詠み人知らず、言わずと知れて。

立花伊作

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これだけは誰にも負けない

まだやりたいことがあるから

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毎日喧嘩に明け暮れている
高校生の集まり。


それが僕たち。


噂では強面揃いで喧嘩が強く、
とある組長を病院送りにして
その組を潰したとか。


道行くヤンキー共にも一目置かれていて、
裏の顔が効くとか。


カリスマ性のあるトップと、
二面性のあるナンバー2、
豊かな知性を持つナンバー3。


三人とも喧嘩は桁違いに強い。


子分を数えるには指が足りないくらいだ。


喧嘩っ早くて、騒がしくて、
危なっかしい奴ら。


それでもするのは喧嘩だけ。


薬物なんかに手を出さないし、
カツアゲなんてダサい真似もしない。


むしろそういう奴らに喧嘩売って
殴り倒していくような野郎どもなんだ。


その分危険がつきもので、
失うものがないやつらだから
出来ることだ。


暴れたい盛りの野郎どもには、
それくらいがちょうどいいのさ。



一人たそがれているトップに、
ナンバー2が駆け寄った。


「トップ、矢橋がやめるらしいです。
    彼女出来たからって。」

「そうか、分かった。」

「…大切なもの、トップは持ちたいですか?」

「んー…どうだろうな。」

「彼女とか兄弟とかいると、
   そこに付け込まれるじゃないですか。
   この集まり、
   僕たちは普通にやってますけど、
   それって、
   守らないといけないものとか、
   大切にしたいものとか、
   そういうのがないから
   自分のことだけ考えて
   自分の身だけ守ってればいいから
   ってことで…。」

「要は、弱点ができるということ。」

「わぁ!?な、なんだ…ナンバー3か…。」

「珍しくしんみりしてるじゃないですか。  
    いつもの阿呆らしさは
   どこに行ったんです。」

「ナンバー3、お前はどうだ?
   大切なもの、欲しいか?」

「………。要らないですね。
   と言うか不要です。
   わざわざ弱点を作って
   自ら弱くなるなんて。」

「…だろうな。
   お前はそういうと思ってた。」

「トップはどうなんですか。」

「分かんねぇなぁ…。
   そういう立場になってみねぇと。」

「でも、
   トップはトップのままで
   居てくださいね。
   僕たちの憧れのトップのままで。」

「ナンバー2、お前はどうなんだ?」

「え、僕、は…
   あまり作りたいとは思いません。
   もっと強くなりたいので。」

「そうか…。」


しばらくシンとした後、
ナンバー3が口を開けた。


「ほら、
   さっさと隣の北高シめに行きますよ。
   あいつら最近調子乗って
   カツアゲとかやってるらしいので。」

「おう、そうだな。」

「一発かましたるか!!」


トップは腰を上げて腕をならした。




まだ終わらない。

終わらせない。


僕らは、強くなる。



「行くぞ。」

「「はい!!」」
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感想 1

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