メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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33.魔大陸

47.兵強ければ則ち滅ぶ

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 分かる。ある程度の強さを手にした者は、相手の強さをオーラで分かるという。それを実感できるほど相手が強い。

 それだけでヲレスタは嬉しくなってしまう。
 あぁ、オレ達は会うべくしてあったのだ。

「あぁ、良いなぁッ」

 ヲレスタは目を細め、コストイラを見る。コストイラは内心嬉しがりながらも、表情には出さない。

 ヲレスタが拳を固めて構える。
 コストイラは立ちを変えることなく、手だけを刀の柄に添えた。完全にヲルクィトゥの構え方だ。

 横から炎の絨毯がやってくる。

 ヲレスタが弾かれるように拳を繰り出し、拳圧で壁を作って炎を防ぐ。
 コストイラは居合で壁を作り、炎を防いだ。

 拳を伸ばした状態、刀を振るった状態で互いの眼が合う。
 強者にとって、合図などそれで十分。

 ヲレスタが地を爆発させ、一気に距離を詰める。短く打たれる拳にコストイラは刀を合わせる。ヲレスタは短い拳を連打していく。コストイラはそのすべてを刀で撃ち落としていった。

 拳と刀が合わさるたび衝撃波が生み出されている。拳から伝わってくる。あぁ、こいつ、戦闘狂だな。




 ヲレスタはアスタットと似たような人物だ。本人が強すぎて、周りが育ってくれなかったのだ。
 それが原因で、ヲレスタはその騎士団に飽きた。

 ヲレスタが去ってたったの三年で騎士団は壊滅状態となった。

 ヲレスタは騎士団に興味はなかった。それよりも壊滅させた怪物の方に興味があった。
 意気揚々、鼻歌&スキップをしそうなほどのテンションで現場へ走った。もしかしたら鼻歌は歌っていたかもしれない。

 その鼻歌はすぐに止まった。

 つまらなさすぎたのだ。

 胸をウキウキさせながら拳を振るうと、怪物が一撃で爆散した。もっとギリギリの戦いがあると思っていたのに、さっさと終わってしまった。

「つっまんねっ」

 完璧に不完全燃焼となっているヲレスタは拳を鳴らしたり、軽く跳んだりして燃焼させようとする。全然無理だが。

「オイ。分かるぜ。オメェ、強敵求めるタイプだろ」
「アッ?」

 ヲレスタが振り返ると、そこには蒼よりも少し濃い髪の色をした男と、身長3mはある大男がいた。

「何だよっ」
『僕達とともに来ないか? 君が満足するほどの敵を用意しよう』
「何が言いてぇっ」
ろうぜ、テメェ。オレ達が勝ったら付いて来い」

 侍が高速の居合を繰り出してきた。

 ヲレスタはそのタイミングを見計らい、筋肉に力を込める。
 脇腹に吸い込まれた刀は1㎝も入らずに止まった。

「うっそだろ、お前!」
「オレァ拳闘士だぜっ! そんなちんけな刀で斬れるかよっ!」
「オレはこれまでに何人もの拳闘士を斬ってきたんだぜ! これで胴を真っ二つにな!」

 ヲレスタがキスレの顔面を殴る。当たる直前にキスレは後ろに跳んだため、全力を受け付けなかった。
 キスレと入れ替わるように赤黒い魔力が目の前に迫ってきた。伸びている右腕ではもうどうにもできない。曲げている左腕の拳圧で壁を作ろうにも中途半端で終わってしまうだろう。

 よし、喰らおう。

 そもそも拳闘士は剣を砕き、弓矢を弾き、魔術を跳ね返せる存在だ。この魔術だって耐えてみせるさ。

「ぶ」

 ヲレスタが魔術にのみ込まれる。

 二足でしっかりと立っていたにもかかわらず、魔術はそれに引っこ抜かれてしまった。
 ヲレスタは空中で手足をバタつかせながら、背を木にぶつける。そこで行動を止めることなく、すぐさまに立ち上がり、駆けだした。

 大男の前にキスレが立ち塞がった。

「無視すんな」

 べーと舌を出して刀を振るい、ヲレスタの進行を止める。

「テメェも潰すっ!」

 ヲレスタが拳を振るうと、キスレは当たらないように回避しながら、刀を振るった。
 肉体は傷ついていないと言ってもいいほど、綺麗な状態だ。しかし、ここで治らない傷がつけられた。
 左眼が傷つけられた。その傷が圧迫された筋肉によって破裂した。
 何かの覚醒をしようとするヲレスタを見て、叩き潰そうとキスレが力を込めた。しかし、それよりも早くショカンが動く。

 ショカンはヲレスタの顔面を掴むと、真上を向かせる。そのまま地面に叩きつける。
 ヲレスタは首に、腹に、背中に力を入れ、立ち上がろうとする。ただの大男が乗っているだけならばすぐに立ち上がれただろう。

 しかし、ヲレスタを抑えつける大男は重力を操り、地面と挟むことで意識を刈り取ろうとしてくる。
 汗を大量に掻き、首筋に血管を浮かべながら、ヲレスタは笑顔になった。

 これだ。これが欲しかったのだ。

「熱き闘争をっ!」

 ヲレスタは気絶の寸前まで、その目を輝かせた。





「熱き闘争をっ!」

 ヲレスタは左目尻から電撃のようなものをバチリと放った。
 それに対して、コストイラはサメのような笑みを返した。
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