはバイトが入っている。

「じゃあ、行ってくる」

そう言って笑顔で頭をわしゃっとされた。俺は飼い犬か。

「気をつけてね」

玄関が閉まる。

それから少しもしないうちにインターホンがなった。宅配業者だった。

司のいない時間帯に配達指定した荷物が大きな段ボールで届いた。アダルトグッズかはどこから見てもわからないが、受け取る時は顔から火が出るほど恥ずかしかった。

司がいない今日、試してみよう。バレたら絶対嫌われる。司はいつも明るく爽やかで、性的なことを想像するのもはばかられた。きっとアナニーなんて気持ち悪がられる。俺だって、アナニーしてる男が周りにいたら自分のことは棚に上げて引くと思う。

いそいそと段ボールを開け、中身を確認する。

まず男性器を模したディルド。思った以上にでかい。こんなの入る気がしない。頼んだものは全て間違いなく段ボールに入っていた。

本当にするのか、ごくりと唾を飲み込む。

手始めにトイレで腸内を洗浄する。手袋をはめ、ワセリンを尻穴に塗り付け、ノズルを挿入する。異物感はあるものの、座薬を入れるような感じで、ワセリンのぬめりもあって結構簡単に入った。ノズルの先から精製水が噴き出す。

「あひっ!」

つめたっ!

