メグルユメ

パラサイト豚ねぎそば

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3.魔法の森

5.鎧蜥蜴の巣

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 最悪に近い状況になった。完全に陽が落ちたのだ。まだ、最悪と呼ばないのは、暗いには暗いが星の灯りがありまだモノが見えるからだ。アストロやアシドは明るめの服や意匠を身に着けているのでこんな中でも見えているが、アレンやコストイラは泥を被り暗くなっているので見えづらくなっていた。



「河、川」



 幽鬼のように歩くコストイラに苛ついたアストロが、エンドローゼから杖をかっぱらい頭を殴る。すぐに杖を返した。エンドローゼは急に杖を奪われ、驚いた顔をしていたが、すぐに返されさらに驚く。今度は離さないようにぎゅっと抱き着く。コストイラは何も文句を言わず、殴られた頭を擦る。



「洞窟だ」



 レイドが指さす先に洞窟があった。ようやく休める場所だ。水場があればさらに良かったが今回はないようだ。



「今回はあそこで休もう。今日は色々ありすぎた」



 未だに泥だらけのコストイラが言っているのを聞くと妙に説得力がある。その疲れ気味の姿は見るに堪えない。中に入ると何かの気配がある。何かが住み着いているのか。



 目を凝らそうと力を入れると、アレンの眼には魔力が集まった。暗い視界がクリアになる。その中に蜥蜴がいた。



 四足歩行でその青い肌を隠すように金属の丸楯を装備していた。他の冒険者から奪ったのか、その姿で生まれてくるのか。



「何かいるな?」



 コストイラはその滑稽な見た目とは裏腹に鋭く気配を感じ、刀を鞘から半分出す。刀が星の灯りを反射して、蜥蜴の目元を照らす。



「魔物か」



 コストイラが発見したのと同時に、今まで沈黙していた蜥蜴の眼が開く。



『グォオオオオオッッ!!』



 シールドリザードは吠えると畳んでいた足を伸ばし、立ち上がる。結構な短足で足まで楯で隠れている。



 蜥蜴はその4本の脚を動かし、突進してくる。シールドリザードの頭の楯とレイドの楯がぶつかり合い、火花を散らす。レイドは背負っていた大剣を手に取り、シールドリザードに叩きつける。左の前足の楯に当たり、大きな火花を散らせる。そして、楯越しに足を折る。



『グオン!』



 シールドリザードはその楯でレイドを押し返すように押し出すが、レイドも楯で応戦する。シキとアシドがシールドリザードの横に回り込む。槍とナイフが蜥蜴の横腹を斬りつけていく。



『グゥウウウ!!』



 血を流しながら距離を取る。



「大剣を使うなんて珍しいな」



「私も活躍したかった」



 コストイラが素直に感想を述べる。そうすると、レイドは少し悲しげに答える。コストイラは一筋の汗を垂らした。



「じ、じゃあ止めは任せたぜ」



「よし任せろ」



 レイドは楯でシールドリザードを殴り、動きを止めると、思い切り大剣を叩きつける。蜥蜴の頭に振り下ろされた大剣は楯に当たる。しかし、威力は生身の頭に伝わり、シールドリザードの頭がひしゃげる。



『ゴ、ア?』



 白眼を剥き、血を垂れ流しながら、よろよろと動く。レイドはもう一度大剣を振り下ろす。鮮血と共に脳漿が散り、顔に少し張り付く。レイドの前に広がる凄惨な情景にエンドローゼは目を剥き、口元を手で覆う。レイドが顔についた血を拭うと、後ろからの衝撃を受けて地面に倒れた。
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