詠み人知らず、言わずと知れて。

立花伊作

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適度にテキトーに

そんなことを思ってる。

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子供は勝負に勝ちたい時、大人を誘う。

だから、大人は勝負に弱くてもいい。

手は抜かない方がいい。

あくまで本気でやって、
子供のズルを見逃してやるだけでいい。

どうしても、ズルをしてでも勝ちたいのは、
友達とやって勝てたことがないからなのだろう。

子供はズルを見逃してはくれないが、
その点大人は分かっている。

「勝ちたいのだろう」と。

そして、「負けること」に対して、
大人は何ら抵抗はない。

それが、大人というもの。

子供は勝負に勝ちたがる。

けど大人はそうでもない。

もしかしたら、負けたがりかもしれないな。

勝ったあとに負けるのが怖い。

「まぐれだったんだ」

「お前の実力なんかじゃない」

「勝って調子に乗るんじゃない」

そう言われるのが、怖いからだ。

世間の期待、冷たい視線。

その葛藤に揉まれることに対する恐怖。

子供の頃は、勝ちたがりだったかもしれない。

でも、こうして勝負を繰り返していくうちに、負けることにも慣れてしまった。

そうして、悟ったかのように、
こう思うのだ。

「こんなもんだ」と。

自分が騒ぎ立てなければ、平和に終わる。

問題なく、やり過ごせる。

そうやって大人になって、
子供の頃はどんなだったかな、なんて。

今、子供を目の前にして思うのだ。

「わーい!僕の勝ち!」

「悔しいなぁ。」

もうすっかり、言い慣れてしまった台詞。

そんなことを感じるたび、自分はもう子供ではいられないのだと気づく。



泣いている子供は、助けを求めている。

いじめられて泣いている子供は、
大人の微笑みを待っている。

「どうしたの?」

「何があったの?」

「大丈夫?」

そんな言葉が聞きたいわけじゃない。

ただ一緒にいて、体をさすってほしいだけ。

返事をしなくて済む言葉が欲しいだけ。

そんな子供を見ていると、
自分が子供の頃は、どんなことをして欲しかったっけ。

なんて考えて。

それを少しばかり実行してみたりする。

それが正解だとか、誤っているだとか。

そんなことはなくて。

対人関係に、正解なんてないし、
そもそも正解なんて人それぞれで、
無数に存在するものでもある。

その時、その瞬間。

「こうしたい」と思ったこと。

「こうしなければ」と思ったこと。



子供と接していると、
自分がだんだん分かってくる。

それで自己嫌悪に陥ることもあれば、
自信を持つようになったりもする。

自分が支えているようで、
実は、
自分が支えられていることもある。

子供は本当に、面白い。

そんなことを、思ってる。
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