常温は冷たい。今度はちょっと温めてからつかおう。

きれいになったところで、ベッドにペットシーツをしき、ローションで穴をほぐしにかかる。

使ったこともないそこは、自分の指にさえ緊張しているようだ。

押したり引いたり、深呼吸してみたり。

まずは指一本、第一関節まで。

「んっ」

これだけですごく入れている感がある。

いや、いっそ、指よりも細い、一番細いスティックを試してみるか。

コンドームを被せて、ローションを塗りたくる。

「んっ」

肛門に触れる。これも冷たい。ゆっくりと体内に埋めていく。ローションも体温に馴染んだ。

つぷつぷと内壁を進む感覚にぞわぞわとする。ちょっと鳥肌がたった。

徐々に深くまで沈めていく。

これ、変。すごい、惨めさと興奮で変態になった気分だ。

奥まで入れて、引きずり出してみる。

「はっ、あっ……」

出すほうがぞくぞくする。なんだか漏らしてしまってるみたいな変な感じだ。ちょっと涙が出た。

少しずつ、出しては入れ出しては入れを繰り返す。

くちゅ、と時折粘膜とローションが音を立てる。

これが快感と言えるかはわからない。

でも、司を思い浮かべながら夢中になってそれを出し入れすると、たまらなく興奮した。

「あっ、つかさ、つかさ……」

気付けば前が立っていた。

スティックを入れたまま自慰をした。

「んっ、はっ、あ、つかさ、つかさっ!」

手のひらにベトベトした粘液が吐き出される。

異常な興奮でいつになく早く果てた。

やばい、いままでで一番興奮した。とんでもないことをしてしまった気がする。

消臭スプレーを振りまき、後片付けをしながらそう思った。



夜リビングでテレビを見ながらスマホをいじって、決して待っていたのではありません風に、司を待っていた。そこにバイトを終えた司が帰ってきた。

「おかえり。おつかれ」

そう言うと、頭を両手でもしゃもしゃされた。

「ただいま。んー、シロウ……」

「シロウじゃないって」

司は今日はだいぶ疲れていそうだ。俺の髪でシロウを思い出せるのなら安いものだ。

「あれ、俊貴……」

司が俺の顔を眉根を寄せてのぞき込む。

もしや、アナニーがバレたのか? いや、まさか。後ろめたさから冷や汗が出る。

「元気ないね」

「そ、そんなことないよ!」

馴れないアナニーでちょっと疲れてしまっただけだ。

「そうかな、最近レポートとか重なってて疲れてるんだよ。もう、寝たほうがいいよ」

「うん、そうする」

「俊貴が好きなプリン買ってきたから、明日の朝食べよう」

「わあ、ほんとに!? ありがとう」

はあ、優しい。好き。

疲れてる理由がしょうもなくてごめんなさい。

ますます司と自分との差が開いてしまった気がした。

自室に入ってベッドに横たわる。

こんな時には、愛犬ゴン太の動画を見るに限る。右へ左へさながら反復横跳びするゴン太、大好きなぬいぐるみを自分で放り投げて自分で取ってをひたすら繰り返すゴン太。

なんてかわいい。ただただ愛すべき存在。俺も人間やめて犬になりたい。願わくば司の犬に。



乳首オナニーとアナニーは相性がいいらしいという情報を仕入れ、乳首用のおもちゃも買ってみた。

司のいるときに届いてしまって心のなかで焦る。

「何買ったの?」

「いや、ちょっとね」

幸いそれ以上は突っ込まれなかった。

何日かして、司が長時間いないのを見計らって乳首用のおもちゃを使ってみることにした。

説明書を読んで乳首におもちゃをつけてみる。電動のそれは、ウィンウィンと音を立てながら、まるで指でくにくにと乳首をいじってるみたいに動いた。これが司の指だったら、と妄想をする。

それからアナルにスティックを入れて、司の名前を呼びながら自慰をした。

もう絵面が変態そのものじゃん。そう思うと、乳首が気持ちいい気がしてくるんだから終わってる。

こんなことして、余計に司に抱かれたい気持ちが強まる。これ完璧に逆効果じゃん、気づいたときには、もうやめられなくなっていた。


夏休みはバイトの都合で一週間だけ帰省した。司も時期がずれて一週間ほど帰った。

司がいないと、部屋はとんでもなく広い。

いけないとわかりつつ、司のいない部屋にこっそり入った。シーツやタオルケット、枕カバーは全部司が洗って干していったけど、部屋には司の匂いが残っている。

文系の俺は見ただけで頭が痛くなるような本が並んでいた。

机の上には、俺の知らない人と取った写真がぽんと置かれていた。今風の垢抜けた若い男女が映るその写真の真ん中に笑顔の司がいた。

ここに俺が写ってたらおかしいもんな。

司と俺は何なんだろう。司はなんで俺と住んでいるのか。

友達だから、と言えばそれまでだけど。

司の部屋から出て、バイトに行くために着替えて、家を出た。


長い夏休みが終わり、後期が始まった。

漠然と大学生には時間がいくらでもあるものだと思っていた。

講義受けて、バイトして、予習して、課題出して、アナニーして。それだけでもうひいひいしてる。もはやアナニーも生活の欠かせない一部になってしまっている。笑ってしまう。

講義が終わると、一斉に皆が立ち上がり、途端に騒がしくなる。親しくなった灰島と間野と大講義室を出た。

「佐藤、概論のレポート、テーマどれにする?」

灰島に聞かれる。佐藤とは俺のことだ。

「二人は?」

「どれが簡単だと思う?」

「簡単なのなんてないと思いますよ」

間野が答えて、俺も、だよね、と同意した。

「このあと飯行かない?」

「お、いいね」

今日は司が晩御飯を作ることになっていた。帰って早く司に会いたい。

でも、司だけを見ていてはいけないんだろうな、と薄々は気づいている。

司だって、ご飯を食べに行ったり遊びに行ったりしているし。何故か俺も誘ってくれるんだけど毎回断っている。司の部屋で見た写真の男女が司の世界なのだ、司の友達なのだからきっといい人たちなのかもしれないが俺が馴染めるとは思えない。

