転生をきっかけに今世を謳歌したい！

転生したようです

襲撃2

危ない！！と声は出なかった。
自分が伯爵令嬢であるからとこのような事は想像こそはした事はあるが実際体験するなどもちろん初めてだ。

だが、ユーリは慌てる素振りも見せずただ一瞬だけ私に微笑みかけるようにして、男を見据える。

｢不愉快だな｣

そう言うと突然視界が暗くなる
ユーリに目を覆われてるんだと気づいたと同時に鋭い風が通り抜ける。

｢ひぎゃぁぁぁぁ！！｣
ビュっと風の音と共に襲撃者と思わしき男の断末魔が聞こえた。
瞬間に
｢ぁ……う…ぅっ｣

あまり経験のない鼻につくような鉄臭い匂いに思わず噎せそうになる

｢場所を移動しようか｣と私にそれを見せないように膝下に手を入れ抱き上げてくれるあまりにも突然の出来事に身体が震えた。

抑えきれない嗚咽に溢れる涙

汚してしまうと身体を離そうとユーリの胸を押すがたかが女が男に叶うはずもなく余計に力で押さえつけるようにされた。

｢ごめんね、折角の綺麗な花を汚してしまったようだ｣

それはこの花々のことを言っているのか、
それとも私に対する独り言なのかはわからないただ、暖かい温もりと衝撃的すぎる出来事に私の頭の形容を超えた

少し眠るといいよ

その声とともに私は意識をこの温もりの底へと沈めた。





｢殿下！！｣
異変に気づいた伯爵とアラン、そして数名の護衛騎士達がこちらに駆け寄ってきた

｢っ、兄上、ユリアは！！｣
ユーリにお姫様抱っこされたユリアを見てアランは更にスピードを早めた

｢大丈夫だよ、僕も彼女も怪我はない。｣

それは良かったと言うべきではあろうが、年端の行かない女の子にあまりにも惨すぎる出来事を見せてしまったことを悔いるべきかは今の状況からは判断出来ない。

｢殿下、娘をこちらへ｣
父親としての顔でユーリに歩み寄るケヨン、先ほどまでとは違った状況にユーリは素直にユリアをケヨンへと渡す

騎士のうちの1人、その豪華な鎧からは威厳が溢れ出てる。
その1人が騎士達に指示をだす

｢事態の収集をする、殿下と陛下たちの元へ行くものと他に仲間がいないかを調べるものと分ける｣

｢そうだね、向かってきたのは1人だが、周りの護衛たちの姿も確認出来なかった。1人で屈強な彼らを殺れるとは考えられない。周囲を警戒してくれ。｣

それはまさに王太子の顔だった。

｢首謀者を絶対に逃すな。引っ捕えて私と陛下の前に連れてこいっ！！！｣

一人称まで変わり雰囲気はまるで氷のような彼。

騎士たちは顔を厳しくし
礼と共に声を揃え返事をした

｢いけっ！｣

バッと当たりにちった騎士達を確認するとケヨンやアランそして先ほどの指示をだした男に

｢陛下の元へいく｣

そう言って歩き出した
彼の後ろには付き添う臣下たちが警戒しながら国王の元へと急いだ


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