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婚約するようです
王命
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ユーリの後ろを歩き、向かうは父と陛下がいる謁見の間だ
ーーそろそろ伯爵との話し合いも落ち着いた頃かな
というユーリの言葉から謁見の間に移動する事になった
私としてはあれ以上あの話をしたくなかったし、ユーリが見逃し?てくれるならそれに甘えよっと
そう思うとユーリの性格を疑った私も案外性格悪いのかな…と考えて顔を百面相している前でユーリがほくそ笑んでいるのを私は知る由もない
しばらく歩くと豪華な扉が目にはいる
「父上と伯爵は?」
ユーリは控えていた兵士に聞くと
中にいますと答えた
取り次ぎをしてもらうとすぐに中に通してくれて、私はユーリの後ろをまた歩く
「…」
無言で父と目が合うと、なぜか可哀想なモノを見る目で何かを訴え掛けていた…
何があったの父さま…
「ユーリか…丁度こっちも話しが終わったところだ」
「父上、こちらも一部を除き終わりました」
一部…と彼が言った時丁度目があってにこりと微笑まれる…ゾクッと身体が震えた
「はぁ…」
父さま…すごい大きなため息してる
そんなにも話し合いの内容が深刻だったのかな…
犯人は結局解らずじまいだし…仕方ないよね
「さてと、ユリア嬢」
「は、はい!」
噛んだ…しかもユーリの肩震えてるし
笑ってるよね、あれ笑ってますよね
「そう緊張するな、…ユーリからは大体の話しは聞いたな?」
というと…もしかしなくても犯人のこと…だよね
「はい…残念ながら手がかりすら見つからなかったとお聞きしました」
「…うむ、我が国の兵士ながら情けないな…」
「陛下、今回のことは誰も予想だにしないモノでした、そのように自国の兵を責めては彼らが可哀想ですよ」
陛下が申し訳なさそうな顔をすると父がすかさずフォローを入れた
「…はぁ、この話はもうよそう。ユリア嬢」
「はい」
「今から、私…いや、俺は君にユーリとして話したいことがある」
そう言うと陛下は席を立ち階段を降りて私の目の前にきた
「すまなかったな」
私の目を見て彼はその頭を下げた
「へ、へいか!?頭をお上げください!」
例え前置きでユーリの父として話があると言われ頭を下げられても、それでも彼はこの国の最高権力者である
私に頭を下げられてもどう反応すれば良いか解らない。
「ユリア、今陛下は王としてではなく父として頭を下げているのだ。それを無下にすることこそ人として無礼だぞ」
そう言ったのは父であり、頭を未だに下げる陛下に返事をしろと目で訴え掛けてきた
「…今回のことは先ほど父が仰られた様に不可効力でした。なので陛下にもユー…殿下にも責任はございません」
「しかし…っ」
「もし、それでも私に申し訳ないと思われるのであれば、どうか狙われた殿下の父として、また王として犯人を突き止めてください」
そう言うとかれは頭を上げ驚いた目でそして次にはにこりと笑って、あぁと言った
「ほんとに、君は賢い子なのだな」
頭を撫でてくれたその手はとても暖かく父さまに撫でてもらってるのかと錯覚しそうになる
「父上、それ以上女性に触られると母上に言いつけますよ」
ーー俺にまでその独占欲働かせる必要はないだろう
ーー彼女に触れて良いのは僕だけです
頭を撫でられてるせいで彼らの目だけでの会話は知るよしもない
それより、いつまで陛下は私の頭撫でてるのかな…
「おい、ルーズ。良い加減その汚い手を私の娘からどけろ」
それが父から出た言葉と理解するのにしばらく時間がかかった
「…ぇ…父さま?」
「お前まで俺をそんな扱いするのか、ケヨン」
「そこの王太子と違って、俺にはユリアの父親という揺るがない立ち位置があるからな」
「何をいう、これからは俺だって彼女の父親としての立ち位置だぞ」
え、今聞き逃しならない事が聞こえたような
「はっ!そんなの認めないと先ほどからいってるだろう!!」
「認めたくなくても、国王からの命令だぞ?臣下はそれに逆らうのか?」
「職権乱用はやめていただきたい!臣下として、主君の独裁権力は意見せねばと思ってのこと!」
「くどいっ!なんと言われようとユリアナはユーリの婚約者になってもらうぞ」
言ったよね!?いま、陛下完全に婚約者とか言いましたよね!?