司にスマホでメッセージを送る。

『ごめん、今日、友達とご飯食べて帰る』

すぐに返事が帰ってきた。

『誰? 女の子?』

女の子の訳がないのにと苦笑する。もはや嫌味かと思うが、司は嫌味を言わない。

『女の子じゃないよ、男だよ』

『俺も行きたい』

意外な返答に驚く。

「灰島、間野。あのさ、俺の同居人がさ、来たいって言ってるんだけど、だめだよね?」

「え、まじで!?」

「俺は別にいいよ」

「俺もいいけど、そいつ変わってんな。ちゃんとダサい男二人とって言った?」

「男とは言ったよ」

近場の大きな駅で待ち合わせると、先に来ていた司が女の子二人組に話しかけられていた。

「うわ……」

そのもうどうしていいかわからない光景に、俺が思わず立ち止まると、灰島と間野も立ち止まった。

気づいた司が、女の子たちに会釈してこちらにやってくる。女の子たちが変な顔をして何やらひそひそ話している。まあ、大体想像はつく。

「俊貴」

にこやかに司が手を上げている。後光がぱあっとさしている感じ。

「俊貴の友人の長瀬です。いつも俊貴がお世話になってます」

親みたいな挨拶されて、ちょっと恥ずかしい。

「は、いえ、灰島です」

「間野です」

「すみません、今日は突然」

見慣れてる俺でも惚れ惚れする。男の容姿なんてまるで興味のない灰島と間野も、一瞬呑まれていたようだ。

あれ、なんか、今日の司、いつにも増してかっこいいな。なんだろう、髪型かな、服装かな。

「いや、いいっすよ」

「何食べます?」

「俺、ファミレスでいいんだけど、みんなどう?」

俺が言うと、みんな賛成らしい。近くの価格設定が学生に優しいファミレスに入った。

「頼もう頼もう」

メニューを開いてばんばん頼む。

司は俺に付き合ってゲームもするし、漫画も読むし、なんか意味わからないくらいアンテナが広いし、色んな人と知り合いみたいで面白い話とかもたくさん持ってて、話を盛ったりはしなくても上手いこと話す。

初対面ながら結構盛り上がった。

「今度は、このそばのラーメン屋、みんなで行かない?」

何故か司が最終的にそんなことを言い出し、間野も、灰島もいいっすね、なんて乗り気で言っていた。

なにこれ。ほんと、なにこれ。



後日。

「はじめ、めちゃくちゃ圧あるなって思ったけどいい人だったわ」

「だよな、最初ちょっとこわかった」

大学で顔を合わせると、灰島と間野がそう言った。

まあ、気持ちはわかる。俺もはじめは怖いくらいだと思ったもんな。 



十一月の俺の誕生日。随分前から、夕方から空けておいてね、と司に言われていた。

朝、ドアをノックされて、

「俊貴、起きて」

と起こされた。昨日バイトが遅かったからまだちょっと眠い目をこすりながらリビングに行くと、トースト、スクランブルエッグ、サラダが用意されていた。

「すごいね、ホテルみたい」

一気に目が覚めた。

「誕生日、おめでとう。冷めちゃうから早く食べよう」

「あ、ありがとう……いただきます」

美味しい。トーストもスクランブルエッグもサラダも。

「……おいしい!」

「よかった」

にっこり司が笑う。額に入れて飾っておきたい、きれいな笑顔だ。

「肩でも揉もうか」

「いや、いいよ」

それから、大学に行って、三限まで講義受けて、アパートには帰らず駅で司と合流した。

「ねえ、どこ行くの?」

「内緒」

いたずらっぽく司が笑う。ちょっとどきどきしてしまう。電車で隣に座るのって距離近いな。一緒に住んでるけど、こんなにくっつくことないもんな。司の体温をダイレクトに感じる。

