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32.次元の狭間
28.お助けNPCはいない方がマシ
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どれだけ全力を尽くしても駄目な程、強烈な雄に蹂躙されたい。
ソユルが持っている、果てしない破滅的願望であり、どうしようもない性癖である。
陽光の女神として力を手にした時に得た衝動である。自身が強くなってしまったがための悩み。
自身より強い相手に会えることが少ないからこそ、出てきた願いだ。
だからこそ、目の前に現れた赤髪の侍に希望を持った。
首元に刃が届きそうになる。
あぁ、死ねる。
そうソユルが思った時、天が光った。
ガキンと刃と刃と合わさる。金属音の余韻を感じながら、現れた存在を視認する。
そこにいたのはヴァルキリー。
目に星を湛える女剣士が刀を弾き、コストイラの首を狙う。
コストイラが背を反らし、剣を躱し、ヴァルキリーの顎を蹴飛ばした。そのまま距離を取り、コストイラはソユルのことを見た。
こいつ殺していいか?
ソユルはそう言っているように感じた。
このヴァルキリーは味方だ。しかし、夢を打ち砕いたものでもある。もう少しで夢がかないそうだった。
とはいえ、私の夢は全力を尽くすことにある。たとえ多数になったとしても、それは私の全力だ。全力だと言えるだろう。
冷や汗を掻きながら、レイピアを構えた。その斜め前でヴァルキリーが剣を構えた。
ソユルは速度と技術を重視するような構え方だ。ヴァルキリーは速度とパワータイプの構え方だ。コストイラはそれを見抜いた上で、刀を構えた。速度、技術、パワー、いずれにも重きを置いた中途半端な構えだ。
コストイラはすべてのことがある程度できる器用貧乏タイプだ。だからこそできる構え方だ。
ヴァルキリーが剣を振るう。上から振り下ろされる刃をコストイラは大きく躱した。剣が床に触れた瞬間、床が爆発した。
「うお!?」
塔の中にいたアシド達が焦りながら、瓦礫を避けていく。
コストイラは落ちないように注意しながら、白翼の戦乙女の顔面を蹴飛ばした。倒れようとするヴァルキリーの肩越しに、ソユルがレイピアを真っ直ぐこちらに向けてやってきているのが見えた。
コストイラは雑に白翼の戦乙女を踏んで、陽光の女神に刺させた。
『な』
陽光の女神が驚いているところなど全く気にせず、壊人は白翼の戦乙女ごと陽光の女神を刺した。
しかし、ソラリスの方は刺さりが弱かったようで、すぐに逃げられた。
『グフ、ゴフ』
少し派手に血を吐きながら、ソユルが後ろに下がる。
『ガフ』
ヴァルキリーがコストイラの手首を掴む。コストイラは眉根を寄せた。ここでこの握力を発揮するのか。この状況で出てきて、何の存在なのか分からないが、完全にソラリス側の存在だ。
だというのに、ソラリスは最初、戸惑っていた。ソラリス自身も知らなかったのだろう。
コストイラにとって、手首を握り潰してこようとしてくるヴァルキリーを、この状態からでも殺すことは可能だ。ソラリスは完全に死にに来ている。全力を出してなお死にたいという意志を感じてしまう。
だから殺す。
だが、このヴァルキリーは殺していいのか?