「父上も伯爵もそこまでにしてください、彼女が困ってますよ」
あなたは楽しそうね!?いまあなた、素晴らしいほどの笑みを浮かべてるわよ!?
「ユリアにまだ婚約など早すぎる!父親として拒否する!それに、ユリア自身も認めてなどいないであろう!」
父さま、その調子よ!!そのまま婚約なんて流してください!
「はぁ…なら彼女自身が認めたら伯爵は認めてくれるのですね?」
「あぁ、いいだろう」
これは、婚約しなくていいのでは?
だって私が認めなきゃいいのでしょ?
楽勝よ!
「ユリア」
私に向きなおるユーリ
「はい、なんでしょう」
ふふんとそれは挑発する目で彼の目を見る
「まず、巻き込んだことに今いちど謝ろう、ほんとにすまなかった」
「ちょ、だからその話はもういいと…」
「いや一度や二度謝るだけで収まる話ではないだろう?…それにあの時僕は君に嫌われたくなくてつい弱音を吐いてしまった(これからも一緒にいてほしい…とね)…」
「…あれ(衝撃的だったし)は仕方ないことだと思います...」
「なら、これからも僕を嫌わないでずっと一緒にいてくれるかい?」
やっぱり、まだあの事から立ち直れてないのよね…なら、私がいうことなんてひとつよ
「そんなの当たり前です!私はユーリのそばにずっとおります!」
そう言った時のユーリの顔は絶対に忘れることなどないだろう。
「うん、その言葉忘れないでね?」
「ユリアっ!!」
父の悲痛を思わせる叫びが聞こえた
え?私なんか変なこと言った…かな?
「ケヨン、諦めろ。おまえの…いや、親娘の負けだ」
そして、陛下も父の肩に手を置くとユーリによくやったと言わんばかりに笑いかけた
「…え?」
待って、話についていけないよ…え、…え?
「ユリア、僕の想いに応えてくれてありがとう」
にこにこと言いながらユーリは私の腕を掴み引っ張ってきた、急な行動に逆らえるはずもなく彼の腕の中に倒れこむ
「ちょ、ま…ユーリ!?」
ーー本当に、君は可愛らしいね
耳元で言われたその言葉に身体が反応して震える
ーーこれで君は晴れて僕の婚約者だ。絶対に離してなんかあげないから
耳元で話されるとゾワゾワとして落ち着かない!それに、なんで?いつ私が婚約を受け入れ……
その瞬間、先ほどの彼とのやりとりが頭に再現された
「なら、これからも僕を嫌わないでずっと一緒にいてくれるかい?」
「そんなの当たり前です!私はユーリのそばにずっとおります!」
は、はかられたっっ!!!
「まっ、ちょ…はなしがちがっ」
「君は言ったよね?陛下の前で僕とずっと一緒にいると、まさか嘘だったの?」
クスクスと笑いながら彼は私の肩に顎を乗せて抱きしめたまま私の髪をくるくると指に絡め遊び始めた
「そ、そんな…わけでは…」
「なら認めるよね?」
「いや、でも…「認めるよね?」」
クスリと笑みをさらに深め彼はもう一度
「みとめるよね?」
「…ハイ」
ああああああと父の叫びが謁見の間に広がる
父よ私も叫びたい……
なぜ私はここに来る途中彼の性格を見直そうとしたのだろうか…この人は…いや王太子はまぎれもない悪魔だ…
ともかく叫べるならこう叫ぼう
ーーこの腹黒王子っっっ!!…と
ーーーーーーーーーーーー
ありがとうございました!
父も父なら子も子もとこちらも同様、ユリアも見事にフラグを回収しましたね笑
それでは!また次回にお会いしましょう!