話しながら電車に結構乗って着いたのは、山の麓の駅だった。もう日が暮れるのが早くて、夜になりつつある。

そこからケーブルカーに乗った。

「ケーブルカー、乗るの初めて」

「そっか、怖い?」

「怖くないよ」

俺だって男子大学生だぞ。

山を登っていって、終点で降りた。

そこには、夜景が広がっていた。遠く街の明かりが、輝いている。

きれいだ。

カップルがちらほらいて、俺たちは少しばかり場違いな感じがした。灰島や間野とはまず見に来ることはないだろうなって場所だ。

夜景がきれいなことには変わりない。

「寒くない?」

「うん、平気」

もうちょっと夜景がよく見えそうな場所へ移動する。

「きれいだね」

「よかった」

夜景に照らされる司は、きれいだ。何故俺を連れてきてくれたのかはわからないけど。司のお似合いの女の子とくれば、それこそドラマのワンシーンみたいになるだろうに。

司がしばらくして、あたりを見回してから口を開いた。

「俊貴、あのさ……」

「ん?」

「あの、さ……」

司が、言いよどむなんて珍しい。

すると突然。

わしゃわしゃわしゃ。

いつものように髪をわしゃわしゃされた。

「な、なんだよ、もう」

いや、いいけど。笑ってしまう。司も笑っている。

それからしばらく話していたけど、ケーブルカーの終電に乗って帰った。

そこから更に電車に揺られ、最寄り駅まで帰ってきた。

「俊貴、何食べたい?」

「俺?」

俺が決めていいのかと小首をかしげる。

「いや! 俊貴は食べないよ!」

「いや、わかってるよ。俺が決めていいのかってことで」

今日の司、ちょっとおかしくて新鮮だな。

「誕生日じゃん」

「んー、牛丼」

それから牛丼を食べて帰った。

家に帰ると、司から丁寧にラッピングされた小さな細長い箱を渡された。

開けてみると、俺が司の誕生日にあげたシャープペンシルの色違いだった。司にあげたのが白、前回自分用に買ったのが青、そして今司にもらったのが緑。

「あのさ、前もらったの、すごく良かったから」

「ありがとう、すごく嬉しい」

司からのプレゼントなら特別嬉しい。一生大切にする。

それから俺の筆箱には、色違いのシャープペンシルが二本入ることになった。



冬休みは帰省せず、クリスマスと新年も司と過ごした。本当にこんなに一緒に、いられていいのかな。

「今年もよろしくね」

テレビを見ながら年を越して、そう言われた。

「こちらこそ、今年もよろしく」

元日は、買っておいた伊達巻や煮豆、実家でついた餅を送ってもらったのを焼いたりした。

「やっぱり俊貴の家の餅が一番美味しい」

「そう?」

「うん、うちサラリーマンだからさ、こんな美味しいの食べたことなかったもん」

「そっか」

高校生のとき、うちに遊びに来た司に、餅を出したらえらく褒めちぎるので、特に祖母と母親が喜んで、大量に持たせて帰らせたのだった。

司のリュックサックは餅でぱんぱんになっていたな。

こんな日々が、この先もずっと続きますようにと祈らずにはいられない。



冬休みが終わり、後期のレポートと試験に追われ、それが終わると春休みだ。

実家に帰ると、玄関を開けるなりゴン太が俺を盛大に迎えてくれた。

べろべろと顔中を舐め回され、飛びつかれ、遊んでくれ遊んでくれとせがまれる。

はあ、たまらない。

久しぶりのゴン太を堪能する。はあ、ゴン太。この臭い。手触り。たまらない。俺の服は、途端に毛まみれになった。

「おお、ゴン太、今日も最高だね」

ゴン太をわしゃわしゃする。

ゴン太をわしゃわしゃわしゃわしゃしていると、母親が現れた。

「よかったわね、ゴン太に忘れられてなくて」

「俺のこと忘れないよな、ゴン太はな」

遊んで、動画撮って、写真を撮った。

三日前から先に帰省している司から、愛犬シロウの写真や動画を送ってもらった。そこに司の手や顔が少しだけ映り込んでいてにやっとしてしまった。俺もお返しに、かわいいゴン太の写真や動画を送りつけた。慣れない自撮りにところどころ俺が写り込んでしまうが仕方ない。