ヴァルキリーが剣を握り直した。その瞬間、コストイラは腕を巧みに操り、ヴァルキリーは宙を舞った。
『え』
柔だった。目を丸くするヴァルキリーが対応しきり、翼を動かされる前に顔面から叩きつけた。そして、ヴァルキリーの上下半身を別つ。
突貫してくるソユルに全力でぶつかろうとする。胸中に燃えていた炎を体外に放出する。
春の陽気のような暖かな雰囲気が、夏のぎらぎらとした日差しのような雰囲気へと変わっていた。
一瞬、ソユルは気圧された。しかし、それは本当に一瞬の事だった。
きっと目を吊り上げ、レイピアを構えて、突進する。
コストイラはソユルの感知できない程のスピードで肉薄し、ソユルの首を掴んだ。肺の空気が一気に抜け、頸動脈が圧迫され、唾が垂れ流された。
コストイラがサメのような笑みを浮かべ、ソユルの額に刀を差した。
ソユルが持っている、果てしない破滅的願望であり、どうしようもない性癖である。
陽光の女神として力を手にした時に得た衝動である。自身が強くなってしまったがための悩み。
自身より強い相手に会えることが少ないからこそ、出てきた願いだ。
だからこそ、目の前に現れた赤髪の侍に希望を持った。
首元に刃が届きそうになる。
あぁ、死ねる。
そうソユルが思った時、天が光った。
ガキンと刃と刃と合わさる。金属音の余韻を感じながら、現れた存在を視認する。
そこにいたのはヴァルキリー。
目に星を湛える女剣士が刀を弾き、コストイラの首を狙う。
コストイラが背を反らし、剣を躱し、ヴァルキリーの顎を蹴飛ばした。そのまま距離を取り、コストイラはソユルのことを見た。
こいつ殺していいか?
ソユルはそう言っているように感じた。
このヴァルキリーは味方だ。しかし、夢を打ち砕いたものでもある。もう少しで夢がかないそうだった。
とはいえ、私の夢は全力を尽くすことにある。たとえ多数になったとしても、それは私の全力だ。全力だと言えるだろう。
冷や汗を掻きながら、レイピアを構えた。その斜め前でヴァルキリーが剣を構えた。
ソユルは速度と技術を重視するような構え方だ。ヴァルキリーは速度とパワータイプの構え方だ。コストイラはそれを見抜いた上で、刀を構えた。速度、技術、パワー、いずれにも重きを置いた中途半端な構えだ。
コストイラはすべてのことがある程度できる器用貧乏タイプだ。だからこそできる構え方だ。
ヴァルキリーが剣を振るう。上から振り下ろされる刃をコストイラは大きく躱した。剣が床に触れた瞬間、床が爆発した。
「うお!?」
塔の中にいたアシド達が焦りながら、瓦礫を避けていく。
コストイラは落ちないように注意しながら、白翼の戦乙女の顔面を蹴飛ばした。倒れようとするヴァルキリーの肩越しに、ソユルがレイピアを真っ直ぐこちらに向けてやってきているのが見えた。
コストイラは雑に白翼の戦乙女を踏んで、陽光の女神に刺させた。
『な』
陽光の女神が驚いているところなど全く気にせず、壊人は白翼の戦乙女ごと陽光の女神を刺した。
しかし、ソラリスの方は刺さりが弱かったようで、すぐに逃げられた。
『グフ、ゴフ』
少し派手に血を吐きながら、ソユルが後ろに下がる。
『ガフ』
ヴァルキリーがコストイラの手首を掴む。コストイラは眉根を寄せた。ここでこの握力を発揮するのか。この状況で出てきて、何の存在なのか分からないが、完全にソラリス側の存在だ。
だというのに、ソラリスは最初、戸惑っていた。ソラリス自身も知らなかったのだろう。
コストイラにとって、手首を握り潰してこようとしてくるヴァルキリーを、この状態からでも殺すことは可能だ。ソラリスは完全に死にに来ている。全力を出してなお死にたいという意志を感じてしまう。
だから殺す。
だが、このヴァルキリーは殺していいのか?
ヴァルキリーが剣を握り直した。その瞬間、コストイラは腕を巧みに操り、ヴァルキリーは宙を舞った。
『え』
柔だった。目を丸くするヴァルキリーが対応しきり、翼を動かされる前に顔面から叩きつけた。そして、ヴァルキリーの上下半身を別つ。
突貫してくるソユルに全力でぶつかろうとする。胸中に燃えていた炎を体外に放出する。
春の陽気のような暖かな雰囲気が、夏のぎらぎらとした日差しのような雰囲気へと変わっていた。
一瞬、ソユルは気圧された。しかし、それは本当に一瞬の事だった。
きっと目を吊り上げ、レイピアを構えて、突進する。
コストイラはソユルの感知できない程のスピードで肉薄し、ソユルの首を掴んだ。肺の空気が一気に抜け、頸動脈が圧迫され、唾が垂れ流された。
コストイラがサメのような笑みを浮かべ、ソユルの額に刀を差した。
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