感想お待ちしてます(*´-`)
ーーそろそろ伯爵との話し合いも落ち着いた頃かな
というユーリの言葉から謁見の間に移動する事になった
私としてはあれ以上あの話をしたくなかったし、ユーリが見逃し?てくれるならそれに甘えよっと
そう思うとユーリの性格を疑った私も案外性格悪いのかな…と考えて顔を百面相している前でユーリがほくそ笑んでいるのを私は知る由もない
しばらく歩くと豪華な扉が目にはいる
「父上と伯爵は?」
ユーリは控えていた兵士に聞くと
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「…」
無言で父と目が合うと、なぜか可哀想なモノを見る目で何かを訴え掛けていた…
何があったの父さま…
「ユーリか…丁度こっちも話しが終わったところだ」
「父上、こちらも一部を除き終わりました」
一部…と彼が言った時丁度目があってにこりと微笑まれる…ゾクッと身体が震えた
「はぁ…」
父さま…すごい大きなため息してる
そんなにも話し合いの内容が深刻だったのかな…
犯人は結局解らずじまいだし…仕方ないよね
「さてと、ユリア嬢」
「は、はい!」
噛んだ…しかもユーリの肩震えてるし
笑ってるよね、あれ笑ってますよね
「そう緊張するな、…ユーリからは大体の話しは聞いたな?」
というと…もしかしなくても犯人のこと…だよね
「はい…残念ながら手がかりすら見つからなかったとお聞きしました」
「…うむ、我が国の兵士ながら情けないな…」
「陛下、今回のことは誰も予想だにしないモノでした、そのように自国の兵を責めては彼らが可哀想ですよ」
陛下が申し訳なさそうな顔をすると父がすかさずフォローを入れた
「…はぁ、この話はもうよそう。ユリア嬢」
「はい」
「今から、私…いや、俺は君にユーリとして話したいことがある」
そう言うと陛下は席を立ち階段を降りて私の目の前にきた
「すまなかったな」
私の目を見て彼はその頭を下げた
「へ、へいか!?頭をお上げください!」
例え前置きでユーリの父として話があると言われ頭を下げられても、それでも彼はこの国の最高権力者である
私に頭を下げられてもどう反応すれば良いか解らない。
「ユリア、今陛下は王としてではなく父として頭を下げているのだ。それを無下にすることこそ人として無礼だぞ」
そう言ったのは父であり、頭を未だに下げる陛下に返事をしろと目で訴え掛けてきた
「…今回のことは先ほど父が仰られた様に不可効力でした。なので陛下にもユー…殿下にも責任はございません」
「しかし…っ」
「もし、それでも私に申し訳ないと思われるのであれば、どうか狙われた殿下の父として、また王として犯人を突き止めてください」
そう言うとかれは頭を上げ驚いた目でそして次にはにこりと笑って、あぁと言った
「ほんとに、君は賢い子なのだな」
頭を撫でてくれたその手はとても暖かく父さまに撫でてもらってるのかと錯覚しそうになる
「父上、それ以上女性に触られると母上に言いつけますよ」
ーー俺にまでその独占欲働かせる必要はないだろう
ーー彼女に触れて良いのは僕だけです
頭を撫でられてるせいで彼らの目だけでの会話は知るよしもない
それより、いつまで陛下は私の頭撫でてるのかな…
「おい、ルーズ。良い加減その汚い手を私の娘からどけろ」
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「…ぇ…父さま?」
「お前まで俺をそんな扱いするのか、ケヨン」
「そこの王太子と違って、俺にはユリアの父親という揺るがない立ち位置があるからな」
「何をいう、これからは俺だって彼女の父親としての立ち位置だぞ」
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「はっ!そんなの認めないと先ほどからいってるだろう!!」
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言ったよね!?いま、陛下完全に婚約者とか言いましたよね!?
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「ユリアっ!!」
父の悲痛を思わせる叫びが聞こえた
え?私なんか変なこと言った…かな?
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そして、陛下も父の肩に手を置くとユーリによくやったと言わんばかりに笑いかけた
「…え?」
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にこにこと言いながらユーリは私の腕を掴み引っ張ってきた、急な行動に逆らえるはずもなく彼の腕の中に倒れこむ
「ちょ、ま…ユーリ!?」
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「そ、そんな…わけでは…」
「なら認めるよね?」
「いや、でも…「認めるよね?」」
クスリと笑みをさらに深め彼はもう一度
「みとめるよね?」
「…ハイ」
ああああああと父の叫びが謁見の間に広がる
父よ私も叫びたい……
なぜ私はここに来る途中彼の性格を見直そうとしたのだろうか…この人は…いや王太子はまぎれもない悪魔だ…
ともかく叫べるならこう叫ぼう
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