すぐに、めっちゃかわいいね、と返信が来た。



春休みが終わり、大学二年生になった。

五月入ってすぐの今日は、司の二十歳の誕生日だ。ささやかながら、誕生日をすることになり、街に出ていた。ゴールデンウィークかつ陽気も良いので人出が多い。

しかし、司と歩くと、人の視線を痛いくらいに感じる。司を見たあとに、ちらりと俺を見る視線も。

「司、何食べたい?」

「焼肉食べたい」

「じゃあ、そうしよ」

焼肉食べて、ちょっと多めに頼みすぎたけど、二人で笑いながらもう食べられないってくらい食べたのに、帰りにケーキ屋さんの前を通ったらケーキも買おうかってなって、家で食べた。

「高い紅茶って美味しいのかな」

ケーキ屋さんで調子に乗って一緒に買った高級茶葉を、書かれている手順通りに淹れた。

「わ、わからない……」

正直馬鹿舌の俺にはわからなかった。司は美味しいよ、と喜んでくれた。

誕生日を過ごすのは俺とでよかったのかな。司が俺を優先してくれてるんだったら、嬉しくなって浮かれてしまう。それが友達としてでも。



そして、初めてのアナニー、チクニーからも一年が経った。

初めは絶対に入らないと思っていたペニスを模したディルドも入るようになった。

「んっ、は、あっ、つかさ、あっ、つかさあ…、」

前立腺もめちゃくちゃ気持ちいい。めちゃくちゃにディルドの先端を押し付けて押しつぶして、前後にぐりぐりと掻き出すように動かす。

ぐじゅぐじゅと恥ずかしい音が鳴って、びりびりと全身に甘いしびれが走りる。

「あっ、ひっ、つかさ、やだあ、そこ、だめ、だめっ!」

頭真っ白になって、がくがくする。もう、ペニスしごくより断然気持ちいい。

乳首も今では服で擦れると気持ちよくなってしまうくらいで、電動のおもちゃに舐め回されるそこからは、じくじくとした快感が得られた。

乳首から胸の奥へ伝わり、腹の奥がきゅんとする。男には子宮なんかないのに。

「あっ、つかさ、いっちゃう、いっちゃうっ、あ、だめ、は、あっ……!!」

違う種類の快感がかけ合わさって、俺はみっともなく痙攣しながら絶頂を繰り返した。

絶頂に疲れ果てて、今日のオナニーをやめる。変態ソロプレイヤーだな。友人とのルームシェアでよくやるよ。

司は、優しい。司は、かっこいい。それに比べて、俺は変態で、アナニー中毒で。

司に抱いてほしい。抱かれたくてたまらない。俺は友達なのに。



七月のある日、講義が突然休講になったので、いつもより早く家に帰れることになった。通知を見逃していて、当日学校について掲示板を見て初めて知った。

「じゃ、また明日」

灰島と間野に別れを告げた。

「まじ休講うらやまなんですけど」

「また明日」

二人と別れて蒸し暑い中を駅に向かい、電車に乗って二十分、アパートに着く。この時間だと司がいるかもしれない。驚くだろうか。

司はまだいなかった。どうやら俺のほうが今日は早かったらしい。誰もいないし、とドア全開のまま自分の部屋で着替えていると、玄関に鍵をがちゃがちゃと差し込む音がして、司が通話しながら入ってきた。

「……合コンは行かないって言っただろ。だから、好きな子いるから。うん、行かないって。じゃ」

通話を終えると、大きなため息とともに司はリビングを通過した。司の部屋のドアがぱたんと閉まる音がした。俺には気が付かなかったらしい。

司、好きな子がいるのか。

俺は固まっていた。

なぜだか、このままずっと司は彼女なんか作らなくて、恋人にはなれなくても、ずっとルームシェアして、社会人になって、って、そんな都合のいい未来を漠然と思い描いていたのかもしれないことに思い至る。

