詠み人知らず、言わずと知れて。

立花伊作

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帰巣本能

帰りたい場所

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僕にも、出来たよ。


帰る場所が。




何があっても、どこにいても、
必ず待っていてくれる仲間がいる。



僕が必要だと言ってくれる、
僕と居たいと言ってくれる、
そんな仲間がいる。



ただ一緒にいるだけで楽しいと思える仲間。


ただ話しているだけで嬉しいと思える仲間。


僕には、そんな大切な仲間が居る。



だけど僕は、
感動を素直に言えない質だから、
つい毒を吐いてしまうこともある。


照れくさくて、
誤魔化してしまうこともある。


でも、本当は嬉しいんだ。



君たちと居られることが。



僕はずっと不安定だったから。


今は驚くほど安定している。




ありがとう。




殴り合うような悪ふざけも、
案外嫌いではなかったりする。


ちょっとした悪ふざけの言葉も、
まんざらじゃなかったりする。


変な意味ではなくて、
それくらい許せる仲なんだと思えるから。



そして、君たちは必ず言ってくれるから。




「お前がいないとつまらないだろ」




って______________…。





僕はそれが嬉しくて、

その言葉を聞きたくて、

気を引きたくて、


つい、その場から
距離を取ってしまおうとする。




気づいて、呼び止めて欲しいから。




「おい、どこいくんだよ」



って、



「早く帰って来いよ」



って、



言って欲しいから。




「おかえり」

 


そう言ってもらえることが嬉しくて、
僕にも、居場所が出来たんだと実感出来る。




「ただいま」




僕はこの大好きな仲間と、

大好きなこの場所で、

大好きなこの時を過ごして行きたい。



「早く行くぞ」


「ほら、行くぞ」


「えー?しょうがないなぁ…」


「はははっ、生意気だぞー」


「こいつ、調子乗りやがってー」


「あはははっ」




素直じゃない僕とでも、
一緒に居てくれる仲間。



本当の気持ちを
知ってくれているかのように笑ってくれる。



時々だけど、僕の欲しい言葉をくれる。




少し乱暴なところがあって、
構って欲しがり屋で、
自分が好きで、
心に小さく悪魔を潜めていて、
よく笑う奴ら。



お互い似ているようで、
似ていないような奴ら。



周りを気遣う優しさもある。



だから、本気の喧嘩はしない。





そんな場所だから、
居心地がいいのかもしれない。



「何やってんだよ、行くぞ」


「おーい」



「…今行くー」



直接伝えるにはまだ
僕にはハードルが高いけど、



いつか、いつかきっと、伝えてみせるよ。




僕に居場所を作ってくれた仲間たちに、
心の底からの感謝と愛を_____…。
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