今まで司に彼女がいなかったのは、たまたま。そんな当たり前のことを見ないようにしていた。

しばらくすると、自分の部屋から出た司が米を研ぐ音がしてきた。今日は肉野菜炒め目玉焼き乗せだって司が言ってた。

部屋を出てキッチンに行く。

司に好きな子がいるなんて当たり前のことだ。

俺は応援しなきゃ。友達なんだから。

「司、おかえり」

「えっ! 俊貴、帰ってたの!?」

司がびっくりしてる。

「うん、休講になって」

「へえ……」

「俺も一緒にやる。人参剥いていい?」

「……うん、お願い」

司が困ったような顔をしている。さっきの通話、聞かれたくなかったのかな。

ルームシェア解消しようって思ってるのかな。

彼女ができたら、俺って邪魔なんじゃないかな。俺がいたら彼女を家に呼びにくいよな。

それに、彼女と同棲なんてことになるかもしれない。

俺、邪魔者じゃん。司は知らないけど、こそこそ司の名前を呼びながらアナニーしてる同居人なんていないほうがいいもんな。

「……司って、好きな子いるんだ」

「えっ!?」

「ごめん、さっき話してるの聞こえちゃって」

「あれは、違うからね。広岡がしつこくて、あっ、友達なんだけど。断る方便だから」

「ふーん。怪しいな」

いつもより少し早口だ。そんなに全力で否定するところがますます怪しい。

「ほんとうに違うから!」

「わかった、わかった」

普通の友達みたいに笑ってみせたけど、引きつっている自覚がある。

司、本当に好きな子がいるんだ。



数日して、リビングで二人でバラエティ番組を見ていると、司に電話がかかってきた。

「もしもし」

電話の向こうから元気な女の子の声が漏れてる。

「ああ、土曜日? いいよ、大丈夫、変わる。うん。いやいや、じゃあ」

こころなしか、いつもより優しい顔に優しい声、な気がする。

司は、この子のことが好きなのか?

「バイトの子?」

気付けば詮索するようなことを聞いていた。

「うん、そう。土曜のシフト変わってほしいって」

「ふうん」

この子かはわからない。

でも、高校までならいざしらず、無数の俺の知らない女の子の知り合いが司にはいるわけだよ。無数の彼女候補が。

大学の子にバイト先の子。

司ならすぐに彼女ができる。高校の頃も何故か彼女がいなかった。あんなにきゃあきゃあ言われていたのに。

司が告白さえすれば、すぐにその片想い相手も、うんというはずだ。

俺は彼女ができたら応援しないといけないんだ。苦しい。

ついこの間、司の誕生日を二人で楽しく過ごしたのがもう随分遠く感じる。浮かれていたのが馬鹿みたいだ。



司には他に好きな人がいるのに。思いと劣情は募るばかりだ。

司も片想いなんだな。不思議だな、司くらいいい男でも片想いするんだな。

「つかさあ、つか、さ」

じゅぶじゅぶと音を立てて下品にアナニーにふける。

化け物だ、俺は。悲しいアナニー狂いの化け物。

俺の片想いは、もう限界かもしれない。



そういえば最近、髪の毛をわしゃわしゃされてない。

とうとう飽きちゃったのかな。

それに、帰りが遅いことも増えた。

ついに、彼女ができたのかもしれない。



深夜、玄関の開く音がして、見に行くと、司がリビングのラグの上に転がっていた。常夜灯のついているだけの室内は暗い。

酒臭い。

今日は、バイト先の新人歓迎会だって言っていた。羽目をはずすなんて司らしくない。二十歳成り立てで自分の酒量がわかっていないのだろうか。

「司、大丈夫?」

「ん……だいじょうぶ」

しどけない様子に、思わずどきりとする。

しゃがんで肩を揺すり、声をかけると、とろんとした目でこちらを見た。

意識があってよかった。いつもと違う、甘えているみたいな声。

「水飲む?」

すると、酔っぱらいの腕が俺の首に回されて、力強く引き寄せられた。

「こら、ふざけてないで」

口が、口でふさがれた。

「!!?」

舌を差し入れられ、熱く絡ませてくる。

「んぐっ、うっ、ちょ!」

だ、誰と勘違いしてるんだ!

心臓が爆発しそうだ。なんとか腕を突っ張って、頭を持ち上げ唇をはなす。

「かわいい、好き、大好き」

再びぐいっと引き寄せられてキスされる。

なんだよ、ほんとに誰と間違えてんの!? 人の気も知らないで!

「んっ、はっ」

やっぱり司が好きなんだ、俺は。

キスされて、好きと言われて、胸の高鳴りを抑えられない。

酔っぱらいが人違いをしての言動とわかっていながら。

キスしながら背中を撫で回され、尻を揉まれた。

「んっ!!」

いや、もう、それはだめだろう!

というか、気付け。俺は間違っても女の子じゃない。女の子の柔らかさも丸みもない。

というか、股間が。司の股間があたってる。硬い。

俺のも立ってきてしまった。腰を浮かそうにも、尻を押さえつけるように揉み込まれて動けない。

しかもキスで思考回路がふにゃふにゃにされている。

だめだって、こんなの、だめだって!

唇を食まれ、舌を吸われ、歯列をなぞられ、口内を舌で愛撫される。

やばい、こんなの。

本当に誰と勘違いしてるんだろう。

「甘いね」

「んっ、あ、つ、かさ、俺だってば」

「好きだ、好き、好き……」

今度は首筋を舐め上げられ、甘噛された。歯が皮膚に食い込み、舌が筋をなぞり、吸い付かれる。

「ひっ! んあっ……!!」

ちょっと痛い歯の感触、ぬるりと温かい舌の感触にぞくぞくと快感が走る。首って性感帯なのか!?

「すきだ」

「やっ、あっ!」

思わぬ片想い相手からのキスにアナニーに慣れきった後ろが、いけないとわかっていてうずく。

酔ってるから、俺の貧相ではあるが男そのものの真っ平らな胸とか張り詰めてしまっているる股間は気づかないのだろうか。

「すごい、きもちいい……」

スウェットをまくり、更に下の肌着の中に素肌に司の手が無遠慮に入ってくる。

背中から尻からを大きな手がまさぐる。

「司、ばか! 起きて! んっ!」

抗議はキスで封じられた。

逃げる舌を追われ、くちゅくちゅと音を立てて吸われ、貪られる。熱い粘膜同士を絡ませると否が応でも快感となった。

頭の芯がぼうっとして、じわじわと溜まっていくもどかしい甘い疼きに内ももをすり合わせる。

「んっ、はっ、んんっ!」

やばい、ほんとやばい。この酔っぱらい!

今後、酒は飲まないように絶対に言う!

誰と勘違いしてるんだよ! 俺じゃなかったら犯罪だぞ。俺でも駄目だぞ。

唇が解放される。

「だいすき」

ああもう、俺に言ってるんじゃないのにどきりとして、ぞくりとしてしまう。司からこうまで熱っぽく大好きと言われている、見も知らぬ女の子が羨ましくてしかたない。

「司、だめだって! もう、起きなってば!」

「やだ。離さない」

「司!」

ぎゅうっと力強く、体がきしむほど抱きしめられる。

「うっ、あ」

「……いいにおいする」

苦しい。それに、俺からいいにおいなんてするわけないだろ。酔っぱらいの五感なんていい加減なんだな。

ふっと、力のこもっていた司の両腕から力が抜けた。

いきなりなんだと、自由になった体を起こしてみれば、なんのことはない。酔っ払いは気持ちよさそうに眠っていた。

「はあ……なんだよ……」

盛大に息をついた。

もう、その場から起こすのは諦めた。

司の部屋から引っ張ってきて布団だけは掛けてやる。

誰だよ。司の好きな子って。こんなに好き好き言われて。

ああ、もう。

司って、むっつりなのかな。オナニーだってしなそうな顔して。俺たちはそういう話は一切しないから知らない。

キスされた。尻を揉まれた。硬い股間の感触。

どうしろっていうんだよ。

その日、司が熟睡しているのをいいことにめちゃくちゃオナニーした。誰かに向けられた司の、大好き、をオカズに。

空しいのに、いや、空しいからか、オナニーは捗った。しかし、何度絶頂しても満足することはできなかった。



翌日、起きた司から、布団を掛けたお礼を言われた。

「ごめん、俺、昨日すごい酔っちゃって」

「……司、絶対もう外でお酒飲まないほうがいいよ」

「えっ、ごめん、俺、なんかした!?」

司が、焦っている。なんかした。そう、そのとおり。でも、そのまま伝えることはできない。

「いや、なんか正体不明っていうか、危ないから」

「……そっか、ごめん」

「……うん」

それからなんだか、もう普通に接することができなくなってしまった。



ぎくしゃくしだして一週間。

よく眠れないし食べられないのに、オナニーばかりしてしまう。もう、無理だ。いよいよ限界だ。ルームシェア、やめよう。もう心も体も保たない。

「俊貴、大丈夫?」

司は心配してくれるけど、その優しささえ辛い。講義も上の空で、灰島と間野にも心配掛けている。バイトもミス連発で注意された。

俺は、それでもぐずぐずと悩みながら、キスされて二週間後、ようやく司に切り出せた。

部屋には西日が差している。

「……あのさ、俺たち……ルームシェア、解消、しよう」

つっかえつっかえ、どうにか言い切った。

「どうしたの、急に。俺、やっぱり、なんかした?」

したと言えばした。十分すぎるほど。

「いや、ほら、司もさ、俺と住んでたら、女の子呼べないでしょ」

「女の子? なんで二人の家に女の子呼ぶの?」

言い回しが気を持たせるっていうか。全くそんなつもりないんだろうけど。

「いや、ほら、いるでしょ、好きな子」

「……」

司が、難しい顔をする。そういう顔まで格好いいんだな。

「俺、部屋探してるからさ、司も探して」

一人で住むには家賃が高すぎる。

座卓から立ち上がろうとする、俺の手を司が掴んだ。

「ねえ、俺の何が嫌だった? 直すからそんなこと言わないでよ」

酒癖は直したほうがいいと思うけど。他に直してほしいところなんてない。

「無いよ、直してほしいところなんて」

「……俊貴、好きな子、できたの?」

「……」

ずっとずっと、俺は司だけが好きだよ。それが、もう耐えられなくなっただけ。体も心も、手に入らないものを。

この前の、あれで、何かの間違いでキスしてしまったから。本当に好きな子がいるって思い知らされたから。

もう、どうにかなってしまいそうだ。

「……もう、辛い」

じわりと涙がにじむ。泣いたらいけないとこらえる。

「……俺のこと、嫌いになった?」

首を横に振る。

「やっぱり、俺、何かした?」

また首を横に振る。

「ねえ、言ってくれなきゃわからないよ。最近体調悪そうだし、どうしちゃったの?」

それは、司が好きだからだ。言えない。

「俊貴、俊貴が辛いと俺も辛いよ」

ぎゅっと司の手に力がこもる。

「俺に、言えないこと?」

こくりとうなずく。喉がつっかえたみたいに、声が出なかった。

「俊貴」

司が困っている。困らせたいわけじゃないのに。

「俺が、気持ち悪い?」

あまりに意外なことを聞かれた。

ぶんぶんと首を横に振った。

「そっか……じゃあ、俊貴、どうして?」

「……」

言わないでは手を離さないという強い意思を感じる。

「……司、好きな子いるん、でしょ」

「……」

「告、白、したの? しなよ」

上手く声が出ない。

「どうして?」

また、司が難しい顔をする。

「だって、だっ、て……」

だめなのに。涙がこぼれてしまった。一粒こぼれたらもう止まらなかった。司が立ちあがって、俺のことを抱きしめた。

「つ、か、さ」

何が起きているのかわからなかった。あの日みたいにきつく抱きしめられている。

「俊貴」

俺の耳元で司の声がする。



「……俺が好きなのは、俊貴だよ。ずっと俊貴だけだよ」




終わり


初出:2021/05/02
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